昼間の海水浴が終わり、生徒たちは夕食を楽しんでいた。一夏は旅館の大宴会場で和食を取っていた。
「あ、これ本わさだ!」
「本わさ?」
「うん!学園にあるのは練りわさって言っていろんな食材を合わせて作っているんだけど、これはわさびから摩り下ろしたのなんだよ。」
一夏の隣で座っているシャルの問いに一夏は答えた。反対側にはセシリアが座っていた。
「へ~。」
シャルはわさびを山ごと口に運ぶ。
「あ、シャルちゃんそれは・・・・」
「っ~~~~~~~~~~~~~~~!」
シャルは鼻を抑える。
「大丈夫、シャルちゃん?」
「ふ、風味があっておいしいね。」
「無理しなくていいよ、シャルちゃん。はいお茶。」
「ありがとう、一夏。」
一夏はシャルにお茶を差し出す。そんな中隣でセシリアがイゴイゴ動いていた。
「大丈夫、セシリアちゃん?」
「ええ。ちょっと足を痺れさせてしまって・・・・・」
「無理せず足を崩してもいいんだよ。」
「そ、それができないほどに・・・・・」
セシリアは正座に慣れていない分、足を崩すのも難しかった。そのため箸も進んでいなかった。
「あっ、そうだ!僕が食べさせてあげるよ。」
「えっ!」
『っ!!』
一夏の言葉にセシリアだけではなく、周りも反応する。
「は、あーん。」
「あ、あーん。」
弟がお姉ちゃんにあーんしている光景である。
「おいしい?」
「・・・・・・・・ええ、とっても!」
セシリアは声が上がって返事をした。
「ほら、あーん。」
一夏は無邪気な笑顔で続ける。その光景を写真に収める人もいた。
「この光景、ネタとしていっけるかな?」
「ショタが実はドSでってのなら・・・・・・・」
「うほwwwちょwwwwヤバwwwwww」
うん、いろいろ危ないね。
「♪~」
セシリアが鼻歌を歌いながら一夏の部屋に向かっていると箒、鈴、シャル、ラウラが襖に耳を立てていた。
「なにをなさってますの?」
「しっ!」
鈴が黙りように行動で示すと、襖越しに声が聞こえてくる。
「お前もだいぶ固くなったな。ほら、ここもそうだ。」
「んぁっ!そこは・・・・・」
「マッサージが上手いお前に私がするのは、まだ慣れないな。普段からしない分、下手でスマン。お前のほうが上手いのにな。」
「んきゅっ!」
「ここもだいぶ固くなっているのだな。」
襖越しから聞こえてくるその声にセシリアは顔を赤くする。
「な、なななな、なんですのこれは!」
セシリアも箒たち同様に聞き耳を立てる。すると襖が五人の重さに耐えきれず、倒れる。
「あれ?みんな何しているの?」
箒たちが見る先には千冬のマッサージを受けている一夏の姿があった。
「まったくお前らは、何をしているかと思えば・・・・・・・・何を想像してたのだ?」
『え、えっと/////////』
箒たちは千冬の言葉で顔を赤らめる。
「まぁそんなことはさておき、織斑、すまないがこいつらの飲み物を買ってきてくれないか?」
「はい。」
一夏は返事をすると部屋を後にした。
「さて・・・・・・・・・・・・・・・お前たちに聞くが、あいつのどこに惚れた?」
「えっと私は・・・・・・・・・小学生の頃に助けてくれた時に惚れました。」
「そうか。まああいつは誰にでも手を差し伸べるからな。オルコット、お前は?」
「惚れたというよりも癒されるところにひきつけられて・・・・・・・・・・かわいくて強いのが理由ですわ。」
「確かに、あいつの女装写真姿は一番かわいいな。」
(あの写真、持ってるんだ・・・・・)
箒たちはそう思った。
「凰はどうなんだ?」
「アタシは・・・・・・・・虐められてた時に助けてくれて、そんで・・・・・・・・真面目にあたしの告白に受け答えしてくれたところかな?」
「そういえば一時期そんな噂が立ったが・・・・・・・・どうやら本当だったようだな。デュノアは?」
「僕は助けてくれたところと、優しいところです。」
「まあ確かにあいつは体のほとんどが優しさで出来ているようなものだからな。ボーデヴィッヒは?」
「強いところです!」
「・・・・・・・・・・・・・・まあ、予想はしていた。とまあ、この話はここまでとして・・・・・・・・・・・篠ノ之、お前は一夏と同じ日に外出をしたな。」
ビクッ!
「どういうわけかその日以降のお前たちの行動がところどころ怪しい。さぁ・・・・・・
SHO U JI KI NI HA NA SE ☆」
「あ、あ、ああ・・・・・・・・・あ・・・・・・」
そして箒はすべてをさらけ出して星になりました。
翌日、なぜか燃え尽きかけている箒を含めた一年生は全員浜辺で企業側から送られた武器などのテストを行っていた。
「織斑、篠ノ之。お前たちはこっちに来い。」
千冬に呼ばれ、二人は近づく。
「なんですか、織斑先生?」
「実はな・・・・・」
「ち――――――――――――ちゃ―――――――――――――ん!」
「・・・・・・・・・・あれがメンテナンスをするようだ。」
遠くから千冬のことをあだ名で呼ぶ束が近づいてきた。束は千冬にダイブするが、千冬はそれを華麗に回避。そしてバックアイアンクローを決め束の顔を浜辺にめり込ませる。
「っ―――――――――――――――――!」
「全く・・・・・・・・・・・・お前はもう少し穏便に行動するということをしないのか?いや、頭は仮に良くてもそもそものところで馬鹿か。」
千冬はあきらめた感じでため息を吐くと束を開放する。
「ぶはっ!も~、ひどいよちーちゃん。」
「その呼び方は止めろ。早く二人のISを整備しろ。ああ、それとだな。」
千冬は束の耳元で囁いた。
「弟を取って喰うとはいい身分だな。後で倉庫裏で話をしようじゃないか。」
「っ!!!」
束も流石にそれには驚いた。
「そ、それじゃあ束さんはいっくんと箒ちゃんのISを見てあげないとね!」
束は逃げるように二人の元へ向かった。
「じゃあ二人とも、ISを展開して。」
「はい。」
「わかりました。」
二人は束の言葉に従いISを展開する。
「う~ん、やっぱりいっくんはコマメに診てあげているからあんまり不備はないけど、箒ちゃんは少し甘いところがあるよ。」
「すいません・・・・・」
「いいっていいって。束さんが三分で整備終わらせちゃうから。」
束はそういうと投影ディスプレイ式のキーボードを叩き始める。
(いっくんの白式はまだ二次移行してないけど性能をフル活用している。箒ちゃんの方は経験値がまだ少ないから次の武装はまだ展開できていない。それに性能に頼っている面があるね。)
束はそう思いながら三分ポッキリで整備を終える。
「はい、しゅ~りょ~。早いねー。さすが束さんだよー!これだとカップ麺ができちゃうねー。」
「束お姉ちゃん、カップラーメンばっかりだと健康に悪いから栄養を考えてな。」
「うんうん、気遣ってくれてありがとう、いっくん。」
二人がそう話していると山田先生が焦った表情で千冬の方へと来た。
「織斑先生、大変です!」
「どうかしたのですか、山田先生?」
「これを!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・っ、これは!」
千冬は生徒たちの方を向くと言った。
「全員注目!ただ今より現在行っている作業を中断、あったものは元の場所に返し、それ以後専用気持ち以外は部屋にて待機!なお、これに違反したものは教員が取り押さえる!以上!」
千冬の言葉に従い一同迅速に行動に移す。
「専用気持ちは会議室に集合しろ!」