ー昭和七年ー
ーサクラ次元ー由里の世界ー
ー由里の家ー
瓦礫だらけの由里の家の前で斜大が乗った闘武とレニが乗った光武二式が戦っていた。
『そこ。』レニは闘武に何度も何度もやりを刺した。
『ぐわっ!ぐわっ!ぐわっ!』闘武は何度も槍が当たり、地面に倒れこんだ。
『斜大!まだ、あの霊子甲冑の操作に慣れていないのか。』杉野は不安そうに闘武を見た。
『それだけじゃあーりませーん。レニは私と違って実戦経験が多く、冷静な判断をしやすくて、素人の斜大なんて一捻りでーす。』織姫は笑う。
『俺はここで見ていることしか出来ないか…頑張れ!斜大!』杉野は織姫を連れ、物陰に隠れた。
『任しときな!杉野お兄ちゃん!といいたいんだけど…やっぱり強いなあ、由里母ちゃんがいったとおりやっぱり強いなあ、でも、負けられないんだ!あんたは俺が殺す!母ちゃんの仇!うおお!』斜大は闘武の肩からブーメランを取り出し、レニに向けて投げた。
『こんな武器!』光武二式は向かってきたブーメランを軽く槍で地面に叩き落とした。その瞬間、闘武が光武二式にタックルした!
『隙だらけだね!おりゃあ!おりゃあ!母ちゃんの仇!』闘武は続けてパンチを何度も何度も頭に叩きこんだ。
『調子に乗らないで。』光武二式は空高く槍を投げ隠し持っていた小刀を闘武のカメラに突き刺し、後ろに下がった。
『あ、ま、前が!』闘武は手探りでさっき落としたブーメランを探す。その間に光武二式は大勢を直し、飛ばしていた槍を掴み、闘武の右腕の関節部を突き刺した!
『や、やばい!右腕が…だったらああ!』闘武は右腕を自ら引き千切り、床に落ちたブーメランを広いあげ、そのブーメランを使い、光武二式の足をひっかけ、光武二式を倒した。
『やばい、体制が!』光武二式は起き上がろうとする。
『仇!死ねぇ!』
俺がやらなきゃ!
俺がやらなきゃ!
俺がやらなきゃ、杉野兄ちゃんも俺も死んでしまう!
仕方ない!
仕方ない!
殺さなきゃ、殺される!
仕方ないんだ!正当防衛だ!
人殺しをする!
『絶対人殺!』
斜大は悩みながらもブーメランの先端を刃に変え、光武二式の操縦席に突き刺した!
『ぐわあああああああっ!た…隊長…なんで…僕を……』光武二式は大爆発した。
『レ、レニーーー!うわああーん。』織姫はその場に崩れ落ち、激しく泣いた。
『織姫さん…ようやくわかっただろ、大切な人を殺され、遺された人の悲しみが…なんでだよ…なんで、同じ立場にならなきゃわからないんだよ!』
『す、杉野兄ちゃん……』斜大が通信をした、すすり泣くような声で、話し始めた。
『し、斜大…』
そ、そんな…殺すしかないのかよ!
なんでだよ!なんで又救えない!
人の命は一つしかないのに!
殺されないために人を殺すしかないのか!
自分が生きるためには誰かを殺すしかないのか!
人類が生きるために殺せんせーを殺すしかなかったように!
殺せんせーが言っていたようにこの世は理不尽だよ…それに文句を言ってもさあ…
無駄だとわかってんだよ!
でも!でも!なんで!
なんで7歳の斜大が人殺しなんかしなきゃならないんだ!
殺しの後には…罪悪感が残るだけだ…
杉野は声をかけられず、その場に立ち尽くした。
『俺、人を殺したよ……これで、母ちゃんの仇とれたかな?母ちゃん喜ぶかな?母ちゃん俺を褒めてくれるかなあ……いやあ…褒めてくれないなあ…ははははっ、ははははっ!』斜大は涙を流しながら、激しく笑った!罪悪感によるものだろう。当たり前だ、人を殺してはいけないというのは子供でさえ知っていることなのだから。
『斜大…織姫さん!これが、あんたらの望んだことか!7歳の子供に人殺しをさせて、あんな風にして!ふざけんな!』杉野は織姫を睨みつけ、叫んだ!どうしようもない怒りを織姫にぶつけた。
ー物陰ー
『ありがとう、斜大!レニ!おかけでいい戦いが撮れた!斜大!これから頼むぞ〜〜〜俺様の私腹を肥やすために殺せぇ!あーっはっはっはっ!』なんてハムエッグは斜大とレニの戦いを陰で撮影していたのだ!
『さっすが、霊力を化け物同士の戦いだあ、これを使えばうわっはっはっはっ!』ハムエッグは静かに闇に消えていった。