控室で待っている一夏とシャルル。待っている時間にふと一夏があることに気付いた。
「そういえばこの大会ってこんなにスムーズに進むの?もっと時間がかかるかと思ったんだけど。」
「ああ、それね。それはね、一夏のせいでもあるんだよ。」
「へ?」
シャルの言葉に一夏は間抜けな声を上げる。
「他の生徒から聞いたんだけど一夏の強さが証明されているから勝てる自信がないからたいていの人は手を抜いちゃっているんだって。でも中には本気の人もいるけど僕たち専用気持ちが予想以上に早く片付けちゃうからスムーズに進んだんだって。」
「へ~。でもそれって・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・聞いた話だと鬼が現れたって。」
誰とは言わないが出席簿を振り下ろす人だと一夏は連想した。
「ま、まあ僕たちは真面目に頑張っているから大丈夫だよ一夏。」
「う、うん!」
不安な顔をする一夏をシャルは励ます。
「失礼します。織斑君、デュノア君。準備が整いましたからピットに来てください。」
山田先生が控室に入ってきて二人に話した。
「じゃ、行こうか一夏。」
「うん、シャル君。」
二人は一緒にピットへと向かった。
〈さぁ、待ちに待った学年別トーナメント一年生の部、決勝戦!ここまで異常な速さで進んできたトーナメント。注目の選手が登場します!Aピットより出場するのは、世界的に有名である織斑一夏、及びシャルル・デュノアです。〉
アナウンスに合わせて一夏とシャルルがピットから出てくる。二人は歓声を浴びる。
〈続きましてBピットより篠ノ之箒、およびラウラ・ボーデヴィッヒです!〉
アナウンスに合わせて箒とラウラが出てくると二人も歓声を浴びる。
〈それでは双方、規定の位置まで移動してください。〉
双方共に規定の地まで移動する。
「やっと戦えるな、一夏。」
「待っていたぞ、一夏。」
箒とラウラが一夏と話す。
「あはは、僕は無視なんだね。」
「そんなことないよ、シャル君。」
「ま、まあそうだな。私は一夏との時間が長い分、ライバル視もあるから一夏を優先してしまうのだ。」
「そ、そうなんだ・・・・・・・・・・・」
「私は違うぞ。」
『え?』
ラウラの言葉に三人は間抜けな声を上げる。
「一夏、この場だからこそ言わせてもらうぞ。」
「う、うん・・・・」
ラウラは深く深呼吸すると大声で言い放った。
「一夏!この決勝戦で私が勝ったら、お前を私の嫁にする!異論は認めん!これは決定事項だ!」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・』
一同はラウラの言葉に唖然とし、騒がしかった会場は静寂に包まれる。そして・・・・・・・・・
『えぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええええええええええええ!』
『きゃぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああ!』
会場が騒然となった。
「ラウラさんだいた~~~~~~~~~~~~~~~ん!」
「こんなところで告白だなんて!」
「いける・・・・・・・・・・・・・これならシャル一でいける!」
「一シャルでも!」
「これでネームが10っ本浮かんだ―――――――――――!」
主に学校にいる生徒の声が響き渡った。ちなみにこっそりこの話を聞いて予約する国家のお偉いさんや企業社長さんがいました。
「ラウラちゃん、なんでこんなところで言うの!」
「うむ。副官が“こういった場所での宣言は多くの証人がいるため有効的”と言っておってな、実践したのだ。」
「ラウラ、私はお前のその度胸が羨ましい。」
会場が騒然とする中、アナウンスの人はブレずに続ける。
〈え~、少々ハプニングもありましたが時間が押しているためそろそろ始めたいと思います。〉
アナウンスの言葉に一夏は気持ちを切り替える。
「本気で行くよ、ラウラちゃん、箒ちゃん。」
「っ!・・・・・ああ、その目の一夏と戦いたいのだ、私は!」
「あはは、一夏ってほんとスイッチの切り替えが早いね。」
「そうだな。デュノア、勝たせてもらうぞ。」
〈それでは・・・・・・・・・・・・・・・・・試合開始!〉
ブザーが鳴り響くと同時にラウラが二人の間に大型レールカノンを放つ。
「私が一夏を相手する。箒、お前は―――」
「デュノアを相手する!」
箒は瞬間加速でシャルに接近すると雨月と空裂を同時に振り下ろす。
「くっ!」
ブレッド・スライサーを二本コールし受け止めるシャル。が、力押しされていた。
「なかなかだね、箒さん。」
「お前もな・・・・・・・・・・ふん!」
箒は一旦離れるとハの字に剣を振るいシャルを弾き飛ばす。
「ぐぅっ・・・・・・・!」
シャルは弾き飛ばされながらも体勢を立て直し、ガルムをコールする。
「ふっ!はっ!」
一方ラウラは一夏にブラズマ手刀と蹴りを組み合わせながら一夏に攻撃をするが一夏は雪片弐型を使い、攻撃と防御をしながら回避をしていた。
「はっ!」
一夏は逆手に持った雪片弐型を足で蹴り上げる。ラウラは後ろにバク宙しながら距離を取ると大型レールカノンを連射する。
「おっと!」
一夏は上に逃げる。
「ふっ!」
箒は雨月でシャルにレーザーを放ち、空裂で一夏にエネルギーの刃を飛ばす。一夏は零落白夜を起動させ相殺するとすぐに切った。
「上手くいかないか・・・・・・・・・・・・・・だがそうでなければ困る!」
箒はすぐにシャルの方を向き十字に雨月と空裂を振るう。レーザーとエネルギーの刃がシャルルン方へと飛ぶ。
「ぐっ!」
シャルは盾をコールし防御する。
「はぁっ!」
箒は一夏の方へと飛び空裂を突く。一夏はそれを左前回し蹴りで弾くとその勢いを利用して反転、雪片弐型を振るう。箒は雨月で防御する。
「相変わらずの柔軟な動きだな、一夏。」
「そう言うそっちは結構面白い攻め方するようになったね。」
二人は微笑む。そしてすぐに真剣な顔立ちになり離れるとラウラがレールカノンを放つ。一夏は回避しようと体を回転させるが掠ってしまい、地面に落ちる。
「もらったよ!」
一瞬のスキを突いてシャルが箒に急接近する。箒は反応が遅れ、接近を許してしまった。シャルの左腕に装備されているシールドがパージされ、中からは灰色の鱗殻(グレー・スケール)、通称・盾殺し(シールド・ピアース)が姿を現し箒に六回連続で叩き込まれる。一発でも操縦者へのダメージが大きいのを六回も連続であればさすがに堪える。
「がぁっ!」
箒は体勢を崩し地面に落ちる。
「打ちすぎが仇となったな。」
「っ!」
気づいた時にはラウラが接近しプラズマ手刀でシャルを斬り付けていた。
「ぐっ!」
シャルは離れようにも離れられなかった。
(せめて一夏に・・・・・・)
シャルはブースターを吹かしラウラから離れ、地面に降りるとアサルトライフルを一つ地面に置く。そしてシャルはサブマシンガンを両手にコールしラウラに向け放つ。
「なぜ武器を置いたかは知らんが勝たせてもらう!」
ラウラはシャルにレールカノンを放つ。シャルは上昇し回避すると手にAA-12と同じ形の銃を手にコールしラウラに向け放つ。連続して放たれる散弾。ショットガンとは段違いの連射速度である。
「くっ!それで来たか・・・・・・だが、私だけ見ていていいのか?」
「っ!」
「遅い!」
箒がシャルの武器を雨月で破壊すると空裂のエネルギーの刃を至近距離で放った。
「ぐあぁっ!」
シャルは弾き飛ばされアリーナの壁に背中を打つ。
「ぐぅう・・・・・・」
シャルは背中を丸める。
「これで・・・・・」
「悪いけど・・・・・・・・・・・もらうよ。」
「なっ!」
箒の目の前に銃剣と化した雪片弐型を突き付けた一夏が瞬間加速を使い急接近してきた。
お忘れかもしれないが一夏の白式は展開装甲が使われている。それは機体事態に限ったことではなく、雪片弐型にも言えることだ。
先ほどシャルが置いたアサルトライフルを一夏は回収し、雪片弐型を変形させ銃剣にし、箒に迫ったのである。
一夏は零落白夜を箒に押し付けながらアサルトライフルを放つ。
「ぐっ!」
箒は雨月と空裂を十字に構え銃弾を防ごうとするが零落白夜によってシールドエネルギーを大幅に削られる。
「箒、そこを動くな!」
ラウラが真上からレールカノンを一夏に向け放つ。一夏はすぐさま後退瞬間加速を使い回避する。
「すまない、ラウラ。」
「ああ。こっちは残りに余裕がある。そっちは?」
「二割を切った。正直、レーザーなどの類の兵器は厳しいと見た。」
「よし。ならば私が・・・・」
「そうはさせないよ!」
シャルが箒に向かい特攻を仕掛ける。
「くっ!デュノア!」
シャルは箒を特攻でラウラから離すと至近距離でグレネードランチャーを放つ。
「この距離でそれを使うとは正気か!」
「こうでもしないと、僕がやられちゃうからね!」
先ほどの攻撃でシャルのシールドエネルギーは20を切っていた。実弾兵器を使うとはいえ一回でも攻撃を受ければ終わってしまう。ならば捨て身同然の特攻を仕掛けるほかなかった。
シャルは可能な限り放った。
「ぐっ・・・・・・・・・ふんっ!」
箒は雨月をシャルに向け投げた。雨月はシャルのシールドエネルギーを0にする。
「くっ・・・・・・・・・・・・・ごめんね、一夏。」
「流石だな、デュノア。残りは一割二分・・・・・・・・・・・・やるしかないか。」
箒はそう言うと一夏のほうへと飛ぶ。
「ふっ!はっ!」
一夏は銃剣を振りながらラウラのシールドエネルギーを削ってゆく。
「くっ・・・・・・・・・・これを使うとは・・・・・・・・・・・・・・なっ!」
ラウラはワイヤーブレードを六本一夏に向け伸ばす。一夏は銃剣化した雪片弐型を剣に戻し、片手に雪片弐型を持ち、もう片方の手にアサルトライフルを持ちワイヤーブレードの先を銃弾で、止め、雪片で斬るを繰り替えず度、四度。四度全て当て、破壊したところでアサルトライフルの弾が切れた。
「くっ!弾切れか!」
一夏はアサルトライフルを放ると残りのワイヤーブレードを一本掴み、もう一本を斬る。
「構えた、ラウラちゃん!」
一夏は雪片弐型を収めると、ワイヤーブレードをハンマー投げの要領で投げ飛ばす。
「ぐぁあああああああああ!」
ラウラは突然のことに対応できず投げ飛ばされてしまう。一夏はラウラに向かい二十瞬間加速で急接近し、零落白夜を発動させシールドエネルギーを0にする。
(やった!でも残り一割二分・・・・・・・・・・箒ちゃんの方がまだ残ってたら危ない・・・・・零落白夜は一瞬で一回しか使えない。こうなったら!)
一夏は箒の方を向く。箒もまた一夏の方を向く。二人は互いに急接近し互いの武器をぶつける。
「くぅうううううう・・・・・・・・・・・」
「ぐぅうううううう・・・・・・・・・・・」
二人は一瞬離れると互いに剣を振るう。二刀流の箒に対し一夏は雪片弐型だけで対処する。互いの肉体に悲鳴を上げながらも振るう剣。
「やぁあ!」
一夏は雪片弐型を力強い剣を振るう。箒はそれに対し雨月で受け止めようとするが思いの外強く、雨月を手放してしまう。
((ここだ!))
一夏は零落白夜、箒はエネルギーの刃を使い、互いに同時に放った。
会場が静寂に包まれる中、アナウンスが告げる。
〈試合の結果を報告します。コンマ01の値まで調べた結果
学年別トーナメント一年生の部決勝戦は、引き分けです。〉
一夏はその言葉を聞くと、力が抜け、箒の胸に倒れる形で前に倒れた。