季節は春。ここ文月学園では、生徒は2年生以上になると各々の学力に見合ったクラスに振り分けられる。ここでいう見合ったというのは、学力に合った授業を受けるというものもあるが、それだけではない。教室の質も異なる。AクラスからFクラスまで順にみていけばその格差のほどがうかがえる。分かりやすく教室の内装を比べてみれば、かたやシステムデスクとリクライニングシートが一人ずつにあり、黒板はなくプラズマディスプレイ。かたや畳にちゃぶ台。しかもボロボロ。
そんな中、今ここにとある姉弟が2年生になって初めての登校をしてきた。
「それにしても明久はどうして朝が弱いんだろうな」
「そんなの僕が知りたいよ。昨日だって朝の5時までしかゲームやってないのに」
「へぇ、朝の5時までゲームを?」
「あっ、しまった!」
「その話後で聞かせてもらうからな」
弟のほうはどうやらバカのようだ。そんなこんなで二人は校門の前までやってきた。校門の前には一人の教師がたっており、生徒に封筒を配っている。あの中身はクラス分けの結果であろう。
「げっ、鉄人!」
「あ、おはようございます鉄人先生。朝早くから大変ですね」
「あぁ、おはよう吉井姉弟。弟の方は相変わらずだな。そして二人とも鉄人と呼ぶな」
「まぁいいじゃないですか。あ、それとも28号とかの方がよかったですか?」
「そういうことではない。というかお前は見たことないだろう」
「えぇまぁ、名前しか知りませんね。どっちもダメってことは鉄人28g…」
「誰がつなげれば問題ないといった?」
「冗談ですってば。さて、そろそろ明久が空気になりかけてますし、行くとします」
「まったく、お前は頭脳明晰スポーツ万能、そのうえユーモアも社交性もあると来たもんだ。猫をかぶらず、基本的には誰にでも素の自分を見せていることもあわせて、人気が出るのもうなずけるな」
「これまたべた褒めですな。もしかして惚れちゃいました?」
「俺は教師だぞ。バカなこと言ってないでさっさと受け取っていけ。わざわざFクラスに入ったんだ。なにかするんだろ?」
「あ、分かっちゃいます?まぁそれはお楽しみです。さぁ明久、呆けてないで行くよ」
「あ、ちょっと待ってよ。僕は何クラスなのさ」
「二人そろってFクラス。分かり切ってることきくなよ」
彼女ら二人は吉井明菜と吉井明久。かたや非の打ちどころのない完璧な女子。かたややることなすことバカばかり。二人の2年生としての学校生活が幕を開けたが、これから一体どうなることやら。
キッツ!
プロローグは軽めにと考えてたら千字いかなくて焦りましたね。