まだスランプは治ってませんが、とりあえず最弱無敗の続きを書けました!
それと、ここで色々な作品の作者様にご報告というか、注意喚起です。
とある方から、この作品「最弱無敗の神装機竜『青き英雄』」のプロローグ部分が盗作されていると、ご報告を受けました。
一応確認してみましたが、すでに消されているようでした。
私個人もしては、好きな作品を盗作されるというのは許せません。
どうか、皆様もご注意お願いします。
何か暗い感じになりましたが、久しぶりの更新です。
それでは、本編どうぞ。
「どうだ?」
ユウキは機竜の確認を終え、自分の前に歩いてきたアイリに声をかける。
未だほんのり頬を染める彼女は、ゆっくりと話し始めた。
「機竜に異常は見られません。……ですが、
「ん?何か異常でも?」
「いえ、正常ではあるんですが……――これ、直したんですか?」
「……」
怒りを含めて睨みつけてくるアイリに何も言い返すことができない。
……おかしいな。外見ではわからないくらいには、綺麗に直したはずなんだが……。
実質、ユウキが自分の神装機竜を直した回数はそこまで多くない。そもそもそんなに乗っているわけではないのだ。
五年前のクーデターの時に一度だけ。
しかし、その一度での損傷が物凄く激しかった。機体自体にはほとんどない傷。その一方で、武装、そして特殊武装には目も当てられないような傷が数多く刻まれてしまった。
五年。
そう、五年だ。
ゆっくりと徹底的に傷という傷を直し、整備した期間は。
それだけかけて完全に整備したのだから、普通はわからないはず。
それを目の前にいる一つ年下の少女は言い当てた。『これ、直したんですか?』その一言にどんな感情が込められているのかは、ユウキにはわからない。――そして、彼女が怒る理由も。
しかしそれでも、やはり直された傷を言い当てるほどに彼女は優秀だ。
だから――。
「なんで分かったんだ?」
やはり聞いてみたくなる。どうしてそう思ったのか。
「簡単です。
――なるほど。直しすぎたのか。
「……異常は皆無です。余程、整備した人が優秀だったんでしょうね」
「……アイリ、何か怒って――いや、何で不機嫌?」
先程から感じていたことを聞いてみた。
眉に皺を寄せ、口をへの字を曲げ、ツン――と。
目も合わせてくれない。
「何でもないです」
「いや、何でもないってことはないだろ」
「……せっかく役に立てると思ったのに。これじゃ、私何か必要ないじゃないですか」
「え?何?」
「何でもないですよ!」と声を荒げて、さっきまでユウキが寝ていたソファに座る。
すると突然――顔がボフンと鳴って真っ赤に……。
「ど、どうした?……あっ。もしかしてさっきの――」
「さ、さっきのって何ですか!?」
「いやだから、顔近づけて――」
「わーわー!今すぐその口を閉じてください!」
「わ、わかった。わかったから、アイリ落ち着け」
手をブンブン振りながら、捲したてる彼女はいつもよりも少し子供っぽい。
ユウキはそんな彼女のことを素直に可愛いと思った。
「これが落ち着いていられますか!早急に誤解をですね!」
「誤解って何?」
「だから私がユウキ兄さんにキ――って、私は何を言ってるんですか!」
「自分にツッコミ!?アイリ、いや本当に一回落ち着け!何かもう色々おかしなことになってるから!」
――この後、落ち着いたアイリは体育座りをして10分ほど無言、さらに全く微動だにしなかったという。
*****
時間は経ち、日が高く昇る昼下がり。
休日の午後ではあるが、学園施設の一部は開かれていた。
実は、この学園にも少ないが部活が存在しており、休日に活動している生徒たちもいる。
「……で、アイリ何で俺はここに連れて来られ――って、そろそろ元気出せやい」
「……うぅ」
「ほらほら、よーしよしよし」
「……うぅ……え、えへへへ」
本当アイリは撫でられると弱いなー。
「えへへ――って、うわぁ!?」
「え?何?どうした!?」
「い、いや何でユウキ兄さんが私の頭撫でてるんですか!?」
「はい?え、まさか……今までの無意識!?」
――閑話休題。
「……コホン。それで、私がここにユウキ兄さんを連れてきたのは、リーズシャルテ様に頼まれたからです」
わざとらしく咳払いをするアイリ。
今更取り繕っても手遅れ感しかないが、話を進めるために深くはつっこまない。
「リーシャに?それはまた、珍しいな」
ちなみに今ユウキとアイリがいるのは、休日開放している演習場の控え室前。
機竜を装着するための専用着衣――装衣に着替えたり、軽い打ち合わせを行ったりするために、やや広めに作られている部屋だ。
「それでは、ユウキ兄さんは更衣室で装衣に着替えてきて下さい」
「えぇ?何で?」
「理由は後でリーズシャルテ様に聞いて下さい。ちゃんと説明がある……はずですので」
バタン、と。
軽い音を立てて、控え室に入っていったアイリにユウキはわけがわからず、首を傾げた。
「説明がある……はず?」
……何故に自信なさげ?
小さく呟いたユウキに返される言葉はなかった。
*****
扉が開き、見慣れた銀髪を揺らしながらアイリは控え室に入ってきた。
控え室の中には、十数名の装衣を身に纏った生徒たち。
その中には、ルクスとユウキのクラスメイトであるリーズシャルテやクルルシファー、フィルフィに加え、シャリス、ティルファー、ノクトの三和音もいる。
「頼まれた通り、ユウキ兄さんを連れてきましたよ。リーズシャルテ様」
「そうか、ご苦労だったな。アイリ・アーカディア」
小さく「いえ」と返して、アイリは自分のルームメイトであるノクトの隣に立つ。
「アイリ、ユウキさんは今回の事情を知っているんですか?」
「いえ、詳しく聞いてなかったので、話してません」
「……Yes.そうですか。しかし、それで大丈夫でしょうか?何せこれから行うのは――」
ガチャ、と。
ノクトが最後まで言う前に控え室の扉が開かれ、隣の銀髪とよく似た色の髪の少年と、その少年より身長の高い黒髪が入ってきた。
その表情と言えば、訝しそうに辺りを伺い、「何?この状況」とでも言いたげだ。
「おお!やっと来たか!」
「あの……リーシャ様?これは一体……?」
不安そうにリーシャにそう聞くルクス。
隣のユウキは、呑気にフィルフィやノクトに手を振っていた。
……Yes.ユウキさんは、少しマイペースなようです。
ノクトがそう思う中、
「それじゃあ、本題だが……」
「リーシャ様。本当にこの二人を『
突然、初めて見る顔の女生徒が声を上げた。
「当たり前だ」
『……へ?』
ユウキとルクスの素っ頓狂な声が重なる。
「実力はこれから示してやる。そのためにルクスの《ワイバーン》を直しておいたんだからな」
「えーっと、どういう話なんだ?」
どういうことなのか、わからずユウキは近場にいたシャリスに事情を聞く。
「リーズシャルテ姫は、君達をこの部隊に推薦したいそうだ。士官候補生でありながら、実技演習以外でも
爽やかな笑顔でそう答えるシャリスは、その後さらにユウキとルクスに詳しく説明した。……結局、アイリがユウキに言った『リーズシャルテ様が詳しく説明してくれるはず』という言葉は、見事に外れてしまったわけだ。
シャリスの説明を要約するとこうだ。
王都の防衛拠点といえる城塞都市である、現在の新王国では実戦を行える
故に、若くて才能と実力が突出した生徒を、規則で戦わせずにしておくのは、宝の持ち腐れだ。
そこで、士官候補生でありながら、特別に戦闘許可を持つ『
少数でチームを組んで、任務に当たるこの部隊は、もちろん任務に成功すれば報奨が貰える。よって、ルクスの『雑用』にももってこいなのだが……。
「でも、そんな簡単には入れないよね?この部隊にはさ」
「ええ。『校内戦の成績で、総合して高い評価を得ていること』、『機竜使いの階級が中級階級以上であること』、そして何より『現『騎士団』のメンバーの過半数が、その実力を認め、入団の賛成に投票すること』。この三つが揃わないとダメね」
見知らぬ女生徒がわかりやすく、説明してくれる。
「それなら、俺とルクスは無理じゃないか?」
「だよね。僕達はここに編入してから、実技演習もろくに受けてませんよ?」
「何だ、それなら平気じゃないか」
やけに自信たっぷりに……というかドヤ顔しているリーシャにユウキとルクスは苦笑いを浮かべる。
「先の二つの条件は、ただの前提に過ぎないしな。それにここにいる全員はわかっているだろ?――一騎打ちで私と引き分け、単騎で
「それはそうですが……」
周りの生徒達が、顔を見合わせてそれぞれの意見を言いだす。その中には、アイリやノクトの姿ももちろんあるが、彼女達は男子二人が『騎士団』に所属するのに、異議はないらしい。……アイリは単純に二人の実力を知っているからだが。
「でも、それなら何もメンバーが半数しかいない、今じゃなくてもいいんじゃないですか?」
その中で、小柄な生徒が疑問を投げかけた。
またしても、リーシャが答える。
「全体の過半数はここにいるし、大丈夫だろ?半数いるなら、ここにいる全員が賛成に投票すればいいんだからな」
……あまりにも横暴な気がするが、そんなこと勝手に決めていいんだろうか?
ユウキがそう思う中、先ほどまで黙っていたクルルシファーがユウキの隣に立ちながら、付け加える。
「ちなみにいないのは、全員三年生よ。シャリス先輩は用事があって行けなかったみたいだけど、今三年生は、二週間の王都での演習に行っているの」
「じゃあ、三年生が帰ってきてからにすれば――」
「いや、それはやめたほうがいいわ」
「――いいだろ?」と最後まで言おうとしたユウキの言葉を遮り、クルルシファーは続ける。
「現団長の三年生……セリスティア・ラルグリス先輩がかなりの男嫌いだから」
「なるほど。その大の男嫌い団長様がいたら、俺たち男の入団を許すわけがないし、団長様が反対すれば、三年……いや、ほとんど全員が反対することになるから、今がチャンスってことか。――リーシャ、頭いいな」
「ええ!?ユウキ、感心しちゃうの!?」
「だろ?」
「リーシャ様まで!?」
「兄さん、うるさいですよ」
「あっはい」
……ルクス、お前はそれでいいのか?いつまでも、アイリに負けたままで。というか、こいつもう違和感なく、妹に尻に敷かれてるな。――ほら、ノクトを見ろよ。結構ガチな方でドン引きしてるぞ?
「……No.どっちが年上かわかりませんね、これでは」
「ノクト、言ってやるな。ルクスだって好きで尻に敷かれてるわけじゃ……――いや、好きでやられてるのか」
「ちょ!?待って!ユウキ、僕はそんな変態的な趣味持ち合わせてないよ!」
「Yes.そうですよね……ルクスさんは変態じゃありませんよね」
憤るルクスにノクトが優しげな声をかける。……っと、ここでアイコンタクト。
「ノクトさん……!」
「Yes.変態ではありませんよ――だって、ド変態ですからね」
「ごめんな、ノクト。俺、勘違いしてた。ルクスは変態じゃなくて、ド・変・態だよな。いやー、俺が悪かった」
「いやいやいや、なんかまたおかしな方向に!!」
必死なルクスにユウキとノクトは首を傾げ、
「Yes.」「うん」
「「どうしたんだ(どうしたんですか)?ルクス(さん)」」
声を合わせて、
「「そんなに興奮して」」
――盛大にルクスを弄った。
「あーもう!なんでそんなに息ぴったりなんだよ!?何?打ち合わせでもしてきたの!?」
「No.」「してないぞ」
「また!?最近ユウキ達、夢にまで出てくるんだから本当にやめてよ!」
「なー、ノクト」
「Yes.何ですか?ユウキさん」
ユウキはノクトの方に手を置きながら、声をかける。
その視線はルクスを一瞥し、もう一度ノクトを見てから少し間を置き、
「夢に出てくるほど、俺たちのこと好きらしいぞ。ルクスが」
「Yes.夢に出てしまうほど、好かれているとは。ルクスさんに」
「「全く、素直じゃないよなー(ですよねー)」」
「長いよ!前置きが!」
「おお、まさかいじってる相手にダメ出しされるとは……。ノクト、もっと修行しないとダメみたいだ」
「Yes.これはいけませんね。早急に修行しましょう。まず手始めに、二人きりで合宿から――」
「コホン!」
ノクトの言葉を不機嫌そうなアイリの咳払いが遮った。
「……ノクト?」
「……Yes.すみません、調子に乗りました」
「……なあ、お前らそろそろいいか?」
リーシャの困ったような声に振り向くと、話は全て終わっているようで、皆こっちのやり取りを観察していた。
後ろでは「あらあら、ノクトさんったら、もうあんなに仲良くなられて」「抜け駆けですわ!」「ユウキ様ぁ!」など様々な声が聞こえてきている。……最後の人は、ちょっとヤバそうというか、近づいて欲しくないが。
「いいのか?いいんだよな?」
「リーシャ様、そんなに不安がらないでください」
「ルクス……」
優しげなルクスの言葉にウットリと頬を染めるリーシャ。しっかりと彼女の手を握って、目を見据えているルクス。二人のその姿はいかにも、付き合いたてのカップルのようで――。
「はー、めちゃくちゃ暑くないか!?この部屋!冷房!冷房を求む!」
「Yes.!こ、これは暑すぎます……!早急に冷房を……!」
「全く兄さんは、また女の人を誑かして……」
「ルーちゃん、めっ、だよ」
「はーい、フィル。頭なでなでー」
「んっ……きもちい」
「何なの?この状況……カオス?」
「あっ、クルルシファーがツッコミにまわった」
――数分後。
「コホン。で、ではルクス、ユウキ。これから私達と戦ってもらうぞ」
「全く……さっきまでのは何だったんだよ」
「ユウキのせいだよ!……それで、僕たちは誰と戦えばいいんですか?リーシャ様」
ルクスはリーシャへ当然の質問を投げかける。……ユウキへのツッコミを忘れないところには最早、何も言うまい。
「ん?もちろん――アイリ・アーカディア以外のここにいる全員だが?」
……。
…………。
「「は、はあぁぁぁあ!?」」
第七話でした。
今回はシリアスではなく、ほぼ全面ギャグ。一部キャラ崩壊的な感じになってしまいましたが、何卒多めにみてください。よろしくお願いします!
次回は、戦闘開始です。戦闘模写は苦手なので、駄文になるかもしれませんが、次回もよろしくお願いします!
読んでいただきありがとうございました。
それでは、また次回。