來です!
間を少し飛ばさせていただきまして、今回より鉄の森編スタートです!
ところで、先日読者様よりヒロインは誰にするのか?と言うご質問をいただきました。
筆者自身、妖精のメンバーということ以外特に考えておりませんでした~_~;
ですので皆さんからヒロインにして欲しいメンバーを募集したいと思います!
よろしければご意見いただけると光栄です!
よろしくお願いいたします!
それでは鎧の魔導師:前編参りましょう!
第4話:鎧の魔導師・前編
【妖精の尻尾】
「ミラちゃ〜ん!こっちビール3つ!」
ミラ「はいはーい!」
ここは妖精の尻尾。
シオン達がマカオを救出してから幾日が経過しただろうか。
今日のギルドも活気にあふれ、昼間から酒を飲み始める者たちもいる。
ある意味今日も平常運転である。
ワカバ「今度デートしてよ〜ミラちゃ〜ん♡」
ラキ「また始まった。」
ミラ「あらだってあなた...奥さんいるでしょう?」
ワカバ「やめてくれよ!ミラちゃん!」
ミラはワカバの嫁に変身している。
カナ「たまには静かに飲みたいわ。」
マカオ「お前は飲み過ぎ!」
こちらでもいつもと変わらない光景が繰り広げられている。
ナツ「そろそろ仕事しねぇとなぁ...」
ハッピー「あい!食費なくなるよ!」
ルーシィ「200万J...やっぱ勿体無かったぁ...そういえば今月の家賃危ないわ!あたしも仕事しなきゃ!」
こちらもまたいつもの光景である。
ナツやハッピーは食費の為に、ルーシィは当面家賃の為に仕事をするようだ。
シオン「さて...ここでこうしててもしょーがねぇしな...オレも仕事行くか。」
ボヌール「あい!そろそろ仕事しよ!」
こちらではシオンが他のギルドメンバーと談笑している。
どうもシオンには人を惹きつける力があるらしく、これもまたいつもの光景である。
が、彼もそろそろ生活費がそこをつきそうなので仕事を選ぶためリクエストボードへ向かう。
ルーシィ「うーん...魔法の腕輪探し...呪われた杖の魔法解除...占星術で恋占い...火山の悪魔退治⁉︎魔導師への依頼って色々あるんだなぁ」
するとそこでは仕事を選んでいる、ルーシィ...それとナブの姿があった。
とりあえずシオンはルーシィに声をかける。
シオン「よぉ!ルーシィ!なんか美味しい仕事はあったか?」
ルーシィ「うーん...たくさんありすぎて迷うわね〜...」
ミラ「気に入った仕事があったら私に言ってね!今はマスター、定例会に出てるから!」
そんな2人にミラが歩み寄り声をかける。
ルーシィ「定例会?」
ミラ「地方のギルドマスターが集まって、定例報告をする会よ。評議会とは違うんだけど...リーダス!光ペン貸してくれる?」
リーダス「うい。」
光ペン。
空中に文字がかける魔法アイテムだ。
それを借りたミラが何かを書き始める。
ミラ「魔法界で1番偉いのは政府との繋がりもある「評議会」の10人。魔法界におけるすべての秩序を守るために存在するの。犯罪を犯した魔導師は、この機関で裁くことができるのよ。で、その下にあるのがギルドマスター達の集まり、「ギルドマスター連盟」。評議会での決定事項を通達したり、各地方のギルド同士のコミュニケーションを円滑にしたり、私達をまとめたり。まあ大変な仕事よね。」
シオン「なるほど...さすがはミラ。わかりやすい。勉強になった!」
ミラ「あら?シオンには前にも教えてあげたわよ?」
シオンはミラの話を聞いて素直に感心しているが、ミラは不満そうな顔をしている。
ルーシィ「知らなかったなぁ〜...ギルド同士の繋がりがあったなんて。」
ミラ「ギルド同士の連携は大切なのよ?これをおろそかにしていると...」
シオン「黒い奴らがくる...か。」
急に表情を険しくしたシオンは何か意味ありげに呟く。
ルーシィ「ちょ、ちょっとシオン!脅かさないでよ!」
ルーシィは顔を真っ青にしながらシオンを嗜める。
が、ミラも真面目な表情でさらに続ける。
ミラ「でもね...黒い奴らは本当にいるのよ?闇ギルド。連盟に属さないギルドのこと。時には犯罪にも手を染める、悪質な連中よ。」
ルーシィ「へぇ...」
シオン「さて...お勉強はこのくらいにして今度はオレと仕事に行くか?ルーシィ?」
感心しているルーシィを他所に仕事に誘うシオン。
ルーシィ「え?あんたが誘ってくれるなんて珍しいわね?せっかくだしお願いしようかなぁ...」
基本的にボヌールと2人で仕事に行くシオンはあまり人のことを仕事に誘うことはない。
ドラゴンの噂を聞いた時にナツと仕事に行ったり、グレイやエルフマンから誘いを受けて付き合う程度だ。
そんなシオンが自ら誘うものだからルーシィは戸惑いを隠せない。
ナツ「だめだぁ!」
が、いつからそこにいたのか突然ナツが割り込んできた。
ルーシィ「なんであんたにそんなこと言われなきゃなんないわけ?」
ナツが指図する形になったため、ルーシィは嫌悪の眼差しを向ける。
ナツ「だって俺たちチームだろ?」
ハッピー「前はおいら達勝手に決めちゃってたからね。今度はルーシィの番!」
シオン「なんだ?お前らチーム組んでたのか?そんならしゃあねぇな。」
どうやらナツ達はルーシィをチームに迎えたらしい。
それを察したシオンもルーシィを誘うことを諦める。
ルーシィ「冗談!チームなんて解消に決まってるでしょ!あんた達金髪の女だったら誰でもよかったんでしょうが!だったらあたしはシオンと仕事に行きますよーだ!」
シオン「なんだそりゃぁ...やきもちか?」
ルーシィの怒りはシオンにも伝わっているものの、前の仕事のことを知らない彼にはルーシィのやきもちにしか見えなかったようだ。
ナツ「それだけじゃねーぞ!ルーシィを選んだのは...いい奴だからだ!」
が、そんなルーシィの気持ちを知ってか否か笑顔で答えるナツ。
グレイ「なーに無理にチームなんか決めなくてもすぐに嫌ってほど誘いがくるさ。」
カナ「グレイ...服。」
グレイ「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ⁉︎」
それを酒を飲みながら聞いていたのか、パン1のグレイとべろんべろんのカナがそんなやりとりをしている。
ナツ「うっぜ。」
そんなグレイに対してナツが突然タンカをきる。
グレイもそれを聞き逃すことはなく、2人は火花を散らしている。
グレイ「今うぜぇっつったか?クソ炎。」
ナツ「超うぜぇよ変態野郎。」
シオン「おいやめろよ...昼間っからみっともねぇ。」
ナツ「あ?なんだと?静電気野郎。」
グレイ「みっともねぇは余計じゃねえか?シオン。」
シオン「なんだと?みっともねぇもんはみっともねぇんだよ。それともなんだ?やんのかこら?」
一触即発の状態の2人を止めに入ったシオンではあったものの、火に油を注ぐ形となってしまい、もはや喧嘩に混ざっている。
ボヌール「また始まっちゃった...」
そうこれもいつもの光景である。
シオンが混ざるところまで...。
そんな3人を余所目に、ロキがルーシィに歩みよる。
ロキ「ルーシィ...僕と2人で愛のチームを結成しないかい?今夜2人で。」
ルーシィ「はぁ?」
ルーシィの肩に腕を回し、なにかよからぬ事に誘っているようなロキだが、ルーシィは若干引いている。
にもかかわらずロキは続ける。
ロキ「君って本当に綺麗だよねぇ...サングラスを通してもその美しさだ...肉眼で見たらきっと目が眩んじゃうな...」
「キラーン!」
ロキのサングラスが輝く。
しかし、そこに写っているのは不満そうなルーシィだ。
ルーシィ「勝手に眩んでれば?」
ルーシィが冷たくあしらうと、ロキはあるものに気づく。
それはルーシィの所持している星霊の鍵である。
ロキ「き、君...星霊魔導師⁉︎」
急にルーシィと距離を取り始めるロキ。
ルーシィ「え?」
ハッピー「うん!牛とか蟹とかいるよ。」
突然態度が変わったロキに戸惑っているルーシィの代わりにハッピーが答える。
ロキ「うぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!何たる運命の悪戯!ごめん!僕たちはここまでにしよう!」
急に異常なまでの反応を示したロキは泣きながら走り去っていった。
ルーシィ「なにか始まっていたのかしら...」
ミラ「ロキは星霊魔導師が苦手なの...。昔女の子絡みでトラブったって噂よ!」
わけがわからなそうなルーシィにミラがロキについて語る。
ルーシィ「やっぱそういう...」
ナツ・ルーシィ『うわぁぁぁぁ!』
何かを言いかけたルーシィにシオン達と喧嘩をしていたナツが飛ばされてきて激突する。
ルーシィ「いい加減にしなさいよ...あんた達。」
グレイ「売られた喧嘩だ!買わずに居られるか!」
シオン「てめぇは俺に売った喧嘩忘れたんじゃねえだろうなぁ!」
ルーシィの言葉になど耳も貸さずシオンとグレイは喧嘩を続ける。
ナツ「てめぇから吹っかけたんだろうが!垂れ目野郎!」
ナツは再び2人の元へ向かっていく。
そして3人はとてつもなくレベルの低い悪口を言い合っている。
が、ギルドの面々はそんな3人を笑いながら見ている。
ルーシィも少し面白くなったのか、微笑んだ。
ロキ「大変だぁ!!!」
すると先ほどギルドを出て行ったロキが叫びながら戻ってくる。
ギルドに緊張が走る。
ロキ「...エルザが...帰ってきた。」
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
ナツ「な⁉︎」
グレイ「ぐ⁉︎」
シオン「え、エルザ...」
ロキの言葉を聞いた途端ギルド中に衝撃が走る。
その威力たるや、あの3人ですら喧嘩の手を止めるほどだ。
ルーシィ「エルザさんって前にナツが言ってた。」
ミラ「今の妖精の尻尾では、最強の女魔導師と言っていいと思うわ!」
しかしエルザを知らないルーシィと、いつも笑顔のミラは呑気なものである。
「ガチャガチャガチャガチャ」
するととんでもなく大きな足音が聞こえてくる。
ラキ「エルザだ...」
ワカバ「エルザの足音だ...」
マカオ「エルザが戻ってきやがった...」
ギルド員達は冷や汗を流しながら入り口を見つめる。
かなり怯えているようでギルド内はざわざわしている。
ルーシィ「このリアクション...エルザさんってやっぱりすごい魔導師なんだ...こわ!」
さすがのルーシィも事の重大さを理解したのか、顔を真っ青にしている。
そうこうしているうちにも足跡は近づき、ついにギルドの中に入ってくる。
ルーシィ「あぁ...?」
初めて彼女を見たルーシィはため息をこぼす。
そこには巨大な生き物の角のようなものを抱えた、綺麗な赤髪の女性がいた。
その巨大な角を床に置くと、ついに彼女は口を開く。
エルザ「今戻った。マスターは居られるか?」
ルーシィ「き、綺麗〜」
エルザを初めて見たルーシィは想像を遥かに越える美しさに、感激しているようだ。
ミラ「おかえり。マスターは定例会よ。」
エルザ「そうか。」
ミラがマスターの不在を伝えると、エルザは周りを見渡す。
すると1人のギルド員がエルザに声をかける。
「エルザさん...その馬鹿でかいのはなんですか...?」
エルザ「討伐した魔物の角だ。地元の者が土産にと飾りを施してくれてな。迷惑か?」
「いえ!とんでもないです!」
誰もが気になったその巨大な角を指摘してはみたものの、淡々と答える彼女の圧力にそれ以上は問い詰めない。
そんなやり取りをしている間も、他のメンバー達はそわそわしている。
カナ「ハコベ山の件、もうバレてんじゃなぁい?」
マカオ「ヤベェ...殺されるかも...」
エルザを前にしても相変わらず樽ごと酒を浴びているカナは、マカオをからかう。
しかし当のマカオは真剣に焦っている。
その後方でドキドキしているナブ。
すると突然エルザが声を上げた。
エルザ「お前達!」
『はい!』
すると普段からは想像も出来ないほど良い返事を返すメンバー達。
エルザ「旅の途中で噂を聞いた!妖精の尻尾がまた問題ばかり起こしているとな!マスターが許しても、私が許さんぞ!」
エルザはとてもお怒りのようで、名指しで叱り始める。
エルザ「カナ!」
カナ「ギクッ!」
エルザ「なんという格好で飲んでいる!」
まず手始めに標的となったのはカナである。
それもそのはず彼女はエルザの言葉など耳も貸さずに酒を浴びていたのだから...。
エルザ「ビジター!」
ビジター「はい...」
エルザ「踊りなら外でやれ!...ワカバ!」
ワカバ「ギクッ!」
エルザ「吸い殻が落ちているぞ!...ナブ!」
ナブ「うぅっ...」
エルザ「相変わらずリクエストボードの前をウロウロしているだけか?仕事をしろ!...マカオ!」
マカオ「うっぁぁ...」
エルザ「はぁ...」
マカオ「なんか言えよぉぉぉ!!!」
一通り注意をして回ったエルザだが、マカオにだけはため息をついた。
エルザ「全く...世話がやけるな...今日のところは何も言わずにおいてやろう。」
ルーシィ「随分いろいろ言ってたような...。風紀委員か何かで?」
一連のエルザを見て、ボヌールに耳打ちするルーシィ。
ボヌール「それがエルザです!」
ルーシィ「でも、ちょっと口煩いけどちゃんとした人みたい。そんなに怖がらなくてもいいんじゃ...」
ルーシィにはこのギルドの数少ない常識人に見えたらしく、皆が怖がる理由がわからなくなっていた。
エルザ「ナツとグレイ、シオンはいるか?」
今度は例の3人を呼ぶエルザ。
ナツ「あい!」
グレイ「よう...エルザ!お、俺たち今日も仲良くやってるぜ?」
ナツ「あい!」
ルーシィ「ナツがハッピーみたいになったー!」
エルザ「そうか。親友なら時には喧嘩もするだろう。しかし私はそうやって仲良くしている所を見るのが好きだぞ?」
と返事をする2人だが、1人足りないことにエルザが気づく。
エルザ「ん?シオンの姿が見えないな?仕事か?」
グレイ「い、いや。そこにいるぜ?」
ナツ「あい!」
エルザの問いに対し、リクエストボードの方を指差す2人。
そこにシオンは居なかったものの、リクエストボード裏に何者かの足が見えていた。
エルザ「シオン!お前は相変わらずそんなところに隠れて...出てこい!」
シオン「はいっ!」
リクエストボードに向かってエルザが喝を入れると
普段クールなシオンが、キレのある返事をしてエルザの前に跪く。
エルザ「まあそう固くなるな。私は普通にしているお前が好きだぞ。久しぶりだな元気だったか?」
シオン「は、はい!エルザさんがいらっしゃらない間、ギルドの風紀は確かに!」
ルーシィ「エルザさん?いらっしゃらない?」
普段絶対使わないような言葉で会話するシオンにルーシィはためらいを隠せない。
ミラ「そうねぇ...シオンはまだ魔法の制御がうまくなかった頃エルザの髪の毛を静電気でばちばちにしてボコボコにされたの。それからずっとああなのよ。」
ルーシィ「あのシオンが⁉︎」
相変わらず笑顔で解説するミラと目を飛び出させるルーシィ。
ミラ「ナツも昔喧嘩を挑んでボコボコに...」
マカオ「グレイは裸で歩いている所を見つかってボコボコに...」
カナ「ロキはエルザを口説こうとしてやっぱりボコボコ...自業自得だね。」
どうやら他の面々もそれぞれ恐れるわけがあるらしい。
エルザ「シオン、ナツ、グレイ。3人に頼みたいことがある。」
シオン・ナツ・グレイ『え⁉︎』
改まるエルザと驚く3人。
エルザ「仕事先で厄介な話を耳にした。本来ならマスターの判断を仰ぐところだが...早期解決が望ましいと私は判断した。3人の力を貸して欲しい。ついてきてくれるな?」
シオン・ナツ・グレイ『あ?』
3人は唐突なエルザに顔を見合わせる。
「どういうこと?」
「あのエルザが誰かを誘うなんて」
「初めてじゃねぇか?」
ギルドはざわつき始めるがエルザは続ける。
エルザ「出発は明日だ。準備をしておけ。」
ナツ「(こいつと...)」
グレイ「(チームだと?)」
シオン「(おいおい勘弁してくれよ...)」
睨みあうナツとグレイに、2人の不仲を誰よりも知っているシオンは冷や汗を垂らす。
ミラ「エルザとシオンとナツとグレイ...今まで想像したことなかったけど...これって...妖精の尻尾最強のチームかも...」
ルーシィ「え?」
ミラの言葉にシオンとナツの実力を知っているルーシィは、4人が肩を並べる姿を想像していた。
ルーシィ「エルザさんてすごく強いのかしら?」
シオン「強いも何も...想像もしたくねぇ...」
カナ「あん時はあんたが悪かったんだよ。エルザが半日かけて作った髪型台無しにするんだから...。」
シオン「悪気があったわけじゃねぇ!」
ルーシィ「エルザさんって頑張り屋さんなのねぇ...」
シオン「もう思い出させるな!とりあえず次回鎧の魔導師:後編も読んでくれよ!」