ネプテューヌの保護者的な感じの男   作:煉獄姫

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中盤ちょっとだけシリアスします。
でも基本的にギャグ路線です


発砲、そして加入

「あら、大罪人に女神秘書と女神様、それから女神候補生が何の用かしら?」

 

俺とネプテューヌ、そしてネプギアはアイリスの病室に来ていた。アイリスは一応女神誘拐に加担した犯罪者、しかもかなりの凶悪犯ということで通常病棟ではない場所にいる。ちなみに、ネプテューヌとネプギアは俺の前に出てアイリスを睨んでいた。

 

「安心しなさい、もう殺そうなんて思ってないわ」

「そんなの信用できないよ」

「私も、あなたは信用できません」

「嫌われたものねぇ………………」

 

そう言ってベッドの中で窓を見ながらタバコに火をつける。

 

「禁煙だぞ」

「あなたにしか迷惑かかってないからいいでしょ」

 

俺に迷惑はかけてもいいのか。というよりネプテューヌ達にも煙がかかるだろう。

 

「体の調子はどうだ?」

「回復力だけはあなたより上よ」

 

俺は眼以外は全て完治しているが、アイリスはもう全ての傷が完治しているようだ。あとは検査待ちというところだろう。

 

「まあ、一生牢屋の中で過ごすことになりそうだけど」

「お前なら簡単に脱獄できるだろう」

「まあね」

 

しかし、こいつを捕らえる気はない。せっかくもう一度会えたのだから、もう出来れば遠く離れたくはない。

 

「二人とも、少しの間だけ二人にさせてくれないか?」

「なっ、なんで!?そんなのダメだよ!」

「そうですよ!危険過ぎます!」

 

やはり聞いてはくれないようだ。どうやって説得しようか

 

「少し大事な話があるんだ」

「大事な話なら私も聞けばいいじゃん!なんで私たちは聞いちゃダメなの!?意味わかんないよ!」

「私たちだってトウカさんの力になりたいんです!だから、だから居させてください!」

 

そして突如、大きな発砲音が聞こえてネプテューヌの頰を掠める。何をしてるんだこいつは………

 

「出て行かないならここで人生から永久退場しなさい」

 

アイリスの手には大口径の拳銃が握られている。恐らく今能力で取り出したのだろうが………病院で、しかも子供にそれをぶっ放すか?

 

「あんた達も女神なら好きな男の頼みごとくらい聞いてあげなさい、そんなことも出来ないような恋心なら………今ここで終わらせてあげるわ」

 

昔から力ずくでことを進めようとするんだから困ったものだこいつには……しかも恋心じゃないだろう

 

「トウカを信じてほんの少し部屋から出て行くか………この世から永久に出て行くか選びなさい、お姉さん気が短いから3秒以内に決めなかったらドタマぶち抜くわよ」

 

1秒だけ数えて3発の弾丸をネプテューヌに向けて発砲し、なんとかネプテューヌはそれを避けた。

 

「2と3が数えられてないよお姉さん!?」

「知らないわねそんな数字……女は1さえ覚えてれば生きていけるのよ」

 

自分が言ってることがめちゃくちゃだと気づかないのかこいつは。

 

「ギアちゃんはどうするの?出て行くのか死ぬのかはっきりしなさい、ハキハキしなさい」

 

完全に怯えてしまっているが、その瞳には一つの決意があるように思える。やめとけ、怖がるなと言ったがこれは怖がってもいいんだ。

 

「わ、私は残ります!絶対出て行きませんから!」

「だめねぇギアちゃん、あなたも退場」

 

躊躇なく放たれた弾丸をなんとか避けたネプギア、その目はもはや泣き出す寸前だ。かなり怖いのだろう。

 

「二人とも、大丈夫だから少しだけ席を外してくれ」

「でも!」

「頼む」

 

俺は二人に頭を下げた。それが予想外だったのか、二人は目を見開いて驚いていたが、しばらくして静かに二人で出て行った。

 

「甘いわねぇ、ああいう子達にはコルトパイソンの弾丸を叩き込んだら早いのに」

「もう叩き込んだ後だろうが………」

 

本当に昔から実力行使でことを進めようとする、本当に昔から変わらないな。

 

「記憶にないわね」

「そうか、バカだから仕方ないな、すまん」

「死ね」

「お前が死ね、そのまま腐れ」

 

そう言う暴言も俺たちにとっては挨拶の様なものだ。はぁ、全く………どれほど時間が経とうと俺たちの関係は変わらないな。

 

「………繁栄したわね、プラネテューヌも」

「昔とは全然違うだろう?ゆっくりと発展させて行ったんだ」

 

今思えば………気の遠くなるほどの時間を生きてきたんだな。俺はネプテューヌやイストワールが居てくれたが、アイリスはずっと一人で………誰一人知り合いがいない中で生きて来たのだ。それは俺よりずっと辛く、寂しいものだっただろう。

 

「ちなみに私は寂しい、とか、そんなことは思ったことないわ」

「そう………なのか?」

「ええ、私は私でそれなりの人生を送ってきたわ」

 

そうは言っても、その目は少し愁いを纏っていた。無理をして嘘をついているのだろうか。

 

「あの子は?」

「相変わらずだな、何も変わらない」

 

教会の地下深くで眠る彼女は、いったいどんな夢を見ているのだろうか。

 

「だが、一つだけ気になる事がある」

「なに?」

「あいつの記録、そして記憶が完全に消えている」

 

その言葉を聞いた瞬間、アイリスは信じられないものを聞いた様に驚きを隠せない。

 

「どういう事よ」

「俺たち以外、あいつを覚えている人間も、記録もすべて消えてしまっているということだ」

「そんな………どうして!?」

「分からん、ある日突然消えてしまった」

 

突如として消えたため、俺も何が起きたか全く分からなかった。イストワールさえ忘れてしまっていたのだ、驚くなと言う方が無理だ。

 

「俺は…………あいつが生きた証すら守ることが出来なかった」

 

もう、泣かないと決めていたのに、こいつの前だからか………涙が止まらない。俺は肝心な時に何も守れない。

 

「あなたのせいじゃないでしょう?」

 

いつの間にか、アイリス…………プルルートはベッドから降りて俺を抱きしめていた。

 

「なぜ消えたのかは分からないけど、私たちは覚えてるんだから………だから、今はそれでいいじゃない」

「でも……………………俺は……」

「私だって一緒よ、何も出来なかった」

 

プルルートの声は、いつもと違って少し震えていた。

 

「辛かったわよね、苦しかったわよね。あなたに一番………辛い役割を押し付けちゃったわよね………」

 

今、プルルートの顔は見えないが………きっと涙を流しているのだろう。

 

「その咎は、私も背負わなきゃいけないのに………あなた一人に全部背負わせちゃったわね………」

 

違うんだ、俺が勝手に背負ったんだ。だから、だからお前は何も悪くないんだ。

 

「ごめんなさい……………ごめんね……カイナ」

 

カイナ、何年振りだろうか、その名前で呼ばれるのは。昔、自分と決別したくて捨てた名前………俺という存在を、ずっと見てくれていたあいつが呼んでた名前……何故、名前を呼ばれてこんなに暖かくなるのだろう。

 

「これからはもう、一人にしないから、だからもう……大丈夫よ。悲しみも苦しみも全部………私が一緒に背負っていくから」

「ああ…………ありがとう」

 

俺はその温もりを、ゆっくりと抱きしめた。そうだったな………俺の本当の名前は………カイナだったな。トウカという名前が心地よくて、忘れてしまっていた。

でも………今だけはカイナで居よう。

女神秘書のトウカではなく、プルルートの幼馴染のカイナとして…………

 

◆◆◆

 

「えーと?これどういう状況?」

「嫌か?」

「嫌じゃないけど…………うーん?」

 

今トウカは自分の病室でしょげていたネプテューヌを抱き上げてアイリスの病室へと連れてきていた。ちなみに、今もトウカはネプテューヌをぬいぐるみのように抱きしめている。

 

「ふぅ、なんだか落ち着くな」

「ふっふっふー、私は主人公だからねぇ、みんなを癒すのは私の役目なんだよ!」

「普段はイライラするだけだがな」

「ねぷぅ!?そんな風に思ってたの!?」

「冗談だ」

 

そう言ってトウカは膨れるネプテューヌの頭を撫でる。こうしてみれば仲の良い兄妹のように見え、誰も女神と女神秘書とは思わないだろう。

 

「でもさ、あれは大丈夫なの?」

 

ちなみに、ネプギアはというと。

 

「いやー!たーすーけーて!」

「もうっ、逃げないでぇギアちゃん」

 

アイリスに抱きしめられ必死に逃げようとしているが、力が根本的に違うためもがくことしかできない。

 

「どうして私はアイリスさんなんですかぁー!」

「あら、私じゃ嫌だっていうのぉ?」

「さっき発砲された人に抱きしめられるのは誰だって嫌です!」

「ギアちゃん?女っていうのは昔のことをうじうじ悩んじゃいい女になれないわよ?」

「昔っていうかつい数時間前の話なんですけどぉー!」

 

完全に遊ばれ、ネプギアではなくネプギャー状態の彼女をさらにアイリスは強く抱きしめる。

 

「仲良くしろ、これから一緒に働くんだからな」

「「はい?」」

 

ネプテューヌとネプギアは完全にトウカが何を言っているかわからない。

 

「どゆこと?」

「司法取引でな、自由を約束する代わりに女神直属エージェントとして働くことになった」

「いや何勝手に決めてるの!?プラネテューヌの最高権力者私だよ!?」

「ダメなのか?」

「ダメに決まって」

 

ガチャン、とネプテューヌの額に何か硬いものが当たる。アイリス愛用のコルトパイソンだ。

 

「なぁにネプちゃん?お姉さんよく聞こえなかったァ、もう一回言ってくれないかしらァ?」

「これからよろしくー………………」

 

そんな訳で、アイリスがパーティ(強制)加入した。




次回から波乱の予感?一応次回も日常編
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