パチュリーは転生者   作:グランド・オブ・ミル

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第4話

~パチュリーside~

私はあの後、小屋を小さいカプセルにする術式をくんだ。小悪魔が熱心に手伝ってくれたこともあって夜明け前に終わらせられた。成功したときに小悪魔の目がキラキラしてたのが印象的だった。

 

そして今の状況はというと・・・

 

「三日月形砂丘(バルハン)」

 

絶賛戦闘中だったりする。小屋をカプセルにして出発した直後、昼間よりさらに大勢の兵士達が襲ってきた。あ~も~鬱陶しい!一体何人いるんだよ!やっぱ昼間に隊長さん逃がしたのは間違いだったかな?今スナスナの実の力で剣持った奴を5人ミイラにした。う~ん、これだけ力の差を見せつけたわけだし、いい加減諦めてくんないかなぁ。

 

「ひっ!ミ、ミイラになった!」

 

「おい!奴の砂に気をつけろ!遠くから銃を撃て!!」

 

近づくと危険と判断したのか今度は銃を撃ってきた。なんていうか・・・学習しない人達だなぁ。そんなもん昼間効かなかったでしょうが。

 

ボッボッボッ・・・

 

体を砂に変えて銃弾をかわす。

 

「なっ!?」

 

なっ!?じゃねぇよ!まったく、せっかくもうちょっと強いのが出てくるかと思えばとんだ肩透かしだね。

 

「パチュリー様、大丈夫ですか?」

 

「ええ、大丈夫よ小悪魔。こんなの準備運動にもならないわ。」

 

小悪魔が心配そうに聞いてくるけど安心して。マジで準備運動にもならない。ラジオ体操でもしてたほうがまだマシな気がする。伊達に私だって10年間修行したわけじゃないのだ。

 

「た、隊長!どうしましょう・・・」

 

「無理だ・・・あんなの勝てるわけがない・・・」

 

弱気になる兵士が増えてきた。そうそうその調子。さっさと諦めて帰っておくれ。

 

「情けねぇ奴等だ。どけ、俺がやる。」

 

ありゃ?隊長さん強気だね。よく見りゃ昼間の隊長さんじゃないし。体がやたらぶっとい。ん?隊長さんの気の中に何か特殊な力を感じるな・・・ナニコレ?

 

「パチュリー様、気をつけて下さい。あの男"能力"持ちです。」

 

小悪魔が教えてくれる。"能力"って東方で有名な"程度の能力"!?え、こんなモブキャラにも能力ってあんの!?

 

「わかったわ。ありがとう小悪魔。」

 

能力か~。ま、ちょっとはマシなのが出てきたってことか。

 

「観念しろ。お前の魔法は確かに強力だが、俺には勝てねぇ。」

 

「ゴチャゴチャ言わないでさっさとかかって来なさい。相手に隙を与えてどうするの?」

 

私は有名な霊界探偵のように手をピストルの形にして魔力弾をぶっ放つ。しかし・・・

 

グニャン・・・

 

「あら?」

 

「え!?」

 

魔力弾は隊長さんに当たる直前で曲がり、空の彼方に消えていく。なるほど、あれが能力か・・・じゃあ次は

 

「魔槍シャスティフォル第五形態・・・」

 

数打ちゃ当たる戦法で!

 

「増殖(インクリース)」

 

ズドドドドドドドッ!!!

 

「・・・・・・」

 

まあ、そうだろうと思ったよ。案の定、シャスティフォルのクナイは全部さっきと同じようにはずされ、地面に流されている。

 

「くくくっ、これが俺の能力、『ありとあらゆるものを曲げる程度の能力』だ!!」

 

ふぅ~ん。なるほど。そんな能力だったのか。自分から能力バラすってのはどうかと思うが・・・

 

「さすがキースさんだ!!」

 

「当たり前だろ!!俺はあの人が負けたところは見たことねぇ!!」

 

「いつものようにやっちゃって下さい!!」

 

兵士達に活気が戻っている。へ~こいつ一度も負けたことないのか。

 

「ふははは、よし!貴様にもう一つ絶望を与えてやろう。攻撃してみろ。さっきみたいにはずしたりはしねぇ。」

 

・・・ホントなにこいつ。腹立つのを通り越してもはや呆れる。敵に隙を見せるなってさっき言ったばっかでしょうが。まあ、多分能力で何かしらするんだろうけど。

 

「お、出た!キースさんはアレをやるつもりだぞ!!」

 

「お遊びが好きだなぁ、あの人も。」

 

「ハハハッ!これであの女も終わりだな!!」

 

こいつらもこいつらだ。兵士のくせして性格悪すぎ。うん、さすがにイラッとくるね。お灸を据えてやろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~小悪魔side~

 

私は悔しくてたまらない。私を『家族』と言って使い魔にしてくれたパチュリー様が目の前で戦ってるのに私は何もできない。さらに能力持ちの男がパチュリー様の攻撃をいなし、それに調子に乗ったまわりの男達がパチュリー様を侮辱し始める。さすがの私も我慢の限界だ・・・!!

 

「パチュリー様をバカにするなぁ!!」

 

私は喉が張り裂けるほどの大声で叫ぶ。だが、それに反応した男達がさらに罵倒を続ける。

 

「おい!ガキの悪魔がなんか言ってるぜ!!」

 

「ヒャハハハッ!!ってあいつさっきから何もしてねぇじゃねぇか!!」

 

「やめてやれって!どうせ落ちこぼれでろくな魔法使えねぇのさ!!」

 

「なるほどそうかァ!!ヒャハハハッ!!!」

 

「っ!!」

 

私は何も言い返せなかった。男達が言ったことはすべて事実だったから。よく見ればパチュリー様は私を守るように戦っている。私はパチュリー様の重りなんだろうか・・・

 

ポンッ

 

 

パチュリー様が私の頭に手をのせて撫でてくれる。

 

「ありがとう、こあ。大丈夫。私の心配はいらないわ。あなたの主人は誰?」

 

パチュリー様が私に問いかける。いつもと変わらない美しい笑顔で。だから私も精一杯の笑顔で返す。

 

「パチュリー・ノーレッジ様です!!」

 

パチュリー様は私の答えに満足そうに頷くとニヤニヤして余裕そうな能力持ちの男に向かい立つ。

 

「魔槍シャスティフォル第一形態・・・」

 

無数のクナイ状のシャスティフォルが集まり、一本の神々しい槍になる。

 

「災厄(ディザスター)」

 

それがパチュリー様の操作で勢いよくあの男に飛んでいく。間違いなくあの男は貫かれるだろう。しかし・・・

 

「え!?」

 

私は驚きの声を上げずにはいられなかった。シャスティフォルは男の胸辺りで止まっていたからだ。

 

「くくくっ、これが俺の能力の真骨頂。俺はダメージさえも曲げ、外部へ逃がすことができるのさ!!」

 

男が自慢気に話す。

そんな・・・ダメージを受けないなんてそんなの勝てるわけがない・・・パチュリー様・・・

 

私は不安になり、パチュリー様を見ると

 

ふふっ

 

余裕そうに笑っていた。

 

「ダメージを曲げるねぇ。確かにすごい力だわ。」

 

「ハハハッ!そうかやっと負けを認めたか!!」

 

パチュリー様の発言に男が嘲笑う。でもパチュリー様は男を笑い返す。

 

「クスッ」

 

「・・・何がおかしい?」

 

そんなパチュリー様に男は不機嫌に問う。

 

「井の中の蛙とはこのことを言うのね。」

 

「・・・何だと?」

 

パチュリー様はとても優雅に、それでいて力強くこう宣言した。

 

「あなたが曲げるというのなら、私は引きずり込んでみせるわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~パチュリーside~

 

「あなたが曲げるというのなら、私は引きずり込んでみせるわ。」

 

小悪魔を励ましたあとに私はあのキースとかいう奴にシャスティフォルの第一形態をぶちこんだけどやっぱりダメか・・・ま、ちょうどいい。あの能力を試す絶好の機会だ。

 

「くくくっ、ハハハハハハッ!!面白れぇ!!やってみろ!!」

 

ふふふ、今のうちにバカ笑いしてるといいぜ!見てろよ~。

 

「ええ、ぜひやらせてもらうわ。こあ、少し離れてなさい。」

 

小悪魔は一応下がらせておく。さてと、やりますか!

 

「"悪魔の実『ヤミヤミ』"!」

 

そう言って私は体から闇を出す。正直この能力は原作でも「悪魔の実史上最も凶悪な力」って言われてたからあんまり試せなかったんだよね。

 

「ふん!何をしようがムダだ!俺にはどんな攻撃も通じねぇ!さあ!死ねぇ!!」

 

キースが剣を構えて突っ込んでくる。さあ、この力を存分に思い知るがいい。ここからはちょっとカッコよく決めてみよう。後で恥ずかしさで悶えるのは目に見えてるけど。

 

「ハァ、死ぬのはあなたよ。『闇水(くろうず)』。」

 

私は奴に右の掌を向け、闇の渦を発生させる。すると闇は引力を発生させ、キースを引きずり込む。

 

「なにっ!?」

 

キースはたちまち私の掌に収まる。まあ、私の手が小さくて奴を掴んだりはできないから吸い付けてるみたいだが。

そのまま私は槍状態のシャスティフォルを奴に突き刺す。

 

ドスッ!

 

「ぎゃああああああ!!!」

 

よし!成功だ!ちゃんと能力を封じてる。

 

「え!?どうしたんですかキースさん!?」

 

「ダメージは曲げられるはずでしょう!?」

 

無理なんだなそれが♪お、キースさんが恨めしそうにこっちを見てる。

 

「てめぇ、何をしやがった!?」

 

あらら、さっきまでの余裕はどこへやら。血相変えて聞いてくる。

 

「闇の真の力はその無限の引力よ。あらゆるものを引きずり込み、一切の光も逃がさない。」

 

「それが、どうしたってんだ!!」

 

「分からない?私はあなたを捕らえた瞬間、その能力を引きずり込んだのよ。つまり私が触れている間、能力者はいかなる能力も使えなくなるわ。」

 

「なんだと!?」

 

「まあ、強者相手ならこんな力はあんまり通じないけど・・・」

 

ここで私は奴に軽蔑の笑みを浮かべる。

 

「自分の能力を過信して、それに頼りきりな奴にはよ~く効くわ。」

 

「っ!!く、くそ!!おいお前ら何してる!?さっさと手を貸せ!!」

 

「あっ、はい!!」

 

奴の指示で兵士達が全員構える。っていうかこいつホントに能力に頼りきりだったんだな。封じただけでこのありさまとは・・・ま、どっちにしてももう手遅れだけどね♪私は闇をその辺一帯に広げる。闇は地を這うように広がるので飛んでいる小悪魔は無事だ。

 

「さて、仕上げよ。あなた達はこの私に挑んでしまった己の愚かさを・・・地獄で後悔するといいわ。」

 

「かかれぇ!!」

 

「「「うおおおおお!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「闇穴道(ブラックホール)。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・後日、パチュリーと兵士達が交戦した辺りからもはや原型をとどめていない鎧や武器や肉片が発見されたことで国中が大騒ぎになった。

 

 

ついでにあの後なぜか小悪魔がパチュリーを頬を赤く染めてチラチラと上目遣いで見つめていたことを追記しておく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




・当作品ではシャスティフォルの第一形態は槍の状態と設定します。

・小悪魔は一応悪魔なので闇をまとったパチュリーの力強さと美しさに心打たれました。
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