やはり俺の脳内選択肢は青春ラブコメに波乱をもたらす   作:こうけー

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2話いくお!



雪ノ下雪乃と脳内選択肢
比企谷八幡は雪ノ下雪乃の気持ちを知る


「雪ノ下…家まで送るわ」

 

言ってしまった……さよなら、俺の『本物』…

 

「……比企谷くん?どういう事かしら?」

 

雪ノ下は笑顔でいるものの明らかに怒っていらっしゃる。

それもそうだ。『本物』が欲しいと言いながらたったの数分後に言った本人自ら壊しに掛かってきたのだから…

 

「い…いや…その……少し暗いからさ…送ろうかな~……なんて?」

 

いや…無茶苦茶すぎるだろ…俺。じゃあ、由比ヶ浜はどうなんだよ!ってなっちゃうよ…

 

「なら由比ヶ浜さんはどうなるのかしら?その心遣いは有り難いけど由比ヶ浜さんに向けてあげるべきよ」

「そ…そうだよな…!じゃあ、由比ヶ浜送るわ!」

 

そう言って俺は由比ヶ浜を見る。

やばい……泣きそうだよガハマさん。やめてよ…その顔。いや、ね?分かるよその気持ち。折角自分が勇気を出して表に出たのに直ぐに壊されたらそりゃあ泣きたくなるよね…?ごめんね?呪うなら俺のこのイカれた頭を恨んでね!?

 

「…あの?由比ヶ浜??」

俺はあたかも由比ヶ浜が泣いてる理由が解らない素振りを見せながら声を掛ける。

「……な…ぃ……」

「え?」

何やらボソッと由比ヶ浜が呟いたが何を言ってるのか全然聞き取れない。

「…もう知らない!ヒッキーなんて!」

「あ、おい!由比ヶ浜!!」

由比ヶ浜が泣きそうな顔でそう俺に吐くと俺に背を向けて走り去っていく…

「ち、ちょっと待てよ!おい!!」

俺も少し追いかけて呼び止めようとするが由比ヶ浜は勿論立ち止まったりなんてしなかった……

「もういいよ!ヒッキーはゆきのんと帰れば良いんだよ!ヒッキーのバカ!アホ!間抜け!おたんこなすのシスコン!」

「いや……!シスコンは今関係ないだろ!?」ゼェゼェ!

俺はほんの少し走っただけで少しスタミナが切れてしまい小さくなっていく由比ヶ浜を見ていることしかできなくなってしまった。

ーーー

ーー

 

「はぁ……」

結局、その後は由比ヶ浜を追いかけようとしてももう追い付けないと確信した俺は明日、謝る事を決めて再び分岐点に戻ってきた。

すると、雪ノ下はその場に未だ残っており戻ってきた俺を見つけるや否や俺のところまで走って駆け寄ってきた。

「どうなったの由比ヶ浜さんは?」

俺は首を横に振った。雪ノ下は「そう…」と少し残念な顔をして俯いた。

正直に言ってやばい。この後、どうすれば良いのだろう…?雪ノ下を家まで送ること事態には抵抗はない。しかし雪ノ下が俺に家まで送られる事を抵抗されたらどうしようもないのだ…。

「ま、まぁ…由比ヶ浜には明日ちゃんと謝るし今日はマジで暗くなってきたから家まで送るよ…」

俺はそう言って雪ノ下の家の方へと歩みを進める。すると、勿論……

 

「結構よ。貴方に送って貰いたくないわ…今は特にね…」

それはそうだ。ここで「ええ…ありがとう」と言う奴が何処にいるんだ。雪ノ下の言っていることは至極当然だった。

だが…待てよ…じゃあどうすれば良いんだよ!こいつを家に送らねぇと俺が帰れねぇじゃねぇか…!

 

そんな事を考えている間にも雪ノ下は俺の前を足早に歩いていく。このままじゃマズイ…!そう思った瞬間だった…

 

【選べ】

え?ここで来るの?何…変なのはやめてよ!?

 

 

【①チンピラに絡まれる雪ノ下雪乃を助ける(命の保証なし)】

【②禿げた中年太りの50歳のおじさんに絡まれる雪ノ下雪乃を助ける(命の保証なし)(ボーナス有り)】

 

……どっちも…命の保証が………ない………だと!?

 

 

どうする!?どうする!?やばいぞこのままじゃ雪ノ下がチンピラに絡まれるかハゲデブ親父に絡まれちまう!

でもチンピラなんて何してくるか分かんねぇし………ハゲデブ親父は触りたくないし…ボーナスってなんだよ!………って!?痛てて!?

 

時間が経つに連れて頭の痛みは増していく。それに更に雪ノ下との距離が離れてしまう。

 

(えぇい…②だ!!)

 

心の中でそう叫んだ俺は痛みを耐えるために下を向いていた顔を上げて雪ノ下を見る。すると………

 

「ね…ねぇ?君今暇かな…?よ、良かったらおじさんと遊ばない?」ハァハァ…

「………け、結構です。今は急ぎの用があるので…」

雪ノ下が更にペースを早めてハゲデブ親父から離れる。しかし、ハゲデブ親父は雪ノ下の腕を確りと掴んで逃がさなかった。

「………っ!?離して…下さい!」

「へへへ……それで離すと思う…?」ハァハァ…

 

何で瞬時にこんなシチュエーションを完成させちまうんだよ…絶対選択肢は…!てか、やばいぞ……あのままじゃ雪ノ下が!だ、誰か!助けてやってくれ!………いや、行けよ俺

 

「…へへ…じゃあおじさんと今から大人の遊びを………!」

ハゲデブ親父が腕を雪ノ下の体に巻き付けようとする。

「いや…やめて……!」

雪ノ下も必死に抵抗はしているが男と女の差はやはり大きくて何の意味もなしてなかった。

そして、完全に雪ノ下の体に腕が巻き付こうとした瞬間…

 

「ちょっと待ってくださいよ」

 

俺の手がハゲデブ親父の腕を掴んでいた。

「ひ、比企谷君!?」

「…なんだね君は…!」

ハゲデブ親父が俺を睨み付けて手を振り払おうとする。しかし、男子高校生と中年親父となると先程まで女子高校生に優勢だったとしても男子高校生には勝てやしない。ハゲデブ親父は必死に手を振り払おうとするが俺の手はまったく離れない。

「この糞ガキ…!」

痺れを切らしたのか中年親父の怒りはMAXまで来たらしく俺の顔面目掛けてパンチが飛んできた。

 

しかし、何故だろう何時もならビビるところが今日は全く怖くない。これは脳内選択肢が俺に加護でもしてくれているのだろうか…?それとも、俺が強いのか?いや、相手が中年親父だからだ………。

 

俺はそのパンチを目の前で受け止めて睨み付ける。生憎にも目が腐っているせいか睨み付けたりすることには使えるらしくて他人曰く『冷酷さがある』らしい。

「…ひっ…!」

俺の目を見たハゲデブ親父は少し腰を抜かして一歩下がる。それでも俺はハゲデブ親父が下がった一歩分だけ距離を詰める。

「おっさん………あんなことして只で済むと思ってるんすか?」

じりじりとハゲデブ親父に近づいていく。それに連れてハゲデブ親父も離れていくがやがて背中が壁とくっつく。

「…あ…!………君!こんなことして只で済むと思ってるのかね!?」

「いやいや、それ俺が今言った言葉っすよ…それに、女の子を無理矢理連れていこうとする奴に誰も慈悲なんてしねぇよ!」

俺は何故だろう。穏便に済ませようとしたにも関わらず拳を握りしめてハゲデブ親父に飛ばしていた。理由は何故だろう…

殴られかけたからか?違う。

自分より弱いからか?違う。

多分、雪ノ下が傷付いたからだ…

 

バキッ!ガン!!

 

俺のパンチは見事にハゲデブ親父の顔面にヒットする。更にハゲデブ親父の頭が後ろのコンクリートの壁と勢い良くぶつかる。少し、気持ちが良かった…しかし、俺は余計なことをするだけでなく余計なことまで言ってしまった…

 

「雪ノ下に手ぇ出したら許さねぇぞ…覚えとけ」

 

…ん?待てよ。今の台詞じゃまるで…「俺の好きな雪ノ下に手を出したら俺が黙ってないぞ」と言う意味になっちゃうんじゃ……いやいや、流石に雪ノ下も分かってくれるよな。もしこれが由比ヶ浜がやられてても俺が「由比ヶ浜に手ぇ出したら許さねぇぞ」と言うだろうって事くらい…

 

 

………え?………分かってくれるよな?

 

ーーー

ーー

 

「大丈夫か雪ノ下?」

俺達は俺がハゲデブ親父をノックアウトさせてしまったらしくてその場にハゲデブ親父は放置してその場を去った。

そして、少し歩いたところで俺は雪ノ下にそう言った。

「え、えぇ…大丈夫よ…」

心無しか顔も赤い。この寒さで風邪でも引いたのだろうか…いや、まさかな…?

「いや~…まさかあんな中年親父にまで絡まれるなんて雪ノ下さんは凄いですね~…うんうん」

「それは馬鹿にしているのかしら?」

雪ノ下が少しギロッと睨み付けてくる。それでも顔は赤いままだ。まじで風邪だよな?…え…風邪じゃなきゃ困るよ。

「まぁ…とりあえず無事で良かったよ」

「え、えぇ…ありがとう…そ、その…助けてくれて」

雪ノ下の顔が更に赤くなる。

…ヤバイ…マジでヤバイぞ

「べ、別にあんなくらいで礼を言われる筋合いなんてねぇよ…当たり前の事をしたまでだ」

「ふふ…優しいのね比企谷君は…」

雪ノ下の笑顔が俺の頬を赤く染めていくのがハッキリと分かる。そして……

「……ねぇ比企谷君?」

「ん、何だ?」

雪ノ下が俺に問いてきた…それは…

 

「あの最後の言葉はどう言うことかしら?」

 

……来たか…来ることは分かっていたから何て言うかはある程度決めている。雪ノ下はまだ言いたいことがあるのだろう…唇がフルフルと揺れている。

「何か言いたいことがまだあるのか?」

俺は雪ノ下が言いやすいように少し手助けをした。…流石俺だ。良くできる男だぜ…!

だが…雪ノ下から飛んできた言葉は俺の思っていた言葉と大きく変わっていた。俺の予想では「気持ち悪いことを言わないで欲しかったのだけれど…」と言うと思ってた。しかし、現実は大きく違ったのだ…

 

「比企谷君は私の事を好きなのかしら?」

 

「……え?」

 

全く予想してなかった…雪ノ下は恋愛事情には疎いか自分から離れていく…俺みたいな考え方を少なくともしていると思っていた。それがそれが…こんなにもダイレクトに言われるなんて…えっとどうしよう…

だが、雪ノ下は追い討ちをかけるかのように……

 

 

 

「私は比企谷君の事が好きよ」

 

 

 

……何だよこれ…あの氷の女王がこんなに素直になるだと…。まさか…ボーナスって…『雪ノ下がデレる』って意味かよ…意味が分からねぇよ…俺は何て返事すれば良いんだよ

 

「比企谷君は私の事………どう思ってる?」

 

 

………言葉が出てこない。確かに雪ノ下の事は大事だと思ってる。それでも何か違う……俺は…俺の『大事』は雪ノ下の『好き』とは違う。

…だから…俺は何て言えば良いんだよ………!

 

 

【選べ】

 

……ここで来るのかよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【①「俺も雪ノ下の事が好きだ」と言う】

【②「俺は由比ヶ浜の事が好きだ」と言う】

 

………おいおい…マジで勘弁してくれよ

 

 

【①3話を待つ】

【②次話を待つ】

 

 




2話終了です。どうですか?面白かったなら幸いです。
明日からは学校があるので投稿が不定期になるのでご理解の方を宜しくお願いします…すいません…

さて、主な流れとしては今は【雪ノ下雪乃編】をしておりますがだいたい3~4話で一つの編は終わらせるつもりです。

これからの主な流れの詳細は活動報告をご覧下さい。

では、3話で会いましょう!
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