それから、とある魔法少女がアニメ化されました。
あの黒い怪物をなのはが倒してから翌日。
熊である俺は高町家にて留守番をしている。
(・・・暇、だな・・)
リビングにポツンと座りながら、当然の事をポツリと心中で呟く。
暇な理由は、只今この高町家には熊一匹しか居ないからだ。
桃子さん、士郎さんは「翠屋」という自営業の喫茶店に仕事に行き。
恭也さん、美由紀さん、なのは、ユーノと呼称されるフェレットは、プールに行ったのでやはりこの家に居ない。(別にプールに行きたかった訳ではない)
よって、俺一匹がこの家に居るのだ。
だが、暇を持て余す事は別段今日に限った訳ではない。
何しろ俺は熊なのだ。1日の大半を暇が占めている。
(・・・・・)
しかし、本当に暇だ。
よく、暇が売れたら大儲け出来る。なんて言葉を聞くが、本当に暇が売れれば俺は億万長者になっているだろう。熊だけど。
(・・・・・)
そういえば、今頃なのは達はプールを楽しんでいるのだろうか?
俺はあまり、プールという場所にいい思い出がない。
何故なら、俺が泳ぎに自信が無いからだ。
金槌以上、普通に泳げる人以下。詰まり、泳げるけど凄く鈍いという事だ。
そのせいで人間だった時は、友人等に馬鹿にされていた・・
(・・・駄目だ、色々と気落ちしてしまう。ここは空気を変えるためにテレビを見よう)
そう考えて、テレビの側まで移動して電源を器用に爪で押し、テレビから少し離れた場所に腰を下ろす。
そうしてテレビに映る映像と音声は・・・
「魔法少女カレイドルビー!華麗に参上♪」
やけに赤い服が似合う少女?が決めポーズをキラリと決めた映像と、ノリノリな少女の声音が俺の双眸と両耳に届いた。
(魔法少女・・か)
テレビ画面に映る魔法少女を見て、俺は昨日の事を思い返す。
(なのはの変身。ユーノの日本語発言。黒く巨大な怪物。あれは一体何だったのだろうか?)
あの時、神社で聞いた事だけでは全くもって理解不能だが、なのはとフェレットが危険な事をしている事だけは分かる。
俺としては、なのはとユーノには今すぐにでも危険な事は止めてほしい。
でないと何時か、取り返しのつかないことになるかもしれない。
(・・けれど、俺は熊だ。そう訴えかける事も出来ない)
何度も言うが、俺は熊だ。
人間と会話など不可能。
だが、それぐらいで諦める俺でもない。
意志疎通が測れないなら、行動で示せばいいだけの事。
(なのはには悪いが、もしもまたなのはがああいう行動にでるなら、俺はそれを止める)
それでなのはが俺に、あの魔法の様な力を行使してきたとしても、俺のスキルで止めてみせる。
(たとえそれで、この家にいられなくなっても・・)
そう決めて、俺はテレビ画面を改めて見直す。
「私のプリズムメイクで悪を滅ぼしちゃうわよ♪」
(・・・しかしこの魔法少女、色々凄いな)
内容は一切分からないが、色々凄いという事はわかるな・・・