教会の迷子
「ねぷてぬ!遊ぼ!」
「だーかーら、何回も言ってるでしょピー子、ねぷてぬじゃなくてネプテューヌ」
教会に問題児が一人増えてしまった。名前はピーシェ、三週間前にふらりと教会に現れた子どもだ。なのだが……俺とアイリスはこの子の名前だけ知っている。
「でもこんな悪ガキじゃなかったし……同姓同名の別人かしら?」
「だがあいつの面影があるぞ?」
ピーシェ、その名前の少女は俺たちの知り合いにもいる。しかしこんな子供ではないのだ。
「じゃああの子の娘とか子孫なんじゃないの?」
「……………あいつあの後結婚してたのか?」
「男からしたら優良物件よ、料理できるしスタイルいいし私より胸大きいし、あげく美人だし」
アイリスは面白くなさそうにタバコに火をつけた。だから禁煙だと何回言えばわかるんだこいつは……
「それが気に入らないからお前はパシリに使ってたのか」
「やぁね、適材適所ってやつよ。あの子に買いに行かせたほうが早いんだもの、ていうか逆にあの子から速さを取ったら何が残るの?」
「パワーも相当だろう」
確か相当な腕力の持ち主のはずだ。
「純粋なパワーならあなたの方が強いじゃない、あの子からスピードを取ったらツッコミしか残らないわよ」
そう言われてみればあいつはアイリスのやることに良くツッコミを入れていた思い出がある。バカだが常識人には変わりなかったな。
「懐かしいわねぇ、良くあの子を椅子にして酒飲んだものだわ」
「お前と居るときあいつの人権は無いに等しいからな」
まるで女王と奴隷だ。かわいそうに………
「コラァァ!ピー子!」
しかしネプテューヌも小さい子供に同じレベルで喧嘩するとは情けないな……確かにゲーム機のコンセントを引き千切るピーシェも悪いが……
「ネプちゃんの怒りはもっともじゃないの?私なら即ドタマぶち抜いてるわ」
「アイリスさんバイオレンスですぅ……」
コンパが怯えるからそういうことを言うんじゃない。
「でもイストワール様、まだご両親の方とは連絡が付かないんですか?」
「はい………」
「案外無責任な親が捨てた捨て子なんじゃない?」
俺はアイリスのドタマを拳銃で撃ち抜いた後話を続ける。
「まあしばらくは教会で預かるしかないだろう」
「あのぉ先生?アイリスさん撃ったけど大丈夫なの?」
「トウカさんもバイオレンスですぅ………」
「もう、お掃除が大変ですから流血沙汰は控えるようにと昔から言ってるでしょう?」
「いや、昔から流血沙汰が頻繁に起こってたんですか?」
アイエフが少し引き気味に聞いてくる。昔はバイオレンスな時代だったんだよ。
「捕まえたぁ!」
「おっとネプテューヌ選手ついにピーシェ選手を捉えたぁ」
アイリスが復活して急に実況し始めた。
「ぴーぱーんち!」
「くはぁ!」
「KOピーシェ選手の勝利〜」
「適当に実況するくらいならするな」
そうして俺たちはベールが来ているためベールの元へと向かった。
◆◆◆
「アイリス、これが百合というやつか」
「そうね」
「リリィランクが爆上げですぅ………」
ベールとネプギアがイチャイチャ?してた。
「あらトウカさん、トウカさんもこちらにいらっしゃって」
「ああ、トウカ………トウカもこっちに来てください」
目が完全にトロンとしている。なぜ俺があの中に入らなきゃいけないんだ。
「行ってくればトウカ、正直に白状しなさいよ巨乳好きでロリコンですって」
俺はショットガンでアイリスの頭を撃ち抜いた。
「こらぁベール!人の妹に何してくれとんじゃい!」
口調を徹底するべきだと思うんだが。
「いいじゃありませんの、たまの親睦を深めるくらい」
「ここのところ毎日じゃん!」
まあそれはともかく、ただネプギアとイチャイチャしに来たというわけではないだろう。ベールならありえる話だが
「今回はあなたを誘いに来たんですのよ」
「ねぷぅ?私も攻略対象、もしかして姉妹丼?そんなぁ恥ずかしいぃ〜〜」
「キモいわよネプちゃん」
「ああ、キモいな」
「キモいは言い過ぎだよ二人とも!流石に今のは怒るよ!?」
「「いや、だってキモいし…………」」
「こんな時だけ息ぴったり!?」
終いにはコンパに泣きついていた。
「トウカ最近酷いよ!洗濯物も別で洗うし!なんなのさ反抗期!?親兄弟と洗濯物を別にして欲しいってお年頃なの!?」
「最近ネプちゃんがキモいからじゃないのぉ?そういえばギアちゃんもなにか変わった事があるんじゃなぁい?」
「(ギクッ)な、なんのことですかぁ?」
「例えばトウカの執務室の鍵がアナログに変わったとか」
冷や汗が止まらないネプギア、一体どうしたのだろうか?俺の部屋とネプギアは関係ないだろう。
「貴方達ブランから聞いてませんの?」
ベールから聞いた話によると、ラスティションのサーバーから人工衛星にハッキングされたらしい。確かゲイムギョウ界トップのセキュリティとか言ってたんだが……それがハッキングされるとは相当だな。
「そうか、なら俺たちも行こう」
そういう訳で俺たちはラスティションへと向かった。
◆◆◆
「バカだなお前は………」
空を飛行中、ネプテューヌはピーシェが暴れたため変身が解けてしまい墜落した。これくらいでは死なないと思ったが、かなり痛そうだ。下にいたノワールは完全なる巻き添いだな。
「すまんノワール、怪我は大丈夫か?」
「大丈夫よ………心配してくれてありがと」
最後の方はよく聞こえなかったが…まあいいか。大丈夫というなら大丈夫なのだろう
「あっ、ピー子ご挨拶は?」
ネプテューヌがそう言うとネプギアから離れてピーシェば自己紹介をした。
「ピーだよ」
「ネプテューヌ、こんな大きい子が居たなんて」
「そうそう、私とトウカの愛の結晶あいた!」
「教会で預かってる迷子だ」
バカなことを言おうとしたネプテューヌを黙らせて訂正した。何が愛の結晶だ…………そんなことはこれから先もない。
「ネプちゃん、そういうのはトウカと貫通してからにしなさい」
「…………………」
「もう、そうやって銃を向けないで頂戴、機嫌悪いの?カリカリしてるの?ちゃんと糖分摂りなさい」
今日だけで俺は何回アイリスの頭を吹っ飛ばしてるのだろうか。まあいい、もう一回ふきとばそう。
「はぁ、もういいわ、場所を変えましょう」
「トウカ行ってらっしゃい」
「いや、ここはお前が行け、俺はネプギアたちを見てないといけない」
これが役割分担というやつだ。こいつもそろそろ女神との信頼関係を確立しておいたほうが今後のためだろう。
「はぁ?やりたくないからって私に押し付けないで大人になりなさい!私は女神の子守なんて絶対にいやよ!」
「お前が大人になれ!」
大人というものはやりたくない仕事をしなければならない時があるんだ。しかもやりたくないわけじゃない。
「仕方ない、この手は使いたくなかったんだが……」
「何よ?」
「給料を下げるしかないな………」
「汚っ!あなたいつの間に権力に頼る大人になったの!?」
人は変わる生き物なんだ。仕方ないだろう。
「くぅ…………良いわよやってやるわよ。その代わり女神たちにあなたの初体験言いふらしてやるから!」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「バーカ!バーカ!」
そう言ってエレベーターで行ってしまった。
………………絶対減給してやる。
(子供の喧嘩ね)
(トウカの初体験って……どんなの何だろう?)
ユニはその姿に呆れ、ネプギアは全然違うことに興味を示していたことにトウカは全く気づいていない。
トウカさんとアイリスさんは小学生レベルの喧嘩をする時があります。