Bataille féroce BC école gratuite 作:川上低春
ⅳ号戦車
1937年に製造されたドイツ中戦車A、B、C、D。E、F、G、H、J型が存在しバリエーションが多い戦車である。
第二次世界大戦の開戦となるポーランド侵攻から主力戦車として登場しており、状況により改良を加え続け敗戦時まで主力を勤めていた。
(wiki 引用)
岡山県 BC自由学園 敷地某所
そこはオーバーロード言われており。特徴のある地形で第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦時に戦闘が行われた地形に似ていることから戦車道生徒や関係者からは敬意をこめて「オーバーロード」と愛称で呼ばれ、巨大トーチカが建造、塹壕が掘られて軍事演習なども行われている。
地形は主に東西で海岸地帯と、森林地帯に別れている。
西部の海岸は南北砂浜が長く続いており見渡し良い場所となっている。海岸の幅は50mあり、それより東には高さ40mほどの高さの崖が行く手を阻んでいた。陸地にあがるには南北にある緩やかな斜面の幅10mほどの道のみになっている。
崖上から東部にかけた地帯には大小さまざまな丘がある兵稜地帯となっている。目だった地形は中央にある一際大きな丘が存在して、東西南北のすべてが見渡されるそこには風車や教会が立てられており、丘を南に下ると西洋風の建物がいくつか建てられ小さな村になっている。北東にも民家が建っているが、大部分が崩壊しており、かろうじて家と認識できるぐらいである。
時刻は16時日が傾き始めた頃、今現在オーバーロードではBC自由学園戦車道学科対抗試合が行われていた。BC自由学園の戦車道では人数の多さから学科ごとに戦車道が存在し、対抗試合で勝ち抜いた学科の戦車道が主体となって活動することができる。今は最後まで勝ち抜いたBC高校派の「霧里野一建築工房学科」と全国大会出場した自由フランス学園「レナウルトン自動車学科」が対戦していた。
◇
中央やや北東部、南陣営スタートの霧里野一建築工房学科の軽戦車ELCが強引に敵陣に切り込んみ茂みの中に潜んでいた。
ELCとは正式名称「AMX ELC bis」で全長が5m、車高が1.5mで、幅2mの小型軽戦車戦車。その小ささから高い隠蔽率を持っているが、回転砲等を持っておらず砲の左右旋回には射角制限がついている。軽戦車なので装甲の代わりに走行速度が速く、火力高いのでヒットアンドウェイの戦いが得意。逆に砲等が固定され射角が限られているので、逃げながら撃つことも走りながら撃つことの行進間射撃は苦手としている。
その車内に操縦手の1年生刀リアと身長155cm黒髪のショートツインテールで目は釣り目の車長兼砲手兼装填手兼通信手を担う2年生枝園=Dテトが北西部の廃屋を東に進むレナウルトン自動車学科の車列を観察していた。
進軍していたのは、強力な砲と堅固な車体正面装甲。そこそこの機動力と良好であり俯角も10°のバランスが取れたフランス重戦車。車体前後にはみ出している巨大な履帯が特徴であるARL-44重戦車が1両。
Renault G1日本語名ではルノーG1。フランス中戦車で性能としての特徴は特筆すべきものは無く、車体の割に御椀型の砲等が小さく車体と砲のアンバランスさが特徴的な戦車が1両。
ARL V39駆逐戦車。90 mm AC DCA 45を搭載しているこの車両は車体と砲身の長さを合わせると10mほどにも長くなり、砲も高い火力を秘めている戦車が2両。
最後に高速榴弾砲は高い火力を持を持っている。ARL V39の開発元でもあるSomua SAu 40駆逐戦車が3両だった。
「レミングスですね」
「やっぱそこだったわね!。えーこちらテト、目標発見全車B0方向に進行中マーシャルどっする?」
テトは車内右に設置されている無線機を使い、マーシャルと呼ばれる女性の支持を仰いだ。
『うまいことこちらに誘え』
「うっす了解」
無線機を切ったテトは狭い社内から体を出し不適な笑みを浮かべながら、車内のリアに合図した。
「じゃ目標Renault G1ね。車体右に10度まわして」
「え?」
予想外の車長の指示にリアは戸惑うものの、すぐに車体を静かに敵車両に回す。
「いいのいいの!ようは向こうにおびき寄せればいいの。その過程で倒すなとは言われてないっしょ!」
テトは照準器を覗き込みながらそう答えた。また屁理屈をと内心思いながら、またいつものことと諦めいつでも車両後退準備をする。
ELCから見て敵車両一団は全て車体の側面を晒しているELC90mm砲なら撃破が容易であり、ここで戦力を削ごうというのがテトの考えであった。
「フー」
そう言いい照準機の引き金を引く。
すると爆音と同時に車両は少し後退。砲身が後退し元の位置に戻る頃にはRenault G1の側面には大きな穴から黒煙を上げながら、白旗を揚げていた。
「Renault G1行動不能確認」
「にししし当然。おっと全速前進斜面を全力で下るよ」
「え?」
敵のRenault G1以外の車長が奇襲後ハッチから周囲を確認し、白煙を上げている茂みに砲塔と車体を回転させている。ELCの装填速度では次弾を撃つことは不可能なので普通なら後退し射線を切ろうとするが、テトは真逆の前進し斜面を下れと命令してきた。
一瞬判断に迷うが敵車両は今まさに砲塔を回転させている。しかし後退しようものなら隣から性格に難ありの素行不良車長から罵声と蹴りが飛んでくるに違いない。
意を決したリアはスロットを換え、ECLは全速で斜面を下り始めた。すぐに敵車両も砲撃を開始。後方から爆音と振動が響きっぱなしである。
「あの鈍足戦車がこのELCについてこれるはずないっしょ。にんじんぶら下げながらじゃないとあの鈍馬は走ってくれないよ」
「だからってーー!」
「はい装填完了。車体180度回転。照準先頭ARL-44」
「ふぇええ!?」
もうリアに考える暇は無くテトに言われるがままである。ELCは今の速度のまま右履帯の回転を逆回転させ急速反転。車体が落ち着いた瞬間、 ARL-44の砲塔正面が着弾時激しい爆発を起こした。
「榴弾着弾確認したものの非貫通」
「でしょうね。後退しながら急速旋回指定ポイントに追い込むよ」
ELCは後退しながら砲撃。派手に揺れるELCではまともに当たらないが、敵をひきつけるには充分で横に展開した敵車列の砲は全てELCに向き順次砲撃してきてる。しかしリアは覗き穴から敵車両砲身の向きを的確に見定め。変速機と操縦桿を操りながら回避していく。
「これくらいで良いや。あとは敵が見失わない西の崖上から中央丘を迂回して指定ポイントに移動しておいて」
テトは照準機から顔を放した椅子に思いっきり席に預け手を頭の後ろに組み目を閉じた。隣のリアは内心ため息を着きながらいつものことと諦め操縦桿を動かし続けた。
◇
「あの先輩また余計な事を・・・」
身長155cm黒髪のショートボブで毛先が乱れジト目の1年生車長、水島鐘は中央の丘頂上の古びた木製風車に隠れながら双眼鏡で北で戦闘しているELCを見ていた。東の森林部から海岸方面に直進している。
予定より遅い到着と敵車両が1両減っている事からまたテトがスタンドプレイに走ったんだど想像し苦い顏をしていた。
ヘマさえしなければいいか
固い地盤と塹壕を無視して爆走するELCが北西部の崖上に到達すると車体を左に旋回させ南に進路を変えた。リアの操縦技術が上手いことは同級生の鐘も知っているが、整地されてない地面で土煙を上げながら派手にドリフトなんかすると履帯が壊れてしまうだろう。
リアの苦悩を想像しながらECLが中央やや西の崖上沿いを南に走っているのを確認し後方の斜面に停車しカモネットを被っている、独特のかわいいフォルムとほぼ曲面で構成され敵の攻撃を弾きやすい構造となっている「アヒル」ことAMX40軽戦車3両のもとに歩き。1号車の無線に手をとった。
「こちらAMX40、水島鐘。ELC目視確認予定コースを約20分遅れで進行中、餌も食いついています」
『了解そちらは敵最後尾が中央通過後指定ポイントに移動』
「了解」
◇
ELCはなおも爆走を続けており、400mほど南下するとテトは上半身を車体から出し、後ろにある古びた風車に目を当てた。その丘の中腹あたりにカモネットが被さっているAMX40を発見した。丘を下り後方に目をやらないと確認できないため、ELCに夢中になっている敵からは見つからないだろう。
「お、鐘はっけーん。ということは」
近くに敵の砲弾が着弾し砂利の雨が振っているのも構わず、テトは次に体を正面に向けた。崖上沿いを進み終えると100mほど緩やかな下り坂になっており、その後は右手に海岸と繋がる下り一直線の斜面。左手100mに民家が数軒立ち並び、あとは木々がまばらに生えている平原が続いていた
「マーシャルは・・・」
ELCの800m前方海岸に繋がる道よりさらに奥に濃い茂みが生い茂っている。
「Foch3両小隊あそこかなあいかわらず容赦ないね。とっとお!?」
突然大きく揺れた車体にあわてて天板の淵をを掴む。
「ちょっとしっかりしなさいよ!」
車体をどんどんとと叩く。すると車内から操縦手の大きな声で帰ってきた。
「さっきの無理な動きのしたせいで右履帯が破損しちゃったんですよー!!」
「そんなのあんたの操縦技術がないだけでっしょ!!それより平原突っ走りなさい。敵車両確認後は大きく蛇行して狙われないように」
「ふぇ?なんで?中央南下後は民家に身を潜めるって話じゃ」
「確実に車両を破壊するためにはFochに側面見せる必要があるでしょバカ!?丘を下り終えた敵は障害物のない私たちに車体を安定させるために足を止める。そこをマーシャルとハンターとアヒルで3方攻撃よ!」
「でもそれまで私たち逃げなきゃいけないってことですよね!」
「ああそうそう。やられたらわかってるわよね?」
にっこり笑いながら言うテトにリアは背筋がブルブルと震え操縦桿に入れる力がさらに増した。
「まったく・・・」
テトが後ろを睨むように振り向くとようやく敵車両ARL-44が崖沿いに到達。続いてSomua SAu 40の3両も到達。ARL V39の2両の姿が見えなかったが崖上すぐの丘上から狙い撃ちしようと別ルートを進んでいるのだろう。
テトの想像通り西端の丘からARL V39の2両が姿を現した。
「ほらARL V39がこっち狙ってるよ」
「え~~~~!!」
◇
ELC前方800m先に中央にFoch155と左右にAMX 50 Fochが1両ずつが茂みの中で停車していた。
AMX 50 FochとはAMX50フランス重戦車の車体を利用した駆逐戦車。全体的に優秀でバランスがよい戦車となっている。Foch155はAMX 50 Fochの改良型で機動力は低下した代わりに自動装填装置を搭載しており貫通力5秒間隔で3連射でき高い瞬間火力を備えている駆逐戦車である。Fochの3両ARL V39同様車体と砲身を合わせると全長10m近くになる。
そのFoch155には霧里野一建築工房学科戦車道隊長兼車長、身長170cmで金髪ツインテールでやや釣り目の3年生アデル=フェルディナン=フォッシュが車長席に座りながら覗き穴から800mほど前方で行われているELCの逃走劇を見ていた。
「こちらFoch155。Foch1号車2号車は丘上ARL V39の2両。水島率いる3両ははSomua SAu 40の撃破。私たちはARL-44を仕留める」
『こちら水島了解です』
『1号車了解』
『2号車了解』
『でマーシャル私たちは?』
「任せる」
『へーい。ならこのまま平原突っ走ります』
『こちらCDC私たちは待機かな?』
「任せる。好きにしろ」
『はいは~い』
「タイミングは水島に任せる」
『了解。Somua SAu 40 3両が私たちに背面を見せ次第攻撃します』
「各車確実に仕留めて反撃の隙を与えるな」
『了解!!!』
◇
5分ほど車内で待機していた鐘はSomua SAu 40が中央を超えELCを追うために100mほど南下し背面を見せたを見せた瞬間AMX40が一斉に砲撃。いずれも1発で白旗確認された。
間髪いれずFoch1号車2号車も丘上のARL V39をFoch155はARL-44を砲撃。1発で全ての敵車両から白旗が上がり、文字通り反撃の隙すら与える暇は無かった。
そして間もなく試合終了のアナウンスがアナウンスされた。