タン・・・・・・・タタン・・・・・
武道場に竹刀と竹刀がぶつかり合う音が響き渡る。
「面っ!」
箒が竹刀を振り下ろす。
「ふっ!」
一夏は竹刀を横に八の字を描くように掬い上げる。箒の竹刀は上に上がり脇が開く。
「はっ!」
一夏は足払いをして箒の体勢を崩す。箒はバランスを崩すが片手を床に着き倒れないようにする。箒は片手で一夏の足元を竹刀で払う。一夏は上に前宙し箒の後ろを取ると反転し箒の後頭部に竹刀の先を突きつける。
「勝負ありだね、箒ちゃん。」
「ああ・・・・・・・・・・相変わらず強いな一夏は。」
一夏は箒に手を差し伸べると箒はその手を取り立ち上がる。
「でも箒ちゃんも動きが良くなっているよ。」
「お前にそう言われるとなんだか救われるな。しかしお前は相変わらず剣術に向いているな。」
「小さいからね・・・・・」
「す、すまん・・・」
一夏の地雷を踏んでしまった箒。一夏の背が低いことからどうしても上からの攻撃がよく来てしまう。おまけに背が低い分攻めるところが分かってしまう点から一夏は剣道ではなく剣術を学んだ。
「し、しかしなんだ。お前でもISを使って試験では使い慣れていなくて苦戦したんじゃないのか?」
「え?僕勝ったよ。」
「・・・・・・・・・・は?」
一夏の突然の一言に箒は間抜けな声を上げてしまう。」
「すまない一夏。聞き間違えじゃなかったら今お前は教師に勝ったといったのか?」
「うん。山段先生に勝ったよ。」
「・・・・・・・・・・・・一夏、今お前がそんなことを言ったのかわかっているんだろうな?」
「まあね。でも戦うことは剣術と変わりなかったし、それにPICや背中の推進器があったから戦いの幅が広がったよ。」
なんとも説得力のある言葉だろう。素人が熟練のIS操縦者に勝ったのは素人がオリンピックで金メダルを取るほどの驚きである。
「でも上手く体に合ってくれてないから動きに若干ムラがあったよ。」
「勝っていてそんなことを言えるのはお前くらいだな。」
箒は苦笑いをしながらそう言った。
時間は過ぎて遂にセシリアとの対戦の日。
「こないね~、専用機。」
「そうだな。それで一夏、策はあるのか?」
「とりあえず戦いながら専用機の武装と機動性を確認して、それから戦い方を考えるよ。それまでは逃げ回る戦法かな。」
「まあそれが妥当だろう。」
ピット内で待っている二人の下へ焦る山田先生と落ち着いている千冬が来た。
「織斑君、織斑君!」
「山田先生、なんだか焦っいるみたいなんで深呼吸してください。」
「そ、そうですね!スー・・・・・・・・・・はー。」
「落ち着きましたか?」
「ええ、ありがとうございます織斑君。」
二人がそう話していると千冬が咳払いをする。
「山田先生。」
「あっ!そうでした!来ましたよ、織斑君の専用機が!」
「お~。」
「織斑、時間が無いから早くこっちに来い。」
「わかりました織斑先生。」
一夏たちは千冬に付いて行く。
千冬たちに付いて行く先に格納されていたのは”白い“ISであった。
「これが織斑君のIS、白式です。」
「白式・・・・・」・ 何かはみ出してる
「織斑、時間が無いからぶっつけ本番でものにしろ。」
「は、はい。あ・・・・・」
一夏は白式に乗り込もうとするが背が足りないため乗れなかった。
「どうした織斑?」
「織斑先生、背が足りなくて乗りません。」
「全く・・・・・・・・・・今回だけだぞ。」
千冬は一夏を抱き抱え白式に乗せる。
(あ~、なんだか高い高いしているみたいですねー。)
(羨ましい・・・・・・一夏にあんなことをできるなんて・・・・)
山田先生は赤ん坊を連想し、箒は羨ましがる。一緒に寝たのに何を言うのであろうか。
「気分は悪くないか?どこか違和感は?」
「問題ないよ。」
「そうか。ならば行って来い。」
「うん。あ、箒ちゃん。」
「なんだ、一夏?」
「行ってくるね。」
一夏は笑顔で箒にそう言う。箒はその笑顔に心を奪われる。
「っ!・・・・・・・・ああ、行って来い。」
「うん。」
一夏はカタパルトに足を乗せ、前のめりに構える。
「織斑一夏、白式、出ます!」
一夏はピットから勢いよく発進した。