バカと俺たちの日常   作:裂やん

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プロローグ
第零問目 プロローグ


Side.橙夜

 

 これが難しいと噂の振り分け試験ね……。

 

 確かに標準的な高校一年生にとっては難しいだろうけど、問題はないな。

 

 この程度なら俺や睦月や紫はAクラス入りは固いかな。

 因みに睦月と紫というのは俺とは年子で双子の弟妹(ていまい)だ。

 

 でも真面目にやる気になれないなー……。

 

 一応、それなりにやっておくか。

 

Side.end

 

 

 

Side.睦月

 

 振り分け試験は難しいと聞いていたが、この程度の問題なら俺と橙夜兄と紫は問題はない。

 

 明久が10月のある一件で『観察処分者』になってから今回の振り分け試験で汚名返上の為に俺たちで勉強を教えてきた。

 

 その甲斐もあって得意科目の世界史と日本史はAクラスの「次元の違う」10人、苦手科目の古典はDクラスの中堅、それ以外はBクラスの上位相当にまで上がった。

 これなら何とかAクラス入り出来るだろう。

 

 そう思いながら解答を書いていると――。

 

 ガタン!

 

 と、教室の後ろのほうから何かが倒れる音がした。

 

 確認する為に振り向いてみたら俺たちの幼馴染みである姫路瑞希が床に倒れていた。

 

明久「瑞希ちゃんっ!」

 

 それを見た明久はすぐさま瑞希の許へ駆け寄っていた。

 

教師「吉井、席へ戻りなさい」

明久「で、でも!」

 

 さらに監督の教師も近寄っていた。

 

教師「試験途中での退席は「無得点」扱いとなるが、それでいいかね?」

瑞希「は……」

明久「ちょ、ちょっと先生!具合が悪くなって退席するだけでそれは酷いじゃないですか!」

教師「吉井、それが文月学園の校則だ」

 

 そう、この文月学園のテストは100点満点の上限が無い上に、試験途中での退席は無得点扱いになる。欠席や早退の場合も同じだ。再試験なんてものもない。

 流石に退席だけで無得点は理不尽すぎる。解答している分だけでも採点されるべきだと思う。

 

明久「瑞希ちゃん、保健室に行こう」

 

 まぁーそれで明久が納得するはずもないよな。

 

教師「もう一度言う。吉井、席に戻れ。でないとカンニングとみなして無得点になるぞ」

明久「それなら僕もお腹の調子が悪くなったので保健室に行くので、途中退席で良いです」

 

 やっぱこうなるか…。まぁーいいか。それじゃ俺も動くかね。

 

睦月「先生。二人の付き添いで保健室行くんで、俺も途中退席します」

 

 そう言って俺は明久と二人で瑞希に肩を貸して教室を出る。

 

瑞希「ごめ…んなさい…明久君、睦月君。私の…せいで、二人とも無得点に……」

明久「気にしないで瑞希ちゃん。僕が勝手にしたことだから」

睦月「俺は保健室に向かう途中で何かあったら大変だと思ってな」

 

 どうやら瑞希は俺たちが付き添うことで無得点になったことに負い目を感じているようだが、俺たちが勝手にやったことだ。

 

睦月「Fクラスになっても楽しくやればいいんだよ」

明久「睦月の言う通りだよ」

睦月「それにこういう時は謝罪の言葉より相応しい言葉があるだろ?」

瑞希「えっと…そうですね。ありがとうございます」

 

 俺の言葉に瑞希は少し悩んですぐに俺の意図を察したようで微笑んでお礼を言った。

 

睦月「そんじゃ、急いで保健室に行こうか」

 

 そう言って俺たち3人は保健室に向かった。

 

Side.end

 

 

 

Side.橙夜

 

 ん?あの廊下の人影って睦月と明久に瑞希か?

 

 二人が瑞希に方を貸している様子からすると、瑞希が体調を崩して途中退席で睦月と明久は保健室までの付き添いってところか?

 

 こりゃー途中退席の「無得点」扱いで3人はFクラス確定か。

 

 これは好都合だ。俺もFクラスになって試召戦争を体験させてもらうとするか。

 Aクラスは宣戦布告の権利がないからつまらんしな。

 

 名前自体はまだ無記入だからこのまま試験を受けるとするか。

 

 二年生になるのが楽しみだな。

 

Side.end

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