ー昭和七年ー
ーサクラ次元ー由里の世界ー
ー大帝国劇場ー
ー舞台ー
ここには囚われた杉野が鷹岡といた。
『おい、鷹岡!あんたこれから何をする気だ!答えろ!』杉野は縛られつつ鷹岡にどなりかけた。
『あーーそうだなー杉野君には教えてあげるよーー。』鷹岡はポケットからリモコンを取り出し、ボタンを押した。すると…
ウイーン!
舞台が開き、そこには巨大なモニターが設置されていた。そしてモニターから映像が流れ始めた。
『巨大なモニター?え!あ、あれは!』流れ始めた映像を見た杉野は声を張り上げ驚いた。
『ふっふっふっ…よく撮れてるだろ。いや〜この映像を撮るために面倒くさい小型虫スパイロボットを操作したんだよ。』モニターには闘武と光武二式の戦いが映し出されていた。杉野は鷹岡を睨みつけた。
『鷹岡!あんたなんでこんな映像を撮った!なんのために!斜大を花組の皆さんを使って殺そうとするんだ!答えろ!』
『それはな…金さ。』
『金?一体どういう意味だ!』
『なあ?杉野君、今の世の中なあ、君みたいな人殺しが嫌いな連中もいれば大好きな連中もいるんだよなあ…その人殺しが大好きな連中のた!め!に!俺様とある協力者でつるんで人殺しの映像を撮って金儲けをしようとしているんだよ!』
『なんだって…じゃあ!斜大は金儲けのために!』
『そう!虫も殺したことが無いような少年から母親を奪い!自分の身にあまる力を手に入れ、自分を殺そうとする相手がいるからなすがままに殺す…最高のシチュエーションじゃないか!そんなシチュエーションを見たがる奴等がいるんだよ!人が醜くく血を流し、人が人を剣で…ナイフで…銃で…殺し、目の前にいる人をただの肉の塊にする…最高だろぉ!』
『あんたは…』
『なんだい?杉野君?』
『あんたは金儲けのために!一部の人間のエゴのために斜大を巻き込み…人の命を奪い…花組の皆さんを苦しめる!どこまで腐れば気がすむんだ!鷹岡!』
『おいおいおい?失礼なこと言うなや、そもそも花組の奴等が心の底で思っていた《自分を選ばなかった大神一郎の息子斜大を殺したい。》そう思っていた。そう願っていた。だから、その願いを叶えさせてやるために軽〜く支配したんだよ。牙王を差し向けてな。』
『牙王…あいつを送り込んだのはあんただったのか!』
『まあな、君はよく知っているだろう俺のやり方を、誰かを自分に従わせるには恐怖で支配すればいい。だから、牙王を差し向けて帝国華撃団に恐怖を植え付け、巴里華撃団にも同じように、牙王の部下を差し向け、恐怖を植え付けた。人間は一度恐怖を植え付けられたら最後、死ぬまで支配しやすい人形になるんだよ。恐怖による支配。心の奥底で眠っていた斜大を殺したいという欲望。その両方を巧みに操り、人殺しを行わせる。それが奴等の望みだからなぁ!そして俺様はその戦いの場を提供し、それを撮り、それを欲しがる連中に売りつけ、金を儲ける。実に合理的で素晴らしい計画だとは思わないかぁ?杉野君?』
『貴様ぁっ!』
『それに!この争いを最初に提案したのは俺じゃない。なあ、ハムエッグ!』後側にある扉からカツカツと一人の男が歩いて、杉野に近づいた。
『よう、おまえが杉野か、ありがとな、斜大をおびき寄せる餌になってくれて。』ハムエッグは笑いながら杉野の顔を覗き込んだ。
『ハムエッグ!あんたも…最悪だな!』
『そんなこと言うなよ…あの闘武を斜大に渡したのは俺様なんだぜぇ。』
『な、なんだと!』
『あいつの中にある闘争心、それを引き出し、理性のタガを外し、戦う。いい見世物になるしなあ。』
『じゃあ…俺も…』
『そうさ!斜大の母親には斜大の中にある憎しみを引き出すために使うため、斜大をここにおびき寄せる餌にはならない。だからそのためにお前を別世界から連れてきた。理由は簡単だ。鷹岡の復讐のためだとよ。』
『なんだと!復讐だと!』すると鷹岡が杉野を殴りつけ、杉野の胸ぐらを掴み、話し始めた。
『そうさ、復讐さ!正確にはお前じゃなくてな、潮田渚!俺があいつへの復讐のためにお前を呼び出した。』
『渚への復讐のために俺を呼んだのか!』
『ああ、だが俺が味わった屈辱以上の屈辱を与えるためにはあいつを直接殺すのではなく、その周りの大事な大事なクラスメートが自分の救えないところで無惨に殺され、その死体をあいつに見せる。その時のあいつの顔を見てみたいんだよぉ。無人島の時は未遂に終わっちまったからなあ…まだ可能性があったからなあ!もう手遅れだということを書く時に示すには死体が必要なんだよ。斜大の餌と俺の渚の復讐のための道具としてお前を呼んだよ。よろしく頼むよぉ!まだ、生かしておいてやるから、楽しみな!あーっはっはっはっはっ!』鷹岡とハムエッグは笑いながら舞台のある部屋から出て行った。