ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情 作:ガンプラビルダー
ポーラと勝負することになった鶫だったがポーラが出した勝利条件はなんと俺の唇だった。
一条「なんだよその勝負は!?なんでお前らの勝負に俺の唇が関わってくるんだよ!?」
ポーラ「あら、男を惑わすのだってヒットマンとしての素養の一つでしょ?」
今までポーラと勝負で負けたことがない鶫でも俺と唇を交わすことにためらいを感じていた。
鶫「ダ…ダメだ!その勝負は!!」
ポーラ「あらブラックタイガーともあろう者が一度受けた勝負を降りると言うの?」
鶫「話を聞け!実はその男はお嬢の恋人なんだ!」
千棘という言葉を聞いた途端、流石のポーラでも反応した。しかし彼女の表情には疑いが見えた。
ポーラ「千棘お嬢の?……」
一条「そ…そうなんだ。ホントだぞ。なんなら千棘に確認しても構わないからな。」
ポーラ「……たしかにそれは良くないわね。でも忘れたとは言わせないわよ。ビーハイブの鉄の掟を!一度受けた勝負は絶対に降りてはならない!!お前が「いいだろう」と言った時すでにこの勝負は後戻りなんて出来ないのよ!!」
クソ……こんな不利な状況の中でも断ることのできない厄介なんてビーハイブの掟は厄介だな………
ポーラはさっきの鶫の様子を見て俺が相手なら不得手と見たようだった。
彼女の予想通り鶫はかなり動揺した表情をみせた。
鶫(く…唇を奪うだと!?私がこいつの?……そ…そんなことできるわけがない……でも………)
もし鶫がこの勝負に負ければ千棘と離れ離れになってしまう。
それは鶫にとって俺と唇を奪うよりも嫌である。
でも鶫はキスを交わすことを想像してしまい顔を真っ赤に赤らめてしまった。
ポーラ「さぁ!それじゃあ勝負開始よ!!」
一条「おい!ちょっと待て!!………」
ポーラが早速後ろから回り込んで両手で俺の頰をしっかりと抑えキスを交わそうとした。
ここで俺の唇がポーラに触れた瞬間勝負が決まる。
鶫は袖に装備させているハンドガンを俺たちに目掛けて発射した。
俺とキスすることに物凄いためらいを感じている鶫だが、俺の唇がポーラに奪われると思うとどうしても納得がいかないみたいだ。
俺はビビってその場から動けなくなってしまったがポーラはヒラリと避けて再び俺の後ろに回り込んだ。
ポーラ「そう来なくてはね!ブラックタイガー!!」
ポーラも負けじと両手にハンドガンを握って鶫を目掛けて弾丸をぶっ放す。
一条「おいおい!!これじゃあ命がいくつあっても足りねぇ!!とにかく逃げなきゃ!!」
身の危険を感じた俺はアパートからすぐさま離れ必死に走った。元々俺は勝負に一切関係ないからな!
そんな中でもポーラは銃を放ちながら俺の背中を追っかけてきている。
ポーラ「待てええええい!!私にキスさせろーーー!!!」
こいつシツコイな……このままじゃ確実に捕まっちまう。
鶫もポーラの後を追いながら銃を彼女の足元に向けて発射して足止めを行なった。
鶫「ポーラの妨害をしているだけではラチがない。くっ…こうなったら……」
鶫はビルの屋上から飛び降りて俺の目の前から降りてきた。
鶫「一条 楽ーーーーーー!!!!……じっとしていろ!すぐに済む。」
一条「お…お前、本気か?」
鶫は俺の返事に答えず無言で俺の口元に近づいた。俺たちの心臓の鼓動が高鳴る中いよいよお互いの唇が触れる直前にまで接近した。だが……
鶫「やっぱりダメだーーー!!!!」
一条「なぜ殴る!?」
やはり鶫は恥ずかしくなってしまい俺の頰を強くぶん殴った。
すると、その隙を見たポーラは銃弾を鶫に向けて放ち足止めをした。
ポーラ「あはは!!この勝負やっぱり私の勝ちのようね!!」
ポーラはポケットにしまっていたスモーク弾を投げあたりを煙で包み込んだ。
鶫「しまった!!」
煙がはれた頃にはポーラは鶫の視界から姿を消して追跡できないほどまで離れた。
ポーラは警戒区域にある誰も使っていない倉庫に俺を連れて行きコンクリートの柱に縄で縛られている。
ポーラ「さーて。ここまでくればブラックタイガーとは言え追跡は不可能ね。」
一条「おい!ここは警戒区域だぞ!!ボーダー隊員以外は立ち入り禁止なんだぞ!!」
ポーラ「そんなの知ってるわよ。さぁ坊や観念しなさい。優しくしてあげるから。」
一条「誰が坊やだ!?明らかにお前の方が年下だろ!!」
もしこれで俺よりも年上だったら笑えねえぞ。
一条「なんでこんな目に!!俺はキスなんて初めてなんだぞ!!」
ポーラ「あら、私も初めてよ。」
一条「はぁ!?お前も初めてなのかよ?ならいいのか?大事なファーストキスをこんな風に使っちまって……」
ポーラ「はぁ?意味がわからない。ファーストキスがそんなに大事?キスなんて誰でもできるし、言ってしまえばただの粘膜と粘膜の接触でしょ?そんなことでいちいち動揺するなんてこれだから日本人は……」
どうやらこいつはファーストキスがわかってないみたいだな……
けど、さっきの言葉は幾ら何でも失礼だと思った。
一条「お前にとっては大事じゃねえかもしれないが、大事にしたいって思ってる奴にとっては大事なんだよ。俺も俺じゃなくても!!」
ポーラ「……………?」
一条「それに本当はこの勝負勝つことが目的じゃねえんじゃないのか?本当は鶫に認めてもらいたいだけなんじゃねえのか?」
ポーラ「なっ!?……そんなこと……」
図星みたいだな。なんかポーラの様子を見ていて昔の俺にそっくりだな……なんて思ったんだ。
いくら鈍感な俺でも似たような経験をしていたからポーラの今の気持ちは感じ取ることができた。
鶫side
鶫「……ハァ…ハァ…ハァ…………」
ポーラが放ったスモークによって私は奴と一条 楽を見失ってしまった。
どうしよう……もしこの勝負に負けたら私はまたお嬢と離れ離れになってしまう………それだけは絶対に嫌だ!
でも……今頃ポーラは一条 楽とキスをしているはずだ………
……一体どうしてこんな気持ちになるんだ?一条 楽の唇を誰かが奪うことを想像すると考えるとどうしようもなく嫌だ!
私はどうすることもできず道端でふらついてしまった。
そして私の頭と心の中では「嫌だ」と言う言葉が目まぐるしく回っていた。
ピキッ!!!!
ふと諦めようと思っていたその時、頭と心の中で「嫌だ」と思い続けていた私は何か大きな力がわいてきたのだった。
一条side
ドゴォ!!!!!
一条「なっ……なんだ!?」
豪快な音とともに突然倉庫の壁が吹き飛んだ。すると、鶫が倉庫の中へ入ってくるのを確認できた。
ポーラ「まさか発見された!?この距離で!?………あれは………」
鶫は普段の姿とは大きく異なる姿であり物凄い殺気を俺たちに見せながら近づいてきた。
一条「おい!あれって鶫か!?」
ポーラ「なるほど。ようやく本気を出してくれたわけなのね。この殺気……それでこそお前だ!これでようやく楽しめそうね………」
ポーラは弾を装填してハンドガンを再び鶫に向けて発射した。
だが、鶫はハンドガンの弾丸をあっさりと避け俺が縛り付けられてたコンクリートの柱をひと蹴りだけで粉々に破壊した。
恐ろしいほどのパワーに俺だけじゃなくポーラもビックリしていた。
ポーラ「……ただの蹴りでコンクリートの柱を……何それ!?パワーもスピードも衰えてるどころか昔より遥かに優れてるじゃない!!」
ポーラが動揺している中、鶫はポーラの方を振り向いてこう言った。
鶫「……ポーラ!!………抵抗するな……いいな!!??」
ポーラ「は……はい……………」
鶫の一言によってなす術を失ったポーラは震えながら彼女に恐れを感じていた。
鶫「一条 楽!!」
一条「は…はい!!」
鶫は殺気まで見せていた殺気を消して無言のまま俺に近づいてきた。どうやら鶫は覚悟を決めたみたいだ。
一条「お前…まさか………」
鶫「………喋るな……」
ここまでくればさすがに俺もこいつがしようとしていることをわかっていた。
鶫は心臓の音が高まる中、自分と俺の唇に指を当て間接的なキスを行なった。
鶫「よ……よーし!!これでこいつの唇は奪ったぞ!私の勝ちだなポーラ。」
ポーラ「えっ、えええええええ!!!?そんなのキスと言わないわよ!!」
鶫「何を言うか。貴様はこいつの唇を奪えと言ったのだぞ!それとも………何か文句でもあるのか?………」
ポーラ「い……いえ……………何も…………」
鶫は再び物凄い殺気をポーラに見せ威嚇した。
ポーラは負けを認めたもののその表情からは悔しさが滲み出ていた。
そんな中、鶫はポーラに優しくそっと抱きついた。
鶫「私を襲った時とこいつを連れ去った時の動き、あれは見事だったぞ。」
すると、ポーラも今まで堪えていた感情を露わにして大粒の涙を流した。
ポーラ「う…うわぁああああぁあああん………わあぁあああぁああん……どうして……いきなり消えたんだよバカ〜〜〜………」
鶫「すまない、急な呼び出しで。お前も任務中だったから……」
どうやらポーラは鶫がいなくなったのが寂しかったんだな……
幸い異世界からの門は俺たちがいた場所から離れた場所に発生していた為他のボーダー隊員に気づかれることなく警戒区域から離れることができた。
翌朝、俺たちは空港へ行きポーラのお見送りをすることになった。
ポーラ「それじゃあ私は約束通り帰るけどいつかまたアメリカに来てよねブラックタイガー。」
鶫「ああ。わかってる。」
一条「……やれやれお前たちのせいで大変な目にあったぞ全く……」
鶫「何か文句でもあるのか?」
一条「いや、別に。」
俺はダルさを露わにして早く家に帰って疲れを癒すことにした。
その時ポーラは最後にこんな質問を鶫にしてきた。
ポーラ「それで、これからどうするのブラックタイガー?あいつお嬢の恋人なんでしょ?このままでいいの?」
鶫「はて、何の話かな?」
ポーラの返答に対し鶫は少しの嘘をつきながらも爽やかな笑顔を見せた。
ポーラ「……全くブラックタイガーもお子様なんだから……」
鶫の嘘を見抜いたポーラはクスッと笑ってアメリカ行きの飛行機へと乗り込んだ。
その頃、警戒区域では大きなサイレンと同時に異世界からの門が開いた。だが、門の中から現れたのはトリオン兵ではなく白髪の少年と謎の黒い物体だった。
「ここが親父が言っていた日本か……しかし、随分広い街だな。俺がいた世界とは大違いだ。」
『その分文明が発達しているということになるな。』
「ふむ。こんなに広いと親父の知り合いを探すのも大変そうだな。レプリカ、早速だけどトリガー使っていいか?」
『それを決めるのは私じゃない。ユーマ自身だ。』
「うーん……じゃあ今は止めとくか。とりあえず人が多い場所まで行って聞いてみるとするか。」
異世界から現れた謎の少年は歩き出し人の多い警戒区域外へと向かった。
この近界民が今後の三門市の運命を大きく左右することをまだ誰も知らなかった。
続く
質問コーナー
Q 一条はボーダーにどのくらい友達がいるのですか?
A 同い年の16歳組の人とは大体友達です。
Q 一条と舞子がC級時代に使っていたトリガーを教えてください。
A 一条が孤月で舞子がスコーピオンです。二人とも入隊した頃はアタッカーでした。
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