來です!
本日からは完全にシオン目線で書きますので!
よろしくお願いします!
では行って参りましょう!
【
ハッピー・ボヌール『ようこそ!
ルーシィ「はぁぁぁぁ!♡」
オレ達4人はギルド「妖精の尻尾」に帰還した。
ここは妖精の尻尾ギルドの玄関先だ。
先日ハルジオンで出会った「ルーシィ・ハートフィリア」と言う少女も一緒だ。
どうも「妖精の尻尾」に加入したいらしい。
正直、オレやナツに是非を決める権限は無いし、とりあえず連れてきたんだけど...
ハッピーとボヌールは既に歓迎ムードだ。
まあじっちゃんなら断る理由も無いんだろうが...。
ナツ「ただいまぁ!」
ハッピー「ただいま!」
ナツが帰還の挨拶をしながら扉を蹴破った。
なぜ蹴破らなければいけないのか?
オレにはわからない。
ただナツが普通に扉を開けるところをオレは見たことが無い。
つまりナツはそういうやつだ。
ギルドのみんなに何を言われるか...気を重くしながらもオレもそれに続いて挨拶をする。
シオン「おっす!ただいま!」
ボヌール「ただいま!」
「おーっす」
「おかえり〜」
そんなオレの心配を他所にギルドの面々は何食わぬ顔で挨拶を返す。
シオン「(そりゃこいつらも慣れてるもんな...)」
そう。
ナツの破天荒ぶりに慣れているのは何もオレだけではない。
ルーシィ「へ〜!」
忘れていたがルーシィもオレに続き中に入ってきて感動してるようだ。
「また派手にやらかしたなぁ!ハルジオンの...」
「はははははは(笑)」
とギルド員の1人が何かを言いかけたものの、それを最後まで言いきるのは叶わずナツに蹴り飛ばされた。
ルーシィ「なんでー!」
ルーシィは驚いている。
が、正直こいつを殴り飛ばしたいのはオレも同じだ。
ナツ「
そういうことだ。
こいつがガセ情報を流してきたのだ。
シオン「まじでありえねえ。列車に2回も乗っちまうし...」
ギルド員「んなこと知るかよ!オレは小耳に挟んだ話、教えただけだろうが!」
シオンが半分愚痴のようなことを呟いていると、ギルド員も声を荒らげる。
シオン「今のは聞き捨てならねぇなぁ!」
ナツ「ああ!その通りだぜ!シオン!」
小耳に挟んだ情報だなんてオレは聞いていない。
さすがのオレも頭にきてしまい、ギルド員に食ってかかる。
ギルド員「やんのかこらぁ!」
その言葉が試合開始の口火を切った。
「カンッ!」
どこかからゴングが聞こえたような気がした。
「どたどたばたばた」
するとギルドのテーブルやら他のメンバーやらを巻き込みオレとナツvsギルド員1名による喧嘩が始まった。
ハッピー「まあまあ2人とも。そのくらいで...えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
ハッピーはカウンターで高みの見物をしながら何故か誇らしげにオレたちを止めようとしていたようだが、巻き込まれ吹き飛ばされたギルドのメンバーがハッピーに直撃し、他のメンバーが談笑しているテーブルを撃沈した。
そうこうしているうちに、ギルド全体を巻き込んだ大喧嘩へと発展した。
ルーシィ「すごい...あたし本当に妖精の尻尾に来たんだ!」
ルーシィは感動しているようだが、オレたち当事者はそれどころではない。
???「ああ?ナツが帰ってきたって?」
ルーシィ「きゃぁぁぁぁぁ!」
何を今さら...といったような感じではあるが、何やら男が声を荒らげると同時に、ルーシィが叫びを上げた。
それもそのはず。
その男は完全にパン1だからだ。
男の名はグレイ・フルバスター。
仕事は良くやるし、ルックスも男前、そんでもってオレは気があうもんだから仲良くさせてもらってはいるものの、少々...いや...目一杯脱ぎ癖があるのが残念なところだ。
グレイ「この間のケリつけんぞ!ナツ!」
グレイは喧嘩の震源地とも言えるポイントへ歩を進める。
当然パン1である。
とてもオレに言えたことではないが、ナツとグレイはいつも喧嘩している。
???「グレイぃ...服。」
すると別の...今度は女がカウンターでワイングラスを片手に頬杖を付きながらグレイが脱いでいることを指摘する。
グレイ「ああ!しまった!」
そう。
グレイは服を脱ぐ癖があるどころか、自分が脱いでいることにすら気がついていないことがほとんどである。
本人には言わないが、やつは本物の変態だと思う
そして、それを指摘した女。
カナ・アルベローナ。
間違いなくギルド最強の...大酒飲みだ。
カナ「これだからここの男どもは、品がなくて嫌だわ。」
と、カナはギルドの男達に悲観しながら大樽のまま酒を浴びる。
正直オレに言わせればカナもカナである。
現にそれを初めて見たルーシィは目が飛び出さんばかりの勢いで驚いている。
グレイ「勝負しろや!」
グレイはナツに喧嘩を売りながらテーブルを蹴飛ばす。
ナツ「服着てから来いや!」
ナツが正論である。
いつの間にか喧嘩の震源地から離脱したオレは久しぶりに再開したグレイに声をかける。
シオン「グレイ!また脱いでるのか?服は着てからの方が...」
が、グレイがオレの言葉を遮った。
グレイ「シオン!もうお前でいい!お前らが居ないと喧嘩の相手がいなくて体がなまってしょうがねぇ!お前との決着も残ってたしな!」
グレイはそんなめちゃくちゃな因縁をつけながら、殴りかかってきた。
シオン「はぁ...やっぱそうなるのかぁ...面白え!上等だ!」
そしてまたドタバタと始まる。
???「昼間っからピーピーギャーギャー、ガキじゃあるまいし!」
そしてまた1人の男が現れる。
下駄に学生服のような...昔の番長を思わせるような服装で白髪の大男。
この男はエルフマン。
見た目通りどんな仕事も拳で解決するのが心情らしい超肉体派魔導師だ。
エルフマン「漢なら!拳で語れぇい!」
背景に「漢」の文字が浮かび上がりそうなほどの気迫を感じる。
シオン・ナツ・グレイ『じゃまだぁ!』
が、オレとナツとグレイの息ぴったりのパンチによって、エルフマンは吹き飛んで行った...。
???「やだやだ...騒々しいねぇ」
その間にもまたケチをつけている男がいた。
オレンジの短髪に青いサングラスをかけたその男は女の子2人を抱えている。
この男はロキ。
聞いた話じゃ彼氏にしたい魔導師上位ランカー...らしい。
まあ確かに男前だし、オレなんかに比べたら会話のスキルが優秀なのも確かだ。
とはいえここは半ば戦場である。
その男前ロキのおでこに瓶が直撃する。
ロキ「カッチーン...」
女の子「ロ〜キ〜♡」
ロキの取り巻きの女の子達が彼を心配する。
ロキ「混ざってくるね!君達のために。」
女の子「頑張って〜♡」
全然意味はわからないもののロキも参戦してくるらしい。
ルーシィ「ランカー抹消...。てか何よこれ〜!まともな人が1人もいないじゃない...」
ルーシィが何かを呟きながら肩を落としているのが見えたような気がしたがそれどころではない。
???「あら?新人さん?」
今度はとある女性がルーシィに声をかけているのが目に映った。
まあ彼女に任せておけば大丈夫であろうとオレも喧嘩に本腰を入れる。
ルーシィ「え?ミラジェーン!♡」
そう。
ルーシィの言う通り、彼女はミラジェーン。
週間ソーサラーって雑誌でグラビアを飾ったりしてる魔導師。
今はここ「妖精の尻尾」の従業員をしている。
ミラと言う愛称でみんなに愛されているギルドの看板娘的存在でもある。
ルーシィ「あ、あれ...止めなくていいんですか?」
ルーシィはドン引き。
しかしミラは笑顔を崩すことなく、至って冷静である。
ミラ「いつものことだから。放っておけば良いのよ。」
そうこのギルドにとってはこんなこと日常茶飯事なのだ。
が、そんなミラの元に先ほどの大男エルフマンが飛ばされてくる。
ルーシィ「ぎゃぁっ!」
そしてミラを直撃した。
ミラ「楽しい...でしょう?」
大きなコブを作ったミラは意識を失った。
正直、ミラは少し抜けているところがあると思う。
ルーシィ「ぎゃぁぁぁぁぁ!ミラジェーンさぁぁぁぁぁん!ぐはっ!」
ミラの口から魂が抜けていくのを止めようとしていたルーシィにオレが吹き飛ばしたグレイが直撃した。
ナツ「にっしししししし(笑)」
ナツは何かをくるくると回しながら不敵な笑みを浮かべている。
オレ達は三つ巴状態で喧嘩しているため、ナツが何をしたのかはオレにはわからない。
が、チラッとグレイを見ると全てを察した。
グレイ「ああ!俺のパンツ!」
そうそれはグレイのパンツである。
つまり現状グレイはすっぽんぽんである。
シオン「おい!グレイ!嫁入り前の女の子になんてもん見せてやがる!(笑)」
オレもそれをからかってはみたが、嫁入り前の女の子本人は顔を真っ赤にして叫んでいる。
ルーシィ「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」
グレイ「ああ⁉︎嫁入り前の女?そんな奴いたか?あ...」
どうやらグレイもルーシィの存在に気がついたらしくなぜか近づいていく?
グレイ「お嬢さん。よかったらパンツを貸してくれ。」
ルーシィ「貸すかぁ!」
グレイは急に男前感を出しながらルーシィにパンツを借りようとしたようだが失敗に終わり、どこから出てきたのかハリセンのようなもので引っ叩かれる。
ロキ「デリカシーのない奴は困るねぇ...」
すかさずロキがルーシィをお姫様抱っこする。
が、間髪入れずにエルフマンに殴り飛ばされる。
エルフマン「漢は拳でぇ!」
が、これまた間髪入れずにオレとナツの蹴りがエルフマンを襲う。
シオン・ナツ『じゃまだっての!』
ボヌール「あーい!」
エルフマンに直接的な恨みがあるわけではないが、現に邪魔なのである。
その様子をカナがイライラしながら眺めている。
カナ「ああうるさい!落ち着いて酒も飲めないじゃないの!」
そう言うとカナはトランプのようなカードを取り出す。
カナ「あんたら!良い加減にしなさいよ!」
カナのカードから魔法陣が現れる。
カードマジックという代物らしい。
グレイ「あったまきたぁ!」
今度はグレイが手のひらと拳を合わせるとそこに魔法陣が現れた。
エルフマン「うぉぉぉぉぉぉ!」
エルフマンも魔法を発動したらしく、右腕が岩に包まれたような姿に変わる。
ロキ「困ったやつらだ。」
こちらはリングマジックというらしい。
指輪から魔法陣を展開した。
シオン「面白え!いくぞお前ら!」
オレも両手に雷を纏わせる。
相手方が魔法を使うならここで引き下がるわけにはいかない。
そして当然ナツも両手に火を纏わせる。
ナツ「かかってこい!」
ルーシィ「魔法で喧嘩?」
ハッピー「あい!」
ボヌール「いつもだよ!」
ルーシィ「いつもだよ!じゃないわよー...」
ルーシィはハッピーとボヌールを盾にして身構えている。
???「やめんか!ばかたれぇいぃ!」
あ、やべえ。
その声を聞いた時素直にそう思った。
ルーシィ「でかっ!」
ルーシィが涙を流しながらそう叫んだ。
ああ分かっていながらもあえて見ないようにしていたというのに
その一言で全てを確信してしまった。
当然それはオレだけではなく他の面々もピタリと動きを止める。
が、ルーシィだけは唖然としているようだ。
ミラ「あら!いらしたんですか!マスター!」
いつの間にか目を覚ましたミラがその巨人に声をかける。
ルーシィ「マスター⁉︎」
ルーシィはまた驚いている。
正直驚きすぎだ。
ナツ「はーはっはっはっはー(笑)みんなしてビビりやがって!」
ナツは急にみんなが静まるものだから気持ちが大きくなったのか
未だに1人で騒いでいる。
こうなるとナツは勇気があるとは言えない。
ただの命知らずである。
シオン「おい!ナツ!やめ...」
ナツを止めようと思ったがそれを言い切る前にことが起きてしまった。
ナツ「シオン!負け惜しみかー?この勝負は俺の...」
ナツも何かを言おうとしたようだが、それが叶うことはなかった。
「プチっ」
ナツはマスターに踏み潰された。
マスター「んん⁉︎新入りかねぇい?」
するとマスターもルーシィに気づいたようである。
マスター「ふんがぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
そしてマスターが叫び出す。
オレたちにすればそれこそいつものことだからなんとも思わないものの
ルーシィは心底怯えているようだ。
ルーシィ「ええええええええええ⁉︎」
そしてそのあと起きたことにルーシィはまた驚く。
そう。
マスターは縮むのだ。
それも一般平均以下まで。
マスター「よろしくね!」
そしてマスター...もといじっちゃんはフレンドリーな挨拶をする。
ルーシィ「ちっさ!てかマスターって...」
ミラ「そう!この方が妖精の尻尾のマスターマカロフさんよ!」
戸惑いを隠せないルーシィにミラがいつもの笑顔で解説する。
そうこうしているとじっちゃんは飛び上がり高台に立つ。
それだけでギルド中に緊張が漂う。
マカロフ「まーたやってくれたのぅ!貴様ら!見よ!この評議会から送られてきた文書の量を!全部苦情ばかりじゃ!」
評議会とは魔導師ギルドを束ねている機関らしいが、オレはあまり詳しくない。
強いて言うとすれば、オレやナツが仕事に行くとなぜかそこから大量の書状が届く。
時にじっちゃんが出頭させられたりする。
マカロフ「貴様らぁ!儂は評議院に怒られてばかりじゃぞぉ!わぁお!」
なぜ怒られなければならないのか。
確かに仕事先で建物が壊れたりなんだりとかないわけではないが、敵の仕業の時もあれば、不可抗力の時もある。
だが評議会は許してはくれないらしく、じっちゃんは悲しそうだ。
それが身に染みるように伝わってくるものだから、ギルドの面々はしゅんと申し訳なさそうにしている。
マカロフ「だが...評議院なんてクソ食らえじゃあ!」
しかしじっちゃんは重い口を開けると、評議院から届いた書状を燃やしてしまった。
シオン「(さすがじっちゃん!)」
そんなことを思っていると、じっちゃんは燃え盛る書状を投げ捨て、それをナツが犬のように食した。
ルーシィは何が起きたのかわからないような表情をしている。
しかしそんなこと御構い無しにじっちゃんは続ける。
マカロフ「良いか!理を超える力は全て理の中から生まれる!魔法は奇跡の力などでは無い!我々の内にある気の流れと、そして自然界に流れる気の波長が合わさり、初めて具現化されるのじゃ!それは...精神力と集中力を使う...いや己が魂全てを注ぎ込むことが魔法なのじゃ。上から覗いている目ん玉、気にしてたら魔道は進めん!評議院のバカどもを畏れるな!自分の信じた道を進めぇい!それが妖精の尻尾の魔導師じゃぁ!」
じっちゃんはそう言うと人差し指を高々と掲げた。
『うおぉぉぉぉぉぉ!!!』
それに同調するようにギルドの面々も人差し指を掲げる。
シオン「じっちゃん!それでこそ妖精の尻尾のマスターだ!」
オレも例に漏れず人差し指を掲げるが、その前に一言じっちゃんに声をかけた。
マカロフ「じゃろぅ!シオン!」「キラーン♡」
じっちゃんは返事をしながらウインクを飛ばしてきた。
正直気持ち悪いが、今回は良しとしよう。
ルーシィにもただのふざけたギルドだとは思われずに済むだろう。
「ぽっぽーぽっぽー」
ボヌール「で!」
ミラ「はい!これで貴方も妖精の尻尾の一員よ!」
ミラがルーシィに紋章スタンプを押してあげたらしい。
ルーシィ「わぁ!ナツ〜!みてみて〜!妖精の尻尾のマーク入れてもらっちゃった〜!」
ルーシィはナツに自慢しに行く。
ナツ「あっそ。よかったなぁルイージ。」
が、ナツの返事は素っ気ない。しかも名前を間違えている。
ルーシィ「ルーシィ!むむ...シ〜オ〜ン〜!これはなんでしょ〜う?」
軽くツッコミを入れると今度はルーシィが嬉しそうにオレに声をかけてきた。
シオン「ん?うちのギルドマークだろ?マリオ。」
ナツは名前を間違えている。
彼女の名前は、あの有名な兄貴の方と同じ名前だ。
ルーシィ「ルーシィよ!」
どうやら違ったらしい。
オレもナツも今はリクエストボード...依頼が張り出されている掲示板の前で仕事を選んでいるところなのでそれどころでは無いのだ。
シオン「何にするよ?ナツ?」
ハッピー「報酬のいいやつにしようね!」
ナツ「そうだなぁ...被んのはやだしなぁ」
ボヌール「いいじゃんいいじゃん!また一緒に行けば!」
とまあそんな会話をしながら選んでいる。
ナツ「うお!盗賊退治で16万J!」
シオン「オレはこれにするか。荷物の護衛13万J。乗り物なし。」
美味しい仕事の話でニヤついていると、酒を飲んでいるじっちゃんの方から子供のような声が聞こえてきた。
???「とーちゃんまだ帰ってこないの?」
マカロフ「くどいぞロメオ!魔導師の息子なら大人しく家で待っておれ!」
ロメオという少年にじっちゃんが説教しているらしい。
それをナツはじっと見据えている。
シオン「(息子なら待ってろ...か。待ってても帰ってこないこともある...。)」
シオンはグラディウスが消えた日のことを思い出していた。
そして同じ滅竜魔導師であるナツも、育ての親のイグニールがグラディウスと全く同じ日に似たような状況で居なくなったらしく、オレと同じことを考えているのかもしれない。
ロメオ「だって...3日で戻るって言ったのに...もう1週間も帰ってこないんだよ!」
ロメオは今にも泣き出しそうである。
マカロフ「確か...ハコベ山の仕事だったなぁ...。」
じっちゃんはロメオの親父の受けた仕事を思い出す。
ロメオ「そんなに遠くないじゃないか!探しに行ってくれよぉ!」
ロメオは場所が近場であることに気づいて更に熱が入る。
マカロフ「貴様の親父は魔導師じゃろ!自分のケツも拭けねぇ魔導師はこのギルドにはおらんのじゃ!帰ってミルクでも飲んでおれぇい!」
が、じっちゃんも決して引き下がらない。
それはロメオをバカにしているわけでも、ロメオの親父を見捨てたわけでもない。
むしろ信じているからこそ、探しになどいかないのであろう。
ロメオ「ん!ばかぁ!」
すると突然ロメオが声を荒らげてじっちゃんを殴った。
ロメオ「ちっくしょぉぉぉお!!!」
そして叫びながらギルドを出て行った。
ルーシィ「厳しいのね...」
ルーシィもロメオがかわいそうになったらしい。
ミラ「ああは言っても本当はマスターも心配してるのよ?」
「どかぁぁぁぁ!!!」
突然オレの隣から轟音が聞こえた。
ナツがリクエストボードを殴り飛ばしたのだ。
「おおい!ナツ!壊すなよ!」
ギルドの1人がナツを嗜める。
シオン「ナツ...」
同じ境遇だからこそ
オレもロメオの気持ちはよくわかる。
突然親父がいなくなる恐怖。
それを知っているからこそナツも我慢できなかったのであろう。
正直オレも限界であったし、今回はたまたまナツが先にキレた。
それだけのことだった。
そしてナツはそのままギルドを出て行く。
マカロフ「はぁ...」
じっちゃんは全てを悟ったらしくため息をついている。
「マスター...ヤベェんじゃねえの?あいつマカオ助けに行く気だぜ?」
ギルド員もただならぬ雰囲気を感じ取ったようだ。
シオン「じっちゃん...ハコベ山って言ったよな?」
オレはじっちゃんに問いかけるがじっちゃんは口を開かない。
シオン「そうか...わかった。行くぞ...ボヌール...。」
オレはそう言うとナツの後を追った。
「おい!シオン!お前まで...」
ギルド員はオレを止めようとしたようだが、オレからもナツと変わらない怒りが感じ取れたのだろう。
最後まで止めることはなかった。
マカロフ「進むべき道は誰が決めることでもねぇ!放っておけぇい!」
オレ達はギルドを出て行ったナツとハッピーを追いかけた。
そこにはロメオを励ますナツがいた。
何を言っているのかは聞き取れなかったが、オレも近づいて行き、2人に声をかける。
シオン「ナツ...マカオのとこに行くんだろ?」
わかりきってはいることだがあえて確認する。
ナツ「だったらなんだー?」
ナツもいつも通りの返事をする。
シオン「オレも行く。オレもお前らと同じだから。ロメオ...待ってろよ...お前の親父は必ず連れ帰る。」
オレは少し表情を曇らせそういった。
ロメオ「シオン兄...。ナツ兄...。」
ロメオはオレとナツを交互に見て涙を浮かべている。
ナツ「どーせ報酬はねぇんだ。勝手にしろ〜!」
ナツは歩き出しながらオレの同行を許可した。
シオン「ロメオ...そんな顔すんな!いってくる!」
オレは今にも泣き出しそうなロメオを慰めると、ナツの後を追った。
そして翌朝オレ達は馬車に乗っていた。
ナツ「な、なんでお前がいんだ?」
ナツはどことなく苦しそうにそうたずねる。
シオン「全くだ...お前が来るってのは聞いてねえぞ...。」
オレも苦しい。
ルーシィ「別にいいじゃない!」
そうなぜかルーシィがついてきているのである。
ルーシィ「それにしてもあんたら本当に乗り物ダメなのねぇ。なんかいろいろかわいそー。」
ルーシィはどことなく嬉しそうだ。
ナツ「ど...どういうことだぁ...?」
シオン「そ...それは聞き捨てならないな。」
オレとナツは苦しみに耐えながらルーシィに反論する。
ルーシィ「なんでもない!」
そう言ったルーシィはどことなく悲しそうな顔をしていた。
まあおそらくミラ辺りにでもオレやナツの親父のことを聞いたのだろう。
そんな会話をしていると急に馬車が停止した。
シオン・ナツ『お!』
ルーシィ「着いたの?」
ナツ「止まったぁぁぁぁぁ!!!」
シオン「ふっかぁぁぁぁぁぁぁつ!!!」
馬車が止まったことによってオレたちの体調は全快した。
「すんません!これ以上は進めませんわ!」
オレたちがはしゃいでいると
馬車のおっさんの声が聞こえた。
外を確認するとそこは暴風雪吹き荒れる雪山だった。
ルーシィ「ちょ、ちょっと!なにこれ〜!」
ルーシィはまた驚いているようだ。
この時のオレたちはこれから襲い来る数多の困難を想像することもできなかった。
ルーシィ「こら!勝手に終わらすなぁ!」
シオン「悪りぃ!でもギルドメンバーの説明とかしてたら文字数伸びて体力がな...」
ナツ「文字数とかなんとか意味わかんねーぞ?」
グレイ「全くだ...シオンもついに壊れたか?」
シオン「お前は服きとけよー?」
グレイ「うおっ⁉︎」
シオン「とにかく本当に体力が限界だったんだよ!お前らはわからなくてもいい!そういうわけだ!次回の「雷竜と猿と牛:後編」も読んでくれよな!」
ルーシィ・ナツ・グレイ『よろしく〜!』