『織斑君クラス代表就任おめでとー!』
夜の広い一室で、クラッカーと拍手の音が飛び交う中一夏はクラス全員からクラス代表就任を祝われていた。
「ありがとね、みんな。」
一夏は一同に礼を言う。
「いやー、これで学年別トーナメントが面白くなるね。」
「ホントホント。」
そう言っているのは二組の生徒であった。
「そういえば織斑君、さっきから思ったんだけどそれって・・・・・・・・・・・・・・パジャマ?」
「うん。そうだけどどうして?」
一同は一夏のパジャマに着目する。一夏のパジャマはパーカーが付いているパンダのパジャマ。低身長な上にその可愛さとマッチして破壊力は抜群である。
「お前は昔から可愛いものが好きだな。」
「うん。だって可愛いから。」
((((そう言ってる織斑君も可愛いけどね。))))
一同一夏のその姿を見ながらそう思った。
「お~、おりむーもそーいう服着るんだ~。」
「うん。のほほんさんのって狐?」
「そ~だよ~。」
狐を着た女の子にパンダを着た男の子。この二つのペアが並ぶと自然と一同写真を撮り始める。
「絵になるよねー。」
「ねー。」
そんな状況に一夏は頬を赤らめる。
(普段とは違った可愛さの一夏もいいな。また一夏用のフォルダに新しいのが入った。)
箒は一夏専用のフォルダに写真を収める。因みにそのフォルダの量がありすぎて一部は現像し、アルバムにしている。
「はいはーい。写真撮影もいいけどここで新聞部からのインタビューでーす。」
写真撮影の中、二年生の生徒が入ってくる。
「私二年生の新聞部副部長の黛薫子。あ、これ名刺ね。」
一夏は黛から名刺をもらう。
「似た漢字でしかも難しそうですね。テストの時とか。」
「そーなのよー。名前書くだけでも回りよりちょっと時間取られちゃうからテストも少し遅れちゃうときあるの。でもまぁそんな私の名前を察してかテスト前に名前を書くようになってんだけどね。っと、いけないいけない。新聞部としてインタビューさせてもらうね。まず織斑一夏君、クラス代表としての意気込みは?」
「えっと・・・・・何分ISに触れてまだ間もないけど自分が出せる力と活かせるものをすべて活かして戦っていきます。」
「おー、いいねー。そういう子好きだよ。じゃあ次はそのパジャマについてだけど、織斑君はそう言った可愛いものが好きなのかな?」
「はい。小さい時から可愛いぬいぐるみとか生き物とかが好きです。」
黛のインタビューに答えた一夏の一言に箒はふとあることを思い出す。
「そういえば一度お前にたくさんの猫が寄って来たな。」
「篠ノ之さん、その写真ある!」
「ええ。」
黛は箒の言葉に食いつく。
箒はその写真をケータイの画面に出す。そこには小さい頃の一夏がたくさんの猫と一緒に昼寝をしている姿があった。
「ぐふっ!これほどまでの破壊力とは・・・・・・恐るべし、織斑一夏君!」
黛ですら一夏の可愛さに悩殺されてしまう。
「じゃあ織斑君、専用機を受け取ったことについてはどうかな?」
「正直モルモットって感じがしますけど空を飛べる感覚はとてもいいです。」
「オーケーオーケー、じゃあ次はセシリアちゃんいこうか。織斑君と戦ってどうだった?」
「ええ、一夏さんは初心者とは思えないほどの動きをしていました。一夏さんが習っている剣術と言うのもあるのでしょうが、何より私にはない、考えながら戦闘できるセンスが今回一夏さんが勝てた理由とも言えるでしょう。」
「ほほ~。じゃあ負けたことに関しては?」
「そこに関してはわたくしに直すべき点があることを改めて認識できましたし、今は一夏さんと共に直しています。」
「おおー、専用機持ちだけの特別訓練みたいだねー。オッッケーオッケー。じゃあ記念撮影といこうか。二人とも、握手して。」
黛に促され二人は握手する形で構えるが黛は撮ろうとはしない。
「あ、あの・・・・・・・・・・・先輩?」
「う~ん、インパクトになんか欠けるのよねー。っ!そうだセシリアちゃん、椅子に座って一夏君を膝の上に乗せてくれる?」
『ええぇ――――――!?』
黛の一言に一同驚きの声を上げる。
「はーい、苦情は受けないから早く。」
「えっと・・・・重かったらゴメンね。」
一夏は先に謝っておくと既に椅子に座っているセシリアの膝の上に乗る。
(ああ~、なんでしょうこの気持ち。小動物を愛でたくなるこの気持ちは。)
それ必須の母性である。
「じゃあ撮るよ~。」
黛がカメラに二人の姿を捉え、シャッターを切る。それと同時に一同カメラに映る。
「て、なんで皆さん入ってますの!」
「いいじゃん、セシリアだけいい思いするより。」
「みんなでいい思いする方がいいもんねー。」
「そうそう。」
そんな感じでダラダラと時間は過ぎていった。
翌日、一組のクラスはザワついていた。一夏と共に教室に入って来た箒とセシリアは何のことかわからず疑問に思っていた。
「おはよー、織斑君。ねえ聞いた?」
「なにを?」
クラスメイトに一人が一夏にあいさつがてらに一夏に話しかける。
「何を?」
「二組のクラスに転校生が来たんだって。」
「転校生?こんな時期に?それに一般からの転校ってこの学校出来るっけ?」
首を傾げる一夏の疑問にセシリアが答える。
「できませんわ、一夏さん。できるとしたら国家代表もしくは代表候補生ですわ。」
「そーそー、なんでも中国からの代表候補生だって。」
「中国かー。」
「なんだ一夏、気になるのか?」
「まあね。それに知り合いも今年の三月に中国に戻ったし。」
「む!」
知り合いと言う言葉に箒は反応する。
「でもまさかそんなことないよね。それよりも学年別トーナメントを頑張らないとね。」
一夏の一言にクラス一同反応する。
「そーだよ織斑君。」
「食堂のスイーツ半年無料券のためにも頑張ってよ。」
「おりむ~、ファイト~。」
クラスもみんなが一夏を応援する。そんな時であった。
「残念だけど、そうは簡単にはいかないわよ。」
教室に入り口付近から突然聞こえてきた方に一同視線を向けるとそこには一夏より少し高い背のツインテールの女の子が立っていた。
「鈴ちゃん?」
「そうよ。今日からここに転校してきた中国代表候補生の凰鈴音(ファン リンイン)よ。今日は宣戦布告しに来たってわけ。て、わっ!」
「鈴ちゃん久しぶり!背がおっきくなったね!久しぶりだね!」
一夏は鈴に抱き着く。
「ちょ、ちょっと一夏!いくらなんでもフレンドリーすぎよ!あんた自分が男って事自覚しないよ!(私的には嬉しいけど・・・・)」
鈴は頬を赤らめる。言葉とは裏腹に内心は嬉しそうである。
「あ、そろそろSHRだから戻った方がいいよ。」
一夏はそう言うと離れる。
「あ、うん。じゃあ一夏、昼休みに食堂でまたね。」
「うん、またねー。」
一夏は鈴に手を振る。
一夏はスタスタと歩き自分の席に着く。すると箒とセシリアが一夏に問い詰める。
「一夏、今のは誰なんだ!」
「教えてほしいですわ!」
二人が一夏を問い詰めた途端、天下の宝刀・出席簿が二人の頭に振り下ろされる。
スパパーン!
「うぉおおおおお・・・・・・」
「くぅううううううう・・・・・・・・」
「えっと・・・・・・・・・大丈夫、二人共?」
頭を押さえる二人に一夏は声を掛ける。
「さっさと席に着け馬鹿者!」
二人は千冬の言葉に従い素直に席に座った。
(千冬の腕前は私も知っているが痛い・・・・・が、羨ましい。)
(後で一夏さんにあの人との関係を教えてもらわないと・・・・・何よりハグまでしていましたし。)
そんな思いを抱きながら二人は千冬の授業を受ける。