もう1人の雷竜   作:流々

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第0話:プロローグ

777年7月6日

 

ここは人里離れた岩山の頂。

 

標高がどのくらいなのか

測定はできないが雲よりも上である。

 

 

そこには

一頭の巨大なドラゴンと人間の1人の少年がいた。

 

少年の名はシオン・エクレール

 

ドラゴンの名は雷竜グラディウス

 

 

シオン「おい!グラディウス!オレいつんなったらグラディウスより強くなれんだよ!」

 

 

グラディウス「ぬかせ!お前のようなガキがオレに勝つなど400年早いわ!」

 

 

2人は見ての通り決して血の繋がった親子では無いが

本当の親子と変わらず...いやそれ以上にというべきかもしれないが

とても仲の良い親子であった。

 

 

シオン「でもよ!滅竜魔法も使いこなせるようになってきたじゃんよ!一回だけ勝負してくれよ!」

 

 

どうもシオンはグラディウスと手合わせしたいらしい。

 

 

グラディウス「...面白い。やってみろ。」

 

 

グラディウスは何かを考えるような素振りを見せてから了承した。

 

 

シオン「だよなぁ〜...つーまんね!1人で練習すっかぁ...って...ええええええ!!!!良いのかよ!」

 

どうやらシオンはいつも手合わせを所望しては断られていたらしい。

グラディウスの急な承諾をいつも通り断られたと勘違いしたようである。

 

 

シオン「よーし!今度こそグラディウスに勝つ!!!」

 

 

シオンはかつて一度だけグラディウスと手合わせして敗れている。

故に気合を入れて叫ぶと同時に全身に青紫色の雷を纏い駆け出した。

 

 

グラディウスがシオンに教えた魔法。

それは術者の体を竜の体質へと変換させる「失われた魔法(ロスト・マジック)」滅竜魔法。

 

雷竜の翼は稲妻よりも速く天を翔る。

 

滅竜魔法を発動させ

駆け出したシオンもまた稲妻より速く、瞬時にグラディウスとの距離を詰めた。

 

 

シオン「雷竜の鉄拳!!!」

 

 

そしてグラディウスの背後を取ったシオンは雷を纏わせた拳を繰り出した...はずだった。

 

 

グラディウス「まだまだ遅いな!」

 

 

グラディウスはこちらを向いていた。

 

 

シオン「な...⁉︎」

 

 

グラディウス「だから早いと言ったろうが!」

 

 

「ビシッ!!!」

 

 

グラディウスはシオンをデコピンで吹き飛ばした。

 

 

シオン「あ〜〜〜れ〜〜〜...」

 

 

「キラーンッ」

 

 

「ひゅゅゅゅゅん...ズドン!」

 

 

シオンは高山の頂のさらに上空に飛ばされ星となりそのまま降ってきた。

 

現在はグラディウスのすぐ脇に頭から突き刺さっている。

 

 

シオン「くっそぉ...やっぱ400年修行しねえとグラディウスは倒せねえのか⁉︎」

 

 

シオンは心底悔しそうにしている。

 

 

グラディウス「いや...お前も少しは成長したようじゃないか?あと400年はかからなそうだ。300年といったところか?」

 

 

グラディウスは落ち込むシオンを冗談ぽく励ました。

 

 

シオン「それフォローになってねーよー!100年だけじゃんよ!」

 

 

シオンが拗ねたような顔をしているとグラディウスが急に真剣味を帯びた表情で口を開いた。

 

 

グラディウス「本当にクソガキにしちゃあ良くやったさ。お前ならきっと...。」

 

 

褒められたようではあったが最後の方がよく聞こえなかった。

 

 

シオン「え?よく聞こえないよ!」

 

 

グラディウス「うるせぇ!早く寝ろクソガキ!」

 

 

なぜか怒られた。

 

 

シオン「あ!本当だ!やば!グラディウス!テメェ明日こそ勝ってやるからな!」

 

 

そう叫びながらシオンは眠りについた。

 

 

グラディウス「或いはお前ならアクノロギアを倒せるやもしれん。明日こそ...か...。クソガキが、最後まで手間取らせやがって...。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日シオンが目を覚ますとそこにグラディウスの姿は無かった。

代わりにそこには稲妻と竜を模したようなブレスレットが置かれていた。

 

 

シオン「ん?グラディウスのやつどっか行ったのか?一声かけてけよな!」

 

 

それから幾日か待ってはみたもののグラディウスは帰って来なかった。

 

 

777年7月7日

雷竜グラディウスは姿を消した。

 

 

 

 

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