問 以下の意味を持つことわざを答えなさい。
『(1)得意なことでも失敗してしまうこと』
『(2)悪いことがあった上に更に悪いことが起きる喩え』
姫路瑞希の答え
『(1)弘法も筆の誤り』
『(2)泣きっ面に蜂』
吉井明久の答え
『(1)河童の川流れ』
『(2)弱り目に祟り目』
神楽橙夜の答え
『(1)麒麟の躓き』
『(2)鬼は弱り目に乗る』
神楽睦月の答え
『(1)竜馬の躓き』
『(2)不幸は単独では来ない』
神楽紫の答え
『(1)知者も千慮に一失あり』
『(2)弱身につけこむ風の神』
教師のコメント
正解です。他にも(1)なら『猿も木から落ちる』、(2)なら『踏んだり蹴ったり』などがメジャーですね。
吉井君も勉強の成果が出たようですね。
それにしても神楽三兄弟妹はよくそんなマイナーなのを知っていましたね。
土屋康太の答え
『(1)弘法の川流れ』
教師のコメント
シュールな光景ですね。
島田美波の答え
『(2)蹴ったり殴ったり』
教師のコメント
いくら国語が苦手でも、新しくことわざを作らないでください。
「モブキャラにだって出番はある!!」by速水
Side.橙夜
雄二によるAクラスへの宣戦布告。
それはこのFクラスにとっては夢物語のような提案にしか思えないだろう。
『勝てるわけがない』
『これ以上設備を落とされるなんて嫌だ』
『姫路さんがいたら何もいらない』
当然の如くクラスメイトから悲鳴のような声が上がる。
確かに例年通り(・・・・)のAクラスとFクラスの戦力差は明らかだ。
そう、例年通り(・・・・)のFクラスなら、そうだろう。だが、今回は異例(・・)のFクラスなんだ。
雄二「そんなことはない。必ず勝てる。いや、俺が勝たせてみせる」
それを十全に理解した上で雄二は自信満々に宣言する。
『何を馬鹿なことを』
『できるわけないだろう』
『何の根拠があってそんなことを』
しかし、雄二の自信の理由を知らないクラスメイトからは否定的な意見が飛び交う。
雄二「根拠ならあるさ。このクラスには試験召喚戦争で勝つことのできる要素が揃っている」
その雄二の言葉を受けてクラスメイトはざわめきたつ。
雄二「それを今から証明してやる」
再び不敵な笑み浮かべて、壇上から皆を見下ろす雄二。
なんかイラッとしてきた。後で殴ってもいいかな?
雄二「おい、康太。畳に顔をつけて姫路のスカートを覗いてないで前に来い」
康太「…………!!(ブンブン)」
瑞希「は、はわっ」
必死になって顔と手を左右に振り否定のポーズをとる康太。
瑞希がスカートの裾を押さえて遠ざかると、康太は顔についた畳の跡を隠しながら壇上へと歩き出した。
あそこまで恥も外聞もなく低く覗き込もうとするのは康太以外にはいないだろうな……。他にも世界のどこかにいるかもしれないが……。
雄二「土屋康太。こいつがあの有名な、寡黙なる性識者(ムッツリーニ)だ」
康太「…………!!(ブンブン)」
『寡黙なる性識者(ムッツリーニ)』
その名は男子生徒には異怖と畏敬を、女子には軽蔑を以って挙げられる。
『ムッツリーニだと……?』
『馬鹿な、ヤツがそうだというのか……?』
『だが見ろ。あそこまで明らかな覗きの証拠を未だに隠そうとしているぞ……』
『ああ。ムッツリの名に恥じない姿だ……』
たとえどういった状況であろうとも、自分の下心は隠し続ける。異名は伊達じゃない。伊達じゃないが、俺には何故か無性に哀れを誘う……。
瑞希「???」
瑞希はムッツリーニというあだ名の由来が分かっていないようで、頭に多数の疑問符を浮かべていた。
ただの『ムッツリスケベ』だからな。悩むだけ無駄だ。
雄二「姫路のことは説明する必要もないだろう。皆だってその力はよく知っているはずだ」
瑞希「えっ?わ、私ですかっ?」
雄二「ああ。ウチの主戦力の1人だ。期待している」
確かに公開されている分だけの成績情報でなら、瑞希は戦力になる。
『そうだ。俺たちには姫路さんがいるんだった』
『彼女ならAクラスにも引けをとらない』
『ああ。彼女さえいれば何もいらないな』
さっきから瑞希に熱烈ラブコールを送っているのは一体誰なんだ?
雄二「島田美波。こいつは帰国子女で日本語が読めなくて殆どの教科は戦力にならないが、数学はBクラス並だ」
美波「ウチもなの?」
雄二「あぁ。Bクラス並なら十分な戦力だ」
『一点特化型という事か』
『数学での主戦力という事だな』
問題さえ読めれば他の科目教科も充分戦力になるんだがな……。後で指導するべきだな。
雄二「木下秀吉だっている」
秀吉は演劇部のホープだったり、双子の姉の優子のことで有名だ。
『おお……!』
『ああ。アイツ確か、木下優子の……』
雄二「当然俺も全力を尽くす」
『確かになんだかやってくれそうな奴だ』
『坂本って、小学生の頃は神童とか呼ばれていなかったか?』
『それじゃあ、振り分け試験のときは姫路さんと同じで体調不良だったのか』
『実力はAクラスレベルが二人もいるってことだよな!』
『元』神童なんだよ。雄二はある理由で勉強を疎かにしていたからな。
だから今このFクラスにいるわけだし。普通に気付いても良さそうなんだがな……。
やっぱりバカばっかりってことか。
だが、確実にクラスの士気は上がっていた。
雄二「それに、吉井明久だっている」
……シン――
そして一気に下がる。
なるほど。明久の名前はオチ担当だったわけだな。
明久「ちょっと雄二!どうしてそこで僕の名前を呼ぶのさ!全くそんな必要はないよね!」
『誰だよ、吉井明久って』
『俺、吉井って何か聞いた気がするな……』
『俺も耳にしたような気がするが…思い出せねぇー……』
明久「ホラ! 折角上がりかけていた士気に翳りが見えてるし!僕は雄二たちとは違って普通の人間なんだから、普通の扱いを――って、なんで僕を睨むの?士気が下がったのは僕のせいじゃないでしょう!」
弄りたいが為に名前を出したんだろうけど、それ以外の理由もきちんとあるはずだ。
雄二「そうか。知らないようなら教えてやる。こいつの肩書きは≪観察処分者≫だ」
……更に下げたが、これも伏線だよな?そうなんだよな?
『それってバカの代名詞じゃなかったっけ?』
明久「ち、違うよっ!ちょっとお茶目な十六歳につけられる愛称で」
雄二「そうだ。バカの代め「ヒュッ、ドスッ(雄二の手元の教卓にカッターが刺さる音)」…って、危ねぇ!?橙夜!俺を殺す気か!?」
いやいや。殺すつもりなんてないぜ?お前の為にやってたやったんだぞ。
橙夜「今の発言を最後まで言い切ってたら間違いなく紫に殺されてたんだから感謝しろよ」
雄二「ッ!?(ブルッ)」
前に明久に危害を加えたのを紫に知られてボコボコにされたのを思い出したんだろうな……。
……それでも懲りずにちょくちょく危害を加えているが。本当、バカだよな。
橙夜「さて、トラウマを思い出した雄二の代わりに説明するが、≪観察処分者≫と言うのは学生生活を営む上で問題のある生徒に課せられる処分だ。極端に言えば、類を見ないほどのバカだったり、暴力沙汰を起こす不良生徒だったりだ」
瑞希は知らなそうだから説明しといてやらんとな。
橙夜「で、≪観察処分者≫の仕事なんだが、具体的には教師の雑用係だ。力仕事とかいった類の雑用を、特例として物に触れるようになった試験召喚獣でこなすといった具合だ」
瑞希「そうなんですか? それって凄いですね。試験召喚獣って見た目と違って力持ちって聞きましたから、そんなことができるなら便利ですよね」
明久「あはは。そんなたいしたもんじゃないんだよ。皆と同じで先生の許可がないと召喚できないし、先生に都合よく使われるし、召喚獣の受けたダメージや疲れの何割かがフィードバックされるしね」
『おいおい。《観察処分者》ってことは、試召戦争で召喚獣がやられると本人も苦しいってことだろ?』
『だよな。それならおいそれと召喚できないヤツが一人いるってことになるよな』
橙夜「待て待て。今のはデメリットの部分だけだ。肝心のメリットの話をしていない」
ここからが本題なんだ。
橙夜「雑用係を押し付けられるという事は通常の生徒よりも操作する機会が多いという事だ。つまり明久の召喚獣の操作技術は学年一だ。操作技術が優れていれば自身の点数を上回る相手にも勝つことも可能だ。明久、お前の持ち点が100点なら何点相手までなら勝てる?」
明久「うーん相手の武器次第だけど……250……いや、300点弱くらいまでなら何とかいけるかな」
『おお!』
『確かにそれはかなりの戦力になるぞ!』
先ほど下がった士気も大分戻ってきたな。
『観察処分者で吉井……?あっ!思い出したぞ。吉井って一年の後半から急激に成績を上げたって噂の奴じゃないか!』
『凄い勢いで成績を上げた奴がいるって噂なら聞いたことがあったが吉井のことだったのか!』
雄二「そうだ。こいつは一年の後半から成績を上げた。振り分け試験の時に何の問題もなければAクラス入りも出来たくらいだ」
いつの間にトラウマから復活したんだ?見ていた俺からしても、あれは結構えげつなかったと思うんだが……?
『おいおい、Aクラスレベルが三人とか。Aクラス打倒もあながち夢じゃないんじゃないか?』
『これは試召戦争やるしかないだろ』
『やってやるぞー!』
歴代のFクラスがこれほどやる気に満ちるのって中々ないんじゃないか?
……歴代って言っても設立してから4年くらいしか経っていないがな。
それにしても雄二の奴、まだ何か企んでいそうだな?
雄二「待て待て。まだ一番大事な要素を紹介していない」
『他にもまだいるのか!』
『誰のことだ?』
雄二「それは、神楽橙夜と神楽睦月の神楽兄弟だ!」
うわぁー……。俺らを巻き込むのかよ……。確かに、俺は戦争やりたいって言ったけどさ。
『神楽兄弟ってAクラスの神楽さんの兄弟とかってやつらか?』
『木下姉妹と従兄弟とかって言ってたな』
『桜儀さんの従兄弟でもあるとも言ってやがったな』
雄二「その神楽兄弟だ。類を見ないほどのバカだった明久の成績がAクラスレベルになったのはこいつらが勉強を教えていたからだ!更に言えばこいつらの本来の成績は学年主席と次席だ!」
『なんだと……!?』
『学年主席って霧島翔子よりも上だというのか!?』
『これで試召戦争もかつる!?』
雄二「そして、俺達の力の証明として、まずDクラスを征服してみようと思う」
『幻の入試トップ』『幻の学年主席』とは明言してないから、一応約束は守っているようだな。限りなくブラックに近いグレーだけど。
雄二「皆、この待遇は大いに不満だろう?」
『当然だ!』
雄二「ならば、全員筆(ペン)を執(と)れ!出陣の準備だ!」
『おおーーっ!!』
雄二「俺達に必要なのは卓袱台ではない!Aクラスのシステムデスクだ!」
『うおおーーっ!!』
瑞希「お、おー……」
相変わらず雄二は人を乗せるのが上手いよな。俺たちの存在もあるんだろうけど。
雄二「そこで明久にはDクラスへの使者に「待て雄二」……なんだ、橙夜?」
橙夜「現時点で明久をDクラスへの使者にしてFクラスにいると教えるのは非常に拙い。一部を除いて明久が途中退席したことを知っているものは少なく、逆に観察処分者になってから成績を上げたのは二年では結構浸透している。そんな明久を使者にしたら警戒させてしまう」
雄二「確かにそうだな……だがそれならどうする?」
橙夜「その事については考えてある。おい、速水!確かお前は陸上部だったな?」
速水「……確かに陸上部だが、それがどうかしたのか?」
橙夜「お前にDクラスへの宣戦布告の使者を頼みたい」
速水「下位勢力の宣戦布告の使者って酷い目に遭うよな……?」
橙夜「だから陸上部のお前に頼むんだ」
速水「???」
流石Fクラス。理解しやすいようにヒントを結構出したのに分かっていないようだ。
雄二「橙夜が言いたいのは、宣戦布告をして了承が取れたら暴行される前に走って逃げ切れという事だ」
橙夜「そういうことだ」
速水「なるほど。そういうことなら任された」
そうして速水はクラスメイトの歓声と拍手で送り出され、使者としてDクラスへ向かっていった。
Side.end
燐「ねぇ?」
裂「………」(ダラダラダラ)
紫「前回何か言ってたけど……何か弁解は?」
裂「すいませんでしたーー!!」
橙睦「(こぇえええええええーーーー!?)」
燐「ねぇ?約束は守るためにあるんだよ?」
裂「ひっ!?」
紫「約束を守らないなんてどうしたのかな?」
裂「く、来るな!?」
紫燐「「少し、頭冷やそうか……?」」
裂「いやあああああああああああああああああああああああああ!!!」
裂やんはログアウト……出来ませんでした。
場所を移して紫と燐とOHANASHIしています。
橙「さ、さて。気を取り直して話を進めるぞ?」
睦「あ、あぁー。そうだな橙夜兄。そういえば今回出てきた速水ってのはこれからどうなるんだ?」
橙「速水は今回の宣戦布告のために即興で考えたキャラらしい」
睦「つまり名前と陸上部であること以外は考えてないってことか。で、他には?」
橙「特にないな」
紫燐「「ただいまー」」
橙「あ、あぁーおかえり(その真っ赤な制服姿は突っ込んだら地雷なんだよな!?)」
睦「(そりゃそうだ。薮蛇はゴメンだからな)それじゃ、そろそろお別れだ」
シ「次回もよろしくな」
燐紫「「また次回~♪」」