バカと俺たちの日常   作:裂やん

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【清涼祭】 アンケート

学園祭の出し物を決める為のアンケートにご協力ください。
『喫茶店を経営する場合、制服はどんなものが良いですか?』

姫路瑞希の答え
『家庭用の可愛いエプロン』

教師のコメント
いかにも学園祭らしいですね。コストもかからないですし、良い考えです。

土屋康太の答え
『スカートは膝上15センチ、胸元はエプロンドレスのように若干の強調をしながらも品を保つ。色はシロを基準とした薄い青が望ましい。トレイは輝く銀で照り返しがえられるものを用意し裏にはロゴを入れる。靴は5センチ程度のヒールを――』

教師のコメント
裏面にまでびっしりと書き込まなくても。

吉井明久の答え
『ブラジャー』

教師のコメント
ブレザーの間違いだと信じています。

神楽橙夜の答え
『執事喫茶ならば、男子は燕尾服と言った、執事らしい感じのスーツの類。女子にも男装として着させるのも可。シンプルにメイド服でも可―――』

教師のコメント
神楽君は本格的なものを目指しているようですね。おや?まだ、続きがあるようですね。

神楽橙夜の答えの続き
『―――と言う建前のもと、愛子のメイド服姿が見たいです』

教師のコメントの続き
こんなところで、惚気ないでください。

工藤愛子のコメント
と、橙夜くん!Aクラスに来てくれれば見せてあげるよ!

神楽睦月の答え
『優子に似合っていればなんでもいいです』

教師のコメント
兄弟揃って惚気るんですね。

木下優子のコメント
そ、そんなこと!さらっと言うんじゃないわよっ!?


「またこんなオチかーーっ!?」by速水 劉太


第壱玖問目 開店前の小騒動

Side.橙夜

 

美波「いつもはただのバカに見えるけど、坂本の統率力は凄いわね」

明久「ホント、いつもはただのバカなのにね」

橙夜「神童の名残ってやつだろうな」

 

 清涼祭初日の朝。

 俺らの教室はいつものAクラス同等の設備と天幕などを利用して、英国風の喫茶店に姿を変えていた。

 

明久「このテーブルって、橙夜が手配したやつ?」

橙夜「あぁ、そうだ。と言っても、朱雀の実家が建築関係で、こういった家具とかも作っているらしくてな。そこらへんからレンタルしたようなものだ。一応、使用料ってことで少しお金を払っているから、少し汚れるくらいならいいが手荒に扱ったりするなよ?」

明久「うん、気をつけるよ」

 

 口頭でも説明したとおり、教室のいたるところに設置されているテーブルは、朱雀の実家から、少々レンタル料を払って手配したものだ。レンタル料がそこまで高くない理由は、クラスメイト価格だそうだ。

 レンタル料を払う理由は、使用すると、少しばかりは汚れたりするだろうからだ。

 それならば買い取ればいいんじゃないか?と思われるが、次にいつ今回のようなことをするかわからないから、買い取りは無駄になる場合が高い。だから、レンタルなのだし。

 

瑞希「それと、木下君が用意されてあった綺麗なクロスを、こう手際よくテキパキと」

 

 尊敬の目で秀吉を見る瑞希。

 秀吉の手際のよさは、演劇部で、役者以外にも舞台設営の方も自分達でやっているからだろうと予想できる。

 

明久「室内の装飾も、一般の学園祭のレベルとしては充分過ぎるほどの完成度だから、うまくいくよね?」

 

 ……明久。流石に一般の高校だと、このレベルの装飾は無理だからな?

 

?「…………紅茶や珈琲も完璧」

明久「おわっ」

 

 明久の背後から、いきなり声が響く。っと、この声だと康太か。相変わらず存在感を消すのが巧いな。巧すぎると逆に感付かれ易いんだけどな。

 

橙夜「康太、厨房の方も出来ているか?」

康太「…………味見用」

 

 そう言って、康太が差し出したのは金属製のトレイ。その上には陶器のティーセットと一口サイズのシュークリームとスコーンが載っていた。

 

瑞希「わぁ……。美味しそう……」

美波「土屋、これウチらが食べちゃっていいの?」

康太「…………(コクリ)」

秀吉「では、遠慮なく頂こうかの」

 

 瑞希、島田嬢、秀吉の三人が手を伸ばし、出来立てでまだ温かいミニシュークリームとスコーンを勢いよく頬張る。

 

瑞希「お、美味しいです!」

美波「本当!中のカスタードクリームもなめらかで、シュー皮のしっとりとした食感も良いし!神楽兄の作ったものよりは劣るけど、これもこれでお店で売ってるって言われたら信じるわね」

秀吉「こっちのスコーンは、北米式のように甘すぎないところも良いのう。これには英国式のように、ジャムとかをつければもっと良いかもしれんのう」

 

 と、大絶賛。

 

 ……まるで、秀吉が女子に見えたのはここだけの話にしておこう。明久の方もそう見えたようだし。

 

瑞希「紅茶も美味しいです。幸せ……」

美波「本当ね~……。珈琲も美味しいわ~……」

 

 瑞希と島田嬢の目がトロンと垂れている。俗に言うトリップ状態というやつか。そこまで美味しいのか?

 

明久「それじゃ、僕も貰おうかな」

康太「…………(コクコク)」

 

 康太が残っているシュークリームとスコーンを俺たちに差し出す。だが、何故か嫌な予感がしてたまらない。明久は、シュークリームを手でつまんで軽く一口だけ頬張った。

 

明久「ふむふむ。シュー皮はゴテゴテでありながら中のカスタードクリームはなめらかとは程遠い。甘すぎず、酸っぱすぎる味わいがとっても――んゴバっ」

 

 明久の口からありえない音が出た。

 

秀吉「あ、それはさっき姫路が作ったものじゃな」

康太「…………!!(グイグイ!)」

明久「む、ムッツリーニ!どうしてそんなに怯えた様子でシュークリームを僕の口に押し込もうとするの!?無理だよ!食べられないよ!」

 

 ……なるほど、瑞希作か。道理で、嫌な予感がしたわけだ。

 そうと分かれば――

 

橙夜「誰だっ!?瑞希を厨房に入れたやつは!?」

 

 ――犯人探しだ!?

 

速水「俺だけど、何かダメだったのか?」

 

 速水……お前だったのか……。

 

 さてと、そんな速水には制裁制裁っと。

 

橙夜「康太、それは明久じゃなくて速水に食わせろ」

康太「…………分かった」

明久「た、助かったぁ~……」

速水「ん?食べていいのか?なら、お言葉に甘えて。ふむふむ。シュー皮はゴテゴテでありながら中のカスタードクリームはなめらかとは程遠い。甘すぎず、酸っぱすぎる味わいがとっても――んゴバっ」

 

 なんか、既視感(デジャヴ)。

 

橙夜「どうだ、速水?美味しかっただろ?瑞希作のシュークリームは」

 

 床に倒れ伏した速水に対して、そう声をかける。目の焦点が定まっていないから不安だが。

 

速水「はっ。何の問題もない」

 

 床に突っ伏した格好そのままで、速水が言葉を返してきた。

 

速水「あの川を渡りきればいいんだろう?」

 

 やめろ、速水!それは三途の川だ!?

 

明久「は、速水君!その川はダメだ!渡ったら戻って来れなくなるよ!」

 

 ……あの一口だけで致命傷か。

 明久が耐えれたのは、小学時代に軽度の免疫が出来ていたからか?

 

?「うーっす。戻ってきたぞ!」

?「準備の方は大丈夫か?」

 

 と、俺と明久で速水の蘇生をしていると、雄二と睦月が戻ってきた。

 

明久「あ、雄二に睦月。おかえり」

雄二「ん?なんだ、美味しそうじゃないか。どれどれ?」

 

 康太が近くのテーブルに置いたトレイの上に残ってあった(恐らく瑞希作の)最後のスコーン(バイオ兵器)を見るとそう言って、口に運んだ(・・・・・)。

 

秀吉「……たいした男じゃ」

橙夜「雄二。お前は今、最高に輝いている」

雄二「?お前らが何を言っているのかわからんが……。ふむふむ。表面はガリガリでありながら中はべとべと。渋すぎず、苦い味わいがとっても――んボガっ」

 

 明久と速水の以上に口からありえない音が出た。

 

明久「あー、雄二。とっても美味しかったよね?瑞希ちゃん作のスコーン」

 

 速水同様に床に倒れ伏した雄二に対して、明久が『瑞希作の料理』だと目と言葉で訴える。これまた速水同様、目が合っていない上に、うつろだから恐らく伝わっていないだろう。

 

雄二「ふっ。何の問題も無い」

 

 突っ伏したまま、速水と似たようなこと返答をする雄二。

 

雄二「あの川を渡ればいいんだろう?」

 

 まずい!雄二のやつも、三途の川一歩手前じゃねぇーか!?

 

睦月「ゆ、雄二!その川はダメだ!渡ったら二度と戻ってこれなくなるぞ!」

 

 ……丸ごと一つで致命傷か。瑞希の料理(バイオ兵器)、相変わらず恐ろしいキレ味だ。と言うか、昔よりパワーアップしてそうだ……。

 

 因みに、睦月が無事な理由は、瑞希作のスコーン(バイオ兵器)を見た途端に、俺と同様に嫌な予感を感じ取ったからだろう。

 

瑞希「え?あれ?坂本君に速水君はどうしたんですか?」

 

 きちんとしたシュークリームとスコーンで夢見心地になっていた瑞希がようやくこっちの様子に気付いたようだ。

 

美波「あ、ホントだ。坂本、速水、大丈夫?」

 

 島田嬢も今までトリップしていたらしい。これなら、きちんとした方はかなりイケてるのかもしれないな。売り上げも期待できそうだ。

 

橙夜「……島田嬢。覚えておくといい」

美波「……何よいきなり?」

橙夜「……これが、瑞希の手料理の実力だ」

美波「……まさか、坂本と速水の2人とも、そうなの(・・・・)……?」

 

 その問いに、俺は言葉でなく、頷くことで肯定する。

 

 そんなやり取りをしながらも、俺と明久、睦月は雄二と速水の心臓マッサージを必死にしていた。

 

速水「おっ、坂本じゃないか。お前もこの先に行くのか?」

雄二「ん?速水か。『も』ってことは、お前もなのか?」

速水「ああ、そうなんだ。丁度、あそこに人がいるから話しかけてみようぜ」

雄二「そうだな。ちょっといいか」

 

 雄二と速水のうわごとが繋がっただとっ!これはいよいよやばいぞ!?

 

雄速「「六万だと?バカを言え(いうな)。普通渡し賃は六文と相場が決まって――はっ!?」」

 

 なんとか、両方とも蘇生成功だ。こうして、人知れず尊いのかわからない命がまた二つ救われた。

 

 

 

 その後、瑞希に対しての説教が開始されたが、あえて明記しない。

 

 瑞希が清涼祭中は一切厨房に立てなくなったとだけ言っておく。

 

 

 

秀吉「ところで、雄二と睦月はどこに行っておったのじゃ?」

 

 場の雰囲気を変えようと、秀吉がそれとなく睦月と雄二に声をかけた。

 

雄二「ああ、ちょっと話し合いにな」

睦月「雄二の言うとおり、色々合ってな」

 

 睦月と雄二にしては珍しく歯切れの悪い返事。

 まぁ、それもそのはずで、学園長室に行って例の試験科目の指定をしてきたところだ。アンフェアなことなので、正直には話せないと言ったところだな。

 

瑞希「そうですか~。それはお疲れ様でした」

 

 人を全く疑おうとしない瑞希。いつか、オレオレ詐欺とかに騙されないかが心配だ。睦月も同様のようだ。

 

雄二「いやいや、気にするな。それより、喫茶店はいつでもいけるな?」

橙夜「当然」

秀吉「バッチリじゃ」

康太「…………軽食もデザートも飲み物も大丈夫」

 

 ……瑞希作の物がもう、混じってなければいいがな。一抹の不安が……。

 

雄二「よし。少しの間、喫茶店は橙夜と睦月たちに任せる。俺と明久は召喚大会の一回戦を済ませてくるからな」

 

 そう言って、俺たちの肩を叩く。

 

 試合順は、Aブロック、雄二たちDブロック、Bブロック、Cブロックだから、Cブロックの俺と睦月は最後の方だ。

 因みにパートナーは当然のように、俺は愛子、睦月は優子だ。

 

 それと朱雀と日向のペアも出るらしく、俺たちと同じCブロックだ。

 

美波「あれ?アンタたちも召喚大会に出るの?」

 

 確認するように、明久を見やる島田嬢。

 

明久「え?あ、うん。ちょっとあってね」

 

 明久も事情が事情だけに言葉を濁している。

 

美波「もしかして、賞品が目的とか……?」

明久「う~ん。一応そういうことになるかな」

 

 明久たちにはチケットのことしか話していないが、本来の目的は『腕輪』の方なんだよな……。

 

美波「……誰と行くつもり?」

明久「ほぇ?」

 

 島田嬢は、明久の目的がチケットだと決め付けているらしい。……まぁ、間違っていないが。

 というか、戦闘準備するんじゃない。

 

瑞希「明久君。私も知りたいです。誰と行こうと思っていたんですか?」

明久「だ、誰と行くって言われても……」

 

 気が付けば瑞希まで戦闘準備姿勢……。

 

 

 

 『よごれちまった悲しみに 今日も小雪の降りかかる』 by中原中也

 

 

 

 瑞希の現状を見て、これを連想した俺は間違っていないはずだ……。

 

 

 

 さて、そろそろ救いの手を出すか。

 

橙夜「明久が一緒に行くのは紫に決まってるだろう」

明久「そ、そうなんだ!紫と一緒に行こうかなって思ってたんだ!」

 

 た、助かったぁ~、と言わんばかりの表情で、『橙夜、ありがとう!』とアイコンタクトしてくる明久。

 あのまま放置していると、雄二が変なフォローし出しそうだったからな。それが巡り巡って、自分の首を絞めることになるかもしれない可能性があるのを考慮していなさそうだしな。

 

雄二「そろそろ時間だ。行くぞ明久」

明久「あ、うん。それじゃ、行ってくるね」

橙夜「おう、勝って来い」

 

 そう言って、俺たちは明久と雄二を見送った。

 

Side.end




裂「さて、今回の後書きは――」

明「原作では主人公の僕、吉井明久と――」

瑞「化学兵器の申し子、姫路瑞希と――」

波「照れ隠しの人間兵器、島田美波で送るわ!」

裂「いやぁ~、4週間近く遅れてすいませんでしたー!」(注*なろう時代の話です)

明「全く、その通りだね。今まで何していたの?」

裂「他の作者様の作品読んでたり、思いつき妄想ネタを小出し的に書き溜めてたりかな?」

明「そう。で、ずっと忘れていたみたいだけど、1巻に該当するところの没ネタっていつ発表するの?」

波「そういえば、そんなこと言ってたわね」

瑞「確か、試験召喚戦争期の最終話、第壱壱話の後にやるとかいってた気がします」

裂「後書きをリクエスト制にしたら、丁度いい配置じゃなかったから、延び延びになってるんだ。清涼祭編終了後の日常弐の時に本編丸々使って没ネタ集的なことやろうと思ってる」

明「それなら、まぁ、いいんだけどね?」

波「ところで、アキ以外の、ウチと瑞希の自己紹介文が変だと思うんだけど……?」

瑞「私っ、化学兵器の申し子なんかじゃありません!」

裂「原作読者からすると、瑞希は必殺料理人で、美波は照れ隠しの人間兵器だ」

明「原作の僕、頑張ってね……?ここの僕は紫や橙夜がいるから無事だけど」

裂「リア充め……っ!
 というか、他作者様の他作品の感想欄で、紫が暴走してるんだけど……。
 彼氏の明久。どうにかしてくれ……っ!」

明「無理だよ。最初は止めようとしてるはずのに、気付いたら紫に乗せられててそのまま流れるし……」

裂「あてにならんやつめ……っ!」

明「ごほんっ!今回からタイトル変更するんだって?」

波「あっ!それウチも気になってるのよ」

瑞「わ、私もです!」

裂「では、発表します!

 この作品は、『俺の日常と召喚獣』改め、『バカと俺たちと日常』に変わります!」

明「あんま変わってないね……」

波「そうね……」

瑞「そう……ですね……」

明「それで、『バカ』は誰を指していて、『俺たち』は誰を指してるの?」

裂「『バカ』はそのまんまA・Fクラスのメンツで、『俺たち』は橙夜たちオリキャラたちと明久かな?」

瑞「という事は、『バカ』には、翔子ちゃんたちも含まれるのでしょうか?」

裂「翔子は、一周回って『バカ』ってやつだ」

波「これ以上は長くなりそうだから、〆ましょう」

裂「それでは、また次回も」

明「よろしくお願いします!」

波「お願いします」

瑞「お、お願いします!」




裂「そういえば、『執事喫茶』の名前、決まってないや……」orz
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