ダンジョンに第4十刃がいるのは間違っているだろうか   作:KUSAN

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第3話

穴のことを話した次の日、俺は一応ファミリアを抜ける準備をして、皆の所に行った。

すると、フィンが俺に話しかけてきた。

 

「ウルキオラ、昨日の事は僕達だけの秘密だ。だから、これからもよろしくね」

 

俺はそれを聞き安心した。

 

「…杞憂だったか」

 

「ん? 何か言ったかな?」

 

俺の呟いた一言が、フィンに聞こえていたらしい。

ここで、ファミリアを抜ける準備をしていたのがバレたら、面倒くさい事になりそうだったので、誤魔化すことにした。

 

「何でもない」

 

「じゃあダンジョンに行こうか!」

 

「ああ」

 

こうして俺は晴れてロキファミリアに入った。

 

 

 

 

 

あれから数年後、ロキファミリアも大手ギルドと言われるくらい大きくなった。

当初のメンバーもレベルアップし、強くなった。

 

フィンはlevel4で二つ名が『勇者(ブレイバー)』

ガレスはlevel4で二つ名が『重傑(エルガルム)』

リヴェリアはlevel4で二つ名が『九魔姫(ナイン・ヘル)』

この3人がロキファミリアの主要メンバーだ。

俺か?

俺はlevel1だ。

理由は何となくだが予想がつく。

俺は偉業を成し遂げる事が出来ていないからだ。

俺は以前、フィン達と17階層のモンスターレックス、ゴライアスを討伐した。

その時、フィン達はlevel4にランクアップした。

俺はその時ランクが上がると思っていたが、結果は上がらなかった。

多分他の人から見たら偉業なんだろうが、俺自身が普通だと思ってしまうからだ。

そして、俺は今1人で17階層に向かっている。

17階層まで行くのは簡単だ。

穴に落ちていけばいい。

そして俺は17階層に着いた。

 

ん?

あんな大きな穴あったか?

まぁ気にすることでもないか。

 

俺はゴライアスのいる部屋に入った。

 

「ゴオォォォォォ!!!」

 

17階層に入り、俺の存在に気づくとゴライアスは雄叫びを上げた。

そのまま俺に殴りかかってきたので、俺は片腕で拳を払った。

そして、指先をゴライアスに向けた。

 

『虚閃』

 

ゴライアスは俺の虚閃を両手で防いだが、ゴライアスの腕がもう使い物にならないくらいの、怪我を負っていた。

俺は響転で、ゴライアスの後ろをとった。

 

「弱すぎる」

 

そう言って、手刀でゴライアスを斬った。

弱すぎだ。

開始一分も立たずに、ゴライアスを倒してしまった。

俺は強いモンスターを探しに行こうと思い、下の階層に繋がる階段に向かった。

 

「グォォォォォ!!」

 

後ろから、雄叫びが聞こえてきたので振り向くと、倒したと思っていたゴライアスが、後ろで雄叫びをあげていた。

 

「なに?」

 

驚いていると、ゴライアスが攻撃を仕掛けてきた。

俺は最初と同様に片腕で攻撃を弾こうと思ったが、その攻撃を見て避けることにした。

理由は、さっきより攻撃の威力が上がっているような気がしたからだ。

俺は剣を抜き、ゴライアスに斬りかかった。

俺の剣はゴライアスの皮膚を貫通する事ができなかった。

その時、一瞬動きが止まってしまい、ゴライアスの攻撃が直撃した。

そのまま俺は壁にぶつかった。

 

そもそも何故アイツが生きている?

確かに倒した筈だ。

新たに生まれたのか?

そもそも、さっきの奴より体が一回り小さくなっていないか?

 

考えているとゴライアスが攻撃をしてきたので、戦いながら考えることした。

 

まず、間違いなくコイツはさっきのゴライアスとは違う奴だ。

だとしたら、どこから出てきた?

まさか、上の階層からか?

17階層手前の穴はコイツの仕業か?

確かにこの大きさなら、ギリギリあの穴くらいなら入れるだろう。

そして、あの穴の奥に行きモンスターを食べて成長したてっ事か。

それなら、この強さはあり得るな。

これが所謂イレギュラーという奴か。

 

…丁度良い、俺の力を解放しなければ、倒せない相手が欲しかった。

 

 

『鎖せ 黒翼大魔』

 

 

解放した際、黒い液体が舞い上がり、雨のようにゴライアスに降り注いだ。

さらに姿も変わり、背中に巨大な漆黒の翼が形成され、仮面の名残が四本の角のついた兜のようになり、服も下部がスカート状のものに変わった。

 

この姿に変わった瞬間から、ゴライアスが静かになった。

 

「動揺するなよ。構えを崩すな。意識を張り巡らせろ。一瞬も気を緩めるな」

 

そう言った後、魔力で形成した槍で、ゴライアスの首をなぎ払った。

ゴライアスは俺の攻撃が見えなかったのか、何もせずに首を斬られた。

 

「終わったか」

 

俺はゴライアスが消滅するのを確認した。

そして、初めての解放で疲れたので、ダンジョンから出ることにした。

 

 

 

そして俺は、ファミリアのホームに帰り、ロキの部屋に向かった。

 

「おい。入るぞ」

 

「良えでー!」

 

声が聞こえてきたので、入ることにした。

 

「ステイタスの更新をしてほしいんだが」

 

「良えでー。ほな、服脱いでそこ座り」

 

そしてステイタスの更新をしてもらった。

 

 

level 1

ウルキオラ・シファー

 

 力…S 999→SS 1050

 

耐久…S 999→SS 1080

 

器用…S 999→SS 1080

 

敏捷…S 999→SS 1080

 

魔力…S 999→SS 1080

 

〖魔法〗

 

〖スキル〗

 

《第4十刃》

それ相応の力が使える。

成長する事によって威力があがる。

 

《帰刃》

解号 『鎖せ 黒翼大魔 』

 

《帰刃・第2階層》

 

 

「自分、今日何してきたん?」

 

ステイタスを更新したら、ロキの雰囲気が変わった。

 

「ゴライアスを倒してきた」

 

「な! ほんまか? まさか1人でか?」

 

「ああ」

 

「何でそんな無茶したんや?」

 

「無茶? まぁゴライアスを倒した理由は、ランクアップが目的だ。どうだったんだ?」

 

「自分の目で見てみ」 

 

そう言ってステイタスの写しを見せてくれた。

 

「ステイタスの限界突破?」

 

「そうや。自分ほんまに余計な事してくれたな」

 

「ランクアップは?」

 

「してないな」

 

してないのか。

それにしても何故、限界突破したんだ?

多分『帰刃』を使ったからだろう。

今後の様子を見てけばいいか。

 

「そうか」

 

「それより、《帰刃》の所が読めるようになったんやけど、心当たりあるん?」

 

「多分このスキルを使ったからだろう」

 

「は!? ウルキオラは《第4十刃》っていうスキルのみで、今までやっとったんか?」

 

「そうだが、可笑しいか?」

 

「はぁー。もう良えわ。ゴライアス単独撃破出来るスキルとかないわ…」

 

ん?

今思ったらアイツはゴライアスなのか?

そう思い、俺はロキに見てもらうことにした。

 

「ロキこれを見てくれ」

 

俺は自分の眼球を取り出した。

 

「何しとるんや!!!」

 

俺の行為にロキが驚き、大声をあげた。

多分近くにいたのだろう。

フィン、ガレス、リヴェリアが入ってきた。

 

「「「何があった!」」」

 

「丁度良かった。お前等にも見てほしかった」

 

「ちょい待て待て、その眼球を取り出す意味あったんか?」

 

その発言に、今来た3人は驚いていた。

 

「俺は心臓と脳以外、再生するから心配はない」

 

「「「「え!?」」」」

 

付き合ってられなかったので、俺は取り出した眼球砕いた。

そして俺が17階層に着いたときから、二回目のゴライアスを倒す時までの映像が流れた。

 

「ふぅー。色々質問したい事があるけど、まずは二戦目のゴライアスだね。ウルキオラの予想は?」

 

映像を見終わり、最初に言葉を発したフィンが質問してきた。

 

「17階層入り口の大きな穴だ。あそこの奥でゴライアスはモンスターを食べて強くなったんだろう」

 

「やっぱりね。じゃあもしこのゴライアスを討伐する為の最低のlevelと人数は?」

 

「level4だと、有効打を撃てる奴がいないと、いくら集めても勝てないだろう。level5だと10人いれば勝てるだろう」

 

「そんなにかい?」

 

「当たり前だ。このオラリオにアイツを傷つけられる奴は中々いないだろう」

 

「はぁー。それを余裕で倒してしまうウルキオラは、どういう体の作りをしてるんだが……」

 

「ガハハ! 良いじゃないかフィン! ウルキオラのこういう所が面白いんだ!」

 

「じゃあ、後は僕達が調べておくよ。ギルド関係は僕達の方が向いているからね」

 

「わかった」

 

そう言って部屋に戻ろうとしたが、リヴェリアに腕を掴まれてしまい戻れなかった。

 

「待て。ちょっと話がある。こっちに来い」

 

そう言えば、さっきから何も話してなかったな。

そう思い、リヴェリアについて行くことにした。

 

「何故あんな無茶をしたんだ?」

 

「無茶? あれくらい、俺にとっては無茶ではない」

 

「つまり無茶ではないって事は、これからもああいう事をやるつもりか?」

 

「ああ」

 

「なら、せめて私にだけは何をしに行くか話してくれないか?」

 

そう言うリヴェリアの顔は、目に涙を浮かべ本気で心配している表情だった。

 

「わかった。これからダンジョンに行くときは、なるべく何をするか言うようにしよう」

 

「本当か!」

 

「ああ」

 

そう言った時のリヴェリアの表情はとても綺麗だった。

俺はこのリヴェリアの表情は忘れられないだろう。

 

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