王女様を奴隷にしてしまいました   作:フリーザ様

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ラーメン

寮の真斗の自室。

 

「さーて、今日の晩飯はご馳走だ!」

 

ジャガイモ10分の1と人参10分の1と白米27粒である。もっさもっさとご馳走(笑)を咀嚼する。

 

「………ご馳走様」

 

一口で終わった。

 

「しかし危なかったなぁ……。この前ユリスここに来た時……」

 

言いながら真斗はクローゼットを開けた。そこには、大量のゲーム機とジャンプがあった。

 

「こんなの買ってて飯食えないなんて言ったら晩飯のご馳走はお預けだったな」

 

そんな事を言いながらゲーム機を引っ張り出し、テレビに繋いでゲームを始めた。

 

 

 

 

日曜日。真斗はヨロヨロと演習場へ向かった。演習場の前の扉では、ユリスが腕を組んで仁王立ちしていた。

 

「遅い!」

 

「時間指定なかっただろうが……」

 

「女性を待たせるなど男として……!何かあったのか?」

 

目の下にクマがクッキリとできている真斗にユリスは尋ねた。

 

「……いや、昨日徹夜してたからな」

 

(……もしかして、徹夜して剣の特訓していたのか?)

 

「あいつらメチャクチャ強ぇーんだよな。オンラインとか化け物ばかり」

 

「は?オンライン?何の特訓をしてたんだ?」

 

「ガンダム」

 

「ガンダム?」

 

「ゲームだよ。俺の持ちキャラ聞きたい?」

 

「きさまぁ……ゲームなんてやる機会があれば鍛錬をしろ!」

 

怒鳴り散らしながら炎を自分の上に浮かべ、真斗に飛ばした。

 

「うおわあっ!」

 

慌てて剣で吸収する真斗。

 

「あっぶねぇな!何すんだよ!」

 

「うるさい!ゲームなどにうつつを抜かしてるからだ!」

 

「いやそこまでやってねぇよ⁉︎精々、暇つぶしにやってる程度で……!というか、それより早く修行しようぜ」

 

「それで誤魔化せると思うのか⁉︎」

 

言いながら怒りの炎とホンモノの炎を燃やすユリス。

 

(……ダメか。ここはラノベ主人公の技術を使うしかない!)

 

そう思うと、真斗はユリスにイケメンフェイスで言った。

 

「怒るなよユリス。可愛い顔が台無しだZE☆」

 

「…………」

 

(…………ダメか?)

 

すると、炎より顔を真っ赤にしてユリスは炎を飛ばした。

 

「ば、バカな事を言うなぁ!」

 

「だ、ダメだったァッ!」

 

「今日のメニューはひたすら回避の練習だッ!」

 

「ただ八つ当たりしたいだけじゃねぇかぁっ!」

 

午前中はこれで終わってしまった。

 

 

 

 

お昼になった。

 

「そろそろお昼にしようか」

 

「お、おう……」

 

疲れ果てて真斗は大の字になって寝ていた。

 

「それで、なんか食いたいもんあるか?」

 

「いや、お前に任せる」

 

「俺に?」

 

「ああ。私の選ぶ店は大抵は値が張るからな……。お前の金では厳しいだろう?」

 

「そうか。なら……ああ、俺の行きつけのラーメン屋教えてやるよ」

 

「ラーメン?あまり食べたことないのだが……」

 

「たまには良くね?お姫様でも、庶民飯というのを知っといて損はないっしょ?」

 

「ふ、ふむ……まぁ、主人の決定には従おう」

 

そんなわけで、商業エリアの方へ。

 

「………ここだ」

 

真斗の来た場所はボロボロの小屋のような所だった。

 

「お、おい。大丈夫なのか?この店は……」

 

「平気だよ」

 

ユリスが不安そうに聞くも、真斗は平気でそう答えて中に入った。中は割と普通、いや普通より少し汚いくらいで、蜘蛛の巣が張ってたりはしていない。

 

「らっしゃい!……って、マー坊!久しぶりだな。彼女連れか?爆発しろ」

 

「んなっ……⁉︎」

 

「ちげーよ。いつもの二つ」

 

「あいよっ」

 

一々、赤面するユリスと聞き流す真斗。

 

「ここは俺が一番気に入ってるラーメン屋だ。とりあえず、俺のオススメ頼んでやったから、それ食えよ」

 

「……俺としては、オススメのモンじゃねんだけどなぁ……」

 

店主から悲しそうな声が聞こえた。

 

「…………」

 

「ユリス?」

 

「な、なんだ⁉︎」

 

「何緊張してんの?」

 

「し、してない!」

 

「いや、さっきからソワソワし過ぎだろ」

 

「してない!……た、ただ、その…少し慣れないだけだ。こういう店は」

 

「めっちゃ緊張してんじゃん」

 

「う、うるさいうるさいうるさい!まだ料理は来ないのか⁉︎」

 

「お前店内でそういう事言うなよ。つーかそんな早く来るわけねーだろ。本当に短気な奴だな」

 

「き、貴様……!それが師匠に対する口の聞き方か!」

 

「それがご主人様に対する口の聞き方か!」

 

「どーでもいいけど、お前ら仲良いな」

 

「どこがだ⁉︎」

 

口を挟んだ店主にユリスがツッコんだ。

 

「ほれ、塩ラーメン二つだ」

 

「おっ、サンキュー」

 

2人の前にラーメンが置かれる。

 

「これが、ラーメン……」

 

「食ってみ?」

 

「い、いただきます」

 

ユリスはやや遠慮気味にかつご丁寧に手をあわせると、箸で麺を摘んだ。そして、口の中に運んで、なるべく音を立てないように啜った。

 

「ーーっ!」

 

「あ、今『美味い!』って思ったろ」

 

「う、うるさい!」

 

顔を赤くして怒鳴るも、美味そうに麺を啜る。それをニヤニヤしながら横目で見つつも、真斗も麺を啜った。

すると、ユリスも麺を啜りながら横目で睨み返した。

 

「……その顔腹立つぞ」

 

「なら素直に美味いって言えよ」

 

「美味い。これで満足か?」

 

「いや別に俺が満足したいわけじゃないし……。むしろお前が満足してくれれば、俺はそれでいいよ」

 

「っ! くっ……お前は本当に……!」

 

「? なんだよ」

 

「何でもない!ご馳走様!」

 

「食うの早いな!」

 

で、一足遅れて真斗も食べ終わり、店を出た。

 

 

 

 

店を出て、学校の演習室に2人は戻る。

 

「ふぅ……食ったなオイ」

 

「ああ……癪ではあるが、良いところと良いものを教わった。礼を言うぞ」

 

「いいよ別に。さて、じゃあ戻ったら食休みして特訓再か……」

 

「食休みはナシだ」

 

なんて話しながら公園を通っていると、何やら騒々しいのに気が付いた。

 

「……ん?なんだ?」

 

近づいてみると、学生同士が喧嘩してるようで、ギャーギャーと罵詈雑言が飛び交っていた。

 

「あれは、レヴォルフの連中だな。相変わらず馬鹿な事をやっているものだ……」

 

ユリスはため息をついた。そして、隣の真斗の方に振り向いた。だが、

 

「この道はやめて、少し遠回り……真斗?」

 

隣に真斗の姿はない。すると、「まぁまぁ」と間抜けな聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「ああ⁉︎なんだテメェ!」

 

「落ち着けよあんたら。何があったのかは知らないけど、こんな所で殴り合いなんてさ。公園には小学生とかもいるんだから、あんまり怖がらせるなよ」

 

「うるせぇ!部外者は引っ込んでろ!」

 

「何やってるんだあのバカは……」

 

本気でユリスは呆れた。が、そんなユリスの気も知らずに、真斗は連中の仲介をする。

 

「第三者だからわかる話もあると思うんだよ俺は。とにかく、喧嘩なら他所で……」

 

と、言いかけた所で、真斗が声を掛けた2人とは別の所が殴り合いを始めた。

 

「あー!おいあんたら!だからこんな所で殴り合いは……!」

 

「オラ邪魔だコラァッ!」

 

声をかけた真斗の顔面に拳が減り込んだ。ドサッと倒れる真斗。

 

「いってぇな!何しやがんだ!」

 

「はっ、喧嘩の横槍は危険なんだぜ?」

 

気が付けば、明らかに真斗を狙っているように囲まれていた。

 

「マズイな……嵌められた」

 

ユリスは呟き、真斗に近付こうとしたが、ビュッ!と光の矢のようなものが飛んできた。どうやら、ユリスも囲まれていたようだ。

この手口は、わざとターゲットの前で喧嘩を起こし、そのターゲットが近づいて来た時点で殴り合いを始め、巻き込もうという手口だ。

ユリスは問題なく捌いていく。そして、真斗の方を見た。

 

「死ねやオラァッ!」

 

真斗の腕に相手の剣が掠る。

 

「グッ……!」

 

「真斗!」

 

すぐに援護に向かおうとしたが、真斗は立ち上がった。

 

「テメッ、やりやがったなコラァッ!」

 

顔面を拳で殴り返す。男の鼻をへし折ってぶっ飛ばした。すると、背中から光の矢が飛んで来る。それがドスッ!と刺さる。が、

 

「てんめっ……!」

 

踏ん張って怯みもせずに殴り返した。

 

「次はどいつだコラァッ‼︎」

 

「ああっ⁉︎やってやんぞコラァッ!」

 

「んだてめオラァッ!」

 

そのままヤンキー映画のように殴り合いが始まった。

 

 

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