問 以下の問いに答えなさい。
『人が生きていく上で必要となる五大栄養素を全て書きなさい』
木下優子の答え
『①睦月(訂正)脂質②BL本(訂正)炭水化物③タンパク質④ビタミン⑤ミネラル』
教師のコメント
流石は木下さんです。ですが、消された部分がとても気になります。
神楽睦月の答え
『①優子②優子の笑顔③橙夜兄④紫⑤橙夜兄の作る食べ物』
教師のコメント
君が木下さんのことを好きだという事がとてもわかりました。
吉井明久の答え
『①紫(何故か思い浮かびました)②橙夜作のお弁当③睦月作のお弁当④紫作のお弁当⑤燐作のお弁当』
教師のコメント
君たちは交代制でお弁当を作っているんでしたね。それと自分の気持ちに早く気付けるといいですね。
神楽紫の答え
『①明久②明久の世話③橙夜兄さん④睦月⑤燐』
教師のコメント
あなたが吉井君やご家族のことを好きなのがよくわかりました。
土屋康太の答え
『①エロ②本能③夢④希望⑤結子』
『初潮年齢が十歳未満のときは早発月経という。また、十五歳になっても初潮がない時を遅発月経、さらに十八歳になっても初潮がないときは原発性無月経といい……』
教師のコメント
①と②の答えで色々と台無しです。それと保健体育のテストは一時間前に終わりました。
須藤結子の答え
『①康君②康君③康君④康君⑤康君』
教師のコメント
土屋君と結ばれるといいですね。先生は応援しています。
「やっと僕にも活躍の場が!」by吉井 明久
Side.睦月
?「では、両名共準備は良いですか?」
?「ああ」
?「……問題ない」
今日はここ数日の戦争で何度も世話になっている、Aクラス担任で学年主任の高橋女史が立会人を務める。今日も知的な眼鏡とタイトスカートから伸びる脚がとても綺麗だと思う。
睦月「ッ!?」
何か今、背筋に悪寒が……。
えーと発信源はっと……えーと、優子か?俺を睨んでるみたいだからまず間違いないな。
睦月「そんなに俺を睨んでどうしたんだ?優子」
優子「なんでもないわっ!」
俺が聞いてみるとそう言って顔を背けた。
?「(……この鈍感め)」
睦月「橙夜兄、何か言ったか?」
橙夜「なんでもない。気にするな」
一体なんだったんだ……?
そうそう何故優子がいるか説明していなかったな。
と言うより正しくは優子がいるんじゃなくて俺たちがいるんだがな。
ここはAクラスの教室だ。一騎討ちの会場となっている。腐った畳のFクラスよりは断然こっちの方がいいしな。
高橋「それでは一人目の方、どうぞ」
優子「アタシから行くよっ」
睦月「なら、俺が出よう」
Aクラスからは優子が出て、Fクラスからは俺が出る。
Fクラス側はどういう順番で出るかは決めてはいないが、誰の相手をするかは決まっている。
つまり優子が出たら俺がでるって感じにな。
高橋「教科はどうしますか?」
高橋女史が教科を聞いてくる。
睦月「それでは数学で。優子もいいよな?」
優子「ええ、それでいいわ」
四つの科目選択権の方も誰が指定するかは決めてある。雄二と康太の二人は確定なんだ。
雄二は翔子との日本史勝負だし、康太はさ……保健体育以外は壊滅的だからな……。
それで残った選択権を俺ともう一人がもらったってわけだ。あと一人が誰かは予想でもしてみてくれ。
優子「ねぇ睦月」
睦月「なんだ?」
優子「本気でやってね?」
睦月「勿論だ。例え優子が相手でも俺は本気でやる。だから数学を選ばせてもらった」
優子「睦月って音楽の方が得意だった記憶があるけど、そう言うならそれでいいわ」
睦月「確かに音楽も得意だけど同じくらい数学も得意だからな。それに」
優子「それに?」
睦月「優子との勝負を楽しみたかったから数学にした。だってお前音……」
優子「私が何?」
睦月「いえ。何でもありません!」
こ、怖かった……。音楽が苦手って言おうとしたら目が笑ってない笑顔をされたぜ。危うく魂と肉体がさようならするところだったぜ。
優子「何か今、私に対して失礼なことを考えなかった?」
睦月「め、滅相もございません!」
鋭すぎる!もしかして優子はニュータイプなのか!?
高橋「そろそろ召喚を開始してください」
おっと、思考が変な方に向かっていたようだ。
優子「あ、はい。試獣召喚(サモン)」
睦月「それじゃ、試獣召喚(サモン)」
俺たちの喚声と共にお互いの召喚獣が姿を現す。
俺のは前見た通り紺色の剣道着に二本の日本刀。
対する優子は、瑞希と同じような西洋鎧にランス。
二体とも当然のように腕輪をしている。
『どっちも腕輪をしてるぞ!』
『400点超え確定!?』
先に優子の方の点数が表示された。
『Aクラス 木下優子
数学 428点』
睦月「流石は優子だな」
優子「そう言う睦月だって腕輪してるってことは400点超えてるってことじゃない」
睦月「そりゃそうだ。久々にテストを真面目に受けたからな」
そして遅れて俺の点数が表示される。
『Fクラス 神楽睦月
数学 863点』
『なっ!』
『本当にあいつはFクラスなのか!?』
『教師よりも点数が高いぞ!』
863点ってことは数学の最高点更新か?
優子「なんなのよその成績は!?」
睦月「これが俺の本気ってやつだよ」
優子「本気でそんな点数取れるなんて聞いてないわよ!……って、確か音楽も同じくらい得意って言ってたわよね?」
睦月「確かに言ったな」
優子「という事は、音楽も本気で受けたら同じくらい取れるってこと?」
睦月「そう言うことだな。確か点数表を持ってたな。えーと……」
ズボンのポケットに手を突っ込んで点数表を取り出して確認する。
睦月「今回の音楽は849点だった」
優子「なっ!……もう良いわ。お喋りはやめて、そろそろ勝負を始めましょう」
睦月「そうだな。今回の戦争が終わったら優子に言いたいこともあるし、なっ」
そう言って召喚獣を操作して右手の刀で優子の召喚獣に斬りかかる。
優子「それっていった、キャッ!」
聞き返そうとした優子は慌てて持っていたランスでそれを防いだ。
優子「ちょっと!最後まで言わせなさいよ!」
そうは言うけどさ……。
睦月「勝負は召喚獣を召喚した時から始まってるんだ。さっきまで喋ってたのがおかしいんだから、な」
優子「た、しかに、そう、だけ、ど、聞き、返しても、いい、じゃない!」
喋りながらも俺は攻撃の手を休めずに左右に持つ二本の刀で優子の召喚獣に斬りかかり続ける。
優子の方も声を出しながらそれをランスで防いだりかわしたり、隙を見て突き返す。
『Aクラス 木下優子 VS Fクラス 神楽睦月
数学 375点 VS 815点』
お互い50点程しか消費していないな。
優子「そろそろ腕輪を使わせてもらうわ!」
優子がそう言うと俺の召喚獣に向かって炎の球が飛んできた。
俺は召喚獣を横に飛ばしてそれをかわす。
睦月「優子の腕輪の能力は炎系か」
優子「その通りよ。名前は『火炎(フレイム)』。点数を消費して炎を飛ばすことも出来るし、こんな風に武器に纏わせることも出来るの」
優子が言った後、優子の召喚獣が持つランスの表面に炎が現れた。
優子「威力の方も消費点数に応じて高くなったりするけどね。それじゃ、説明も終わったから、勝負再開よ!」
今度は優子が炎を纏ったランスで突いてきたり横薙ぎしたりしながら攻めてくる。
それを俺は先ほどの優子のようにかわしたり、刀で受け止めたり、時には受け流したりする。
『Aクラス 木下優子 VS Fクラス 神楽睦月
数学 218点 VS 538点』
睦月「お互い結構点数が減ってきたな」
優子「未だに500点以上あるくせに何言ってるのよ。それにそっちは腕輪を使っていないじゃないの」
睦月「俺の腕輪は使うタイミングが難しいんだよ」
優子「そう。ならそのまま戦死するといいわ!」
優子の召喚獣が腕を揚げると腕輪が発光し、頭上に直径40cm程の大きな炎の球が現れた。
優子「150点を消費して作った炎の球よ。いくら500点あっても耐え切れないと思うわ。じゃあ、ね!」
優子が宣言した直後、炎の球が俺の召喚獣に迫る。
睦月「『……無効化(ナリフィケイション)』」
俺がそう唱えると同時に召喚獣は炎に包まれた。
優子「これで、私の勝ちね」
睦月「そうでもないぞ、優子。ディスプレイの点数を見てみるといい」
優子「え?」
自分の勝ちだと思っている優子にそう告げる。
『Aクラス 木下優子 VS Fクラス 神楽睦月
数学 68点 VS 338点』
優子「200点しか減っていない?……もしかして!」
優子は気付いたようだな。
睦月「優子の想像通りだと思うぞ」
優子「腕輪の能力を使ったのね」
睦月「そうだ。今度は俺の腕輪の能力の説明だな。名前は『無効化(ナリフィケイション)』。200点を消費することで30秒間あらゆるダメージを無効化する」
優子「無効化って……そんなの反則じゃない!」
睦月「そうでもない。一度の戦争で使用できるのは2回までだからな」
優子「それって通常の戦争でなら使いどころが難しいと思うけど、今回のような一騎討ちじゃある意味最強じゃないのよ!」
まあ、そうなんだけどな、と喋りながら俺は苦笑した。
睦月「それじゃ、30秒経つ前に終わらせてもらう」
優子「ちょっと待ちなさいって、キャア」
優子が何か言っていたがあえて無視して優子の召喚獣の左胸に刀を刺した。
『Aクラス 木下優子 VS Fクラス 神楽睦月
数学 0点 VS 338点』
高橋「勝者Fクラス」
睦月「俺の勝ちだな」
優子「負けたわ……」
睦月「そう落ち込むなよ、優子」
優子「そういわれてもね……それと話したいことって?」
睦月「それは今回の戦争が終わってからって言っただろ」
優子「ならなんの話しか楽しみにしながら待つわ」
かなり勇気が必要の話だからな。落ち着いた場所で二人っきりで話したいし。
橙夜「お疲れさん」
睦月「あ、橙夜兄。ありがと」
雄二「よくやったぞ、睦月。まずは俺たちの一勝だ」
明久「結構きつかったみたいだね。元々の点数より半分以下になってるし」
睦月「まぁ、優子も400点を超えてたからな」
間違いなく腕輪の能力が『無効化(ナリフィケイション)』じゃなかったら、最後の炎の球で負けてただろうしな。
高橋「では、次の方どうぞ」
さて、向こうは誰が出るんだ?
?「じゃ、私がいくわ」
って、紫か。向こうが紫という事はこっちからは――
雄二「それじゃ頼んだぞ、明久」
明久「分かってるよ。睦月が勝ったんだから僕も頑張らなくちゃね」
――明久だ。
睦月「明久……勝てよ」
明久「そのつもりだよ」
そう言って俺と明久は左手でハイタッチした。
Side.end
Side.明久
Aクラス対Fクラスの一騎討ち七回勝負の一戦目は睦月が勝った。
高橋「では、次の方どうぞ」
紫「じゃ、私がいくわ」
向こうの二人目は紫。
雄二「それじゃ頼んだぞ、明久」
明久「分かってるよ。睦月が勝ったんだから僕も頑張らなくちゃね」
科目選択権はAクラス……つまり紫にある。
紫の得意教科は地理歴史科目。それに対抗できるのは点数の高い橙夜か睦月、それに歴史科目が得意で操作技術の高い僕だけ。
睦月「明久……勝てよ」
明久「そのつもりだよ」
睦月とハイタッチをして僕は前に出た。
高橋「教科はどちらが選びますか?」
明久「紫が選んでいいよ」
高橋先生の質問に僕はそう返した。
紫「なら高橋先生、世界史でお願いします」
高橋「世界史ですね。わかりました」
やっぱり紫は世界史を選んだね。
明久「本当に世界史でいいの?世界史は僕の得意教科でもあるんだよ?」
紫「そんなの知っているに決まっているじゃない」
知っていて選ぶんだね。
高橋「それでは召喚してください」
『試獣召喚(サモン)!』
そして姿を現した召喚獣。
僕のはB、Dクラス戦のときと変わらず改造学ランと木刀。
紫のは白の弓道着に手には召喚獣の半分くらいの大きさの弓と腰には小太刀が二本差している。
明久「やっぱり紫は弓なんだね」
紫「ええ。そういう明久の装備ってアレよね……」
明久「しょうがないんだよ。観察処分者の召喚獣は物理干渉能力があるから、下手に刃物とか持てないんだよ」
紫「そういえばそうだったわね」
僕だってまともな装備が欲しいよ……。
明久「そろそろ点数が表示されるかな?」
紫「私のほうはまだだけど、明久の方は表示されたわよ」
点数表はもらってるんだけど確認してないんだよね。えーっと……
『Fクラス 吉井明久
世界史 619点』
600点超えだね。Bクラス戦の時よりも高くなってるね。
『600点超え!』
『さっきから教師レベルの点数って本当にあいつらはFクラスなのか!?』
紫「619点ね。結構高いわね」
明久「そう言う割には焦ってるようには見えないね」
紫「それはそうよ。何となく予想はしてたわ」
明久「そうなの?どうして?」
紫「明久、それは愚問よ。あなたに勉強を教えていたのは私たちよ?そして地理歴史科目の担当は――」
紫が喋っていると同時にディスプレイに紫の点数が表示される。
『Aクラス 神楽紫
世界史 775点』
紫「――この私よ」
『7、775点……』
『教師レベルの点数持ちがなんでこんなにいるんだよ!』
『一体どうなってるんだよ!』
明久「流石は紫って感じだね。始める前に準備するよ。『武装強化《リーインフォースメント》』」
僕が唱えると木刀は形を変えた。
紫「腕輪の能力ね。それでその剣の名前は何?」
そういえば紫は僕の腕輪のことを知らないんだったっけ?
明久「腕輪の能力であることは確かだけど、ちょっと違うんだ。とりあえずこの剣の名前はアスカロン。ゲオルギウス、英語名では聖(セント)ジョージがドラゴンを殺した時に使ったとされる伝説上の剣だよ。と言ってもこれはあるラノベの聖剣アスカロンなんだけどね」
紫「あぁ、あのラノベね。橙夜兄さんに借りて読んだけど結構面白かったわね」
橙夜は実の妹をどうしたいんだろう……。
紫「それで、腕輪の能力が違うって言うのは?」
明久「あ、うん。まず、この腕輪の名前は『武装強化《リーインフォースメント》』。本来は点数を消費して装備を強化するものなんだけど、一度に150点以上を消費した場合はこんな感じに形状が変化するんだ」
紫「確かに私が推理した能力とは違うわね」
『Aクラス 神楽紫 VS Fクラス 吉井明久
世界史 775点 VS 419点』
明久「それじゃあ、お喋りはこれくらいにしてそろそろ始めようか」
紫「ええ、始めましょう」
そう言って僕は召喚獣を操作してアスカロンを構えながら紫の召喚獣に突っ込んでいく。
紫「腕輪を使用して200点消費しても400点超えていると速いわね」
それを見ながらも紫は焦らずに弓に番えた矢を放ってくる。数は二十本以上。
僕は召喚獣のスピードを少し落として全ての矢を斬り落とす。
『Aクラス 神楽紫 VS Fクラス 吉井明久
世界史 625点 VS 331点』
しかし、フィードバックによる痛みで気がつくと、僕の召喚獣の腕や脚に矢が三本刺さっていた。
明久「ッ!全て斬り落としたはずなんだけど、紫の腕輪の能力かな?点数も消費しているみたいだし」
紫「えぇ、そんなところね。私の腕輪は『必中(アブソルート)』。150点消費して放った矢を必ず当てる。腕輪使用時には最大で三本しか同時に射出出来ないのだけどね。今のは最初に放った矢の弾幕に紛れて腕輪を使った矢を放ったってことよ」
明久「なるほどね。視界を狭められた状態で放たれると厄介以外にないね。それなら――」
僕はフィードバックの痛みを耐えながら操作して再び紫の召喚獣に迫り、アスカロンを振り落とす。
明久「――矢を放たせる余裕を与えなければいいだけだよ!」
紫「くっ!」
『Aクラス 神楽紫 VS Fクラス 吉井明久
世界史 572点 VS 331点』
そこからは僕がアスカロンで紫の召喚獣に斬りかかり続けたり、紫からの攻撃をかわしたりしながら防いでいた。
『Aクラス 神楽紫 VS Fクラス 吉井明久
世界史 356点 VS 247点』
紫の方は手に持つ弓で防いだり腰に差していた小太刀も使いながら攻撃して来る。
『Aクラス 神楽紫 VS Fクラス 吉井明久
世界史 85点 VS 106点』
ここで僕たちは跳んで一度距離をとる。
紫「流石は観察処分者の操作技術と言ったところかしらね、明久」
明久「そんなところだね。紫の方はそろそろ厳しいんじゃないの?」
紫「確かにそうだけど、明久だってフィードバックがきついでしょ?」
明久「正直に言ってかなり痛いよ。だから、これで最後にしよう」
紫「そうね。そうしましょう」
僕はアスカロンを構えて紫の召喚獣に近付く為に疾走する。
紫は弓に矢を番えて一度に二十本以上の矢を放つのを繰り返す。
その矢の雨を僕はかわし続け、かわせない矢をアスカロンで斬り落としながら前に進む。
そうして次第に僕と紫の召喚獣の距離は近くなる。
紫は矢を放つよりも小太刀で対応した方が早いと判断し、小太刀を二本持って地を駆ける。
それに対して僕は変わらずアスカロンを構えながら疾走する。
そして二つの影は一瞬重なり、再び離れた。
一つの影は崩れ、一つの影は立ち続けた。
立ち続けていた影は――
『Aクラス 神楽紫 VS Fクラス 吉井明久
世界史 0点 VS 7点』
――僕の召喚獣のものだった。
高橋「しょ、勝者、Fクラス!」
『吉井が勝ったー!』
『熱い戦いだったぞ!』
『よくやったぞ、吉井!』
流石の高橋先生も初戦からFクラスが二連勝したことに驚いているみたいだ。
紫「負けちゃったわね。明久は強いわね……」
明久「そう言う紫だって十分強かったよ。それじゃそろそろ戻ろうか」
紫「そうね。次の人に迷惑になるから早く戻ることにしましょう」
そう言って僕と紫はそれぞれのクラスメイトが待つ場所に戻った。
Side.end
Side.橙夜
AクラスとFクラスの珍しい一騎討ち七回勝負形式の試召戦争。
一人目の睦月と二人目の明久は無事に勝った。
そして明久が勝てたのは良かった。
これであと二勝するか、一勝二敗一分すれば俺の目的は達成される。
高橋「では、三人目の方どうぞ」
康太「…………(スック)」
高橋女史の声を聞いて、康太が立ち上がる。
?「それじゃ、私が行きます」
そう言ってAクラスから出てきたのは康太の幼馴染の須藤嬢。
康太が出るというなら相手は須藤嬢になるとは思ってはいたが、本当に来るとわな。
高橋「教科は何にしますか?」
康太「…………保健体育」
結子「やっぱり科目選択権は康君のためにあったみたいだね」
確かに科目選択権の四つの内の一つは康太の為だし、また一つは雄二の為だ。
保健体育以外壊滅的な奴に科目選択権与えなくてどうするよ?って感じだからな。
結子「康君が相手ならお喋りは必要ないよね。試獣召喚(サモン)」
康太「…………試獣召喚(サモン)」
須藤嬢の召喚獣は優子と同じで西洋鎧にランスに腕輪か。ランスの表面が凍っているという事は優子の『火炎(フレイム)』の腕輪の氷版って感じなのか?
康太の召喚獣の方は忍者装束に小太刀の二刀流に腕輪。流石は『寡黙なる性識者(ムッツリーニ)』。保健体育で腕輪持ちか。
須藤嬢は、召喚獣をランスを構えながらかなりのスピードで康太の召喚獣に詰め寄る。
結子「それじゃ、勝たせてもらうね。康君」
そう言って槍を斜めに振るう。
明久「ムッツリーニっ!」
なにやら明久が慌てているようだが、あの程度なら問題ないだろう。
康太「…………加速」
康太が呟くと康太の召喚獣の腕輪が輝き、その姿がブレた。
結子「……え?」
流石の須藤嬢も康太の召喚獣が射程外にいることに驚き、戸惑っているようだ。明久も状況が分かっていない顔をしているみたいだし。
まぁ、康太の召喚獣の腕輪の能力が加速だと分からなきゃ当然といえば当然だが。
康太「…………加速終了」
再び、康太がポツリと呟く。
一呼吸おいて、須藤嬢の召喚獣が全身から血を噴き出して倒れた。
『Aクラス 須藤結子 VS Fクラス 土屋康太
保健体育 439点 VS 572点』
康太の保健体育が凄いのは知っているが、須藤嬢も中々だな。
高橋「し、勝者、Fクラス」
高橋女史も動揺を隠せないか。自分が担任の学年最上位クラスが学年最下位クラスに一勝も出来ずに三連敗中なんだから仕方が無いがな。
それでもしっかりとコールが出来るなんて流石としか言えないな。
結子「やっぱり、康君は強いね」
須藤嬢もこの結果は予想できていたみたいだな。
康太「…………保健体育で俺に勝とうとするのは、結子にはまだ早い」
結子「うん、そうだね。でも、いつか、リベンジするからね」
康太「…………その時も返り討ちにするだけ」
うん、何かあそこで桃色空間が発生しているな。FFF団が邪魔になりそうだからそろそろ現実に戻ってきて欲しいんだがな!
まぁ、康太のお陰であと一勝でFクラスの勝利だ。
Aクラスの四人目は誰が出るのか楽しみだ。
Side.end
シ「前回、紫と燐の二人に裂やんはOHANASHIされて退場中だ。次回には復活しているだろうさ、前例的に」
橙「今回は一騎討ち七回勝負の内三人目まで終了だ」
睦「組み合わせはもみじ様が予想したとおりに進んでいるんだよな」
シ「睦月×優子、明久×紫、康太×結子だからな」
燐「という事は、私の相手は秀君?」
木下秀吉(以降:秀)「そういうことになるじゃろうな」
姫路瑞希(以降:瑞)「それじゃ、私の相手はどうなるんですか?」
橙「瑞希の相手は久保になるだろうな、原作的に」
瑞「なるほど」
睦「そういえば出番的に優子、明久、康太は原作通りなんだよな、相手が違うだけで」
シ「確かにな。でも、最初は優子と康太の順番は違ったらしい」
睦「へぇー。どうして順番を変えたんだ?」
愛「なんでも、最初に三連勝させようと思ったかららしいよ」
翔「……詳しくは次回、裂やんに聞くべき」
橙「そうだな。それじゃ、今回はこれくらいで」
睦「オリジナルバカテストの件についてはやることに決めたらしい」
明「そうなんだ」
睦「どうでもいいな」
明「それじゃ、今回はこれくらいで」
紫「また次回も」
愛「よろしく」
燐「おねがいしまーす♪」