パチュリーは転生者   作:グランド・オブ・ミル

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第12話

~パチュリーside~

 

「ところで、その子の名前は決まってるの?」

 

私はふと気になり、ミラージュに尋ねてみた。ミラージュの赤ちゃんは金髪で蒼い瞳を持っており、将来は間違いなく美人になるであろう女の子だ。

 

「ええ。名前はずっと前にあの人と決めてたのがあるわ。」

 

「へえ。聞いてもいいかしら?」

 

「もちろん。」

 

私だったらなんて名付けるかな?アリサとかリアとか・・・う~ん、何がいいかな~♪

 

私が自分の子でもないのに内心でノリノリになっているとミラージュから驚きの名前が飛び出した。

 

「『アリス』よ。」

 

・・・ん?今なんと?

 

「・・・アリス?」

 

「そう、アリス。」

 

聞き間違いではないらしい。さっきも言った通りミラージュの赤ちゃんは金髪で蒼い瞳だ。それで名前が「アリス」?・・・最終確認をしよう。

 

「ミラージュ。そういえばあなたのフルネームを聞いてなかったわ。」

 

「あら、そうだったかしら?『ミラージュ・マーガトロイド』よ。だからこの子は『アリス・マーガトロイド』になるわね。」

 

ベッドの上で妖艶に微笑む彼女の口から、私の予想を確信に変える衝撃発言が飛び出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

えええええええええええ!!!!!?

 

う、嘘でしょ!?アリスってあのアリス!?人形遣いの!?私、知らず知らずのうちにアリスの誕生に立ち会ったの!?いや立ち会ったどころかバッチリ手術しちゃってるし!

 

私はあまりの衝撃に思考が追い付かなかった。原作キャラに会えたのは嬉しいけどさ、こんなのってアリ!?アリスの誕生に関係しちゃったよ!これアリスと近所のおばさん並みに親しくなるんじゃない?原作でパチュリーとアリスってそんなに親しかったっけ?ていうか私の記憶が正しければ、パチュリーとアリスって二次創作でよく見る「吸血鬼異変」で初めて会うんじゃなかったかな?

 

「?パチュリー、どうかした?」

 

「え?ああ、何でもないわ。アリスね・・・素敵な名前じゃない。」

 

「ふふ、ありがとう♪」

 

ミラージュの問いに答える私はちょっと遠い目をしていたかもしれない。・・・まあ、でもいいか。前に調べた通りここはがっつり「東方projectの世界」というわけじゃなく、あくまで「東方projectのパラレルワールド」なわけだから、多少人間関係に差異が生じても問題ないはずだ。だったら前向きにアリスとの関係を深めようじゃないか。

 

「さてと、私は街であなた達の生活用品を買ってくるわ。困ったことがあったらこあに聞いて頂戴。」

 

「ええ。ありがとう。」

ミラージュのスリーサイズはここに連れてきた時にこっそり調べた。めちゃくちゃ可愛い服を買ってきてやろう。あとはアリスのベビー服とおむつ、ガラガラかな?あ、アリスだから人形のほうがいいか?よし、人形は私が手作りしてやろう。

そんなことを考えながら私はアリスをミラージュの隣に寝かせ、まだすやすやと寝ているマリアをシャスティフォルに乗っけて玄関に向かう。

 

「じゃ、行ってくるわね。」

 

「行ってらっしゃい、あなた。」

 

「・・・は?」

 

「あ、ごめんなさい♪どうもパチュリーってあの人そっくりだからつい♪」

 

「・・・まあ、何でもいいけど。」

 

いきなりのあなた呼びに驚いたが、呼び方はどうでもいいのでスルーしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ミラージュside~

 

「ただいま~♪」

 

「大人しく寝てたかしら?」

 

空が夕日で赤く染まる頃、パチュリー達は帰ってきた。でも、荷物らしき物はまったくない。

 

「さてと・・・」

 

私が疑問に思ってるとパチュリーは帽子についている三日月型の飾りをとって「オープン。」と呟く。すると・・・

 

ドサドサッ!

 

おむつ、ベビー服、おもちゃ、私の服などたくさんの生活用品が出てきた。

 

「え?パチュリー、何これ?」

 

私は思わず彼女に問いかけた。

 

「見ての通り、あなた達二人の生活用品よ。」

 

「いや、そうじゃなくて・・・」

 

パチュリーは私の反応を楽しんでるのかクスクスと笑っている。いつも思うけど彼女の笑みはとても惹かれる魅力があると思う。

 

「これはですね~。パチュリー様が作った魔道具の一つなんですよ!その名も『四次元バッジ』!」

 

こあが横から説明する。魔道具?魔法ってこと?

 

「こんな魔法見たことないわ・・・」

 

「当然よ。あなた達がやってるような手品とは年季が違うのよ。」

 

「あなたって一体何者なの?」

 

私は思わず聞いてしまった。そしてすぐしまった!と思った。聞けばパチュリーは冒険者ランクをCから上げようとしない。さらにはこんな森の中で暮らしている。恐らく私と同等、もしくはそれ以上の事情があるかもしれない。

 

「今、しまった!って思ったでしょ?」

 

「え?」

 

突然パチュリーが私の心中を読んできたので呆気にとられる。

 

「ミラージュは分かりやす過ぎよ。大丈夫。あなただって事情を話してくれたんだから、私も隠したりはしないわ。」

 

それからパチュリーは自分のことを話してくれた。魔女狩りで両親を失ったこと、魔法の研究をしながら隠れて生きてきたこと、今の魔法のレベルの低さ、再び目をつけられるのを防ぐためにランクをあげないこと・・・

聞いた話はすごく壮大だった。パチュリーは私なんかよりもずっと辛い思いをしているんだ。なのに彼女は前向きで、弱みを決して見せずにこあやマリア、私に笑いかけてくれる。そんな彼女のすごさを感じていると

 

ガンガンッ!

 

小屋の扉が強く叩かれた。

 

「あら、これは迂闊だったわ。つけられてたのね。」

 

「お母さんホントは気づいてたでしょ?」

 

「ふふ、ミラージュに私の魔法を見てもらいたくてね。」

 

どうやら街の冒険者がパチュリーとマリアをつけてきたようだ。確かに急にベビー用品や服を買い漁ってたら、誰かを匿ってることくらい想像がつく。

 

「パチュリー、私が囮になるからその隙にアリスを・・・」

 

外から聞こえてくる音からしてかなりの人数が集まってる。パチュリーまで捕まるわけにはいかないと思い、囮になろうとしたのだが

 

「ミラージュ、安心なさい。あなたに見せてあげるわ。本物の魔法をね。」

 

パチュリーはそう言って堂々と外に出ていった。

 




・四次元バッジ

元ネタ:ドラえもん

お馴染み、ドラえもんの四次元ポケットのバッジ版。普段はパチュリーの帽子についていて、数々のひみつ道具もここに収納されている。盗難防止として、パチュリーの魔力でしか使えない。
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