バカと俺たちの日常   作:裂やん

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今回もバカテスはお休みです。次回は原作のを書きます。

それと、11/05中に書きあがらず1時間ほど遅れました。
(なろう時代の話です)

「これだから、駄雄二は……」by神楽兄弟
「誰が駄雄二だ!?」by坂本駄雄二


第壱捌問目 依頼受領

Side.橙夜

 

?『……賞品の……として隠し……』

?『……こそ……勝手に……如月ハイランドに……』

 

 教室を後にして、新校舎の一角にある学園長室まで来ると、扉の向こうから誰かが言い争っているのか、声が聞こえてきた。

 

 賞品と言うと、清涼祭での召喚大会のことか?

 

雄二「どうした橙夜、明久」

明久「いや、中で何か話しているみたいなんだ」

雄二「そうか。つまり中には学園長がいるわけだろう。橙夜を呼んだって事は、橙夜のほうが先約という事になるから、さっさと中に入るぞ」

 

 まぁ、雄二の言い分は最もだがな、流石に取り込み中だと思われるところに入るのはな……。

 

明雄「「失礼しまーす!」」

 

 って、考えてたら、明久と雄二は学園長室のドアをノックして、ずんずんと中に入っていた。

 その二人の行動に睦月は苦笑を浮かべていた。

 俺の方はと言うと、唖然としていた。他人が見れば、相当間抜けな顔だっただろう。

 

?「本当に失礼なガキどもだねぇ。普通は返事を待つもんだよ」

 

 そんな、ババァ長だと思われる女性の声を聞いて、我に返った俺は、睦月と一緒に部屋の中に進む。

 

?「やれやれ。取り込み中だというのに、とんだ来客ですね。これでは話を続けることもできません。……まさか、貴女の差し金ですか?」

 

 部屋に入ったところで耳に聞こえてきた声の方を向くと、眼鏡を弄りながら学園長を睨みつけていた教頭の竹原教諭がいた。鋭い目つきとクールな態度で一部の女子生徒には人気が高い。

 明久個人としてはあまり好きになれないのだろう。そうとしか取れない顔に浮かんだ微妙な不快感を必死に隠そうとしながら明久は、竹原教諭を見ていた。

 

 ついでというわけではないが、俺と睦月ははっきりと言うが、竹原教諭のことは嫌いだ。

 家が『神楽グループ』という事を知って、頻繁に俺たちに取り入ろうとしてくるのだから、当然だ。

 こんなヤツに教諭なんていう尊敬称をつけたくないのだが、社交辞令ってヤツだよ。

 

学園長「馬鹿を言わないでおくれ。どうしてこのアタシが、アンタ程度に(・・・)そんなセコい手を使わないといけないのさ。負い目があると言うわけでもないのに」

竹原「……それはどうだか。学園長は隠し事がお得意のようですから」

 

 ババァ長の、『程度』発言に少々イラついたのか、竹原教諭の額に薄めに青筋が浮かんでいた。

 

学園長「さっきから言っているように隠し事なんて無いね。アンタの見当違いさ」

竹原「……そうですか。そこまで否定されるならこの場はそういうことにしておきましょう」

 

 そう告げると、竹原教諭は部屋の隅に一瞬視線を送り、

 

竹原「それでは、この場は失礼させて頂きます」

橙夜「ああ、竹原教諭。ちょっといいですか?」

 

 踵を返して、学園長室を出て行こうとしたが、そこで俺は声を掛けた。

 

竹原「なんでしょうか、神楽橙夜君」

橙夜「先ほどの差し金がうんぬんってところを訂正させてもらおうと思いまして」

竹原「訂正?それは一体どういう意味ですか?」

 

 呼び止められ、振り返った竹原教諭は、俺が嫌悪しか抱かない一部女子が見れば喜ぶであろう笑みを少し浮かべながら俺をフルネームで呼び、用件を聞いていた。

 それに俺は答え、再び竹原教諭はそう質問してきた。

 

橙夜「実は俺、HR終了後の放課後に学園長室に来るようにとLHRの時に西村教諭から伝えられていたんですよ」

竹原「それで?」

橙夜「来るのが遅れてしまいましたが、俺との方が先約と言うわけです。つまり今回は、先約があったのを知らなかったとはいえ、事前連絡もなく来た竹原教諭の方に非があったと言えますね」

竹原「……そうですか。そう言うことでしたら、今後は気をつけましょう。それで、用件はそれだけですか?」

橙夜「ええ、それだけです。このあと、予定があったと思いますが、お呼び止めしてすいませんでした」

竹原「いえ、この程度なら大丈夫ですよ。それでは、今度こそ失礼させてもらいます」

 

 質問の答えを返し、俺なりの推論と言うか暴論を話す。

 俺が、『そっちの方に非がある』と言ったところで、竹原教諭は少々イラついたのか、表情に出たが、すぐに引っ込めた。

 

 そして、会話が終了後、今度こそ竹原教諭は学園長室を出て行った。

 

学園長「んで、神楽の兄の方はアタシが呼んで、その弟がついてくるのはいいとして。そっちのガキども。アンタらは何の用だい?」

 

 先ほどまで、空気と化していたババァ長が喋りだし、ついて来ていた明久と雄二に声を掛けていた。

 

雄二「いえ。学園長に呼ばれていた橙夜について来ただけです」

学園長「はぁ?それだけかい?」

雄二「ええ、それだけです。まぁ、理由とは言えませんが、少々嫌な予感もしたもので」

 

 なん……だと……?

 

 あの(・・)雄二が。あの(・・)駄雄二が、敬語を使っている……だとっ!?

 

駄雄二「おい、橙夜。お前、今俺に対して失礼なことを考えただろう?それと、誰が駄雄二だ!?」

 

 なんだ?遂に電波でも入ったか?……全く、これだから駄雄二は。

 

学園長「ん、んんっ!とりあえず、まずは名前を名乗りな。それが社会の礼儀ってモンさ。何れアンタらも社会に出るんだから覚えとくと、損はしないよ」

 

 若干、心の中で駄雄二をからかっていると、再び空気になりかけていたババァ長がわざとらしい咳払いをして喋りだした。

 ……前にも思ったが、ババァ長にだけは礼儀を説かれたくないな。

 

雄二「失礼しました。俺は二年F組の坂本雄二」

睦月「知っているようですが、同じく二年F組で神楽橙夜の弟の神楽睦月です」

雄二「それで、こっちは――」

 

 雄二が隣に立っている明久を示し、紹介する。

 

雄二「――二年生を代表する元バカです」

 

 やはり雄二は、駄雄二だった。こういうときは普通に名前を言えよ……。

 

学園長「ほぅ……そうかい。アンタたちがFクラスの坂本と吉井かい」

明久「ちょっと待って学園長!僕はまだ名前を言ってませんよ!?」

 

 諦めろ、明久。お前の学生時代を知る人間からは一生、元バカで認識されるんだ。

 

学園長「神楽兄、ちょっと耳を貸しな」

橙夜「まぁ、いいですが」

 

 睦月たちには聞かれるわけにはいかない話題ってことか。

 

 そう考えながら、ババァ長の机を回って、隣に行き小声で会話を始める。

 

橙夜「(それで、なんでしょう?)」

学園長「(例のアレのことさ)」

橙夜「(……片方は解決しましたが、もう片方の――――がどうやっても無理でした)」

学園長「(そうかい……。そうなると、少々厄介なことになったね)」

橙夜「(召喚大会ですか?)」

学園長「(その通りさ。今更、賞品から外すことも出来ないしね……)」

橙夜「(だったら、明久たちを出場させましょう)」

学園長「(ん?あぁ。そういえば吉井は観察処分者だったね。それなら問題ないね)」

橙夜「(それと、もう一つの賞品のチケットの良くない噂のことも思い出したんですが)」

学園長「(そっちのほうも知ってたかい。なら、チケットの回収を建前にして、アンタらに腕輪を回収してもらおうかね)」

橙夜「(わかりました。)睦月、明久、雄二」

 

 ババァ長との話も終了し、俺は睦月たちに声を掛けた。

 

睦明雄「「「なんだ(なに)?」」」

橙夜「学園長が俺らに頼みごとがあるそうだ」

雄二「頼みごと?内容は?」

 

 返事をした三人に簡単に言うと、雄二は真意を測りかねているようで、慎重に聞いてきた。

 

学園長「アタシが説明するよ。清涼祭で行われる召喚大会は知ってるかい?」

明久「ええ、まぁ」

橙夜「じゃあ、その優勝賞品を知っているか?」

明久「え?優勝賞品?」

 

 どうやら明久は、召喚大会自体は知っていたようだが、賞品があるとは思っていなかったみたいだな。

 

睦月「確か、正賞に賞状とトロフィーと試召戦争に使える召喚者用の『白金の腕輪』と『蒼天の腕輪』、副賞に『如月ハイランド プレオープンプレミアムペアチケット』が優勝ペアに2組分、準優勝者ペアに1組分だったか?」

学園長「その通りだよ」

 

 睦月がペアチケットと言った時に、雄二がピクッと反応していたが何だ……?

 

明久「それで、それと頼みごとに何の関係が」

学園長「話は最後まで聞きな。慌てるナントカは貰いが少ないって言葉を知らないのかい?」

 

 乞食だったな。

 

明久「確か、乞食でしたっけ?」

学園長「ほぅ……。成績が向上したのは嘘じゃなかったみたいだね」

 

 明久が知っていたことに、ババァ長は驚きのようだな。

 

学園長「で、この副賞のペアチケットに関することで、ちょっと良くない噂を聞いてね。出来れば回収してもらいたいのさ」

明久「回収?それなら賞品にしなければいいんじゃないですか」

学園長「それが出来てたら、アンタらに頼んでないさ。この話を教頭が進めたとは言え、既に学園と如月グループ間で行った正式な契約だ。今更覆せないのさ」

 

 そういえばこの人、試験召喚システムの開発に手一杯で、経営に関しては竹原教諭に丸投げしてるって話だったな。

 

睦月「契約する前に気付いて欲しいですね。一応、学園長なんですから」

学園長「うるさいガキどもだね。白金の腕輪と蒼天の腕輪の開発で手一杯だったんだよ。それに、この噂を聞いたのが最近だったのさ」

 

 ババァ長が眉を顰める。一応、それなりに責任は感じているみたいだな。

 そういえば、さっきから雄二が静かなんだが、一体どうしたんだ?

 

明久「それで、悪い噂って言うのはどんなのなんですか?」

 

 つまらない内容なんだけどね、と前置きして、ババァ長は口を開いた。

 

学園長「如月グループは如月ハイランドにある一つのジンクスを作ろうとしているのさ。『ここを訪れたカップルは幸せになれる』っていうジンクスをね」

明久「?それのどこが悪い噂なんですか?良い話じゃないですか」

橙夜「そのジンクスを作る為に、プレミアムチケットを使ってやって来たカップルを、多少強引な手段を使ってでも、結婚までコーディネートするつもりらしい」

雄二「な、なんだと!?」

 

 学園長の言葉の後をついで、俺が説明すると、先ほどまで静かだった雄二が突然が大声を上げた。今度は一体なんだ?

 

明久「どうしたのさ、雄二。そんなに慌てて」

雄二「慌てるに決まってるだろう!今橙夜が言ったことは、『プレオープンプレミアムペアチケットでやってきたカップルを如月グループの力で強引に結婚させる』ってことだぞ!?」

明久「う、うん。それくらい分かってるよ。それと、言い直せてないよ」

 

 雄二のヤツ、うろたえすぎじゃないか?ペアチケットに関することで何かあるのか?

 

学園長「そのカップルを出す候補が、我が文月学園ってわけさ」

雄二「くそっ。うちの学校は何故か美人揃い、試験召喚システムという話題性もたっぷりだからな。学生から結婚までいけばジンクスとしては申し分ないし、如月グループが目をつけるのも当然ってことか」

 

 そう言って、悔しげに唇を噛む雄二。もしかして……。

 

橙夜「なぁ、雄二。推測なんだが、如月ハイランドのプレオープンのペアチケットが手に入ったら、一緒にいってやるって、翔子と約束したのか?」

雄二「あぁ、その通りだ……。絶対にアイツは参加して、優勝を狙う……。行けば結婚、行かなくても『約束を破ったから』と結婚……。俺の、将来は……!」

 

 流石に、安請け合いしすぎだろう……。

 

学園長「ま、そんなワケで、本人の意思を無視して、うちの可愛い生徒の将来を決定しようって計画が気に入らないのさ」

 

 本当に可愛い生徒だと思っているのかは、謎だがな。

 

学園長「無事にチケットを回収してくれたら、何か一つだけ頼みごとを聞いてあげるよ。無論、優勝者とかからの強奪なんて真似はなしだよ。譲ってもらうのも不可だ。このことを他の生徒に知られるわけにも行かないからね。私はお前たちに召喚大会で入賞を独占しろ、と言ってるんだからね」

 

 不正を許さないってところは、まぁ、一応教育者と言ったところか。

 

雄二「個人的にも俺にも利があるから、この話、引き受ける」

学園長「そうかい。なら、依頼成立だね」

雄二「ただし、こちらからも提案がある」

学園長「なんだい?言ってみな」

雄二「召喚大会は二対二のタッグマッチ。形式は4つのブロックに分かれ、準決勝、決勝はそれぞれの勝利ペアでのトーナメント制、試合科目も一回戦毎に変えて進めていくと聞いている」

 

 一回戦が数学なら、全部の一回戦を数学で戦い、二回戦からは、数学以外の科目で戦う。

 点数が減っていけば、それだけで戦力が落ちることになる。一応、学園の宣伝行事だから派手さに欠けるわけにはいかないのだろう。

 

学園長「それがどうかしたかい?」

雄二「対戦表が決まったら、その科目設定を俺にやらせてもらいたい」

 

 そう告げる雄二は、ババァ長の反応を試すように鋭い目つきをしている。なるほど。真意を探ってると言うわけか。

 

学園長「ふむ……。いいよ。点数の水増しなら兎も角、科目指定くらいなら協力してあげるさね」

雄二「……ありがとうございます」

 

 雄二の目つきが更に鋭くなった。どうやら、真意を完全ではないが、把握し始めたと言ったところか。

 

学園長「さて。そこまで協力するんだ。当然召喚大会で優勝、準優勝を独占出来るんだろうね」

雄二「無論だ。俺はともかくとして、こっちには学園最高峰成績保持者が2人はいるんだ。出来て当然だ」

橙夜「一応言うが、雄二。俺はお前らとペアは組めないからな?」

雄二「どういうことだ?」

橙夜「既に愛子とペア組んでるってことだ」

雄二「なるほど、そう言うことか。ペアに関しては後で話すとしよう」

 

 まぁ、俺と睦月が別のペアなら、俺と睦月がペアになるよりも独占できる可能性も高くなるからな。

 

学園長「それじゃ、ボウズども。任せたよ」

四人「「「「ああ(おうよっ)!」」」」

 

 こうして、時が過ぎていく。

 

Side.end




裂「今回の後書きは――」

福「連続出演の私、福原慎と――」

利「第壱肆問目以来の僕、久保利光と――」

康「…………俺はムッツリじゃない、土屋康太の四人で送る」

裂「ムッツリーニの出番がないな……」

康「…………ムッツリじゃない」(ブンブン)

福「土屋君、嘘はいけませんよ。君は客観的に見ても、ムッツリスケベです」

康「…………そん……な……!」orz

裂「薔薇思考のヤツよりはマシだと思うがな……」

利「それって誰のことを言ってるんだい?」

裂「お前しかいないだろうが!この薔薇野郎!?」

利「同性愛をバカにしないでくれたまえ!?」

裂「同性愛をバカにしているわけじゃない。お前のことだけだ」

福「久保君。同性愛をバカにするつもりはありませんが、そんな非生産的なことはやめた方がいいと思いますよ?」

利「そん……な……!」orz

裂「ゲスト二人がorz状態になったな……」

福「これ以上は続けれそうにありませんし、閉めましょうか」

裂「次回の後書きは、吉井明久(バカ)と姫路瑞希(化学兵器)と島田美波(人間兵器Ver照れ隠し)の三人でお送りする予定です」

福「吉井君以外は初めて?いえ、リクエスト来る前には何度か出ていましたね」

裂「それでは、次回の更新をお待ちください」
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