楽しんでいただけたら幸いです!(あんまり進まないかも…)
では、本編へどうぞ!!
少女は、小さい頃から声を出すことが大好きだった。
理由なんてものは、とても単純で。
小さい頃に母親がよく絵本を読み聞かせてくれたこと。母親が少女に歌を聴かせてくれたこと。
それを真似るように、少女も一緒に歌ったり、読む練習をしたこと。
そして、それを両親に褒めてもらえたこと。
……たったそれだけ。
たったそれだけ、と人は思うかもしれない。
でも、少女にとってはとても大きなことだった。
少女は『声』の世界に惚れこんだ。
______
少年は、小さい頃から演じることが大好きだった。
理由なんてものは、とても単純で。
幼稚園のお遊戯会のときに、主役に抜擢されたこと。
王子さまの役で、必死にセリフを覚えて、動きを自分なりに考えたりして
いざ本番になったら、やっぱり緊張したけれど、5人の兄弟たちがエールを送ってくれたこと。
そして、お遊戯会が終わったときに、兄弟・両親・先生・友達……見ているみんなから大きな拍手が送られたこと。
……たったそれだけ。
たったそれだけ、と人は思うかもしれない。
あの時に拍手を送ってくれたみんなは、もうそのことは忘れているかもしれない…
でも、少年にとってはとても大きなことだった。
少年は『演じる』世界に惚れこんだ。
____そんな『声』の世界と『演じる』世界に魅了された、少年と少女の物語。
___________________________
季節は、春。
青い空に白い雲。柔らかな春の風とピンク色の桜がひらひらと舞い散る。
周りには、真新しい制服を着た新入生が期待と不安を抱きながら校門をくぐりぬける。
___今日は、入学式。
私も一年前はこんな感じだったな…。夢と希望を胸に…ってやつ?
…意外と、現実は甘くなかったけどね。
新入生たちには、そんな思いはしてほしくない。楽しく、明るくこの三年間を過ごしてほしい。…それが、私の望み。
「…頑張ってね、新入生」
呟いた言葉は、綿毛のように春の空に飛んでいった__
___________
無事に入学式を終え、生徒全員が新しい学年、クラスへと足を踏み入れる。
…とはいっても、私たち二年や三年生はそこまで新鮮な空気を感じることはないだろう。階段を上る数が少なくなった…くらいだろうか?
二年二組。
ここが、私の新しい教室となる場所だ。
私の席は廊下側の一番後ろの席。うん、なかなかいい席じゃん。
騒がしい教室をぐるりと見渡す。一年の時に特別親しい友人がいたわけではないが…ほとんど知らない人ばかりで、なんだか居づらい。
まあ、どうでもいいか。
どうせ、私の事は空気のように扱うのだろうし…。私も人と付き合うのはあまり得意ではないから丁度良いのかもしれない。
「みんなー、席に着けーー」
入ってきたのは20代半ばくらいの男性。…えーーと、見たことあるような…ないような…?__うん、記憶にないや。
そんな担任はどうやらおしゃべりが好きなようで、どうでもいい自分の話をべらべらと無駄に長ったらしく話していた。
おそらく皆もあまり興味がないのだろう。頬杖をついていたり、隠れて携帯をいじっていたりと様々だ。私はどちらかと言えば前者で、右耳から入ってきた言葉が左耳に抜けていく…といった感じだった。なるほど『左へ受け流す』とはこういう感覚なのか。
「…さて、先生の話はこれくらいにしておいて!みんなからもそれぞれ自己紹介していってもらおうか。じゃ、1番の人から頼むな!」
……げ、めんどくさ……。
自己紹介なんかしたって、誰も全員の名前覚えるわけでもないのに…正直、やる意味を感じない。時間の無駄だとさえ思ってしまう。
「………です。よろしくおねがいします」
…あーあ、始まった。まあ、名前言うだけみたいだし、まだマシか…。
今、出席番号1番の人が言い終わり、席に着いた。私の番号は6番。つまり…私の番号まで残り__4人。
…ただ単に名前を言うだけなのに、やっぱりこういう場は緊張する。声を発するのは昔から好きなのだが…どうも、大勢に一気に見られるという環境に慣れていないせいか、委縮してしまう。
「じゃあ…次、6番!」
そうこうしているうちに私の番となってしまった。
…仕方ない。やるしか、ないもんね。
「えーっと…元4組の神崎美咲です。よろしくお願いします…」
ぺこりと頭を下げると、小さな拍手が鳴り響く。…ふう、終わった。
自己紹介なんてものは、終わってしまえば意外と気楽なもので、他のみんなの名前や話し方を聞いていると何だか面白かった。珍しい名字や名前。言葉のイントネーション、独特な声…。
『声』というものは、その人の内面を表す『音』なんだと思う。音楽の時間に「心で歌え!」なんて言われたことがあるのではないだろうか。つまりは、そういうこと。
心が綺麗でないと、綺麗な歌は歌えない__…
……まあ、全部お母さんの受け売りなんだけどね…
とりあえず自分なりに要約すると『声』は人の内面をうつし『声』は自分自身そのものである__そう、私は思っている。
「__次、31番!!」
先生の大きな声に、私は耳を塞ぎたくなった。…声が大きいのは自分に自信があるからなのだろうが…キンキンしていて正直うるさい。というか、教室内でそんな大きな声を出す意味とは……。
「はい」
返答の声に、私は振り向いた。何だか聞いたことがある声だった気がして…。
「元4組の松野カラ松です。よろしくお願いします!」
…ああ、知っている。去年同じクラスだった…松野くんだ。
おそらく、この学校で『松野』と聞けば誰もが聞いたことがあるだろう。
何と言ったって、彼は…彼らは『六つ子』なのだ。
確か…次男坊って聞いた気がする。うーん、曖昧だ…。
私は再び視線を前にやり、頬杖をついた。残り10人ほどの自己紹介を聞いた後、保護者への手紙やら何やらを数枚もらい、本日は下校となった。
「お~今年も同じクラスか!よろしくな!」
「ねえ、せっかくだし連絡先交換しない?」
「一緒にかえろーよ!」
「この後どっか寄ってかね―?」
「部活っていつから開始だっけー」
ざわざわと騒がしくなる教室。…はあ、うるさい。
「…さっさと帰ろ」
私は一人、賑やかな教室を背に、冷たい廊下を歩いて行った。
どうも、おはこんにちばんわネッシュです。
ここまで読んでいただいた方!ありがとうございました…!
なんかね、カラ松との絡みが全くないね。申し訳ない。
そして主人公ちゃんが…なんか人嫌い発揮しちゃってますね!最初はこんな設定じゃなかった気が…ww
まあ、なんとかしますw
ではではこの辺で!
次回も貴方に会えることを願って……!