もしもネギま!の世界に悪魔の実があったら 作:リョーマ(S)
ただの思い付きです。
肩の力を抜いて読んでいただけると、嬉しく思います。
むか~しむかし、とある王国にとても可愛いお姫さまが生まれました。その肌は雪のように白く、とても美しい金色の髪をしていました。
お姫さまは雪広姫と名付けられ、大事に育てられました。
しかし、ある日、お妃様が病気によって亡くなってしまい、王様は二人目のお妃様を迎えました。
そのお妃様もまた、とても綺麗な金色の髪を持っていましたが、残念ながらそれほど背は高くありませんでした。
「余計なお世話だ! 馬鹿者!!」
しかし、そんなお妃様には秘密がありました。
お妃様はわる~い魔女だったのです。
「ん? コレを読めば良いのか? ……ちっ、仕方ない……フハハハハ」
お妃様は、“かがみ”に向かって訊ねます。
「かがみよ、かがみ、この国で最も美しいのはだぁ~れ?」
《はい。この国で最も美しいのはエヴァ様、あなたですよ》
「ふふ~ん、当然だ」
《うわ、ナルシ》
「なにか言ったか?」
《いえ、別に……》
しかし、それも長くは続きませんでした。
やがて、雪広姫はすくすく育ち、とても美しい女性へと成長しました。
そして、今日も今日とて、お妃様はかがみに訊ねます。
「かがみよ、かがみ、この国で最も美しいのはだぁ~れ?」
《はい、この国で最も美しいのは、エヴァ様、あなた……ではありません》
「フハハハハ、当然d……えっ!?」
《この国で最も美しいのは、雪広姫です》
「な、なななななな、なんだとぉーーーー!!」
《うるせ》
「許せん! すぐに雪広姫を殺してしまえ!!」
《なんという自己中独裁者》
お妃様は、部下である茶々丸に雪広姫を殺すように命令しました。
「あら、茶々丸さんではありませんか」
「はい、姫様」
「なにか御用ですの?」
「
「えぇ、そ、そんな! どうか、見逃してくれはしませんか?」
「……分かりました。三分間待ってあげます」
「え、えぇ!?」
手下の茶々丸は、雪広姫を殺すのをかわいそうに思い、情けをかけて、雪広姫を逃がしました。
☆☆☆
雪広姫は、森の奥へと逃げ込みました
やがて、暗い森の中を歩いていた雪広姫は一軒の小さなお家を見つけました。
「まぁ、なんてかわいらしい、ちっちゃなお家……すみません、お邪魔いたしますわ」
雪広姫が中に入ると、残念ながらお家の中には誰もいませんでした。
しかし、歩き疲れた雪広姫は、小さなテーブルに用意されたご飯を食べ、小さな七つのベットに横になりました。
「はぁ、なんだか眠くなってしまいましたわ……」
そして、しばらくして―――
「ただいま~」
「あぁ! ご飯が減っとる!」
「えぇ!!」
「……あれ? ベットに誰か寝てるよ」
「本当ネ!」
「女の子でござるな」
「身なりからして、悪い人ではないようですが……」
家の住人である七人の小人が帰ってきて、ベットに寝ている雪広姫を見つけました。
「――う、うぅ~ん……はっ!!」
目を覚ました雪広姫は、周りにいる小人たちを見て、慌てました。
「あ、え、えと、ご、ごめんなさい!! 人の家に勝手に上がり込んで、皆さんのご飯を頂いてしまって、ベットで寝てしまって――」
「まぁまぁ、少し落ち着くでござるよ」
「なんか事情があったんやろ?」
「話してみるです」
「えぇ、実は――」
雪広姫は今までのわけを話しました。
小人たちは恐ろしいお妃様に腹を立て、皆で雪広姫を守る事にしました。
☆☆☆
そんな事とは知らず、お妃様は、かがみに向かって訊ねます。
「かがみよ、かがみ、この国で最も美しいのはだぁ~れだい?」
《……もう、その質問、飽きたよ。何回訊けば気が済むんだよ。たまには『この国で一番背が小さいのはだ~れ?』とか訊いてくださいよ。俺、“かがみ”だからすぐに答えてあげますよ》
「黙れ! 貴様、それは私が一番小さいと言いたいのか!?」
《気に入らないですか? ……じゃあ、『この国で一番年増なのはだ~れ?』とか――》
「同じだろうが!! 良いから、さっさと答えろ! この国で一番美しいのは私か!?」
《(決めつけて訊いてきたよ、この人……)はいはい………えぇ~と、この国で一番綺麗なのは、森の奥で小人たちと暮らしている雪広姫です》
「なぁーーーにぃ!!」
《やっちまったなぁ~》
「茶々丸め、さてはしくじったな!」
《男は黙って………って、あれ?》
「ちっ、こうなれば、私が直々に手を下してやる!」
《初めからそうすれば良いのに……》
お妃様はリンゴに毒をぬると、リンゴ売りの老婆へと姿を変え、森の奥へと向かいました。
老婆は、七人の小人が仕事へと出かけ、雪広姫が小屋の中で一人になったところを見計らい、扉を叩きます。
「ごめんください……美味しいリンゴはいかがかな?」
「あら、とっても小さなお婆さん。でも、知らない人から物をもらってはいけないって言われてるんですの。だから、頂けませんわ。ごめんなさい」
「(小さなは余計だ、この)………まぁ、そんなことを言わずに……毒とか入ってないから」
「……ということは、入ってるのですね」
「入ってなどいないと言っているだろう……良いだろう、なら、私が試しに一口食べてやる!」
「キャラが変わってますわよ」
老婆は、毒のついていない方のリンゴをがぶりと食べ、毒のついている方を雪広姫へと渡しました。
「見ろ、毒などついてないだろ!? さぁ、食え!」
「え、えぇ!? できれば別のリンゴを……」
「えぇい、わがまま言うな!!」
老婆の迫力に押され、雪広姫は手にもったリンゴを一口食べてしまいました。
「はむ………うぅっ! う、く、くるしいぃ!!」
「……フフフフフ、ハハハハ、ハァーッハッハッハッハッ!!」
毒リンゴを食べた雪広姫は、その場に倒れ、死んでしまいました。
それを見た老婆は、高笑いをしながらその場から立ち去り、城へと帰りました。
そして、お妃様は、“かがみ”に問いかけます。
「かがみ――」
《はい、エヴァさんです》
「――まだ、なにも訊いてないぞ……ふっ、まぁ良い。これでこの私が一番美しいのだ!!」
《二番じゃダメなんですか?》
☆☆☆
一方、その頃、毒リンゴを食べて死んでしまった雪広姫を見て、小人たちは悲しみにくれていました。
そして、雪広姫の葬式中、そこへ隣の国の王子が通りかかりました。
赤髪の王子は、小人たちを見て、問いかけます。
「おや、何かあったんですか?」
「……えぇ、実は雪広姫が悪い魔女に殺されてしまったです」
「うぅ、ホントに悪い魔女ネ。わたし達が出かけているときに……」
「雪広姫をだまして、毒リンゴを食べさせたのでござる」
「グスッ……ほんと……ほんとうにひどいよぉ~」
「うぅ~、うわぁ~~ん」
「のどか、まき絵、気持ちは分かるけど、泣いたらあかん」
「そうよ、泣いたって……泣いたってアイツは……もう、いないのよ……」
王子様は小人たちが囲んでいた雪広姫の棺に目をやりました。
「とても綺麗な人ですね……お願いします、この人を僕にください」
「けど!! 雪広姫は……もう……」
「いいえ、神様にお願いして姫を生き返らせてみせます! だから、どうかお願いします!!」
王子様がとても一生懸命にお願いしたので、小人たちは雪広姫を王子様にあげる事にしました。
王子様はありがとうとお礼を言って、小人たちに雪広姫の棺を自分の国の教会へと持っていかせました。
「神様、僕のお願いを、どうか聞いてください」
雪広姫の棺を祭壇に置き、王子様は十字に向かって、跪きながら祈ります。
すると、天から光が差し、一人の天使が現れました。
「お前の望みを言え、どんな望みも――あ、違った……えぇ~と、迷える人間よ。望みを申してみよ」
「はい、天使様。どうか、この美しい姫を生き返らせてください!!」
「分かりました、望みを叶えよう……」
天使は雪広姫の隣に立ち、手を広げました。
「ザ○リク」
すると、明るく優しい光が雪広姫を包みました。
「願いは叶えた」
雪広姫を包んでいた光が消えると、天使も姿を消し、去って行きました。
「……うぅ~ん」
「雪広姫?」
「わ~い、雪広姫が生き返った!!」
雪広姫が目を覚ますと、小人たりは皆、大変喜びました。
「わ、私は……あ、あら」
「目覚めましたか、気分はどうですか?」
「えぇ、大丈夫です。あ、あの!! お願いがあります!!」
「は、はい?」
「私と結婚してください!!」
「えっ!? え、あ、は、はい、よろこん、で……」
こういて、王子様と雪広姫は、皆に迎えられ、城へと向かいました。
そして、盛大な挙式を上げ、二人は幸せに暮らしましたとさ。
――めでたし、めでたし。
・配役
雪広姫:雪広あやか
お妃様:エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル
お妃様の部下:絡繰茶々丸
七人の小人:神楽坂明日菜、近衛木乃香、宮崎のどか、古菲、綾瀬夕映、長瀬楓、佐々木まき絵
鏡、天使:加賀美総一
王子様:ネギ・スプリングフィールド
もしも本作のネギまキャラに海賊旗があったら、見てみたいのは……?
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ネギ・スプリングフィールド
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神楽坂 明日菜
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雪広 あやか
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エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル
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超 鈴音