パチュリーは転生者   作:グランド・オブ・ミル

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第8話

~パチュリーside~

 

ついに私達は街に入った。街は妖怪が入って来ないように進撃の巨人のような高い壁で囲まれていた。マリアがその壁を見て驚いていたのでたぶん村とかにはないんだろう。

 

う~ん。にしても広いなぁ。ギルドってどこにあるんだろう?しゃーない。人に聞こう。16年間まともに人としゃべる機会なんて殆どなかったから不安だけど背に腹は変えられない。私は近くのおじさんに声をかける。

 

「もし。そこのあなた。少し尋ねたいのだけど。」

 

「ん?なんだいお嬢ちゃん?」

 

「冒険者ギルドという所はどこかしら?」

 

「おや、ギルドに用事かい?それならこの道を真っ直ぐ行ってあの飯屋で右に曲がればでかい建物が見えるからそこだよ。まあ、そこそこ目立つ建物だから見りゃあ分かるよ。」

 

おじさんは親切に教えてくれる。ふぅん、そんなに目立つのか。そりゃ探すのに苦労しなくて済みそうだ。

 

「ところでお嬢ちゃん。ギルドに何の用だい?」

 

「就職活動よ。」

 

私があっけらんと答えるとおじさんは慌てはじめる。

 

「やめとけお嬢ちゃん!冒険者ってーのは恐ろしい魔物と戦う奴のことだ!そりゃ確かに稼ぎはいいが常に危険と隣り合わせだ!悪い事言わねぇからやめておけ!」

 

?何でおじさんこんなに慌ててるんだ?・・・あー、そうか。おじさんから見ればか弱い女の子が戦う職業に就くって言ってるんだ。そりゃ慌てるな。

 

「大丈夫です!パチュリー様は最強ですから!」

 

「うん。お母さん強い。」

 

小悪魔とマリアが私を推す。いやー、照れるな♪

 

「ということだから心配無用よ。どうもありがとう。さ、行きましょう。」

 

「「はーい!」」

 

私達はおじさんに教えてもらった道を進む。何か後ろでおじさんが言ってたけど無視した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少女移動中・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここね。なるほど、確かに目立ってるわ。」

 

ギルドは本当に見れば分かった。いかにもファンタジー!って感じの建物だったからすぐ分かった。鎧と武器をぶら下げた人達がしきりに出入りしている。女の人は少ないようだ。

 

「どうするマリア。ここで待ってる?」

 

ギルドの中は私の予想だとやたらごっついおっさん達でごった返してるはずだ。マリアには辛いんじゃないかと思い、マリアに尋ねる。

にしてもクッション状態のシャスティフォルに乗ってるマリアは中々絵になるな。

 

「ううん。お母さんと一緒に行く。」

 

マリアは首を横に振る。どうやら大丈夫そうだ。私達はギルドの中に入っていった。

 

ギルドの中は入って右側に依頼書がたくさん貼られている掲示板があり、左側には恐らく冒険者であろう男達が騒いでいる酒場、そして正面には受付というなんともありきたりな内装だった。ま、いいんだけどね。シンプルで。

 

私達が入ってくると酒を飲んでいた男達がこちらを不思議そうに見てくる。たぶん女の子がくるのは珍しいんだろう。私達は気にせずに受付のお姉さんに話しかける。

 

「登録がしたいんだけど。どうすればいいかしら?」

 

お姉さんは一瞬驚いた顔をするも、すぐに対応をはじめる。

 

「え?あ、はい。では何人のご登録でしょうか?」

 

「二人よ。」

 

マリアはあまりにも小さすぎるのでやめておこう。

 

「はい。ではこちらの用紙にご記入をお願いします。」

 

受付嬢は私と小悪魔にA4くらいの紙を差し出す。

 

名前:

年齢:

属性:

武器:

 

記入項目はこれだけのようだ。名前はそのままでいいだろう。年齢もとりあえず二十歳と書いておこう。問題は属性と武器か~。小悪魔はイヌイヌの実モデル"ケルベロス"の能力で地獄の業火が使えるから"火"でいいだろう。私はどうするか・・・

あ、そうだ!世の中には無属性ってのがあるじゃん!数万人に一人の落ちこぼれ属性だけど。面倒だしこれでいこう。武器は二人とも特になし。まさかマリアが乗ってるクッションが武器なんて言えないし。

 

名前:パチュリー・ノーレッジ

年齢:20

属性:無

武器:特になし

 

名前:コア

年齢:17

属性:火

武器:特になし

 

これで良し。

 

「あの~。お二人とも武器なしというのは?」

 

「気にしなくてもいいわ。充分だもの。」

 

受付嬢が私達に不思議そうに聞いてくる。ま、マジで武器なしでも余裕なんだけどね。

 

「そうですか?では、このギルドについての説明をさせていただきます。」

 

「ええ、お願いするわ。」

 

受付嬢は若干疑問が残るようだが説明をしようとする。

 

「冒険者の皆さんはあそこの掲示板の依頼をこなしていただき、記載してある報酬を受け取ってもらいます。記載してある報酬からギルドに納める手数料などは引いてあるのでご安心下さい。」

 

なるほど。私達はただあの依頼をこなしてればいいわけね。

 

「ギルドでは成績によってランクがF、E、D、C、B、A、Sと上がっていきます。なお、ランクBからは貴族様からの指名依頼も入ってきます。」

 

なるほど。どっかで聞いた話だ。貴族からの依頼か~。メンドくさそうだし、上げてもDとかCくらいでいいや。

「ギルド内での決まりとしては、冒険者同士の間で問題が起こってもギルド側はよほどのことがない限り介入いたしません。何か質問はございますか?」

 

「そうね。特にないわ。」

 

「そうですか。では、こちらがギルドカードです。身分証明書の役割もありますので無くさないようにご注意下さい。」

 

そう言って彼女は私と小悪魔にファミマのポイントカードのようなカードを差し出す。そこには名前とランクが書いてあった。やっぱ最初はFランクスタートか。

 

「ありがとう。さ、こあ、マリア。依頼を受けにいきましょう。」

 

マリアの服とか生活用品も欲しいし、なるべく高いのを選びますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~マリアside~

 

受付のお姉さんとのお話しが終わった私達は掲示板に向かった。そこには草むしりから強力な魔物退治までたくさんの依頼が幅広く貼ってある。

 

「あ、これいいわね。」

 

その中からお母さんは一枚選んだ。なんの依頼かなと思って覗いてみるとそこには

 

ウルフジェネラルの討伐

報酬:銀貨50枚

 

と書かれていた。私は顔を青くしてお母さんの袖を掴んで

 

「やめて・・・お母さん、危ない。」

 

と言った。だってウルフジェネラルはお父さんを殺した魔物だったから。お母さんが殺されちゃうのは嫌だ。そう思ってたら・・・

 

ポンッ

 

お母さんが私の頭を優しく撫でてくれた。

 

「大丈夫よマリア。私はこの程度の妖怪じゃビクともしないわ。」

 

見上げるとお母さんは笑っていた。すごく、綺麗な笑顔だった。

 

「安心してくださいマリア様!パチュリー様は無敵ですから!」

 

こあも私を励ましてくれる。私は二人のおかげでちょっとだけ安心できた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街を出て森に着くとお母さんは目を閉じて「けんぶんしょくのはき」っていうのを使った。そしてしばらくすると

 

「こっちね。」

 

と言って歩きだす。私が乗ってるクッションもそれにあわせてふよふよと動きだす。私は怖くてクッションをぎゅっと抱き締めた。そして

 

「「「グオォォォォ!!」」」

 

ついにその瞬間はやって来た。しかも3体。

 

「ああ・・・ああ・・・」

 

私は怖くて仕方がなかった。ウルフジェネラルは3メートル、大きいもので5メートルにもなる大型の狼だ。強さも折り紙つきで冒険者なら会いたくない魔物の一体だ。でもお母さんは怖がる素振りなんてまったく見せず、堂々と歩きだす。

 

「こあ。討伐部位ってどこだったかしら?」

 

「えーと、どこでしたっけ?」

 

「ま、首持って帰れば証明にはなるでしょ。」

 

何でお母さんはこんなに落ち着いてるの?相手はウルフジェネラルだよ?しかも3体いるんだよ?

 

そして次の瞬間

 

「グオォォォォ!!」

 

ズンッ!!

 

ウルフジェネラルの一体がお母さんを踏み潰した。

 

「お母さん!!」

 

私は涙目になりながら叫んだ。でもこあは至って冷静だった。

 

「大丈夫ですよマリア様。ほら、あそこを見て下さい。」

 

こあがそう言ってウルフジェネラルの後ろを指差した。そこを見ると

 

「やんちゃなワンちゃんね。」

 

お母さんが何事もなかったかのようにふわふわと浮かんでいた。そしてお母さんが

 

「悪魔の実『ピカピカ』」

 

と呟いて右手の人差し指を光らせ

 

ピュンピュンピュンッ!

 

そこから発射した光線でウルフジェネラル3体の首をたちまちはねてしまった。すごい・・・。私が見惚れているとお母さんが降りてきた。

 

「ね?マリア。大丈夫だったでしょ?」

 

その時のお母さんの笑顔はとても綺麗で女神のようだった。そして私はお母さんのためにも強くなりたいと思うようになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この後お母さんが持って帰ったウルフジェネラル3体の生首に受付のお姉さんが叫んだのは別の話。

 

 

 

 

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