超次元ゲイムネプテューヌ 未知なる魔神   作:燐2

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さっ、寒い……。
えっと、大事なことを言い忘れていましたが、作者は勿論無印、mk2、Vをプレイしてかつ全ルートを見ていますが、課金を一切していないので課金イベントを知りません。
それをご理解しておいてください。


重厚なる黒の大地 ラステイション編
朝の一時、始まりの鐘


ーーー空が汚れている。大地が汚れている。世界が汚れている。

 

 

ーーーいつだって、どこだって、世界を汚すのは人間だ。

 

 

ーーーしかし、世界に必要な人間も存在するのも事実だから

 

 

ーーーだから、

 

 

ーーー綺麗な花を咲かせる為に、人間を抜こう。

 

 

 

 

 

 

 

朝だ。カーテンから差し込む光が俺の睡眠を阻害(そがい)した。

とてつもなくうざい、深夜まで働いていた身としては、これが非常に腹が立つ、俺に『今一番欲しい能力は?』とか聞かれたら間違いなく、朝だけ天気を曇りするとか言うね。

しかし、そんなことを心の中で呟いても、何も解決しないし、かと言ってどうこうしようとも思わない。ただ言わないと気が済まない一種のやつあたりだ。

 

「んっ………」

 

昨日も凶悪なモンスターが出現したとかで、急遽召集させ討伐作戦を実施した。

巨大なオークで、その一撃一撃は人間なら肉塊するには十分にするほどの威力があり、高速で動きながら懐に入って斬りまくって倒せた。

死と隣り合わせのモンスターを狩るこの仕事、ルーキーでもベテランでも油断すればあるのは死だが、命を懸けるだけの価値がある、モンスターの脅威から解放された人々のお礼の言葉と心から感謝される仕事だから、俺は今を充実した毎日を過ごしているんだ。

 

「ふぁっ……」

 

欠伸をしながら寝間着から普段着に着替えて、二階から一階に降りた。

木製特有の家からは、どこか自然な匂いがして落ち着いた。

まずは、顔を洗う。冷たい水で洗顔することで眠気から意識がスッキリする。朝は、まずこれをしないと目が覚めないんだ。

 

「…………」

 

鏡に映った自分を見た。

首まで伸びた黒交じりの銀色の髪、右目は蒼穹を見るような蒼き瞳、左目は真紅のような紅き瞳。

十歳後半の微かに幼さを残しながら、キリッとした顔つきの少年が映った。

港の神様転生とかで中二病全開の容姿だ。なんでこんな容姿なのか分らない。俺には一年前からの記憶が全くないからだ。

ダンジョンで倒れていたところを女神様に拾われた。身元を調べてもらったが、答えは分らない、の一言だった。

まるで、俺は異世界から来たような、そんなゲームやアニメの設定であるような現実では、ありえないことになってしまったのだ。

 

「ッ、急がないと」

 

壁に掛けてある時計を見て、時間が迫っていることに気づいた俺は乱暴にタオルで顔を拭いて、キッチンに小走りで移動した。

 

 

 

 

 

 

 

コンコンコン。

 

 

「お、来たか」

 

ちょうど朝食が出来たときに慎ましいノック音が聞こえた。

朝食と言っても焼いたパンに卵焼きを乗せて、簡易的な野菜サラダと至って普通だけだ。それを三人分。

 

「カギ、空いているから勝手に入れよ」

 

扉に向けてそう言うと、扉が開いて二人の女性が入ってきた。

 

「「おはようございます。紅夜」」

 

「おはようございます。ベール、ケイブ先輩」

 

軽く頭を下げた。

一人は腰まで伸ばした金髪の少しおっとり目が特徴的であり、露出度の激しいお嬢様のような服装をした母性感を感じさせる女性、この大陸の女神様ベールと、彼女の護衛役であるメイド服のような服装をした赤髪のツインテールで表情が薄い女性のケイブ先輩だ。

 

「もう、そう頭をいちいち下げなくてもよろしいのに……」

 

「ベール……あんたこの大陸のトップだろう?俺はそこらの一般市民だよ?」

 

こうやって目を合わせるだけで彼女のファンや教会員からは発狂ものなのに、俺は一緒に食事できるんだ。

これが世の中に知れ渡ったら……鬼ごっこに開催するな。俺をピンポイントに狙う為に性と名を漢字で一語一句、間違いないようにターゲットに絞り捕まったら拷問死されそうな危険な鬼ごっこが。

 

「親しき中にも礼儀ありです。ベール様」

 

横でケイブ先輩がナイスフォローしてくれた。

ベールは詰まらなさそうに口を尖らせて、俺の家に入ってきた。

 

「私、お腹ペコペコですわ」

 

「はいはい、こちらへどうぞお嬢様」

 

台所に案内して、椅子を引いてベールを座らせる。ケイブ先輩も同じく

 

「いただきますわ」

 

「はい、どうぞ」

 

そう言って、ベールは小さい口を開いて卵焼き乗せパンを食べた。

頻繁に食べに来ているといっても、自分が食べるのではなく他人が態々自分の家に来て食べて感想を言ってくれるまでは、息が詰まってしまう。

 

「おいしいですわ」

 

「あ、ああ…」

 

綺麗な笑顔でそう感想を言ってくれるベール。俺は、それを直視できず顔を逸らした。そして、それを微笑ましく見ているケイブ先輩―――これが、俺の日常だ。

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、今日からですわよね?」

 

食事後の紅茶を飲みながら、ベールは思い出したように呟いた。

 

「ああ、ラステイションに出張」

 

重厚なる黒の大地『ラステイション』―――ただいま、産業革命真っ最中の大陸だ。

日に日に新しい技術が生まれ、便利な物が続々と販売されていて、確か企業同士がお互いの新製品を競うような面白い大会があるとか、実は少し前に自然環境が問題となっていた、それはあちらの女神様が直ぐに対処してかなり改善されているのだ。

 

「……本当に、貴方はお人よしですわね」

 

「……?」

 

心配そうで、呆れたようにベールが呟いた。

 

「戦闘狂や快楽殺戮者とは違い、貴方は自らの意思で人助けのために世界を歩き回りモンスターを狩っています。そんな自分から危険を冒すようなことはよっぽどの信念がないとしないと出来ないことですわ」

 

つまり、俺は普通じゃないんだな。

俺には生まれつき、不思議な力があるから、それを役立つ為に何より人々の笑顔と「ありがとう」の一言で凄く救われるような気がするんだ。だから、俺はこの力を使って誰かの役に立ちたい。

 

「心配してくるのか?」

 

「勿論ですわ」

 

言葉を汚さず真面目な瞳でベールは真っ直ぐ俺を見てきた。

 

「紅夜。貴方は間違いなく善良(ぜんりょう)な器です。しかし、走りすぎる性格なので、もう少し、周りを見て落ち着いた行動をしてください。貴方の身を案じているのは貴方だけではないのですから」

 

ケイブ先輩の言葉に、喜びを感じながら心を絞めた。

確かにそうかもしれないが、俺にはそうすることしかできない。これしかできないのだ。

 

「分かった。けど、俺は俺にしかできないことだから、俺は頑張るよ。でも、確かにケイブ先輩の言うとおり、自重もする」

 

「そうしてください」

 

「大怪我して帰ってきたら怒りますわよ」

 

思うんだが、ほんとお前たちは俺の両親か!と言いたくなった。

だけど、帰る場所があるっていうのは、素直に嬉しいから……。

 

「ありがとう」

 

そう呟いた。

同時に、俺こと『零崎(れいざき) 紅夜(こうや)』の物語が始まった瞬間でもあった。

 




主人公は一年前にダンジョンの中で倒れていた所をベールに拾われています。
ケイブ先輩と呼ぶわけは……後々あるかな?(因みにケイブはハーレム候補から除外しておりますので、ご理解をよろしくお願いします)
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