かんこれとらんすものがたり!   作:れすてう

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目覚め

―――人というものは、誰しも『夢』を見るわけでして。

 

 

 

―――『夢』というものは、あたかも体験しているような気持ちになるからそういうのであって。

 

 

……何故そんなことを突然話し出すかって?

それは、アレだ。今、少し特殊な夢を見ているからなんだ。

 

 

 

 

―――まず、視界へとはいってくる景色が異常だ。確かに俺は正月から働き詰め(高校生になってお年玉が貰えなくなり金欠を避けるためにバイトに走った結果)で疲れた体を休めるため、クリーニングに出したばかりのやわらか~い布団に入ったはずだから、見えているのは布団か自分の部屋、ボッチ(つまり俺ら)御用達の抱き枕(くさくない)の筈だ。

 

―――しかし、今の俺の視界に入ってくるのは、見渡す限りの青い空、白い雲、どこまでも果てなく広がっているかのように思える透き通った青色である。年季の入った天井の朽葉色でもなければ、この身を包んでいたであろうあたたかな白色ではない。

 

 

この現象だけならただの夢で済まされるのかもしれない。しかし、次に説明する事は普通の―――つまり、通常見るであろう夢とは大きく違うことを指している。

 

 

それは、普段から山という山に囲まれて馴染みのない俺にとっては新鮮なものであり、しかし―――どこか懐かしさとも似たような何かを感じさせる―――とどのつまり海の磯の匂いだ。たぶん。

 

そして、海の磯とセットで感じるであろう、この特徴的な風、普段俺が感じる陸の風とは全く別の風。海風をはっきりとこの体で浴びることができる。

 

つまり、なんとこの夢、匂いや感触まではっきりと感じ取ることができるのだ。

ね?特殊な夢でしょ?まるでこの夢が夢じゃないかのような感じは我が夢にしては良くできていると思う。この海風もけっこうな勢いで吹き付けてくるおかげで髪が斜め後ろになびいて大変だ。

······こんなになびくような髪の長さを俺は持ち合わせていないのだが···まぁいいか。夢だし。

 

しかし意識がはっきりとした夢というのもなかなかに新鮮だ。ふわふわしたしたものが夢ではないのか。いやそもそもどうしてこんな夢を見ることになったのだろうか。色々と考えさせられるが、もうそろそろ目を覚ますとしよう。いくら特殊な夢でも景色が変わらないのはごめんだ。さぁ、目を覚ませ。俺。さすがに課題に手をつけないとまずいぞ。バイトもあるぞ。艦これも冬イベントのために遠征にださねばなるまいぞ······ 

 

 

そう思って夢から覚めるようどうにか頑張ってみたものの···

 

 

······いつになったら覚めるのだろうか。さすがに小一時間(時間という概念が夢にあるかは別のおはなし)待ってみても夢から覚める気配がない。どういうことだ?この夢が特殊だからだろうか?いやでもこれが夢であることは明らかだろうしほらこのとうり頬をつねっても痛みなんて、痛みなんて···痛み······痛い。

 

 

ゑ?

 

 

いやいやいやそんなことはないはずそもそもこれは夢であって痛かったけど痛みなんて感じないはずだし感触も匂いみ感じないはずだしって結局これは夢じゃないことを説明してることになるのであってくあwせdrftgyふじこlp

 

 

 

 

 

 

 

■ ■ ■  

 

 

 

 

 

 

 

すみません。少し脳がブルスク入ってました。

 

えーと。言い訳をさせて頂くとですね?人という生き物は普通では考えないような出来事があんなに入ってこられると脳がショートするんですよ。それは誰だって当てはまる事なんですよ···

 

 

まぁ、とりあえず、ここが現実だと仮定するとして(無茶苦茶な理論だが)状況を簡単に整理すると、

海の上に、男が一人孤独に佇んでいるわけだ。

 

 

・・・・・・詰んだね。短い人生だった。

そう思い視線を落とすと気になるものがいくつか。

 

 

一体、なぜ、制服を着ているんだ。俺。しかもよりによって女子が着るあれ。―――これは俺の威厳に関わるので言わせて頂くが、こんな趣味はない。現実でも、夢でもだ。

さらに問題を挙げるとするならば、高校生が着るような制服ではなく、どちらかといえば中学生が着るような制服で、サイズが小学生といったところだろうか(制服のサイズはサイズタグを見た)。そして、サイズが小学生ということはば必然的に俺の体格が小学生の女の子ということになる。・・・どういうことだ?お世辞にも身長に恵まれたとは言えない俺だが女子小学生よりは背が高い自信がある。さすがに。サイズタグが間違いであることを信じたいのだが・・・やはりここは夢の中なのだろうか・・・・・・

 

そんなことを思いながら自分自身の制服を眺めると、あることに気づいた。

どこかで見たことのある制服だ。白黒のオーソドックスな夏用のセーラー服に、太陽のように真っ赤なパータイ。セーラー服の首もとについているワンポイントの錨は良いアクセントをかもしだして端から見たらさぞかし可愛いだろう。着ている奴が高校生の男ということを除けば。

···この顔のまま小学生の女子の体格になったとしたら花子さんも真っ青のクソコラ画像の出来上がりなのだが、顔、というよりは姿形がまるで別人のような感覚だ。『俺が俺ではない。』そんなことを思うと恐ろしいことこの上ないのだが、不思議と震えることも無く、今の俺の体はもともとこの体だったかのように動く。このことで少し考えてみたのだが、結論へとたどり着くことができなかったので割愛していくことにする。

髪の毛は肩につきそうでつかない長さで女子でいうショートヘアというものだろうか。明るい栗色のような髪の毛だ。西の水平線へと沈みゆく光に照らされたその髪は、より綺麗に、より鮮やかに見えた。

 

おおよそ察しはついていたが、声も違った。少しコンプレックスにも思えた喉に引っ掛かったような低い声ではなく、透き通った如何にも元気で明るい女の子っぽい声だった。その声は、どこか別の場所でいつも聞いているような気がしてそこが引っ掛かった。

 

体格を改めて確認してみる。そのまま女子小学生の体格で、いよいよ自分が本当に自分なのかわからなくなってきた。さらにはランドセルのようなものを背負っていて、この体が小学生であるという確信へと俺を追いやった。何か機械みたいだが取ろうとしても取れなかった、なんだこれ。

 

極めつけに、これが一番の問題なのだが、男の象徴伝統の大砲がない。15.6年生涯を共にしてきた相棒が文字通り形通りイってしまったのだ。嗚呼神よ、冬コミで艦これの元祖おかんの雷のウス=異本を血眼になって探した天罰にしては酷いのではないだろうか。

 

 

とりあえずもう一つ新たにわかったこととして、海を歩ける(?)ということだ。・・・うん。歩けるんだ。もう何が起きても大丈夫なような気がする。俺もこんな短時間で強くなったもんだ(しみじみ)。

 

海を歩けると言ったが、どちらかといえば滑るような感覚だろうか。スケートをしてるかのようで楽しい。スケートなんてテレビでしかみたことないけど。

それにしても何故海の上に立つことが出来ているのか、どういった仕組みでこのような状況を作り出しているのか―――は考えないようにしようそうしよう。

そして、海を歩けるということは···この場を移動できることであって···移動できてもどこえ行けば良いのだろうか。そもそもここは何処なのか。辺り一面の海の上ではここが何処なのかはともかく近くに陸地さえもないというのは俺の運を恨まざるを得ないのではないだろうか。

 

 

 

ーーーもう一度言おう。人というものは、誰しも「夢」を見るわけでして。

 

 

ーーー「夢」というのものは、あたかも体験しているような気持ちになるからそういうのであって。

 

 

 

 

―――前途多難とはよくいうが、この四字熟語を作った人は果たして俺のような状況だったのだろうか。きっとそうなんだろうな。ムカシノヒトッテスゲー。

 

 

 

 

■ ■ ■ ■ ■

 

 

 

 

導入部分2です。私の拙い文章力ではあれが限界でした···

主人公がTSした艦娘を答えられたかたは本当にありがとうございます。

ご指摘、ご意見、ご感想をお時間がありましたらよろしくお願いいたします!!

ちなみに不定期投稿、字数も縛っていませんが、失踪はしません。完結させます。

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