ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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今回よりブラックトリガー争奪戦編スタートです。


ブラックトリガー争奪戦編
迅 悠一②闇夜を照らす


 

空閑のブラックトリガーを奪取する為玉狛支部に向かっている太刀川さんたち。その目の前にブラックトリガー使いの迅さんが現れたのだ。

 

この状況を十分把握している太刀川さんたちはなにをしてくる彼には迂闊に手を出さなかった。そして突然迅さんが現れたことに驚きを隠せずにはいられなかった。

 

当真「うおっ!迅さんじゃん!なんで?」

 

迅「よう当真、冬島さんはどうした?」

 

当真「うちの隊長は船酔いでダウンしているよ。」

 

風間「余計なことを喋るな当真。」

 

ベラベラと喋る当真さんに対し風間さんは釘を刺した。

 

太刀川「こんなところで待ち構えてたってことは俺たちの目的もわかってる訳だな。」

 

迅「ああ。うちの隊員にちょっかい出しに来たんだろ?最近玉狛の後輩達はかなりいい感じだから邪魔しないでほしいんだけど。」

 

太刀川「そりゃ無理だ……といったら?」

 

迅「その場合は仕方がない。実力派エリートとしてかわいい後輩を守んなきゃいけないな。」

 

 

迅さんは再び風刃を左手で触れた。三輪さんは鋭い目つきで迅さんを睨みつけ太刀川さんはさっきよりも露わになった笑顔を見せた。

 

太刀川「なんだ迅、いつになくやる気だな!!」

 

当真「おいおいどうなってるんだ?迅さんと戦う流れ?」

 

状況が混乱している中、風間さんは一歩前に出てこう言った。

 

風間「『模擬戦を除くボーダー隊員同士の戦闘を固く禁ずる。』隊務規定違反で刑罰を受ける覚悟はあるだろうな迅?」

 

迅「それを言うならうちの後輩だって立派なボーダー隊員だよ。あんたらがやろうとしていることもルール違反だろ風間さん。」

 

 

 

 

三輪「『立派なボーダー隊員』だと!?ふざけるな!!近界民を匿ってるだけだろうが!!」

 

迅「近界民を入隊させちゃダメっていうルールはない。正式な手続きで入隊した正真正銘のボーダー隊員だ。誰にも文句は言わせないよ。」

 

太刀川「いや迅、お前の後輩はまだ正式な隊員じゃないぞ。玉狛での手続きが済んでても正式入隊日を迎えるまでは本部ではボーダー隊員と認めてない。俺達にとってお前の後輩は1月8日まではただの野良近界民だ。仕留めるのになんの問題もないな。」

 

太刀川さんの言う通りいくら入隊手続きを終えたとしても1月入隊式を終えない限り空閑をボーダー隊員と言う肩書きで守ることはできないのだ。

 

だが、迅さんは焦りの表情を見せることはなかった。

 

風間「邪魔をするな迅。おとなしく渡した方がお互いのためだ。それともブラックトリガーの力を使って本部と戦争するつもりか?」

 

迅「城戸さんの事情は色々あるだろうがこっちにだって事情がある。あんたらにとっては単なるブラックトリガーだとしても持ち主本人にしてみれば命より大事なものだ。別に本部と戦争するつもりはないがおとなしく渡すわけにはいかないな。」

 

迅さんの答えを聞いた風間さんは目の表情を変え一気に険悪なムードに包まれた。

 

風間「……あくまで抵抗を選ぶか………お前も当然知ってるだろうが遠征部隊に選ばれるのは黒トリガーに対抗出来ると判断された部隊だけだ。他の連中相手ならともかく、俺達の部隊を相手にお前1人で勝てるつもりか?」

 

迅「俺はそこまで自惚れてないよ。遠征部隊の強さはよく知ってる。俺が黒トリガーを使ったとしても勝率は五分に届かないだろうね………『俺ひとりだったら』の話だけど。」

 

風間「………何!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迅さんが嘯くと同時に屋根の上から3人の影が現れた。屋根の上に立っていたのは嵐山さんと木虎と時枝だった。

 

嵐山「嵐山隊現着した。忍田本部長の命により玉狛支部に加勢する!!」

 

風間「嵐山!?」

 

太刀川「なるほど、忍田本部長派と手を組んだのか。けど、俺たちの人数に比べ戦力は少ないな。」

 

一条「ちょっと待った!!」

 

嵐山隊の3人が屋根の上から現れた直後、俺たち一条隊も迅さんの背後からやってきた。

 

一条「一条隊、迅さんの依頼により護衛任務を遂行する!!」

 

太刀川「へぇ……まさかお前の弟子も来ていたなんてな……」

 

迅「いいタイミングだった嵐山、一条少年。助かるぜ。」

 

嵐山「三雲くんの隊のためと聞いたからな。彼には大きな恩がある。それよりどうして一条君たちもいるんだ?」

 

一条「俺たちも修と空閑には恩があります。城戸司令に逆らおうとも恩人を見殺しにはできませんからね。」

 

集「おっ、藍ちゃんも三雲君のために戦うのかい?」

 

木虎「か…勘違いしないでください。別に三雲くんのためなんかじゃないんですからね。単に命令だったからです。」

 

迅「嵐山隊と一条隊がいればはっきり言ってこっちが勝つよ。俺のサイドエフェクトがそう言っている。俺だって別に本部とケンカしたいわけじゃない。退いてくれると嬉しいんだけどな太刀川さん。」

 

太刀川さんは迅さんの挑発にのっかりとうとうバッグワームを解除して右手で孤月の刃を引き抜いた。それと同時に俺たちも戦闘態勢に取り掛かった。

 

太刀川「なるほど。『未来視』のサイドエフェクトか。ここまで本気のお前久々に見るな……面白い。お前の予知を覆したくなった!!」

 

迅「やれやれ……そういうだろうなと思ったよ。」

 

迅さんも薄い笑みを浮かべ右手で風刃の刃を引き抜き真夜中の戦闘が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スコーピオンを構えた風間隊の3人を先頭に太刀川さんや三輪さんが俺たちに接近し近接戦を仕掛けようとした。

 

迅さんは今ブラックトリガーの「風刃」を使ってるためシールドを持っていない。彼らに迂闊に近づかれると厄介だ。

 

俺たちは風間さんから離れ最後尾にいた集が接近してくる彼らの足止めをするためスパイダーで罠を仕掛けた。

 

しかし、A級でもトップクラスにはそんな罠は通用せず、太刀川さんは旋空孤月を放ちスパイダーを全部斬り落とした。そして彼らは何事もなく俺たちに近づいてきた。

 

嵐山「牽制するんだ!!迅を引き離されるとマズイ!!」

 

木虎と時枝「「了解!」」

 

嵐山さんの指示により初めに集がメテオラを上空から放ち爆発した直後、嵐山さんと木虎と時枝は銃を撃ち牽制するもシールドで難なくガードされる。

 

先行していた菊地原はカメレオンで姿を消し、後から続いた三輪さんは俺に向けて孤月を振り下ろし俺を迅さん達から引き離した。

 

三輪「………一条、なぜ玉狛の味方をするんだ!?……貴様らが匿っている近界民はなにを考えるのかわからないんだぞ!」

 

一条「確かに三輪さんの言う通り空閑は近界民で何考えてるかわかんないです……けどあいつは人々を救ってくれたんです。そんな奴をこのまま見殺しにはできないんですよ!!」

 

三輪「………近界民が人を救っただと!?………デタラメを言うな!!近界民は敵だ!!それ以外の何者でもない!!!!」

 

三輪さんは怒鳴り声をあげて左手で拳銃を取り出し至近距離から弾を放つも、間一髪シールドでガードしたため無傷で済んだ。

 

一条「危ねぇ〜……もう少しでベイルアウトするところだった………」

 

菊地原「戦闘中に一息ついてるなんて随分余裕だねイチは。」

 

俺の背後にさっきまで姿を消していた菊地原がスコーピオンを右手に構え奇襲を仕掛けてきた。

 

奇襲に気づいた俺は攻撃が当たる前に後ろに回りブレード状レイガストで菊地原の右腕を斬り落とした。

 

一条「この手の奇襲は慣れてるんだよ!」

 

菊地原「ふーん……随分大口叩くようになったんだね。」

 

菊地原はそう言うと膝からブレードを展開し俺の腹部に突き刺した。スコーピオンを刺された俺の腹部からは少しずつトリオンが露出しだした。

 

俺の死角に回り込んだ三輪さんは鉛弾を放ち俺の右脚に命中させると菊地原と一緒に離れてった。

 

三輪『今だ出水!!』

 

出水「はいよ。シールドごと削り倒してやる!!」

 

三輪さんの内部通信での指示を受け出水さんはハウンドを発射した。

 

俺も直ちにハウンドで出水さんのハウンドを相殺するもその隙に彼はアステロイドを俺に目掛けて放った。

 

すると、テレポーターを使った時枝が俺の目の前に現れ突撃銃でアステロイドを相殺し、後方にいた集のトマホークで三輪さんと菊地原と出水さんの動きを封じた。

 

一条「サンキュー集、時枝。助かった。」

 

時枝「一条君、一旦引こう。このまま接近しても勝てない。」

 

一条「そうだな。俺たちの目標はあいつらを倒すことじゃないからな。迅さんと合流するぞ!」

 

俺は重くなった右脚を孤月で斬り捨て、グラスホッパーで3人一緒に迅さんのところへ向かった。

 

 

 

一方、迅さんの方に接近した風間さんと歌川はスコーピオンで攻撃するも、「未来視」のサイドエフェクトを持っている迅さんは2人の攻撃を完全に見切っている。迅さんは風刃を振り下ろし歌川のスコーピオンをへし折った。

 

その直後、迅さんが風刃を振り下ろした隙を見た太刀川さんは孤月を右手に構え大きな一撃を迅さんに放った。

 

迅さんが風刃で孤月を太刀打ちすると今度は一歩引き、旋空を起動しブレードを伸ばした。

 

ブレードの射線にいた迅さんと嵐山さんと木虎は上にジャンプして旋空孤月をかわす。瞬時に嵐山さんはメテオラを放って太刀川さん達の足止めをした。

 

太刀川さん達から離れていく迅さん達を確認した俺たちはなんとか彼らと合流することができた。

 

爆発の煙が晴れ、太刀川さん達の視界に俺たちが映った場所は大分離れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちはひとまず屋根の上で体制を立て直すことにした。

 

一条「さっきの太刀川さん達の様子を見てるとまた俺たちを分断しにきそうですね。どうします?」

 

迅「どおってことないさ。何人か嵐山たちに任せてもらえればかなり楽になる。風間さんがそっちに行ってくれると嬉しいんだが多分こっちに来るだろうな。」

 

時枝「うちの隊を足止めをするなら多分三輪隊ですね。三輪先輩の「鉛弾」がある。」

 

木虎「どうせなら分断されたように見せかけてこっちの陣に誘い込んだほうがよくないですか?」

嵐山「そうだな。賢と連携して迎え撃とう。」

 

集「さっすが藍ちゃん。冴えてるね!」

 

集はキリッとした表情を木虎に向けるも彼女には見事に無視された。

 

下を眺めると三輪さんと出水さんに米屋さんがレーダーを使いながら再び近づいて来た。

 

迅「どうやら来たみたいだな。上手いことやれよ嵐山。」

 

嵐山「そっちもな迅。」

 

嵐山隊の3人は屋根から飛び降り接近する三輪さん達の対処に向かった。屋根に残った俺たちの方には太刀川さんと風間隊の3人が迫ってきている。

 

迅「2人とも、今の所順調に作戦が進んでいるが次の戦闘が未来の分岐点だ。どう未来が動くかわからないから気を引きしめろよ。」

 

一条と集「「了解。」」

 

迅さんの未来が最善の方向に傾けばいいのだがもし、一番可能性の高い方向へ未来が傾いたらその時は迅さんにぶった斬られる覚悟を決めないとな。俺は深く息を吸いもう一度気合を入れ直した。

 

続く

 

 

 

 




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