設定は未知なる魔神の後日談です。いきなりこれを見ても絶対に意味不明になると思うのでとりあえず飛ばすことを推薦します。
10月ごろ、夏の暑さはすっかり無くなって、温かく過ごしやすい期間が続いている。
しかし、冬の始まりを誘うように、窓をから入ってくる風が徐々に涼しくなりつつある。
様々なことがあったが、今は平和の時間が約束された。……まぁ、モンスターについての被害がなくなっただけだけどな。
ベットで上半身だけを起こして状態で、お気に入りの音楽を聞きながら、ブランに貸してもらった本のページを読み終えて一息つく。
ファンタジーや旅物語を好む彼女にしては珍しい恋愛小説だった。身長と胸にコンプレックスを持つ女性がモテる男性と他のヒロインを蹴落としながら進む物語で、最終的にその少女のような女性を選ぶ結末なのだが、そこまで辿りつく波乱万丈の展開には目を離せない。しかし、女性絡みで苦労する主人公に凄く共感できるのはなぜだろう?。
『他人事じゃないからだと思うよ』
「勝手に思考を読むな」
携帯を開いて時計を確認すると、三時ごろだった。
窓から外を見れば、黒いコートに三角帽子を被ったコスプレをした女性が店の看板に不気味に笑う形に斬ったかぼちょを置いたりしていた。カレンダーを見ると10月の31日だった。
『ハロウィンか…紅夜は何かするの?』
「ん、ベールから仮装大会を誘われているから、そっちに行くつもりだ」
仮装大会、またの中をコスプレ姿でみんなでワイワイする祭りだ。
普段は温厚な人がおおいリーンボックスでも、今夜はかなり派手にするつもりらしく大量の花火やお菓子が用意されているとか、後者が理由でネプテューヌが仕事サボっても来そうだな。
『つまり、デートだね』
「あいつは、二次元に夢見る様な奴だぜ?ベールにはお世話になっているし、可愛がってもらっているけど、それは俺を弟のように扱ってくれているだけだ。それ以上には何もないだろう」
ちょっと過保護過ぎな所もあると思うがな。あいつ徹夜でゲームすることも良くあるから、合間を縫って深夜でも容赦なく電話やメールを送ってくるし、返さなかったなら後で小言を言ってくるから面倒くさい。
『そう思いながら付き合っている君って健気だね~』
「恩人だからな」
それ以上の理由はない。だが、俺がブラッディハードの力をコントロールするため、冥獄界に何年か修行することが決まってから、過激なスキンシップをしてくるのは本当にどうにかしてほしい。血が足りなくなる。
『はぁ、一番距離が近いはずなのに、紅夜がこれじゃ先が思いやれるよ』
なぜそこでため息をつくのか分からない。
『はいはい、君は正常運転中だよ。とにかく、ちゃんと待ち合わせの時間に先にいること、これは男として当然だよ』
「それは、分かっているさ」
女神であろうとも女性なのだから、男である俺が待たせることがないようにしないといけない。
待ち合わせの時間は太陽が沈みだす頃だが、祭りの準備に変わった街を探索するのも面白うだ。ベットから降りて、財布と携帯あとは漆黒のコートを羽織って一階に降りるとそこには机に顔面をくっ付けて項垂れている空がいた。
しかも、ボロボロで。
その傍では、空の従者であるポチさん(犬ではなく人間)が立っていた。
「…どうしたんですか?」
「いえ、今日はイベント事があるということで邪神の方々が主の家に雪崩込み、反抗した結果が見事に返り討ちという訳です」
「……むきゅ~ん」
『相変わらず邪神に好かれているんだね』
空は顔を横にして俺達を睨んできた。好きでこうなったんじゃないと訴えているようだった。
ナイアーラトホテップを一派に様々な世界に破滅と混沌を呼び込む邪神一同に空は好かれているようで、よく遊びというなの奇襲を受けることが多いらしい。俺にとって空以上に強い奴なんて見たことがないが、空の実力には上の下程度と本人が語っていた。……本当に世界って広いだな。
「ということは家を占拠されたと?」
「そうですね。まぁ、いつものことなので気が済めば帰るでしょう」
『返ってくるのは瓦礫だけどね』
空は静かに泣いた。
「零崎様、まことにすいませんが今日は主を泊まらせてあげてください。宿屋を予約しようとしまいしたが、ハロウィンというイベントの影響か、どこもいっぱいで」
「はぁ…いいですけど部屋は余っていますし」
「ありがとうございます」
心の底から溢れる感謝の言葉と共に頭を下げるポチさん。
とある事件で一度は焼却されてしまった我が家だが、お詫びと言うことで再建された。
二回にはあまりの部屋が二つほどあるし、問題はない筈だ。
「その格好はどこかへお出かでしょうか?」
「ハロウィンの仮装大会に参加することになっていて、祭りの前に模様替えした街を探検しようと思ったんです」
「なるほど、確かハロウィンは子供にお菓子を配るイベントでしたね。準備しないと」
ふふと楽しそうに微笑むポチさん。多分、お菓子でも作ろうと思っているだろう。
そろそろと時間を確認して、玄関に向かうと後ろでポチさんは頭を下げて送り迎えをしている。ついでに空はこちらに向かって手を振っていた。
「いってきます」
「いってらっしゃいませ零崎様、今日は一日晴れいい夜空が見えそうですよ」
誠実な人だと、思いつつ外に出かけた。
『相変わらず、破壊神には勿体ないくらい出来た従者だ』
「確かにいい人だな。空と同じくらいに気が利くし、物腰が柔らかいから話しやすいよ……っと」
俺が住む雄大なる緑の大地リーンボックスの街は大きく変わっていた。
ゲームで言うならば中世という言葉が良く似合う街並みは大きく変わっていた。道路を歩きながら周囲を見渡せば、造り者のカボチャの兜をすっぽり被った人や、魔女のようなローブを着ている人と聖書らしきものをもった牧師姿の人までいる。家にはかぼちゃを飾ったり、帽子をかぶったコミカルな幽霊が描かれた絵が扉に飾られたりしていた。
「へぇー、みんなやる気満々だな」
『人って祭りごとに燃え始めたらとことん凝るからね。それにこの人々を総べる女神様も娯楽好きだし』
「確かにそうだな」
「こぅーちゃーん!!」
むっ、その声は!振り向くとかぼちゃが喋っていた。しかし、俺をこぅちゃんと呼ぶ奴なんて一人しかいのでその正体は直ぐに分かった。
「……仕事はどうした」
「むー!そこは名前を呼んで私の胸にダイミングしてくるところでしょ!?」
「いや、なぁ…お前がサボっていたら容赦なく連れてこいイストワールに言われているんだが」
「もう、いーすんはいつもいつも仕事仕事って、女神も疲れるんだよ!遊んだって罰は当たらないと私が思うんだ」
被っているかぼちゃを持って持ち上げると、そこには外側に跳ねた薄紫色の髪と幼い顔つきをした隣国の革新なる紫の大地の女神パープルハートこと、ネプテューヌがいた。
いつものパーカー風のワンピース姿ではなく、長いブーツに黒を基本に端やミニスカートの部分が紫の動きやすい服装だった。なにより目を引いたのか……
「にゃんにゃん♪」
黒い猫の耳としっぽだった。手を曲げて顔の隣に置いて全然似ていない猫の鳴き声を披露した。
「………」
「ワクワク、ドキドキ」
そして期待の眼差しを向けてくるネプテューヌ。
こいつは分かっていないがここは公道だ。街行く人の視線が物凄い痛くなるのをこいつは分からないのか?
「まぁ、その……可愛いと思うぞ」
「でしょ!?」
そういって、俺の腕をぎゅっと抱きしめるネプテューヌ。
女神の仕事はどうしたと追求したいが、楽しそうに笑うネプテューヌを突き返すわけにもいかずため息をして歩き出す。
「ちょうど、こぅちゃんの家に行こうと思っていたから会えて良かったよ。私とこぅちゃんにはここで出会う運命だったんだ!英語で言うとデスティ二ー!」
「へー」
それはすごいな。
「こぅちゃんはツッコミはあまりしなくてスルーすることが多いよね。それじゃ私との漫才コンビは成り立たないよ!」
「俺が、いつお前と漫才コンビを組んだ?」
「それは一億と五千年前、永遠の契りを交わしたことを忘れちゃったの!?」
「そんな昔だとそもそも、俺達は生まれていないだろう!」
「そう!その調子でもっと、激しくツッコミを頂戴!ボケ担当の私をもっと高みへ導いて!」
こいつはどこに目指す気だろうか、このままギャクを付加させてギャクと守護を司る女神にでもなる気だろうか。
「あ、それだとヒロイン感がボケによって薄れてしまうかも……」
「唐突にどうした?」
電波でも受信したのか?理解できるメタ発言は頼む。
腕を組み街を歩きながら、真剣に悩み始めるネプテューヌ。
脳波によって動く猫耳なのか、さっきからぴくぴくと本物の猫のように動いている。プラネテューヌの科学力は素直に凄いと思うが、変な方向に暴走することが傷だ。
「こぅちゃん、これから予定ある?」
「夕方まではないな。一緒に散歩でもするか?」
「うん!こぅちゃんが行く場所なら、きっと楽しいに決まっているよ」
微かに頬を紅くしながら寄り添ってくるネプテューヌ。
握っていた手を開いて、お互いの指を絡ませて歩き出した。
住宅街を抜けて、商店街に近づいていくと徐々にいい匂いが鼻孔を刺激していく。時間はちょうど三時ごろで小腹が空きはじめた頃だ。
「初めに聞いておく、財布は持ってきているか?」
「優しいこぅちゃんが奢ってくれると信じているから持ってきていない!」
零崎 紅夜の攻撃!断罪チョップ!
「いたーい!!バカになっちゃうよ!」
「安心しろ、バカに進化系はないからバカのままだ」
痛そうに顔を歪めたネプテューヌにため息。
まぁ、予想はしていたが流石にムカつく。俺はお前の財布じゃない。……でも、仕方ないと言っている自分がいる為、俺は財布をコートのポケットから財布を取り出した。それにネプテューヌは目を輝かした。
「……はぁ、ほどほどにしとけよ。あと俺の分も買ってこい」
「イェッサー!愛しているよこぅちゃんーー!!」
……相変わらず元気な奴。俺の財布を片手に商店街に向けて走っていくネプテューヌに手を振りながらそんなことを思った。暇になった俺は近くのベンチに座って携帯を開く。一件の未開封のメールを受信しており、宛先はアイエフだった。メールを開いていると。
『紅夜。貴方の所にネプ子がいるよね。このまえあまりのサボりにイストワール様が怒って椅子に縛って仕事を無理やりさせていたんだけど女神化して逃げちゃったみたい。やりすぎたとイストワール様も呟いているし、今日はそっちで仕事のストレスを発散させて、明日帰ってくるように説得して、私かコンパも居た方がいいけど私は忙しいし、コンパは資格取得で勉強漬けらしくて、紅夜しか頼めないの。よろしくね』
「……はぁ、りょーかい」
メールを確認して携帯を閉じた。空もネプテューヌに対して『糞土の牆は杇るべからず』と半分あきらめている様子だったからな。空は様々なゲイムギョウ界を見てきたから、その反応から察するに数々の次元のネプテューヌも同じ様に怠け者だったんだろう。
「どーしたの?ため息吐くと幸せが逃げちゃうよー?」
「大丈夫だ。また吸うから」
ネプテューヌがアイスクリームや牛すじ串、フランクフルト、焼きそば等祭りでは定番の物を買ってきた。ネプテューヌに渡された軽くなった財布を惜しみながらポケットに放り込む。
流石に道路で喰う訳にもいかず俺達は近くの公園のベンチに座った。が、ちょっと困ったことに、この公園には男女の組みが多い。つまりカップルが多い。
「あー……アイスクリームくれ」
「う、うん。パンプキンとバニラどっちがいいかな?」
「バニラがいいな」
周囲の至る所から発せられるピンクオーラに歯痒さを感じながら、ネプテューヌに渡されたアイスクリームを手に取ろうした時、手が重なって時ネプテューヌが頬を紅くして小さく悲鳴を上げた。
「……こぅちゃん、顔赤いよ」
「……お前も紅いぞ」
恥ずかしさを表現するように力なく揺れるネプテューヌの尻尾。
受け取ったバニラ味のアイスクリームを良く見ると妙に形が崩れているのが分かる。
こいつ、フライングしてやがるな。ネプテューヌに視線を送ると直ぐに逸らされた。引っ掛かることはあったが、直ぐに振り払ってアイスクリームを舐めた。ちょうど赤くなって熱くなった顔を冷やすには、ちょうどいい甘さと冷たさだった。
「関節キス……」
「なんか言ったか?」
「なんでもないよ!」
三人分のベンチに座っているので俺とネプテューヌは少し距離が空いていたが、ご機嫌そうに笑うネプテューヌは俺の肩に頭を置くぐらいの距離まで接近してきた。俺はアイスクリームを美味しそうに舐めるネプテューヌの頭に手を置いた。
「こぅちゃん?」
「お前と会えて良かった。改めてそう思っただけだ」
「私もこぅちゃんと出会って本当に良かったと思うよ。……でも、あともうちょっとで会えなくなるんだよね」
「お前らが春に同盟を結ぶだろ?その日だな。……大丈夫だ。そんな不安そうな顔になるなよ。空は最短五年、最長十年くらいだと言っていたんだし、連絡とか出来ないけど俺達はココで繋がっているんだろう?」
不安がるネプテューヌの頭を撫でる。俺だって寂しいさ。
でも、これは今の俺にとって絶対に重要なことで、お前らを守ることにも繋がることだ。
「そうだね。私達は絆で結ばれているんだよね」
「あぁ、その通りだ」
ネプテューヌが俺の肩に頭を置いた。
ネプテューヌの頭に置いていた手を肩に移動させて、今この時じゃ味合えない最高の幸せの時間を浸りながら俺達は昼時の青空を見ていた。
まず提案してくれた日仲 誘記さんありがとう!
あれこれ考えましたが、こんな感じで各キャラそれぞれに話を作っていく感じにします。
次はノワールかブランを予定しています。最後はベールですね。
猫耳猫尻尾ネプテューヌ……うん、作者の妄想です。なぜ猫耳と思ったかもしれませんが……はい、特に理由ない!。あと作者はイチャイチャシーンを書きたいと言っていながら恋愛描写はあまりうまくありません!既に付き合っている設定なら書きやすいものの、今の所この二人は付き合っていない感じを出しつつ、イチャイチャさせるのは難しい……これを後三人もやるのか……。
ではでは