ー昭和十七年ーサクラ次元35
ー地獄の世界ー
ー巴里ー
『世界の平和は保たれた!東洋の侵略者は全滅だ!フランスの正義に栄光あれ!』
そこには戦争の勝利に喜ぶ巴里市民がさわいでいたが、一人の女性は物陰から寂しくその様子を見ていた。
なにが平和だ……
なにが勝利だ……
なにが正義だ……
だれが好きこのんで戦争なんか……
大切な人を失った人はどうするんだよ……
イチロー………ねえ……イチロー………エリカ……グリシーヌ…ロベリア……花火……楽しくやってる?……僕は…なんとか頑張って生きてるよ……たとえ…一人でも……頑張ってるよ…みんな…お空の上から僕の事見ててくれるから寂しくなんかないよ…………しばらくそっちにはいけないみたい…もうすこし生きていこうと思うんだ、だから僕は笑うんだ。一人で…………………………………………………………………………………………………………いやだよ………やっぱり…一人は…寂しいよお……涙がまた出てきちゃった…何度も何度も泣いたのに……まだ出てきちゃう…わがままでごめんね…神様…もし…いるなら…お願い…が…あるんだ……僕に…約束を…叶えさせて………イチロー…昔…ある……約束…したよね…
イチロー
ボクはいつかきっとトーキョーに行く
約束だよ
そしたら
そしたらさ…
ボクをイチローの…
『その約束なら叶えられる。俺の仲間のおかげでな。』コクリコの前にチェイスが現れた!なんと創世王との戦いで復活していたクリムの力と鵜のデータによりチェイスは生きかえり、シフトスライドというシフトカーを使い、この世界へと現れたのだ!
『だ、誰!な、なんで僕の考えが!』
『もうこの偽りの時間は消え去りお前の願いは叶う。』周りが光に包まれコクリコは目を瞑る。
ー地獄の世界→平和の世界ー
ー太正十六年ー
ー教会ー
『え…こ、ここは教会!…ぼ、僕の格好、ウェディングドレス⁉︎ど、どういう事!』なんと歴史が変わり教会にて今日ここで大神一郎とコクリコが結婚しようとしていたのだ。
『これが真実だ。』目の前にはチェイスがいた。
『えっ、ど、どういう事!』
『つまりお前はもう一人じゃないという事だ、家族ができるようだ、俺の役目はここまでだ…さらばだ……』チェイスは後ろに振り向き歩いていった。(あの人間は剛や霧子、進ノ介にとって大事な家族だ、俺はそんな家族を守れた、悪くない…)
『コクリコ、こんな所にいたのか、もう始まるぞ、式。』横から聞こえてき男の声、それはコクリコにとって一番聞きたかった声、最愛の人間大神一郎の声であった。
『えっ……イ、イチロー……な、なんで?ど、どうして…うっ…うっ…』コクリコは大神を強く強く抱きしめた。
『コクリコ、もう大丈夫だ、俺はどこにもいかない、ずっと一緒だ、さあ、行こうか、未来に、俺と一緒に、皆と一緒に!』目の前には笑顔で二人を迎える花組の仲間がいた!もうコクリコは一人ではない!戦争はなくなった!もう地獄の世界は存在しないのだ!
そしてはんぶんこ刀により大神は別れそれぞれの花組と結婚したため、愛による憎しみもなくなったのだ!
『うん!』コクリコは大神の手を強く握りしめた、互いの手の温もりを忘れないように…もう離れないように…
ーコクリコの世界ー
『まさか…こんな方法があったとはね花組の誰もが納得する…22世紀の技術と一郎じいちゃんの希望の種の奇跡か……チェイスも蘇った…今度こそダチとしてお前に会う、話をしてやるよ、真田鵜というダチの話を……』はんぶんこ刀は使ったら5時間ほどの効果しかなく、一度使ったら同じ人間は二度と使えないのだが、希望の種の力により完全に分離し、効果がきれることはないのだ!しかも大神の中にある花組を愛する気持ちが分離するため、未練がなくなるのだ!
『真宮寺直哉か…俺はあいつに今は会わねえが……真宮寺さくらの力になるかもしれない……行くか!あの次元に、だってお前のコピー元だしな、』剛のかばんの中にはあるはずのない物があった、赤いバイラルコア、それは剛が唯一記憶を忘れなかったのがその赤いバイラルコアを持ったからである。そして、花組以外のメンバーは鵜がいた事のみ忘れていたのだった。
『殺戮革命連合…光組…一郎じいちゃんがお前が託してくれたものを守りぬくために戦う!どんな方法を使ってでも、家族として…ダチとして…』
剛は撮った7枚の写真を財布に入れ、次元を超えた。新しい明日のために
自分の家族のために
俺達はつながっている
今を生きる俺やお前の笑顔は
今はもう誰かもわからないどこかの
誰かが…
それぞれの時代を生き抜き流した
血と…汗と…
ちょっぴりの笑顔で
紡がれているということを
忘れないでくれ…
あいつらの事を…
記憶がなくても…
いたという事実だけでも…
覚えていてくれ…
ロイミュードという……
人間の心に翻弄された…
犠牲者の事を……
悲しき生命体の事を……
それが俺の永遠の願いだ…
詩島 剛