パチュリーは転生者   作:グランド・オブ・ミル

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第2話

~小悪魔side~

 

悪魔も人間のように貴族という階級が存在する。私はその上級貴族の長女として生まれた。確か名前があったはずだが、今はもう思い出せない。

 

今私がいる所は家の地下牢だ。その中で傷だらけになっている。今の今まで弟の魔術の的にされていた。なぜこんな扱いなのかというと簡単な話、私の魔力が極端に低かったのだ。

 

私達悪魔は生まれた直後は体内の魔力が安定していない。5年程かけてゆっくりと体に馴らしていく。そして貴族に生まれた悪魔は5歳になると魔力測定がある。かくいう私も測定を受けた。その結果、平均値を大きく下回っていた。貴族としての平均値だけではなく、平民の平均値も下回るという結果だった。はじめはこの意味を理解できなかったが今は嫌というほど分かる。

 

まず、両親が変わった。それまであんなに優しかったのに、突然私を殴り、蹴飛ばし、罵倒しはじめた。

 

「こんな出来損ないが私の子なわけがない!」

 

「あなた!地下牢に放り込みましょう!」

 

「よし!おい!こいつを地下牢にぶち込んでおけ!こんな"小悪魔"、貴族の面汚しだ!!」

 

それから私は地下牢に閉じ込められた。世間では私は病死したことにされたらしい。

 

そして次は友達が変わった。仲が良かった皆が毎日地下牢に来て、私を魔術の的にする。時には炎で焼かれ、時には体中切り裂かれ、時には無数の虫が私の体中をはい回った。

 

数年後、私に弟ができたらしい。私と違って天才と称される程優秀らしい。その弟も例に漏れず私を痛めつける。両親は弟の隣でニヤニヤ笑っているだけだ。

 

なんで?どうして?私が何か悪い事した?お母さんの化粧品使ったから?お父さんの本破いちゃったから?

 

私は体力的にも精神的にも限界だった。もう意識が朦朧としている。

 

(もう・・・死ぬのかな・・・?)

 

そう思った時だった。床が突然光りはじめて景色が変わった。地下牢から小さな小屋の中に転移したようだ。目の前には三日月の飾りがついた帽子をかぶり、ゆったりとした服の紫の髪の少女がいた。あ、これが悪魔を呼び出す召喚魔法かな?

 

「え・・・?」

 

目の前の少女が唖然としている。それもそうか。悪魔を召喚したのに出てきたのが私だもんね。たぶん呆れてるんだろう。

 

そこで私の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はベッドの上で目を覚ました。あれ?右腕に包帯?あ!服もパジャマになってる。ん?

 

「ス~・・・ス~・・・」

 

ふと目をやればさっきの少女がベッドによりかかって寝ていた。もしかして手当てしてくれたの?この私を?テーブルに目をやればパンとサラダが。メモがあったので読んでみる。

 

『目が覚めたら食べて。こんなものしかなくてごめんね。』

 

「・・・・」

 

私は無言でパンにかぶりついた。久しぶりに食べたパンは私の涙でちょっとだけ湿っぽかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

目の前の少女、パチュリーさんは私の話を目を閉じて聞いてくれている。私は今、起きたパチュリーさんに何故あんなに傷だらけだったのか聞かれ魔力が低かった事、地下牢にいた事、弟や友達の魔術の的にされていた事を話した。話が終わるとパチュリーさんは閉じていた目を開く。

 

そしてパチュリーさんは私をギュッと抱きしめてくれた。

 

「え・・・?」

 

「大丈夫。辛かったわね。よく頑張ったわ。」

 

パチュリーさんは抱きしめながら私の背中をポンポンと撫でる。

 

「うぅ・・・ぐす・・・」

 

久しく触れてなかった誰かの温もりに涙が流れはじめる。

 

「泣きたいなら思いっきり泣きなさい。私はあなたの『家族』なんだから。胸くらいなら貸してあげられるから。」

 

「!・・・ひっく、うわぁぁぁん!!」

 

パチュリーさんの『家族』という言葉に私はもうあふれでる涙をこらえきれずに泣いた。魔力が無いだけでまわりからゴミのような扱いを受けてきた私にこの人は家族といってくれた。それが私はすごく嬉しかった。

 

それから私はパチュリー様の使い魔として毎日楽しく生活している。

 

「こあ~!この魔導書もお願いね~!」

 

「は~い♪」

 

今日は魔導書の整理だ。毎日一緒に御飯を食べて、お風呂に入って、同じベッドで寝ている。最初パチュリー様は別々に寝ようと言っていたが私が

 

「怖いから一緒に寝てくれませんか・・・?(うるうる)」

 

と涙目で言ったら頬を少し赤らめて

 

「しょうがないわね・・・///」

 

と言ってくれた。そんな優しいパチュリー様が私は大好きだ。今日も同じベッドに入って一緒に寝る。

 

「おやすみ、こあ。」

 

「おやすみなさい。パチュリー様。」

 

明日もパチュリー様と楽しく過ごせますように・・・

 

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