昼休みとなり屋上で一夏たち専用機持ちは交流を深めようと一緒に昼食を取っていた。
「え~っと、僕もこの席にいていいのかな?」
「大丈夫だぞ、デュノア。」
「そうですわ。同じ専用機持ち同士、交流を深めましょう。」
「そうそう。それにここで一人食事なんて、女子にとっては恰好の的よ。」
「私もそう思う。」
箒、セシリア、鈴、簪の順に話す。
「改めて自己紹介だけど織斑一夏です。」
「篠ノ之箒だ。名字で分かると思うがそこはあまり言及しないでくれ。」
「イギリス代表候補生のセシリア・オルコットですわ。」
「中国代表候補生の凰鈴音よ。」
「日本代表候補生の更識簪。」
「じゃあ僕も改めてフランスから来たシャルル・デュノアです。」
一同一通りの挨拶を終えると各々弁当を取り出した。シャルルだけは購買のパンである。
「一夏のオムライスおいしそうだね。」
「そうかな?」
「うん。」
シャルルは一夏のオムライスを見て率直な意見を述べる。家事経験が豊富な一夏には料理はお手の物である。
「アンタの料理もおいしそうね。」
「鈴、なぜ水餃子と酢豚しかないのだ?米は?」
「え、何言ってんの?主食があるじゃない。」
「どれの事だ?」
「水餃子よ。」
「???」
箒は鈴お言っていることが分からなかった。一夏はその疑問に答える。
「箒ちゃん、これはあまり知られていないんだけど向こうでの水餃子ってこっちで言うご飯的な物なんだよ。」
「そうなのか!」
「ええ、一夏の言う通りよ。こっちに来て炒飯と餃子を頼んだ客がいた時はいっつも疑問に思ったけどね。」
「ちなみに焼き餃子って前の日に余った水餃子を焼いたものなんだよ。」
『へ~。』
一夏の解説に鈴以外は感心する。
「意外と知られていないものもあるのだな。」
「まあね。アタシもこっちに来た時になんで割箸を縦じゃなくて横に割るのかわからなかったんだから。」
ちなみに日本文化で箸を横に割ることは隣の人に手をぶつけてしまわないためであることから由来している。
「そういやセシリア、アンタ今日料理は・・・・」
「作ってきましたが・・・・・・・・・・・自信が。一応同じ部屋の人にも見せてもらったのですが何分時間が無くて。」
以前に一夏にとセシリアは料理を振るってきたがその時の料理の味は一夏が笑顔で顔を青くするほどの破壊力があった。それ以降、セシリアは料理を作る時は第三者が見守る形でないと不安になってしまった。
「大丈夫だよセシリアちゃん。僕も最初の頃はそうだったから。」
「~~~~~~~~~~~~~~っ!ありがとうございます一夏さん!」
セシリアは一夏の言葉に心を撃ち抜かれた。
「い、一夏!私の弁当も見てくれ。」
「どれどれ・・・・・わー、おいしそうだね箒ちゃん。」
「そ、そうか?そう言ってもらえると嬉しい///////」
箒は一夏に褒められ顔を赤くする。
(なんだか温かいな、この場所。私もお姉ちゃんと一緒に食べたかったけどあの書類の山だと無理だよね。)
簪は生徒会室を訪れた時の書類の山を見た。
とてもじゃないが一日では無理であろうと言っても過言ではない量である。
「簪ちゃんは?」
「サンドイッチ。それなりに自信はあるよ。」
タッパの中に入っているのは卵、ハムサラダと言ったごく一般的に作れるものである。これで何故セシリアはあんな結果を生んだのであろう?
「ラウラちゃんは?」
「私は軍用レーションだ!」
どや顔でレーションを前に出した。根っからの軍人に染まっている。
「じゃあ食べよっか。」
一夏の言葉を始めに各々弁当を食べ始める。
食べているとふと鈴が思い出したかのように一夏に話しかける。
「そういや一夏、アンタ誰と組む予定なの?もし決まってないならアタシと組みなさいよ!」
「いいえ鈴さん、ここはわたくしと組むべきですわ!」
「一夏、兄弟機の様である私の機体と組むべきだ!」
「一夏、私と組め!」
鈴の言葉に反応するかのようにセシリア、箒、ラウラが出てくる。が、一夏は予想外の言葉を出してきた。
「えっとね、シャルル君と組もうって思ってんだ。」
『え!?』
「いや、男の子同士組んだ方がいいかな~って。それに僕が誰かと組んだらシャルル君をみんなで争奪戦しちゃうし。そしたらシャルル君が大変な目に遭うし。」
『うっ!』
一夏の言葉に言い返せない一同は仕方なくそれを受け入れることにした。
「それでね、ラウラちゃんにお願いなんだけど箒ちゃんと組んでくれないかな?」
「一夏の頼みなら来ても構わないが・・・・・・・・・・・・何故だ?」
「えっとね、セシリアちゃんや鈴ちゃん、簪ちゃんと違って箒ちゃんは専用機をもらってまだ間もなくてね。どうしてもプロが必要なんだ。」
「成程。流石に一夏らしいな。」
ラウラは一夏の言葉に納得するように頷く。すると箒が気になることを聞きに来た。
「すまないが一夏、ボーデヴィッヒとは何処で知り合ったのだ?」
「ラウラで構わん。そうだな・・・・・あれは二年ほど前か。教官がドイツで一年間指導教官をしてくれてな、その時一緒に一夏もいたのだ。最初一夏を見てひ弱かと思ったが、肉弾戦でケンジュツと言うものを用いた戦闘を行ってな。それから認めるようになったのだ。」
ラウラの言葉に一同感心する。
「結構一夏って強いんだね。」
「そんなことないよシャルル君。ただそれしか手段が無いからその手段を駆使しているだけだよ。」
「相変わらず謙虚ね~、アンタって。」
鈴がそういうと箒も頷く。
「そう言えばあとペアが決まってないのって三人だけだけどどうするの?」
「そうね・・・・・・・・・・・じゃあセシリアと組もうかしら。」
「あら鈴さん、それはどうしてですの?」
「いやさ、今日の結果はあれだけどアタシはアンタのISの特徴知ってるから戦いやすいなーって。それにあんた接近戦苦手でしょ?」
セシリアは痛い所を突かれる。
「た、確かにそこは否定できませんわ。・・・・・・・・ではよろしくお願いします。」
セシリアは鈴とペアを組むことになった。
「あ、簪ちゃんはどうしよう?」
「私は大丈夫。本音がいるから。」
『本音?』
簪の言葉に一同は声を上げる。
「簪ちゃん、もしかしてのほほんさんの事?でもなんで?」
「うん、本音は私の専属メイドみたいなものだから。」
「ば、馬鹿な・・・・・」
「そんなことが・・・・・・」
「疑ってしまうわね・・・・・」
簪の言葉が信じられない箒、セシリア、鈴。まあ、無理もないが。
「まぁ・・・・・・・・・・普通はそうだよね。でも本音以外とすごい特技持ってるよ。」
『例えば?』
「模型とかの組み立てが誰よりも上手なの。銃とかもできるって。」
『へ~。』
「でもその反面、射撃の成績が最下位だけどね。」
『あ~。』
その言葉に納得する一同。
何かしら得意であると何かしら不得意になる。
片方を取れば片方を捨てなければならない。両方欲張れば中途半端に上達する。
本音はわかりやすい例であった。