あと、ご心配おかけしました!
「わーい!」
「待ってラムちゃん……!」
「二人ともちゃんとコート着て!」
「ネプギア!入場券忘れてる!」
妹たちははしゃぎながらテーマパークへと入って行った。やはり子供は無邪気じゃないとな。
「みなさん楽しそうですわね」
「そうね」
国から出ることを許してもらえないラムとロムにとって友達と過ごす時間はかけがえのないものなのだろう。
「三人ともー!早く早くー!」
本当にネプテューヌは妹たちと変わらないな。まあ、それがあいつのいいところでもあるんだがな。そんなことを思いながら、俺たちはテーマパークへと足を踏み入れた。ネプギアとユニはラムとロムに振り回されているらしい。
「ねぇトウカ!あれ食べたいな!」
「なんだあれは?桃か?」
とりあえず一袋買ってネプテューヌに渡す。
「ありがとう!トウカも食べる?」
「いや、俺はやめとく」
そう言って俺はテーマパークを見回す。あまりこういうところは来たことがないから少し新鮮だ。
「ねぷぅ!」
「どうしたネプテューヌ」
振り向くと、ネプテューヌが亀に襲われていた。どうやら桃を狙っているらしい。よく見ると看板に注意書きがあった。
「このカメ私のピーチを狙ってるよ!いやー!助けてトウカ!ねぷぅー!」
「そのまま頭から齧られたらどうだ?少しは能天気な頭がマシになるかもしれないぞ」
「うわぁーんトウカのバカー!ねぷぅー!」
さて、俺はラムとロムの様子でも見に行ってみるか。
◆◆◆
トウカがしばらく歩いていると、辺りに誰もいないことに気づく。平日でもオープンしたばかりなのだからもっと人はいるはずだ。
「様子がおかしいな………」
その瞬間、トウカの頭上からとてつもない衝撃が起き土煙に襲われる。
「いきなり頭上から落ちてくるとは………品が無いな」
「……………………」
全身黒いローブと軽装の鎧、そして仮面を付け無骨な黒い大剣を持った何者が居た。
(こいつは明らかに異質…………何者だ)
トウカは瞬時に危険を察知して大剣を取り出して肩にかける。目の前の黒い奴とは違い、赤い外殻のついた機械的な大剣だ。
「一応聞くが、退く気は無いのか?」
トウカがそう聞くや否や、地面がえぐれる程の衝撃でトウカの元へと跳躍してきた黒い鎧は身の丈よりも大きい大剣を振り下ろす。
「重い………」
まともに受け止めた瞬間にテーマパークの地面にクレーターが出来る。並の人間ならばなすすべなく押し潰されていただろう。しかし、トウカは並の人間ではない、黒い鎧の攻撃を左手に持った大剣で弾き、空いた右腕で黒い鎧の腹部を殴った。黒い鎧は50メートルほど飛び壁にめり込んで停止する。
「ブランに怒られるなこれは……」
開園したばかりのテーマパークを壊してしまったことをブランに心の中で詫びながら再び黒い鎧へと向かって行く。早めに決着をつけなければ騒ぎを聞いてネプテューヌ達が現れかねない。
「何者かは知らんが……弁償させられるこっちの身にもなれ!」
一回一回剣が打ち合うたびに鈍い音がテーマパーク中に木霊する。これ以上辺りに被害を出さないためにも大きい技を出すことはできないがあまり長引かせるわけにもいかない、そう考えたトウカは一か八か技を使う。
「悪いが今は他人の妹を預かってるんでな、決着をつけさせてもらうぞ」
剣が激しい音と火花を散らしながら変形していき、中から熱を帯びた刃が姿を表し、トウカの右腕が炎に包まれた。
「タイラントウェイブ!」
大剣を振るったと同時にとてつもない爆発と炎が舞い上がり辺りを火の海にする。トウカは力が強大すぎるため普段武器を使うことは滅多にしない、使うとしてもネプテューヌの相手をするため木刀を使うことぐらいだ。しかし、今の相手は油断ならない相手ゆえ、武器を使うことにしたのだ。
「はあ、絶対に怒られる……」
テーマパークの地面はすっかりトウカの技で溶け出してマグマの様になっている。絶対に復興作業を手伝わなければと思うトウカの前に、半ば予想通りの光景が広がっていた。
「やはりか………」
黒い鎧は生きていた。タメージは入ったものの、到底行動不可能という様子ではない。
「ヴェアフル様!こっちの計画はもう大丈夫です!化け物の惹きつけありがとうございます……ってなんじゃこりゃ!?」
フードを被った怪しげな少女が黒い鎧の名前を呼んだ。どうやら黒い鎧の名前はヴェアフルというらしい。
「トウカ!」
トウカの後ろからはネプテューヌとノワールが駆けつけた。
「大変だよ!ってそっちも結構やばい事になってるね………」
「そんな事よりよ!大変なの、ラムとロムが攫われたわ!」
「なに?ちっ」
トウカは今になって自分がラムとロムから遠ざけられていたということに気づく。
「やばいっすよヴェアフル様!あの化け物だけでなく女神たちまで……」
そうパーカーの少女が言った瞬間、ヴェアフルは片腕に黒い炎を纏わせ、トウカ達に向けて豪炎を放つ。先ほどのトウカの技と同レベルの豪炎、まともに食らえばどうなるかは想像がつく。
「下がれ!」
トウカはネプテューヌ達にそう叫ぶと目の前に手をかざしエネルギー状のシールドを展開させて炎を防ぐ。防ぐことは成功したものの、炎が止んだ頃にはもうヴェアフルと少女の姿はそこにはなかった。
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