ー昭和七年ー
ーサクラ次元ー由里の世界ー
ー花やしきー格納庫ー
斜大は織姫から逃げ、格納庫に来ていた。ここには霊子甲冑の残骸が置かれていて、斜大は汗だくになりながら、辺りを見回した。
『霊子甲冑の残骸…そこら中にあるが、どれも使えるかどうかわかんないなーー霊子水晶だけあってもなー』誰もいない格納庫を斜大は歩いていると帽子を被り、派手な服を着た一人の男がいた。
『ようやく来たか、坊主。』男が斜大を見てニンマリと笑った。
『だ、誰?』声が聞こえた先を斜大は振り返った。
『俺の名はハムエッグ、お前さんを助けるために紐育華撃団から来た日本人だ、だいたいの事はわかっている。』ハムエッグは斜大に近づき、肩に手をおいた。
『俺を助ける?』(なんだこいつ……明らかに整備士の人じゃない……だが…今は!)斜大は警戒をやめなかった。
『こいつに乗んな。』ハムエッグは指パッチンをした、すると。
ガッコォーン!格納庫の地下から紅蓮の霊子甲冑が現れた。
『この霊子甲冑は……』斜大は霊子甲冑に近づいた。
『新型霊子甲冑、闘武だ。闘武は搭乗者の闘争心によって動く…お前の闘う意志が重要だ…お前の闘う理由はなんだ?』
『お、俺はただ巻き込まれただけで!』
『そんなんじゃ、いけないなあ。お前さん、お母さん殺されたようじゃないか?』
『な、なんでそれを?』
『このままだと、お前さんも殺されるし、あの杉野ってガキも殺される。だったら、殺される前に殺してみな!』
『えっ……』
『命を奪われている以上、降りかかる火の粉を振り払うだけじゃだめだぜ。まずは、その火の元を断たたなきゃだめだ!』
『し、しかし……』(人殺し……僕は人殺しをしなきゃいけないのか……だけど…殺さなきゃ…)
『あのなあ、お前さん……人は人生で必ず何かを犠牲にしなきゃいけないんだよ!』
『そ…そんな、僕は!』
『お前さん、その体はどうして今ここにあるか知っているか、お前さんが殺した動物の肉を食っているからだ!生きている植物を食って栄養にしているからだ!』
『そ、それは…仕方なく…』
『そうだよ、わかってんじゃねぇか、そうなんだよ!仕方ないんだよ!相手がお前さんを殺そうとしている以上、相手を殺す事は仕方ないんだよ!』
『…』(た、確かに…)斜大は頭を抱える。
『それにな、お前さん、母ちゃんの仇とりたくないのか?』
『仇…』
『そうだよ、仇をとれよ!大切な母ちゃんだったんだろ!あの鷹岡ってやつを殺せよ!殺せよ!殺せよ!』
『そのために…闘武に、乗れと。』
『そうだ、多分花組が攻めて来る。紐育星組は残念ながら、来ないぞ。』
『な、なんで…』
『今、紐育に化物が出ているらしい、だからこっちに人員を回す余裕はないようだ。だから、お前さんしかいないんだよ!闘え!母ちゃんの仇をとりな!』
『わかったー行く!』
『背中に操縦席がある階段に昇ったら、すぐだ!操縦席にある空洞にお前さんの持っている霊子水晶を入れな、そうすれば闘武は動く!』ハムエッグの指示通り動き、斜大は闘武を動かした。
『ありがとうございます!』(杉野兄ちゃん、今いくよ!)闘武は格納庫を壊し、由里の家に向かった。
『よし、おい、こっちは作戦成功だ。そっちの準備はどおだ?』ハムエッグは携帯を取り出し鷹岡からの電話に出た。そう、彼はハムエッグは紐育華撃団の一人ではない!鷹岡とつるんでいたのだ!
『ああ…もちろん出来てるぜ!パーティーの準備は万全だ!』ドンドン音を立て鷹岡は笑っていた。
『まさか、こんなおいしい話があるとは思わなかったぜ、今からそっちに行く。』(やっとか…太正十四年からの努力がついに報われる…ありがとな!さて、あっちは変わらないかな、元気かなーあの三人、いや、四人か、ふっはっはっはっ!)ハムエッグはたかわらをあげながら格納庫を出た。