もしもネギま!の世界に悪魔の実があったら   作:リョーマ(S)

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※読む前の注意※

この作品は、国語能力低めの素人作者が暇な時に考えている「もし○○○の世界に×××があったら」や「△△△と□□□がクロスしたら」などの妄想を、自身が暇つぶしに文章化したものです。

過度な期待はしないで下さい。


――追記――
パロディネタが多いです。
一応、ネタが分からなくても問題ないように書いているつもりではありますが、ご了承下さい。




プロローグ 原作前
1.【転生】と書いて【りょこう】と読む?


 

 

 

 始まりは、突然だった。

 ある日、ウインカーも出さずに交差点を曲がりやがった大型車のせいで死ぬこととなり、その後、謎の空間で神様を自称する謎の人物に――

 

転生(りょこう)するなら、何処に生きたい?』

 

 ――などと言われ、そのままテンプレな転生をした。

 まぁ、その説明は省略するとして………。

 

 

 そんなことがあって、この世が二度目の人生であり、現在十四才の俺は“麻帆良学園”という学園都市で暮らし、その男子中等部に通っている。“麻帆良学園”という名前から分かっての通り、この世界は人が車と同等の速さで走ったり、バカみたいに巨大な木が生えていたりする『ネギま』の世界だ。

 『ラステルマスキル――』とか、『プラクテ――』とかの呪文を使うアレだ。

 しかし、この世界は俺の知っている世界と少し違っていた。

 そう、この世界にはあの“悪魔の実”が存在していた。

 

 “悪魔の実”

 

 それを口にした者はなにかしらの能力を得て、能力者となる。しかし、代わりに海からは拒絶され、一生、泳げない身体になってしまう異能の果実。

 これは『ONE PIECE』に出てくる架空の果実であるが、何故かこの『ネギま』の世界にもこれが存在している。

 だが、魔法使い達にとって悪魔の実は都市伝説レベルのものであり、その存在を知るものは、極少数。多くの魔法使いが名を知っていても、昔話やおとぎ話レベルにしか思っていない。

 しかし、魔法使いが沢山いるこの麻帆良学園にも、確かに能力者はいるわけで――

 

 

 

 ☆☆☆

 

 

 

 所々生えている木々からセミの鳴き声が聴こえてきて、冷たい物が恋しくなってきた今日この頃。この世界に来てから、散歩癖のようなものが付いた俺――加賀美総一は「最近、ジメ暑くなってきたなぁ」と感じつつも、今日も麻帆良学園内をプラプラと歩いていた。

 いや、散歩癖とは少し違うか。俺はただこの学園都市の土地勘をつけようとしているだけなのだ。麻帆良(ここ)はマンガの世界といえど、自分が暮らしている街。土地勘くらいつけておきたい。そう思っているのだが、俺は未だにこの広い麻帆良学園を一通り散策しきれないでいた。なにせこの学園都市、広い……広すぎる。街には首都へ繋がる電車が走っており、学園都市内に三つほど駅があるのだが、駅三区間分の土地を歩いて回るのは、俺のプライベート時間だけでは、あまりにも少ない。

 だが、俺が散策しきれない理由はこの学園の広さだけではない。というのも、この何かと毎日が騒がしい学園都市で、俺はやたらと問題事(ハプニング)に出くわす。それが転生者だからなのかは分からないが、そのせいで俺はことあるごとに問題事(ハプニング)に時間を食わされている。

 

「何だと、コラァ!! もう一度言ってみろ!!」

「あぁ、何度だって言ってやらァ!!」

 

 ほら、遭遇した。

 場所は高等部棟のすぐ近くにある広場。二人の厳つい顔をした高校生らしき生徒が胸ぐらを掴み合い、互いに罵詈雑言を浴びせあっていた。

 この学園都市で生徒同士の喧嘩はよくあることだが、そのほとんどは仲が良いゆえに起こるいざこざの方が多い。どうやら今回も彼らの暴言から判断するにそのケースらしい。

 けど、理由はどうあれ、喧嘩やらなんやらの生徒の問題を解決するのが、俺の所属している“広域指導委員”とやらの仕事である。

 よって、騒がしい生徒二人を見て、俺のやることはただひとつ。

 

「……お前ら、ちょっと頭冷やそうか?」

 

 

 

 ☆☆☆

 

 

 

「くっ……この、“悪魔”、めっ」

 

 そう言うと、最後まで立っていた一人がバタリと倒れた。

 

「ヒトだよ、あほ」

 

 俺は手をズボンのポケットにいれ、喧嘩をしていた二人を見た。二人は同学年の高校生らしく、今は唸りながら地面にのびている。口頭で何とか出来れば良いのだが、経験から言って、こういう喧嘩上等な奴らは口で何を言っても(俺が下級生なら尚更)言う事を聞かない。

 よって、俺はいつも通り武力行使で二人を黙らせた。でも、かなり手加減したし、流石に命には別状はないだろう。

 

「あ~らら、もう終わってたの……」

 

 後ろから聴こえてきた声に反応し、俺は振り返った。

 

「あぁ、青藤先輩」

「よぉ、お疲れさん。悪いなぁ、本来なら俺がやらなきゃ行けねぇんだろうが」

「別に良いですよ、大したことなかったですし」

 

 やって来たのは高等部の制服を着た男子生徒、青藤先輩こと青藤礼司(あおふじれいじ)。俺とは三つ年上で、同じく広域指導委員に属している悪魔の実の能力者である。いつも頭にアイマスクを着けていて、たまに丸縁のグラサンを着けているのを見かける……というか、容姿、声、言動、まんま“青雉”だ。

 

「そうかい。んじゃあ、ついでに後始末も頼むわ」

「えぇー、それくらい先輩がやってくださいよ」

 

 俺の言い分を聞くこともなく、青藤先輩は「じゃあな」と言って去っていった。

 

「……今度、何か奢って貰おう」

 

 携帯を取りだしながら、俺はボソッと呟いた。そして細い目で画面を見ながら、電話帳に書かれたある人物に電話をかける。数回のコールの後、プツッと電話がつながる音がして相手の声が聞こえた。

 諸々の事情を説明すると、その人はすぐに来てくれるとのことだった。

 

 

 数十分もしない内に、その人は来てくれた。

 

「やぁ、待たせたね」

「いえいえ、そんなに待ってないです」

 

 俺は広場の隅にのびている男子高校生二人を指差した。

 

「アレがさっき言った、騒いでた奴らです」

「了解。じゃあ後は僕が何とかしとくよ」

 

 そう言いながら、その人――高畑先生は懐から煙草を取りだし、火をつけた。

 

「じゃあ、後は頼みます」

「あ、ちょっと待った」

 

 高畑先生に呼び止められ、俺は足を止めた。

 

「ここに来る途中に学園長に呼ばれてね。君も一緒にとのことだよ」

「学園長が? 何でまた」

「さぁね。でも君を呼び出すってことは“アレ”が関係してるってことだろうね」

 

 “アレ”――つまり、悪魔の実のことだろう。

 

「えぇー、それなら俺じゃなくて青藤先輩に言えばいいじゃないですか。なんなら俺が呼びにいきましょうか?」

 

 今ならまだその辺にいるだろう。

 

「ははは、そうかもしれないけど、学園長は“君に”とのことだ。あの人はあんな感じだけど人選は確かな人だよ」

「……なら良いんですけどね」

 

 あの人のことだし、適当に選んだ気がしないでもないがな……。

 

 

 

 ☆☆☆

 

 

 

「盗撮?」

 

 能力者関連の問題事ということで呼び出され、事の始末を終えた高畑先生と学園長室を訪れた俺は、その部屋の主たる学園長から今回呼び出した理由を聞いた。

 

「そうじゃ。今、運動部の女子生徒の間で被害が多発しての、撮られた写真の一部が裏で売買されているという報告も受けておる」

 

 長く伸びたアゴヒゲを撫でながら、学園長は呼び出した理由を俺達に説明した。学園長が座っているソファの後ろには、何故か俺のクラスの担任である葛葉先生が立っている。

 

「はぁ、それに能力者が関わっていると?」

 

 俺の隣に座っている高畑先生は、そう言いながら学園長に目をやった。

 

「うむ、実はこの件については、すでに葛葉君が調べておってのう……。葛葉君」

 

 学園長に話を振られ、後ろに立っていた葛葉先生が「はい」と返事をして、俺と高畑先生に事件について詳細を説明をしてくれた。

 

 

 その葛葉先生の調査によると――

 主な被害現場は体育館の近くにある女子更衣室。

 犯行の時間帯は決まって放課後。

 推定される犯人像としては、男性または男子生徒の単独犯。その理由としては、被害者が全員女性というのもあるが、撮られた写真のほとんどが着替え中のモノやローアングルから撮られたモノであり、それ以外に被害者等に共通点がなかったためである。

 

 

「うぅ~ん、話を聞いた限り、この件に能力者が関わっているとは思えないんですが?」

 

 俺がそう言うと、学園長は葛葉先生から何枚か写真を受け取って机に置いた。高畑先生がそれを受け取り、目を通す。俺は横からそれを覗き見た。

 

「……なるほど、確かに不自然ですね」

 

 学園長が見せた写真は件の盗撮写真であった。恐らく葛葉先生が調査の際に入手したのだろう。その写真に目を通した俺達が感じたのは、明らかな“不自然さ”だった。

 

「女子更衣室がどんな構造してるのかは知らないですけど、こんな角度で撮られたら、普通気が付きますよ」

「うむ、その通りじゃ」

 

 そう、それらの写真は被写体の前や物影がない所から撮られた物ばかりだった。こんな写真は被写体に近づいたり、被写体の前に立たなければ、まず撮れない。

 

「最初は魔法使いの仕業も観点にいれ、葛葉先生に調査してもらっていたのじゃ。こういう問題は魔法使い又は魔法を熟知している女性教員が調査した方が良いと判断しての」

「そして、調査すれども犯人が特定できないから、魔法使いではなく能力者の可能性があると考えたと?」

「うむ、そういうことじゃ。話が早くて助かるのう」

 

 深く頷き、学園長はアゴヒゲを撫でた。

 

「はい、用件はわかりました。早速調査してみます。と言っても、今回は主に君の仕事だけどね」

 

 高畑先生は俺を見た。

 

「……はいはい、言われたからにはやりますよ。けど、今回の件、俺じゃなくても良くないですか?」

 

 他にも能力者について熟知している、かつ対処できる人はいるだろうに……。

 

「うむ、聞いての通り、今回の件は能力者が関わっているかもしれない上に、“盗撮”という何かと複雑な問題じゃ。青藤君のような男子高校生に任せるのはあまり良くないからの」

「それは中学生とはいえ男である俺にも言えることじゃないんですか? そういうことなら“エヴァさん”に頼めば良いじゃないですか。あの人ならこんな事、即解決しそうですが」

「いやぁ~、君達に頼む前に頼んだんじゃが、断られてのう……」

 

 あの人の事だ。「何故私がそんなことを」とか「嫌だ、メンドイ」とか言って断ったのだろう。自分が提案しておいてなんだが、あの人が学園長の依頼を素直に引き受ける姿が思い浮かばない。

 

「……はぁ、わかりましたよ。とりあえず、能力者確保したときのために、“アレ”を渡しといてください。高畑先生に」

 

 俺がそう言うと、学園長は頷き、自分のデスクの引き出しから“黒色の手錠”を取り出した。高畑先生は席を立ち、学園長からそれを受け取った。

 

「では、頼むの」

「了解」

「了解です」

 

 俺と高畑先生、葛葉先生は、学園長室を後にした。

 

 

 

 ☆☆☆

 

 

 

「それで犯人を捕まえるとして、まず何をするんだい?」

 

 学園長室を出て、早速、高畑先生が訊ねてきた。

 

「それは明日の放課後に話しますよ。今日は流石に時間が時間ですし」

 

 現時刻、六時すぎ。下校時刻を過ぎているというだけあって周辺に生徒の姿はないし、もう今からやれることはほとんどない。

 俺は寮に帰るため、先生方は職員室に戻るため、それぞれ歩を進めた。

 

「てか、葛葉先生って悪魔の実について知ってる魔法使いだったんですね。知らなかったです」

「い、いえ、私は今回の件で悪魔の実が実在すると知りました。それに私は魔法使いではありません」

 

 そうだったんだ。ほぼ無反応でいたから、知ってるのかと思った。“魔法を知っているが魔法使いではない”って事は知ってたけど……。

 

「因みに、悪魔の実についてどれくらい知ってますか?」

「口にすれば、悪魔が宿り、人外の力を得る果実であることくらいです」

「あ、あぁ、そうなんですか」

  

 葛葉先生の答えを聞いて、俺は少し言葉を詰まらせた。

 ……間違ってはないんだけどなぁ。まぁ、魔法使い達にとって悪魔の実なんて、都市伝説レベルのモノだから、詳細を知らなくてもおかしくはないけど、今の解釈だとまるで能力者は皆化け物みたいに思っているように聞こえる。

 

「……あの、高畑先生」

 

 葛葉先生に呼ばれ、高畑先生は「何ですか?」と目を向けた。

 

「彼はいったい何なんですか? 私は彼の担任ということもあり、彼が広域指導委員に属しているのは知っていますが、彼が魔法使いだということは聞いたことがないのですが……」

「あぁ、彼は言うなれば、“能力者担当係”ですよ」

「“能力者担当”?」

 

 聴き慣れない言葉に葛葉先生は、詳細を訊ねた。

 

「葛葉先生は能力者について、先程初めて聞いたようなので知らなかったのでしょうが、学内の魔法使いの一部には今回のように能力者が学園内で問題を起こした時に、こうして問題事を解決したり、対処にあたる人達がいるんですよ」

「彼がその一人だと?」

「えぇ、そういうことです」

「ですが、彼は一般人なんですよ、何故彼が?」

「それは彼が能力者だからですよ」

「えぇっ!!」

 

 高畑先生の言葉に葛葉先生は驚き、足を止め、見開いた目で俺を見た。葛葉先生の歩みが止まったことで、俺と高畑先生の足も止める。

 

「な、本当に!?」

「えぇ、本当ですよ」

 

 動揺してる葛葉先生とは対称的に俺は静かな口調で言った。

 

「し、しかし、どう見ても普通の人にしか見えませんし、魔力や気も一般人と何ら変わらないようですが」

「能力者と言っても、外見は普通の人と変わらないですよ」

 

 高畑先生と変わり、今度は俺が説明した。

 

「そうなのですか?」

「えぇ、魔法使いの間では童話やら都市伝説やらのせいで、『悪魔の実を食べると悪い化け物になる』ってイメージを持っている人が多いですが、悪魔の実は食べた人間に能力を付与させるだけです。人間の人格に影響したりはしません」

「いったいどんな能力が?」

「それは食べた実によって異なりますね。悪魔の実は大きく分けて三つ種類があって、それぞれ超人系(パラミシア)動物系(ゾオン)自然系(ロギア)というんですけど、超人系(パラミシア)を食べれば人智を越えた力を得ることができ、動物系(ゾオン)は特定の動物の姿に変身できるようになり、自然系(ロギア)を食べれば、実体が自然物に変化します」

 

 想像しにくいのか、葛葉先生は顎に手を当てて熟考する。その表情を見て、俺は更に続けた。

 

「例えば、超人(パラミシア)系の悪魔の実に“バラバラの実”というものがあるんですが、この能力者は生きたまま自分の身体を刀で切ったようにバラバラにすることができるんです。同様に、動物(ゾオン)系には“イヌイヌの実”という犬に変身できるようになるものがありますし、自然(ロギア)系には、“モクモクの実”という身体が煙になるものがあります」

 

 悪魔の実の種類についての説明を終え、俺は葛葉先生に目を向けた。

 だが、先生は「バラバラ……モクモク……」と呟きながら、まだ何やら考えていた。

 やっぱり、口での説明じゃあ分かり難いか……。

 

「まぁ、口頭では理解しにくいでしょうから、今回の件で実際に見てみると良いですよ。一度目にすれば、どんなものかわかるでしょうし」

 

 高畑先生がそう言うと、俺は前を向き歩き始め、後続して先生達も足を進めた。

 因みに俺は動物系(ゾオン)の能力者であるが、わざわざこの場で教えはしない。長くなるしな。

 やがて、三人が別れると思われる場所で、先頭を歩いていた俺は足を止めた。

 

「それで、話を戻して君は今回の犯人をどう見てるんだい?」

「そうですね。まだ推測の域を出ていないので、断定は出来ませんが、今回の犯人は、多分――

 

 

 ――“超人系(パラミシア)”の能力者です」

 

 

 

 

 TO BE CONTINUED ...

 

 

 

 

 





こんな感じでやっていきます。

もしも本作のネギまキャラに海賊旗があったら、見てみたいのは……?

  • ネギ・スプリングフィールド
  • 神楽坂 明日菜
  • 雪広 あやか
  • エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル
  • 超 鈴音

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