僕はフェレット。(と今は言っておきます)
名前はユーノ・スクライアです。
僕は今現在、命の危機に直面しています。
「・・・・」
「キュ!?(く、黒い犬!?)」
なのはの部屋に突如として現れたこの犬。
軽くなのはからは聞いていたから居るのは知ってたけど・・
ポタポタ・・
こんなに食い意地がある犬とは聞いてないよ!
こ、このままじゃ食べられてしまう!
こうなったら・・
「・・キュウ!!(逃げるしかない!)」
魔法はまだ使えないし、体力もまだまだ全開じゃない。
だけど、犬のご飯にはなりたくない!!
僕は走った。
走って走って走り続けた。
なのはの部屋を出て、階段を駆け下り、廊下を風の如く走りさり、リビングを小さな体躯を生かして駆けた。
そして・・
「キュウ・・キュウ・・(はぁ・・はぁ・・何とか逃げ切れた・・)」
必死の逃走劇を制したのは、結果僕だった。
僕は今、玄関にある靴を収納する場所に隠れている。
少し窮屈だけど、それでも食べられるよりはマシだ。
後はこのまま、この家の誰かが帰ってくれば僕も外に出られる。
僕は逃げ切ったという余裕からそう考え、緊張の糸を緩めた。
それから何分経ったのだろう。
僕はあれから、少し疲れて寝てしまった。
(・・もうあの犬は、僕を追ってないんだろうか?)
ふと、そんな考えが頭に浮かんだ・・次の瞬間。
僕の体を隠していた扉が勢いよく開き、そして戦慄した・・
「キュウ!!?(ひ!ひいぃ!!)」
僕の視界に、黒い犬の顔面がドンと入る。
(お・・終わった・・)
それは、人生が終わった瞬間だった。
迫り来るは犬の口。何でも噛み砕けそうな鋭利な歯。
僕は、意識を、手放しそうになって・・・聞き覚えのある声を聞いた。
「ユーノく~ん。大丈夫~?」
「キュ・・キュウ?(な、なのは?)」
「うん、なのはだよ?」
あれ?さっきまで犬の口が迫って・・
「心配したんだよ、ユーノ君。家に帰ってきて部屋に戻ったらいないから・・でも、クロに捜して貰ったら下駄箱に居るって教えてくれたの♪」
え?へ?どういう事?
「でもユーノ君、どうして下駄箱の中にいたの?」
(そ、それは・・)
と、僕が事の発端を話そうとした時。
僕の探している石。ジュエルシードが起動した感覚を身に感じた。
ユーノ逃亡時の熊視点。
「・・キュウ!!」
(ア、エモノガニゲタ)
オレ、ソレオイカケル。
カイダンオリテ、ロウカハシッテ、エモノ、リビングハシリマワッテイタ。
オレ、ソレオイ・・・・・はっ!!
(だっ!駄目だ!!それをしたらリビングが滅茶苦茶になってしまう!!)
俺は確かに小熊だが、それなりに大きい。
よって、フェレットが通る場所を俺が通れば、そこは無茶苦茶になる訳だ。
(それだけは回避しなければならない。何故ならそれをする事によって、俺はこの家から放り出されるのだから・・)
ふぅ、此処で理性を取り戻せて良かった。
でなければ今頃、フェレットは俺の胃の中だし、リビングは荒れ果てていただろう。
(本当に理性を取り戻せて良かっ・・・ん、待てよ。何か忘れてないか?)
そう考えつつ、俺は此処まで来た道を振り返ってみた。
するとそこには、点々と涎が落ちていた。
(・・・全部拭いておかないとな)
朝ご飯はこれを拭き終わった後、だな。
ああそれと、朝ご飯はフェレットではなく、ドッグフードだぞ?