「よんだか?」
あ、明菜さん!
「望み通り来てやったぞ」
あざっす!
「しかしまあ、前回から10日ほどたってるとか遅くないか?」
い、忙しいんです!遅れたことは申し訳ないと思っています!
「時間がかかった分は中身に期待するとするか」
お手柔らかにお願いします。
「ねぇ、明菜。ここって教室なの?」
「その気持ちは分かるけど、現実から目を背けるな」
2人はFクラスの教室の前に来ていた。果たしてそれを教室と読んでいいのかは怪しいのだが…
「僕の知ってる教室って一人ひとつ机と椅子があるはずなんだけど…」
「よく見ろ。ちゃんとあるだろ、卓袱台と座布団が」
「確かにあるけど、これは何か違うよ!?」
「Fクラスになったアタシ達の自業自得だろ。さっさと入るぞ」
ガラッ
「さっさと座れ!!このウジ虫野郎!!」
突然罵倒された2人。
「いい度胸だな、雄二?」
が、黙ってそれを受け入れる明菜ではなかった。
「げっ!!お前Aクラスじゃないのかよ!」
「うーん、まぁ行けたかもしれないけど、このクラスの方が楽しそうだからな」
「クラス代表としては戦力が増えて嬉しい限りだが…」
「それなら、文句ないだろ?あぁ、あとさっきの言葉は忘れてないからな、ウジ虫野郎?」
そう言って明菜は雄二に近づき…
パシャッ
「これでいいの、明菜?」
「上出来。お、きたきた。これを選んで送信っと」
携帯を取り出し、明久から送られてきた写真を誰かに送ったようだ。
「そろそろ、迎えが来るだろうから、覚悟しとけよ、雄二っ」
「ま、まさか、お前…」
ガタッ
「………雄二、浮気はめっ」
「ちょ、違っ、」
突如として現れた美少女によって雄二は連れていかれた。
「さぁみんな、席につこうか」
「誰だ今の?」
「かなりの美少女だったぞ」
「俺も連れていって欲しかった」
「「「「やつは異端者だ!裁きの鉄槌を!」」」」
初日にして、一致団結してはいるが、動機はただの嫉妬。流石はFクラスと言ったところか…
「聞いてる?大人しく席につけって言ってんだろ?」
「そんなこと言ってる場合か!!」
「はぁ、仕方ないな。要は女子と触れ合いたいんだろ?」
明菜はそう言うとFクラスの男子の手を握り笑顔を見せる。
バタバタバタバタ
「あれ?なんだよお前ら、どうしたんだ?」
明菜本人に自覚は無いが、明菜ほどの美少女に手を握られたら、普通はこうなるだろう。
「「「「いえ、僕らがバカでした!!これからは世のため人のために活動します!!」」」」
「お、おう」
彼らは後にFFF団と呼ばれ、学校内はおろか街中でも有名な非常に善良な学生の集まりになるわけだが、それはまた別のお話し。
♢
side 明菜
「このクラスの担任の福原です。まずはみなさんに自己紹介をしてもらいますが、その前に、教室の設備に何か不備があれば言ってください」
なかなか優しそうな先生だな。
「座布団に綿が入ってなくて、ただの布切れになってます」
「我慢してください」
「ちゃぶ台の脚が全部折れていて、もはやただの板です」
「木材と工具を支給するので新しいものを作って下さい」
「窓が割れていて風が入ってきます」
「ビニールとテープの申請をしておくので直してください」
「「「「扱いが雑すぎる!!」」」」
流石はFクラスというべきか。不備を申請しても何もしてもらえないとか酷すぎる。
「さて、それでは自己紹介を始めていきましょうか」
今までのやり取りをスルーとは…
この先生なかなかやるな。
「木下秀吉じゃ。演劇部に所属している。こう見えてもわしは男じゃからな。よろしく頼むのじゃ」
最初は秀吉からか。それにしても、どう見ても女にしか見えないから不思議なんだよな。
「……土屋康太」
この無口な奴は趣味・特技が盗聴・盗撮っていうとんでもないやつらしい。
「島田美波です。日本で生まれたけど、育ちはドイツなのであまり日本語が得意じゃありません。趣味は吉井明久を殴ることかな」
おっとおかしいぞ。明久がナチュラルにサンドバック扱いされている。やっぱり日本語が不自由なのかな?
さて、次は明久の番か…
「吉井明久です。僕のことは気軽に『ダーリン』って呼んでね♪」
「「「「ダ~リ~ン!!」」」」
「失礼、今のは聞かなかったことにしてください」
あいつはバカなのか?ジョークに大半の男子が乗ってきていたのもなんか不安だけど。しかしまあ、ああいうのも悪くないな。
「吉井明菜です。明久の双子の姉です。私のことは気軽に『ハニー』って…」
「な、何を言っておるのじゃ。それはダメなのじゃ!」
「ごめんごめん。ちょっとしたジョークだってば。アタシは秀吉だけのものだから妬くなって」
「ば、ばかもの。いきなり恥ずかしいことを言うでない」
あーもう。秀吉ったら顔赤くしちゃって可愛いなぁ。
「あ、突然二人の世界に入ってびっくりしたかな?そう、何を隠そうあたしと秀吉は付き合っているのです」
「「「「はぁぁっ!?」」」」
「そんなに驚かなくてもいいでしょうに。さあさあ、そんなことより自己紹介の続きを…」
ガラッ
「お、遅れてすみません」
「大丈夫ですよ。今は丁度自己紹介の途中ですからあなたもお願いします」
「は、はい。姫路瑞希です。よろしくお願いします」
あれっ?瑞希がこのクラスにいるなんておかしいな。
「あ、あのっ!どうしてこのクラスにいるんですか?」
「そ、それは、試験の最中に熱を出してしまいまして…」
「熱か…俺も化学のテストでやられたな」
「俺も」
「俺は妹が病気で心配過ぎて…」
「一人っ子は黙ってろ!」
揃いも揃って、しょうもない。まあそういうアタシも、
「前の晩、秀吉が寝かせてくれなくて…」
「「「「木下、お前何やっとんじゃあ!」」」」
「嘘に決まっておるじゃろう!明菜も余計なことを言うでない。姫路が困っておるじゃろ」
「あ、えっと…」
あ、それは申し訳ない。
「瑞希、今年もよろしくな」
「あ、明菜ちゃん。はい、よろしくお願いします」
うーん、自己紹介がなかなかハチャメチャになったな…
まあこういうところもFクラスらしいってことで良しとしますか。
「Fクラスっていろんな意味ですごいよな」
そうですね。自己紹介で交際宣言とかしてますからね。
「何、文句ある?」
い、いえ何も…
「あぁ、そうだ。これってどうせ次も自己紹介あるんだろ?あたし以外にオリキャラはいないのか?」
お、いい質問ですね。一応は考えていますよ。でも、あまり期待しないでくださいね。
「ちゃんといるならそれでいい。せいぜい楽しみにしておくな」
が、頑張ります。