ダンジョンに第4十刃がいるのは間違っているだろうか 作:KUSAN
初めてのダンジョンへ行ってから、1ヶ月くらいでアイズはランクアップした。
俺はアイズがランクアップした時に、プレゼントを渡そうとした。
それは魔道書だ。
level 2になり、そろそろ魔法の練習をしたいと思っており、魔道書を読めば一発で魔法が発現するので、渡そうと思った。
しかし、渡す直前にリヴェリアから、アイズは魔法を使える事を聞き、渡すのを止めた。
そして結局、じゃが丸君が良いと言われたので、じゃが丸君を沢山買って上げた。
ちなみに、アイズがランクアップに要した時間は7ヶ月くらいだ。
過去最高の早さでランクアップしたらしい。
周りからは才能が違うなど、アイズを天才呼ばわりするが、アイズの訓練を一緒にすれば、ランクアップくらい簡単だ。
まぁ、アイズ以外に教える気はないがな。
俺が考え事をしていると、アイズが喋り掛けてきた。
「ファミリア内で模擬戦する事になったんだけど、ウルは見に来るの?」
「模擬戦だと? 誰とやるんだ?」
「同じパーティーを組んでいるベートって子。確かフィンの教えている子だったよ?」
ほう。
フィンの教えている奴か。
これは負ける訳にはいかないな。
「アイズ。その試合負けるなよ。負けたらじゃが丸君は無しだ」
そう言ったら、アイズは下を向いて落ち込んでしまった。
「そう落ち込むな。勝ったら1日食べ放題だ」
この言葉を聞くと、さっきの態度から一変、目をキラキラさせて俺を見てきた。
「分かった! なら早速訓練しよう!」
「ああ」
こうして俺達は訓練を再開した。
そして模擬戦の当日になった。
「やあ、ウルキオラ。今日はよろしくね」
「ああ」
「提案なんだけど、賭をしないかい?僕の教えている子が勝てば、僕の勝ち。アイズが勝てば、ウルキオラの勝ちだ」
「いいだろう。で、一体何を賭けるんだ?」
「んー。じゃあ、一つだけいう事を聞くってのはどうだい?」
「いいだろう」
そして俺達はアイズとベートの模擬戦を見ることにした。
アイズの武器は剣、まぁ今は模擬戦なのでレプリカだ。
ベートの戦闘スタイルは、蹴りでモンスターを倒していくらしく、装備はしていない。
そしてスタートの合図がなり、両方が相手に向かって飛び出した。
ベートが蹴りを放つと、アイズはそれを防ぎ、アイズが剣で斬りかかると、ベートはそれをいなしていた。
「中々良い勝負だね」
「ああ。今の所はな。そろそろ、アイズは勝負を仕掛けるだろう」
すると、アイズが魔法を使った。
『目覚めよ(テンペスト)』
そう言って武器に風を纏った。
この魔法は風属性の付加魔法だ。
武器に纏えば、攻撃力と攻撃範囲が拡大する。
今は武器にしか纏えないが、いずれ自身にも纏えるようになるだろう。
そして魔法を使ったアイズの攻撃を、ベートはいなせなくなってしまい、決着がついた。
「フィン決着がついたな。さて、賭の内容だが…「ウル! 勝った!」
俺がフィンに賭の内容を話そうと思うと、模擬戦に勝ったアイズが話しに割り込んできた。
「よくやった。後で、一緒にじゃが丸君を食べに行こうな」
「わかった! じゃあ、準備してくる!」
そう言ってアイズは、出かける準備をするために、部屋に走っていった。
「さて、フィン。賭の内容だが…「アンタがアイズの言っている、ウルってやつか?」
もう一回フィンに話しかけたら、さっきアイズと模擬戦をしていたベートって子供が話しかけてきた。
「それがどうした?」
「俺にも稽古を付けてくれ! 頼む!」
そう言ってベートは頭を下げてきた。
だが、俺はもう面倒をみる気はない。
アイズで十分だ。
「断る。俺にメリットがない。それに、フィンやガレスに教えてもらっているだろう」
「だけど、俺も強くなりたいんだ!」
「何故そこまで強くなりたいんだ?」
「アイズに負けたくない。アイツの後ろに隠れて、戦うなんてしたくねぇ!」
確かにアイズは強いが、アイズと同じくらいの歳で、そこまで強さがあるなら、足手まといにはならないだろう。
やはりここは断るか。
「まぁ、ウルキオラ。ベートもこう言ってるんだから、お願いできないかい?」
断ろうと思ったが、そこにフィンも入ってきた。
この野郎。
最初からこれが目当てだったな。
俺を教育係にするつもりか?
「フィンどういう事だ?」
「どういう事も何も、ベートが頼んでいるんだ。どうか僕からも頼むよ」
フィンの野郎。
勝っても負けても、ベートの面倒を見させる気だったな。
「わかった。但し、途中から抜け出したり、逃げたりするなよ?」
「ああ! これからよろしく頼む!」
そう言ってベートは頭を下げてきた。
「フィン。賭の内容だが、俺にこれ以上面倒事を押しつけるな。わかったか?」
「分かったよ。まぁ今回は助かったよ」
こうして、俺に二人目の教え子ができた。
「ウル! 準備できた!」
「ああ。今日からベートも教える事になったから、一緒に行くぞ」
「ベート。よろしくね」
「!!」
アイズがそういうとベートの顔が真っ赤になった。
「まさか、体調悪いの?」
顔が真っ赤なベートを見て、アイズが心配そうに聞いていた。
そうなのか?
さっきまでそんな風には見えなかったがな。
「そんなんじゃねぇよ! 行くなら早く行くぞ!」
俺はベートの事を変な奴だと思った。
多分アイズも思っているだろう。
そして3人でじゃが丸君を食べに行った。