ネプテューヌの保護者的な感じの男   作:煉獄姫

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今回、ちゃんと訓練をかけてるのかな?


怖さと戦う強さ

(はぁ……はぁ、きついわね)

(ああ、さすがにこの数はな)

 

決戦が近いからか、俺はあいつの夢を見る。プルルート、アイリスとは何度も一緒に死にかけた。数えようとするだけで面倒なくらい。

 

(あー、もう相手にするのが面倒だわ、ここは潔く戦士らしく腹でも斬る?)

(なら勝手に死ねバーカ)

 

俺は立ち上がって剣を構える。

 

(俺は科学者だ、そんな精神なんか持ち合わせちゃいねぇよ、無様だろうがなんだろうが生き延びてやるさ、まだまだやりたい事があるんだ)

(屁理屈言って……あーあ、どうしてこんなのに育ったのかしら)

 

そう言って、アイリスも気だるそうに立ち上がり剣を構える。

 

(行くぞ飲んだくれ、絶対に帰るんだ)

(わかってるわ、貴方こそ途中でくたばっても骨は拾わないわよマッドサイエンティスト)

 

そう言って俺たちは敵に向かい駆け出した。

 

◆◆◆

 

トウカはソファに腰掛けた状態で目を覚ます、どうやら少し休むつもりが眠り込んでしまったようだ。

 

「トウカッ!」

 

しばらくソファに座っていると、ユニ達女神候補生がやってきた。その表情は何か決意を固めたみたいだ。

 

「どうした?」

「トウカ、私たちを鍛えて!」

「そうか……ところでまつ毛が頰に付いてるぞ、取ってやるから来い」

「話の腰を折るんじゃないわよ!!」

 

ユニは頰を強引に拭って再びトウカに言った。しかし、決まらなかったことが恥ずかしいのか少し顔が赤い。

 

「鍛えて欲しいとはどういうことだ?」

「あんた、ネプテューヌさんを女神まで育て上げたんでしょう?なら私たちを鍛えてよ、あんたなら出来るんでしょ!?」

「………言っておくが生半可なものじゃないぞ?」

「わかってます、でも………私たち強くなりたいんです!」

 

ネプギアの目を見た瞬間、トウカはある少女の目を思い出した。昔、同じ目をした少女の事をトウカはよく覚えている。

 

「あの姉あってこの妹あり………か」

「えっ?」

「言っておくがやるからには生半可なことはしないぞ、しかも時間は今日しかない、かなりの詰め込み作業になる。かなり厳しくするぞ?」

「望むところよ!」

「お願いします!」

「お姉ちゃんを助けるためだもの!頑張るわ!」

「痛いの、我慢する!」

 

これは何を言っても諦めそうにない、そう感じたトウカはユニ達の提案を受け入れた。

 

「だが、一つだけ約束してほしい。アイリスの相手は俺に任せてくれ、頼む」

 

四人はトウカの思いを受け取ったのか何も言わずに頷いた。

 

◆◆◆

 

「ユニ様ラム様ロム様、お迎えの方が………」

 

アイエフが部屋に入ると、そこではベールが仮想現実を作ることができるゲーム機でトウカがネプギアたちを相手にしている光景だった。しかし、ネプギアたちは満身創痍に対しトウカは息一つ切れていない

 

「どうした?こんな事では姉を助けるなど夢のまた夢だぞ」

「そんなこと、わかってるわよ!」

 

ユニの射撃をサイドステップで軽々と躱し、その後連射するも一つとしてかすりもしない。その隙にネプギアがビームソードで真一文字に切り掛かるがトウカは手首を掴んでユニの元へ投げ飛ばした。

 

「狙いが単調だ。今のもわざと自分に惹きつけてネプギアの援護をしたのだろうがバレバレだ」

「今のはいけると思ったんですけど………」

「何やってるのよ」

 

アイエフがトウカ達の元へと駆け寄ってきた。

 

「トウカに特訓してもらってるの!」

「特訓って…………………」

 

トウカに切り掛かり、防がれて腹部を強打されて吹き飛ぶネプギアを見てさすがにアイエフは止めに入った。

 

「幾ら何でも今のは強過ぎるわよ!もう少し手加減してあげないと!」

「敵は手加減などしてくれんぞ、それはお前も良くわかってるだろう?」

「それはそうだけど………だからって!」

「良いんです………アイエフさん」

 

ネプギアは咳をしながらよろよろと立ち上がる。

 

「私たちがトウカに無理を言って頼んだんです………鍛えて欲しいって」

「でも、こんな特訓してたら怪我するわよ!!」

「怪我するなんて知ってたわよ」

 

ユニはトウカに銃を向けながら話す。自分たちの姉だって怪我をしながら強くなってきたのだから、自分たちがいつまでも安全な訓練をしてても仕方がない。

 

「それが分かってるなら立ち上がれ、それとももう辞めるか?」

「止めないって、言ってるでしょ!!」

 

もう一度トウカに向かい射撃するがそれは一つ一つ正確ではない乱射、そんな攻撃が当たるはずもなくトウカはユニに軽々と接近、腹部に拳を放ちうずくまった頭部にかかと落としを食らわせた。

 

「少々の怪我ならコンパが治療してくれる、安心して打ち込んでこい。遠慮などいらん、お前たちの攻撃など痛いどころかくすぐったいくらいだ」

「なら、遠慮なく行きます!ミラージュダンス!」

 

ミラージュダンスを繰り出すネプギアはトウカに向かい一直線、その表情には遠慮も何もない、動きはキレがあり思い切りがあった。しかし

 

「っ!」

 

トウカの睨みに怯んでしまい途中で無意識にブレーキがかかってしまいスピードが落ちてしまう。トウカはその隙を逃さずネプギアの懐に入り込み刃が当たるギリギリのところで頭部に蹴りを放った。ミラージュダンスの勢いが殺しきれず蹴られた衝撃でネプギアは地面でバウンドしながらバーチャルで作られた木に激突する。

 

「っ!」

 

トウカの顔が一瞬揺らぐ、やり過ぎたと思ったのだろう。もう良いと、お前達が傷つく必要はないと言ってやりたい。お前たちはもう十分頑張った、傷ついた。だからもう良いと言ってやりたい、その心を殺し彼は彼女たちに告げる。

 

「俺を怖がっているようでは、いつまで経ってもお前たちの姉には追い付けんぞ。あいつらは勝てなくても、俺を恐れはしなかった」

(恐がってちゃ、だめ………)

 

彼女たちはトウカに恐れず戦った。全力でぶつかり、悔いのない戦いをした。しかし、ネプギア達はトウカを恐れてしまっている。それもそうだ、何故なら自分たちの姉が勝てない相手に自分たちが勝てるわけないと、心の何処かで思ってしまっているのだ。彼女たちからしてみれば女神よりも強い何か、それがトウカという存在だ。

 

「怖いものは怖い、別にそれは構わん。だが時には怖いものに立ち向かわなければならない時がある、それを忘れるな」

「やぁぁぁぁ!」

 

ラムはトウカの正面から杖で殴りつけるが、その攻撃は軽々しく防がれ杖ごと持ち上げられてしまう。

 

「………なるほど、そういう事か」

 

正面から攻撃してきたラムは囮、本当の攻撃は側面から回り込むロム、では無くそれすらも囮だ。

 

「本命はユニの射撃か」

 

持ち上げていたラムをロムにぶつけて背後を向く、しかしそこにはユニではなく意外な人物が立っていた。先ほど投げ飛ばされたネプギアである。

 

「なんだと」

「行きますよトウカ、スラッシュウェーブ!」

 

しかし、スラッシュウェーブは発動しない、不発か?そう思った瞬間トウカは後ろからの気配を察知する。案の定、後ろにはユニが射撃体制に入っていた。もちろん、先ほどの乱射とは違う、きちんと狙いを付けた一撃を構える。ネプギアは演出、つまり彼女も囮だ。

 

「行けぇぇぇぇぇ!」

「惜しいな、あと一歩だ」

「いえ、これで決めます!」

 

先ほどフェイントで注意をそらしてネプギアが全力でトウカに向かい突撃する、しかし、彼女にトウカが避けたユニの射撃が襲う、だが彼女は怯まない。足を止めない、何故なら

 

「ありがとうユニちゃん!」

「ここまでしたんだから絶対決めなさい!」

 

ヒュンッとユニから放たれたビームはネプギアの頬を掠めていく、これらは全て即興で編み出された連携技

 

(怖くない、怖くない!諦めるもんか、絶対に、ここで決める!)

「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

トウカが振り向いた時にはすでに遅い、ネプギアは彼の懐まで潜り込んでいる、もう躱すことは不可能だ。彼女は絶叫を上げながらトウカを真一文字に全力で切り裂いた。

 

「えっ……………」

 

しかし、その刃は彼には届かない、彼の手には木刀が握られておりネプギアの刃を防いでいた。そして……トウカのアッパーが炸裂し、勝負は決した。

 

「ここまでだ」

 

トウカはそう言うと先ほどまでとは打って変わり、いつもの優しい顔つきに戻っていた。

 

「まさか武器を出すことになるとはな、思わなかったよ」

「おっしい!あとちょっとだったのに!」

「残念…………」

 

ラムとロムはとても悔しがっていた。しかし、本当に悔しいのはネプギア自身だろう。

 

「ネプギア………大丈夫?」

「ごめん………届かなかった」

 

泣いている姿を見せたくないのか、必死に目を腕で隠しながら震えた声で話す。

 

「良くやったな、頑張ったぞ」

「でも、一太刀入れることができませんでした」

「咄嗟に木刀で防がなければ確実に入っていた、その木刀もこの有様だ」

 

トウカはネプギアの斬撃を防いだ木刀をみんなに見せた。その木刀は根元から綺麗に折れてしまってもう使えそうにない。

 

「良い一撃だった。流石だなネプギア」

「トウカ…………………」

「特にみんなの連携、そしてユニの射撃センス、いいチームだ」

 

トウカに褒められたことが嬉しいのかラムとロムは飛び跳ねながら喜び、ユニは照れ臭いのかそっぽを向いている。しかし、ネプギアはまだ何が怖いのかわからない。

 

「でも、私……まだ何を怖がってるか……」

「きっとすぐ分かることになる、分かっても……もうお前なら大丈夫だ。恐怖と戦って打ち勝てるさ」

「………はい!」

 

笑顔で返事をするその姿からはもう迷いは消えてしまったようだ。

 

(もうこの子達なら大丈夫だ………)

 

そう思いながらトウカは自分の右腕に付けられた腕輪を見る。普段はあるものの侵食を抑えるために付けているものだが、アイリスとの戦いのためその出力を下げて力を引き出せるようにしてある。その管理はネプテューヌが女神になった時からイストワールがしていたため、先ほどイストワールに頼んでいたのだ。

 

「皆さーん、そろそろお昼にするですよー」

 

この子達ならばきっとネプテューヌ達を助けられる、例え自分がいなくとも。そう確信を得たトウカはコンパたちの元へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分のすべてをかけて、アイリスを倒すという決意の炎を胸に灯しながら




ラムちゃんとロムちゃんの描写があんまりかけてないな………そして5話どころか4話の途中………
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