ストライクウィッチーズ ~which of liberty~ 作:黒金さん
神様転生なるものがある。神様なるものが死んでしまった人間を色々な世界に転生させてくれる、アレだ。
二次小説とかでよく使われる手法であり、それを基盤とすることで実にわかりやすく物語を作り出すことができる。
まあ、そんなものが世の中にあったらそれだけで夢の塊、夢想幻想が作り出すものの一つだがーー
「で?どういうこと?」
「つまり、あなたはこちらの手違いで死んでしまった、ということです。それ故、転生させてもう一度チャンスを与えてみようかと。」
ーーーそんなものは、俺の目の前に転がっていた。
○ ○ ○
俺の名前は佐藤剛。3文字のありふれた名前からわかるように、普通の大学2年生である。
普通のはず、というか普通でよかったのだ。
朝起きたら俺の部屋に女が座っていた。というか、俺が妙な所で横になっていた、と言うのが正しい。
この女は、「自称、神」だ。
「自称ではなく実際に神ですよ。」
コイツ、心を読みやがった。
見た目的にはどこぞのインデックスを大きくしたような感じだ。
この女が圧倒的な力を持つ神様で、俺を手違いで殺した張本人、ん?手違い?。
「手違いで死んだってどういうこと?」
「よくあるアレです。具体的には同姓同名の人間と寿命を入れ間違えた、という奴です。他に説明を望みますか?。」
信じられん。仮にも神様なるものがそんなアバウトでいいのか。というか、つまりは何か?このありがちな名前のせいで死んだということか?
「他に無いのならすぐにでも転生手続きにうつっていただきますが。」
「いやまだ全然理解してないんだけど。第一転生って手続き必要なのか?」
「はい、当方としても手続きがあると書類整理に楽ですから。」
書類まであるのか。というか人間は書類で管理されているのか。なんだか神も人間じみてるな。
「しかし、あなたは死んでしまったというのに随分と落ち着いていますね。」
「いや情報多すぎて飲み込めないだけなんだけど。」
「普通ならここで私を罵倒したり、叫んだり暴れたりするものですよ。あ、こちらが書類になりますね。」
そう言いながら白の尼僧服を来た神は、後ろの棚から一枚の神を取り出す。
「どうぞ。これに必要な情報だけを書き込んでいただけば、手続き完了となります。」
その紙に書かれていたのは実に単純。たった一文である。
・・・”あなたは転生を望みますか?”
「あのさ、これは承諾書っていうんだと思うんですよ。」
「いえ、ちゃんとした転生手続きの書類ですよ?。割としっかりした。」
「いくらさがしてもたった一文しか書いてないんだけど。」
「目の錯覚です。薬局でアイボン買ってきてください。」
「いや、普通ここは名前書いたり、どこの世界に転生したいとか書くんじゃないの?」
「そんな細かいことができれば苦労しませんよ。まあどこに転生したいかくらいは決めさせてあげてもかまいませんが。」
そんなものなのか。神だから何でもできるわけじゃないのか。というかどこに転生したいか決めれるのに名前は決めらんないのか。
「では、どこがいいんですか?」
うーん、困った。最近の面白いアニメとかあったか?いや、見てる側としては面白いが当事者になるのは少しな…
そうだな。ストライクウィッチーズあたりとかどうだろう。ウィッチじゃなければ飛ばないし、女子に囲まれてキャッキャウフフするのも悪くはないな。
「ではそういうことで構いませんね?」
コイツ、また心を読んだのか。というかもう決定なのか?
「ではそういうことで。手続き完了です。あとは完全にあなたの自由なので。良い人生を。」
「ちょっと待て!まだ決めた訳じゃ…」
そういいながら、俺の意識は深い闇に落ちていった。
○ ○ ○
夜明けすぐの空の中、飛んでいくいくつかの人影がある。
その人影はいずれも、頭に獣の耳、腰から尻尾を伸ばし、足に翼がついた鉄の塊のようなものをつけている。
「ふぁ~あ。夜中に起きてきたせいでまだ眠いよ~。」
その後ろ側を切って飛んでいるのは、扶桑の若き魔女。先日隊に配属されたばかりの新人、宮藤芳佳である。
「仕方ないよ~。ネウロイはいつくるのか分からないんだから。」
そしてその横にピッタリとついているのは、長射程のライフルを持った、ナイスバディな魔女、リネット・ビショップ曹長だ。
今は、夜明けと共にあった強い反応の正体を探りに哨戒中だ。
民間機や鳥の群れなどなら可愛いものだが、それ以外、特にネウロイだったらコトだ。放っておけば、町一つが壊滅する恐れもある。通報を受けてからでは遅いのだ。
「お前達!そろそろ反応があったポイントだ!気を抜くな!」
そう二人に話しかけたのは黒髪と眼帯が特徴の、坂本美緒少佐。
鬼教官でもある彼女は、的確なアドバイスを部下2人に与えた。実際気を抜けばケガ程度では済まない。
「でもネウロイって決まったわけじゃないんでしょう?気にしすぎですよ~。」
「芳佳ちゃん、ネウロイじゃないとも決まってないよ。」
「ああそうだ。仮にネウロイでないとしても、確認はしなければならない。」
「えー。もういいじゃないですかー。」
「たるんでいるぞ宮藤。もしネウロイを見逃して、街に被害でも出たら・・ん?なんだあれは?」
朝の光を反射して光るものが一つ、坂本の目に映った。即座に眼帯を押し上げ、その下にある魔眼でコアの有無を確認する。
その光に、 ネウロイのコアは確認できなかった。
「ネウロイではない、か。大方迷い込んだ民間機だろう。」
「ネウロイじゃなくてよかったです。」
リネット、坂本は胸をなで下ろした。が、宮藤の目にはには違うものが映っていた。
「坂本さん、あれ、落ちてませんか!?」
その物体は飛行せず、重力に従って自由落下していた。
「まずいな。このままでは墜落するぞ!」
「止めてきます!」
「待って芳佳ちゃん!」
宮藤が落下する物体に全速力で突っ込んでいく。そういう性分なのだ。
そして、それの形がはっきり見える距離になり、宮藤とリネットはあることに気がついた。
「「ウィッチ!?」」
落下するそれは、見たことのないユニットを履き、見たことのない軍服を着込んだ魔女であった。
2名はなんとか落下する魔女に取り付き、ユニットの出力をフルに使って落下を阻止する。
が、落下速度は大して変わらない。このままでは3人まとめて墜落である。
苦肉の策として、宮藤が魔女を上に引き上げ、リネットが下から押し上げた。それは意外と簡単に成功した。
「ふうー。よかったぁー。」
「でもこの人、なんでこんなことになってたのかな?」
二人の腕の中で、その魔女は疲れた果てたような顔で気を失っていた。
実はまだOVA見てない。