(・・・ふむ、どうやら寝過ごしたようだな)
夕べは少し・・どころか、早く寝ようと思って寝床に付いた後、ペッ友が増える事に期待を膨らませ過ぎて余り寝付けなかった。
その結果がこの現状だ・・言い訳はすまい。
(だが、フェレットがこの家に来るのはなのはが学校から帰宅する時。即ちフェレットはまだ家に来ていないという事になる)
ならばギリギリセーフということだ。
幸い、なのはが帰宅する時間まで寝ていた訳ではない。
今の時刻は九時八分。普通ならばもう少し早く起きているが、それでも上等な時間帯だ。
これならば、身綺麗にする時間はたっぷりと・・ん?
(嗅ぎ慣れない臭いが・・する?)
この違和感を表現するなら、白一色の紙に黒い点が付いた様な感じ。
俺は小熊だが、それでも熊の端くれ。嗅覚は敏感だ。
その嗅覚が違和感を訴え、更には臭いの下へと導く。
(・・二階に続いているな)
俺は臭いを追って二階へと上がり、更に臭いの元に近付く。
そして、行き着いた場所が・・
(・・なのはの部屋。か・・)
・・勝手に部屋に入ると怒られるのだが、臭いの元を追う為だ。仕方ない。
俺はそう自分に言い聞かせ、自慢の脚力を生かしてドアノブに飛び付き、それと同時にドアを開ける。
(さて、臭いの元は何処だ?)
俺はなのはの部屋をぐるりと見回す。
すると、なのはの勉強机の上で何かが動いた。
(っ!そこか!)
俺はそれを見逃さず、又も自慢の脚力を使って勉強机の上に飛び乗る。
すると、そこに居たのは。
(フェ!フェレット!!)
そう。そこに居たのは、小さな籠に入った黄色のフェレットだったのだ。
「キュ、キュウ!?」
(な、何故フェレットが既に家に!?)
これには俺もビックリする。
まさか、臭いの元を辿った末にフェレットに出会うとは予想もしなかった。
・・・しかし、このフェレット。見れば見るほど・・
(美味しそうに見えてくる・・)
気が付けば、俺の口元には涎が垂れている。
ああ、そう言えば朝ご飯を食べていなかったな。
・・・折角のペッ友を朝ご飯にするのは心苦しいが、何分熊なのでな・・許せ、我が友よ。
「キュ?キュキュ!キュ~~!?」
きっとフェレットは生きていると思います。