やはり俺の脳内選択肢は青春ラブコメに波乱をもたらす   作:こうけー

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皆さんどうもこうけーです。
初の俺ガイルSSで至らないところ多々あるでしょうが宜しくお願いします。

では、どうぞ。


比企谷八幡と脳内選択肢
この時から彼の道は突如として変わる


「それで、あたしが勝ったら全部もらう…」

由比ヶ浜が俺と雪ノ下に言う。けれど、それは俺には言っていないことくらい分かっている。これは彼女達…つまり、由比ヶ浜と雪ノ下の会話だ。

そして、初めてでもあった。由比ヶ浜がこんなにも自分の感情を表に出しているのは。そして、初めてでもあった。雪ノ下が由比ヶ浜にここまで怯んでいるのは。

 

由比ヶ浜結衣は優しい女の子だと勝手に決めつけていた。

 

雪ノ下雪乃は強い女の子だと勝手に理想を押しつけていた。

 

だが、違うのだ。有ってはならないのだ。優しい女の子だとしても怖い女の子だとしても、強い女の子だとしても弱い女の子だとしても有ってはならないのだ。

 

自分の意思を通さずに他人の作ったレールを歩くことは…

 

雪ノ下は悩んでいる。家の事を、陽乃との関係を、奉仕部の存在を。

 

由比ヶ浜は欲している。新たな関係を、今までの関係を、奉仕部の真にあるべき形を。

 

雪ノ下は自分の意思で変わらなければいけないのだ。由比ヶ浜の望みを言い訳にして今のままで停滞するのはこれから先の雪ノ下が何も変わらなくなる。

 

だから…俺は…………

 

 

「わたしは…それでも…」

 

雪ノ下…やめろ。言うな…言えば何も変わらない…!

 

自然と口は雪ノ下が最後まで言おうとしたところで動き、雪ノ下の言葉を遮った。

 

「構わな……「いや、その提案には乗れない。雪ノ下の問題は雪ノ下が解決するべきだ」」

 

二人の視線が当たり前のごとく此方に向く。それでも、俺は怯む事は無く、言葉を続けた。

 

「それに、そんなのただの欺瞞だろ。曖昧な関係とか慣れ合いの関係とかそういうのはいらない」

 

『本物』。俺が…比企谷八幡が手に入れたいものはそんな『偽者』からは生まれない。

 

「だから…それでもちゃんと考えて…苦しんで…足掻いて…俺は…!」

 

その言葉を聞いた二人の表情は違っていた。

由比ヶ浜はこの言葉を待っていたかの様な…

雪ノ下は何かを理解したかの様な…

 

「ヒッキーならそう言うと思った」

 

由比ヶ浜の口からはやはり俺が思った表情と同じ様な言葉が出てきた。

由比ヶ浜は…彼女は賢かった。俺や雪ノ下よりも遥か何倍も…。考えていたのだ、ここまでを。あえて自分をヒールにして雪ノ下が強く、自分の足で前に進めるようにする為に。

 

「あたしの気持ちを勝手に決めないで…それに最後じゃないわ…比企谷君…あなたの依頼が残ってる」

 

その雪ノ下当人がそう言った。これで由比ヶ浜が考えたシナリオと俺が望んだ雪ノ下の答が完成した。

これで良いのだ。雪ノ下は強くなんてない…普通の女の子なんだ。痛ければ痛いと言い、泣きたい時は泣く。当たり前の事だ…普通の女の子なのだから。

だから、彼女が助けを求めるなら俺は由比ヶ浜は手を差し出さなければならない。それが、俺と由比ヶ浜の責任だ。

 

「あともう一つ…私の依頼を聞いてもらえるかしら…?」

 

雪ノ下の目は強く未来を見ている。そして、由比ヶ浜は…

 

「うん…聞かせて?」

 

 

ここから俺達の『本物』が始まるのだ。

 

ーーー

ーー

 

 

ザクザク

今、俺達は帰路についている。あれから程なくして解散することにした。先程まで雪が降っていた為、地面に雪が積もっていた。千葉に雪が積もるなんて珍しいことだ。これも今日の出来事と関係があるのかもしれない…と俺に思わせていた。

もうすぐで三人の家への分岐点だ。ここで俺達は本当の意味で解散する。次会うのは明日の学校…奉仕部、でだ。

 

「それじゃあ、ここでバイバイだね。ヒッキー、ゆきのん」

分岐点につくと由比ヶ浜が最初にそう言った。今日の出来事に置いて今日の彼女はやはり自分でもやり過ぎたと思っているのだろうか…少し、早く帰りたがっているようにも見える。

 

「えぇ…そうね…それじゃあまた明日。比企谷君、由比ヶ浜さん」

雪ノ下も由比ヶ浜の気持ちに気付いているのか少し笑うと直ぐに自分の家のある方へと足を向けた。

 

今日はこれでお仕舞いだ。明日から普段通りの学校があって奉仕部としての時間がある。それに今は、雪ノ下にも由比ヶ浜にも近づいてはいけない。今日のあの出来事は同時にこう言う意味も持っているのだ。

 

今まで通りでありながらもこれからは三人で…

 

これが今日の出来事の結果論だ。だから、今は雪ノ下と由比ヶ浜。二人には平等に接しなければならない。今までもそうしてきたつもりだからこの点に置いては大丈夫だろう。問題はその後だ…

 

もし『本物』を見つけて全てに片が付いた時、俺は一体誰を選ぶのだろう。雪ノ下雪乃か由比ヶ浜結衣か…それともまた別の誰かか…

 

(それはこれから決めていけば良い。今はとりあえず…)

 

そう思った瞬間だった。

 

【選べ】

 

何処からか声が聞こえた。でも、外からの声でないのは直ぐに分かった。それは俺の頭に直接に聞こえてくる。そして、目の前に二つの言葉が並べられていた。

 

【①雪ノ下雪乃を家まで送る】

【②由比ヶ浜結衣を家まで送る】

 

(なんだよ…これ…)

 

 

意味が分からなかった。理解の仕様がないのだ。

だって、今は二人に平等に接しなければならないと分かって決めた瞬間にこんな訳の分からないものが目の前に出てきたのだ。

 

(疲れてるのか…?とりあえず早く帰ろ……ッ!?)

 

自分も家の方に向かって歩き出した瞬間、突如として激しい頭痛が走った。しかも段々と痛くなるのがはっきりと分かる。

 

(っ…痛ててててててて……!!!」

 

その場に座り込む。しかも、途中で余りの痛さに声が出てしまっていた。

「ヒッキー!?」

「…比企谷君!?」

由比ヶ浜と雪ノ下が俺の余りの声の大きさに少し驚いて振り向くと彼女達は更に大きく驚いて俺の元へと駆け寄ってきた。

 

「痛ててて!」

「ヒ、ヒッキー大丈夫!?」

「待ってて!今救急車を呼ぶわ!えっと…110だったかしら?」

俺が余りにも痛がるので雪ノ下が救急車を呼ぼうとする。だが、119じゃなかった。

「雪…ノ下!お前、110じゃなくて119だぞ!」

 

(内心は、いつも警察を呼んだ方が…等と罵倒されていたのでここでもまだ引っ張るのかと少し苛立っていた。しかし、雪ノ下がこんな状況になってもそんな事をするとは思えない。かなり焦っていたのだろう)

 

だが、俺が雪ノ下に指摘した瞬間に痛みは何処かへと消えてしまった。

 

「…あれ?痛くない…」

「え?本当に?」

由比ヶ浜が目を点にしながら俺に問いてくる。それもそうだろう。今まで超痛がってた人間が急に痛くないなんて言ったら誰もがそうなるに決まっている。

「あぁ…本当に大丈夫だ。済まないな」

「いいよそんなの!でも、本当に大丈夫?病院行った方が…」

由比ヶ浜はそれでも信じられないのだろう、俺の事を心配してくれるが今は本当に痛くないので俺は「大丈夫だ」と言った。

「本当に大丈夫なの?比企谷君?あんなに痛そうにしていたけれど…」

「本当に大丈夫だ。心配掛けたな」

雪ノ下も心配してくれる。やはりさっきの間違えは業とじゃないだろう。由比ヶ浜同様に大丈夫だの一点張りだがこれしか今は言えなかった。

 

でも、分かっている。痛みが消えた理由くらい。

俺は選んでしまったのだ。

【①雪ノ下雪乃を家まで送る】を…

 

理由は簡単だ。さっきの雪ノ下への指摘をしたときの110、119を口に出して言ってしまったからだ。

 

1と。

 

そして、思い出した。これが何なのかを。

前にパソコンで2ちゃんねるを見たときに今の俺と同じ様な現象がおこるライトノベルを見つけた。タイトルは思い出せないが間違いない。

 

選べ!と言われて選択肢を脳内に出される。それに早く答えないと頭痛が激しくなっていき、答えると必ずそれをしなければならない。

しかも確かパターンがあったよな?

自分がしなければならないものと、相手がやってくるものと、不自然なものと。

 

「ま、まさかな……」

 

額に変な汗が流れているのが分かる。俺は必死になって家への帰路を走った。だが、途中で見えない壁に行く手を阻まれる。そして、尻から地面に落ちる。

 

(ま、間違いねぇ…これは…絶対選択肢だ…!)

 

主人公が変なタイミングで選択肢が出されていつもいつも「何で今なんだよ」と言っていたのを俺は面白可笑しく見ていたが自分がその番になると心の底から思う。

 

 

「何で今このタイミングでこの選択肢なんだよ……」

 

だが、選んだ選択肢通りに動かなければならない。だかそれは、これからの俺達の『本物』を早速壊すことになってしまう。

 

(だが……それでも俺はやらなくちゃいけないんだ…許してくれ由比ヶ浜。雪ノ下。)

 

 

「雪ノ下」

 

俺は雪ノ下の名前を呼ぶ。いつも通りに呼んでいるのに今日ほどこの名前を呼ぶのを嫌と思った日はない。

 

「何かしら比企谷君?」

雪ノ下が俺をジト目で見てくる。それもそうだ。いきなり走り去っていった俺が見えないところでぶつかって転けているところを見たのだから…因みに、由比ヶ浜も口を開けて立ち尽くしている。ついさっきの水族館での凛々しい由比ヶ浜はどこに行ったんだよ……

 

そして幾ら、雪ノ下がジト目で見ていても憐れんでいても、ナイフを持っていても、隣に彼氏がいても俺は言わなくてはいけないのだ。だから…言うぞ俺は……!

 

 

「雪ノ下…家まで送るわ」

 

 

もしかしたらここから俺の青春ラブコメは間違えながらも ハッピーエンドに向かっていたのかも知れない。

 

 

【①2話を待つ】

【②次話を待つ】

 

 




はい。記念すべき1話です。
何故この俺ガイルと脳コメをクロスさせたのかは活動報告を是非ご覧になってください。
ここから頑張ります。
では2話で会いましょう!
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