「ねえ一夏、なんで転校生の男の子あんなにゲッソリしてるの?」
「僕がシャルル君を抱っこして窓から飛び降りたから。」
「はぁ!アンタ何やっているの!」
アリーナに集合した一組と二組が並ぶ中、鈴は一夏に話しかけていた。
「一夏さん、さすがに危ないですので・・・・・・・・・・・・はっ!もしやどこかケガをしているのでは!」
「僕は大丈夫だけど。」
「ケガ人はみんなそう言いますわ。」
セシリアはそういうと一夏の身体を触り始める。
「アタシも確かめる!」
鈴も加わり触り始める。
「ひゃん!」
「「っ!?」」
一夏の可愛い声に、二人の中にあるスイッチが入った。
「・・・・・・・・・・これ、やってもいいわよね?」
「・・・・・・・・・・ええ。」
「え?え?へ?」
一夏は二人の言っている意味が分からなかったが、そんな一夏にお構いなしに二人は触りまくる。
「ひゃ、ひゃん!ぬ、にゃん!にゃっ、にゃん!」
「ふふふ、可愛いわね。」
「ここかな?ここがおかしいのかな?」
何やら危ない映像を撮影している光景である。
「安心しろ、おかしい奴らは私の目の前にいる。(今の映像・・・・・・・目隠しをさせてたらネーム五本はいけそうだな)」
まじめな顔をして何を考えていますか千冬さん?
スパ―ン×2
出席簿が振り下ろされ、頭を叩かれる音がグラウンドに響き渡った。
「ではこれより一組と二組の合同授業を行う。」
千冬が仕切る中、列の中でたんこぶを抑えている鈴とセシリアの姿があった。
「くぅ~~~・・・・」
「人の頭をポンポンと・・・」
二人は文句を言うが自業自得である。と言うか、若干R指定っぽく思えたのは過言ではない。実際これで後に同人誌のネーム7本出来たとか。
「ではこれより、模擬演習を行う。オルコット、凰、前に出てこい。」
「どうしてわたくしが・・・・・」
「なんでよ・・・・」
二人は文句を言いながら前に出てくる。
「そう文句を言うな。それにいいところを見せればアイツの心を掴めるぞ。」
一夏の方には後半の方の言葉が聞こえなかった。
「よし!やってやるわ!」
「代表候補生としての威厳を見せなくては!」
やる気が入る二人。
「ところで相手は鈴さんですか?」
「落ち着け馬鹿者。お前らの相手は――――」
「ど、どいてくださ~~~~い!」
真上から聞こえてくる声に聞き覚えがあった。一同が見るとそこにはバランスを崩しているラファールに搭乗している山田先生であった。
「ちょ、ちょっと!!」
一夏は急いで白式を展開する。周りの生徒はいつの間にか避難している。もはや軍隊と言っても過言ではないであろう。人間、いざと言う時にとんでもない力を発揮するがこういうのを言うのであろうか。
そして・・・・・
ドーン・・・・・・・
大きな音と共に土煙が舞う。そして土煙が晴れるとそこには白式を展開した一夏を下敷きに大きな胸を押し付けている山田先生の姿があった。
「――――――――――!――――――――――――!」
一夏は叫んでいるが山田先生の胸によってその声は防がれてしまっている。
「はっ!大丈夫ですか織斑君!」
山田先生は勢いよく起き上がる。
「・・・・・・・・・ぶはっ!はぁ・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・し、死ぬかと思った。」
「だ、大丈夫ですか織斑君?」
「ええ。でもどこかお花畑が見えそうな川で金色の船に乗った金髪の人と一緒に渡りそうでした。」
「ご、ごごごごごごごごごごごめんなさい!」
山田先生は頭を下げる。
「まあ絶対防御があったんで大丈夫です。山田先生、お怪我は?」
「だ、大丈夫です。」
「よかった。」
一夏はにっこりとほほ笑む。その笑顔に山田先生は顔を赤くする。
「大丈夫ですか?」
一夏が山田先生の顔を覗き込むように尋ねる。
「だ、だだだだだだだだだ大丈夫です////////////////////」
山田先生は手を振りながら否定する。
「おっほん!」
千冬がワザトらしい咳払いをする。
「山田先生、よろしいですか?」
「あ、は、はい!」
「ではオルコット、凰。お前たち二人には山田先生を相手してもらう。」
千冬の言葉に二人は戸惑う。」
「えっと・・・・・・・・・織斑先生。」
「流石にそれは・・・・・」
「安心しろ。お前たち二人で掛かったとしても五分と持たない。」
「「むっ!」」
千冬の言葉に二人はカチンときた。
「では双方上空に移動した後に模擬戦を開始しろ。」
五分後・・・・・
「「きゅ~~~~~・・・・・」」
見事に山田先生に倒されている二人が地面と仲良くしていた。
「これで分かったであろうが山田先生は元代表候補生だ。これからは敬意をもって接するように。」
『はい!』
「よし。それではこれより訓練機を使った歩行訓練を行う。グループリーダーは専用機持ちだ。織斑、オルコット、凰、篠ノ之、デュノア、ボーデヴィッヒの六グループに分かれて訓練を行うように。なお、出席番号順に分かれなければISを背負ってグラウンドを十周させる。」
千冬の言葉に従い各グループに分かれる。
「じゃあ出席番号順で行こうか。え~っと。」
「はいはーい!出席番号一番、相川清香。ハンドボール部に所属してるよ。」
「あ、ずる~い。」
「私も私も。」
『第一印象から決めていました。』
一斉に手を差し出される状況に一夏は困惑する。
「えっと・・・・・・・・・・・順番にね。」
それから相川がISに搭乗、歩行訓練を行い終え、ISから降りる。
「どう、織斑君?」
「うん、よかったと思うよ。でも・・・・」
一夏は立ったままの打鉄を見る。それに気づいた山田先生が一夏に話しかける。
「あ、一年生の時にはよくあることですね。すみませんが織斑君、次の人を運んでくれませんか?」
『え!?』
山田先生の言葉に専用機持ち(デュノア以外)は反応した。
(ぐっ!姉さんから専用機をもらったことには感謝するがそれとこれとは別で・・・・)
(くっ!まさか専用機持ちであることにこんな落とし穴があるとは!)
(く~、アイツのことだから絶対お姫様抱っこよ!そうに決まってるわ!)
(クラリッサが夢のお姫様抱っこを経験できると言っていたが・・・・・・・・・・今回は出来ないか。ぐ、専用機持ちの弱点か。)
各々思うところは大方同じであった。
「じゃあ次は・・・」
「おりむ~、私だよ~。」
次の搭乗者は“のほほんさん”こと布仏本音である。一夏は白式を展開しのほほんさんをお姫様抱っこする。
「しっかり捕まっててね。」
「うん。」
一夏の言葉通りのほほんさんは一夏に密着する。
『あっ!!』
その光景を羨ましそうに見る一同。しかしそんな事お構いなしに一夏は本音を操縦できる位置まで運ぶ。
「はい、気を付けてね。」
「うん。ありがとう、おりむ~。」
こうして時間は過ぎていった。