ネプテューヌの保護者的な感じの男   作:煉獄姫

29 / 84
衝撃の事実、怒涛の展開!


トウカ奪還編
トウカの弱点


ある日の朝、とてつもない悲鳴が聞こえてきた。それゆえネプテューヌ達は急いでトウカの執務室へと向かう。普段大声を上げないトウカが叫び声をあげるなどただ事ではないと感じ全員臨戦態勢でトウカの部屋へと踏み込んだ。

 

「どうしたのトウカ!?」

 

ネプテューヌが部屋に入るがトウカの姿は見当たらない。

 

「なによ煩いわね………」

 

アイリスが意外にも仕事のプリントを眺めながら入ってきた。

 

「トウカの悲鳴が聞こえてきたんです」

「あー、成る程ね」

 

そう言うとアイリスは持っていたペンを天井の角へと軽く投げる。するとそのペンは天井に当たる前に何かに当たって地面へと落ちた。そして、本来ペンが当たるはずの天井の角には透明の何かが居た。

 

「トウカ、姿出しなさいよ」

 

そう、何を隠そうトウカが透明になって隠れていたのである。

 

「トウカ!?どうやって透明に!?」

「そんな事よりなんで叫んでたの?」

「多分〜〜あれじゃないかなぁ〜〜」

 

そう言ってプルルートは床にある何かを指差した。かさかさ動く人間なら誰しもが嫌悪する生き物がそこに居た。

 

「ゴキじゃん」

「あー、成る程。確かあなたゴキ嫌いだったわね」

「そういえば〜〜私のかーくんもゴキちゃん嫌いだったっけ〜〜」

 

生物の最底辺、ゴキがトウカの執務室に発生したのだ。

 

「全くトウカはー、まだ虫嫌い治ってなかったの?」

「いいから……………はやく………殺せ!」

 

天井の角に張り付きながら必死に言う。その顔はこれまでに見たことがないくらい焦燥が滲み出て冷や汗が溢れ出ている。

 

「しょうがないなぁ、ほい」

 

そう言ってネプテューヌは躊躇なく木刀でゴキを潰した。

 

「もう大丈夫だよトウカ」

「いや、一匹いたら100匹いると思え!」

「そんなのきりないよ、ほら早く降りてきて」

 

ネプテューヌにも諭されしょうがなくトウカは床に降りた。

 

「ネプちゃん躊躇ないわね……」

「いやぁトウカがゴキ嫌いだから私がちゃんとしないとね!私が居なかったらトウカはゴキを処理できないもん」

 

ネプテューヌは誇らしげに無い胸を張る。しかしトウカはそれどころではなく未だに冷や汗が止まらない。

 

「トウカ、立ってられますか?」

「やばいかもしれない……」

 

もはやふらふらで立ってられない状況まで追い詰められているトウカは普段からは想像できないほど弱っていた。よほど嫌いなのだろう。

 

「ほら、捕まりなさい」

「すまない……」

 

 

トウカはアイリスに捕まりふらふらと歩き始める。

 

「いや、だが今日はネプギア達に歴史を教える約束が…………」

「それくらい私がやってあげるから、休みなさい」

 

そう言ってトウカは教会内にあるソファで横になったのだった。

 

◆◆◆

 

「はーい、じゃあ今回トウカが殺られたので私が教えまーす」

「トウカどうかしたの?」

人類の敵(ゴキブリ)にやられたのよ」

「???」

 

ユニは状況を分かっていなかったがそのまま話が進んでいく。

 

「とりあえずキングダムの4巻を開きなさい」

 

その直後、アイリスの頭に銃弾が突き刺さる。

 

「真面目にやれ」

「ごめんなさい………違ったわね」

 

そう言って頭を掻きながら立ち上がったアイリスはもう一つの本を取り出す。

 

「じゃあアルスラーン戦記の1巻を開きなさい」

「さっきと変わってないじゃない!」

 

しかしトウカから銃弾は飛んでこない。

 

「あれでいいんですが?」

「良いのよ、歴史なんてアルスラーン戦記かキングダム読んでりゃわかるのよ」

「アバウト過ぎませんか?」

 

そういう人間のため仕方がない。

 

「さぁて、歴史って言ってもプラネテューヌの歴史しか殆ど知らないわよ?」

「はい、お願いします!」

 

そもそもなぜ歴史を教えるかというと、ただトウカが昔のことに詳しいから興味本位で教えてもらいたかっただけなのだ。

 

「さてと、何が聞きたいのかしら?」

「ええーと、プラネテューヌって昔から繁栄してたんですか?」

「そうねぇ……私たちが15歳から20歳に掛けて発展して行ったわ。科学力自体ならリーンボックスが一番上かもしれない、でもね、科学力と技術力を合わせるならプラネテューヌの他に並ぶ国なんてないわ。そう断言できる」

 

アイリスは真面目な顔でそう断言した。それに対し、ユニは少し食ってかかる。

 

「なんでそう言い切れるのよ、ラスティションだって技術力は負けないわ」

「別にバカにしてるわけじゃないのよ?確かにラスティションの技術力は高い、でも自然環境が良いとは言えないわ。反対にルウィー、こっちは魔法が異常に発達してるけど科学力も技術力もない。リーンボックスはバランスがいいわね。そしてプラネテューヌ、科学力単体ならリーンボックスに劣るかもしれないけれど、科学力と技術力ならどの国にも負けないわ」

 

確かにプラネテューヌはたくさんの高層ビルが立ち並ぶが自然環境は悪くはなく公害なども発生していない。これだけ科学が発達して自然環境が良いのはプラネテューヌだけだろう。リーンボックスですら、流石にプラネテューヌの様に高層ビルは建っていない。

 

「昔はプラネテューヌに勝てる科学力も技術力も無かったのにね……革新する紫の大地はどこに行ったのかしら」

 

アイリスは何かを思い出すようにはぁ、とため息を吐いた。

 

「戦争だってプラネテューヌの兵器が一番強かったのよ?非人道的だったけど」

「非人道的って?」

「教えてあげてもいいけどご飯が4日は食べられなくなるわよ?特に肉」

「「遠慮しときます」」

 

そうよねぇ、と言いながら笑顔で続きを話し続けるが、ネプギア達は当然アイリスとトウカが過酷な時代に生きていたことを改めて痛感した。だからこそ、よく現実味のあることを言うのだろうか。

 

「はい、とりあえずこれだけだけど…他は?」

「えっと、じゃあ歴史物のゲームに出てきたプラネテューヌ聖騎士団って知ってますか?」

「またマニアックなの聞くわね………まあ良いわ」

 

プラネテューヌ聖騎士団とは、当時いた軍人の中でも希少な魔法を使うことができる兵士が集められた部隊のことだ。もちろん魔法の才能はトップクラス、さらにはプラネテューヌ特有の兵器も使うため他国からは最強と恐れられた部隊だ。

 

「まあその聖騎士団も壊滅的損害を受けて解散するんだけど」

「それだけ強い部隊がどうして?」

「もしかして……プラネテューヌ災厄の7日間ですか?」

 

そうネプギアが入った瞬間、明らかにその場の空気が凍りつく。

 

「ねぇネプギア、その災厄の7日間ってなに?」

「そっか、ユニちゃんはラスティションだから知らないんだね。プラネテューヌはね、ある伝説があるの」

 

そう言ってネプギアはその災厄の7日間の概要を語り始めた。

 

「ある日突然プラネテューヌの空に赤黒い竜が現れて、国民を7日間虐殺し続けたっていう歴史上最大にして最悪の大災害の事だよ」

「なによそれ……本当にあったの?」

「歴史学者の人たちの間でも意見が分かれてるんだって」

 

あまりに酷い内容のためこんな事件が本当に起きたのかどうかとかなり賛否両論をしているため実在したのか、はたまたただの伝説なのかはまだ明らかになっていない。

 

「でも災厄って………そんなに酷かったの?」

「えっと、検察したら出てくるはず……ほらこれだよ」

 

災厄の7日間の名前の由来は、赤黒の竜が残したこの言葉が元らしい。

 

どこへ逃げようと、どこへ隠れようと、どれだけ足掻こうと、この災厄は貴様らを一人残らず殺すまで終わらない。絶望しながら死に絶えろ。

 

「詳しく教えてあげてもいいけど………夜トイレに行けなくなるかもしれないわよ?」

「「遠慮します………」」

 

二人は苦笑しながら完全に引いていた。

 

「で?トウカはまだ再起不能?」

「すまん、今日は帰ってもいいか?」

「大丈夫よ?ネプちゃんも今日は仕事してるし」

 

そう言いつつネプテューヌの執務室に銃を向けるアイリス、すると少しだけ開いていた扉が閉まった。

 

「全く…………ネプテューヌ」

 

少し心配になったのかネプテューヌの執務室を覗いてみると

 

「とりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「うわぁ!ピー子上手っ!負けてたまるかぁぁぁぁ!」

「勝てない〜」

 

ピーシェとネプテューヌとプルルートがゲームをしていた。無理やり仕事をさせられて落ち込んでると思っていたトウカは少しだけイラっとした。

 

「はぁ………俺は帰る……アイエフ、コンパ」

 

テラスに居たアイエフ達を呼んだ。

 

「どうしたの?先生」

「すまん……………ネプテューヌに仕事をさせといてくれないか………仕事に差し支えない範囲でいい」

「ねぷねぷは仕方ないですねぇ………分かりました」

 

頼む、と言ってトウカはフラフラとしながら協会から出て行った。

 

◆◆◆

 

「はぁ、はぁ……………」

 

かなりフラフラと危なっかしく歩いていた。ゴキブリよりも恐ろしい危険種や超人(アイリスなど)に囲まれても動じなかったトウカがゴキブリ一匹にここまで追い詰められている、つくづく弱点が変わっている男である。

 

(それにしてもこの時間なのに人通りが少ないな……)

 

いつもなら人で賑わっているプラネテューヌの街道は人っ子一人いなかった。

 

「いや、数人……………」

 

体力がだいぶ回復したため辺りを警戒する。そして

 

「後ろか!」

 

トウカは勢いよく後ろを振り向いた。そこで見たものは

 

カサカサカサカサカサカサカサカサカサ

 

150cmくらいの巨大なゴキブリが蠢いていた。

 

「……………………」

 

その瞬間、トウカはバタンと倒れ意識を失った。そんなトウカに歩み寄る二人と一匹

 

「本当にうまくいくとはな………」

「まさか化け物の弱点がゴキとはびっくりしたっチュ」

 

もちろんネプテューヌシリーズお馴染みのマジェコンヌ、そしてワレチュー、その間に金色の長い髪が翼のように広がっている胸の大きい女性は笑いながら言った。

 

「昔から虫が嫌いだからねぇ、意外と弱点は多いんだよ?先輩は」

 

クスクスと笑いながら、その女性はトウカを担いでマジェコンヌ達と共に消えた。

 




と、言うわけで攫われたのはコンパちゃんとアイエフちゃん達ではなくトウカさんでした。
次回から成り立つのか………
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。