Bataille féroce BC école gratuite 作:川上低春
BC高校と自由フランス学園が合併した高校で、それぞれの元ネタになったのは第二次世界大戦のフランスでドイツの侵攻によって分断された、穏健関係を結ぶヴィシー政権と妥当ドイツで連合国軍と手を結ぶ自由フランス政権になっている。
ノルマンディー上陸作戦によってフランス本土には再び連合国軍が上陸した。パリの解放が行われるとヴィシー政権は崩壊し、フランスの大半は奪還。1945年のドイツ降伏によってフランス全土は再びフランス政府の手に戻った。
なので合併前のBC高校と自由フランス学園がドイツ侵攻によって分断されているフランスの2つの政権。
ノルマンディー上陸作戦からパリ開放までの作戦名が「オーバーロード作戦」なので、
イメージとして2話の試合でパリが開放さフランスが無事統一された感じ。
ただアデルたちは元BC高校で対戦相手が元自由フランス学園なので史実どおりなら、元自由フランス学園が勝たなきゃいけないんですけどね。ただガルパンの設定で自由フランス学園の方が権力が強いの設定だったので、BC高校が勝つ設定にしました。
聖グロリアーナ女学院学園艦校舎内
高い天井に壁一面に広がる豪華な装飾模様。床には赤を主張とした豪勢な絨毯。
アデルはその絨毯の上を歩き、周りより一段大きい白い扉の前で立ち止まりノックした。返事の後部屋へ入ると部屋内も同様に豪勢なつくりをしており、棚には大会のトロフィー、チャーチルやマチルダなどイギリスの戦車の模型、作戦指示で使うであろうホワイトボード。中央に応接用の大きなソフォーと間に長机が置いてある。そして部屋の一番奥には将軍や王などが使用する業務机と豪勢な椅子置かれており、そこにはイギリス戦車道隊長ダージリンが紅茶を飲みながら座っていた。
アデルがダージリンの元まで歩き丁寧にお辞儀をした。
「始めましてBC自由学園線車道新隊長アデル=フェルディナン=フォッシュです」
「ご丁寧に聖グロリアーナ女学院学園戦車道新隊長ダージリンですわ。さ、おかけになって」
ダージリンも立ち上がり、応接ソファーに座るように促した。アデルは素直にソファーに腰をかけると、その向かいにダージリンが腰掛けた。
「ちょっと待ってくださる?もう来ますわ」
アデルとダージリンがソファーに座り程なく扉にノックオン音がし、オレンジペコが台車とともにやってきた。
「失礼します」
カラカラと二人の近くに台車を押してきたオレンジペコが紅茶を入れ二人の前に置いた。
「どうぞ冷めないうちに」
「ありがとう」
「ありがとう」
ダージリンがまず紅茶を飲み、アデルが続いて少し口をつけると静かにカップを机に置いた。
「お口に合いませんでしたか?」
「いえとてもおいしいです」
ダージリンはアデルの反応に含み笑いをしながら紅茶のカップを静かに揺らし波紋を見つめている。
しばしの沈黙のうちダージリンがもう一杯紅茶を飲みアデルの瞳を見つめた。
「それで新チームはどうです?部内も一新されて大変でしょう」
「あなた方が想像しているほどの苦労はありません。それにあの学園が今まで怠ってきたつけです」
「それに戦車を全部用意したとか。よく資金調達できましたわね」
まだ学科対抗試合が終わり間もなくにも関わらず自分達のBC学園内の情報が他校の戦車道まで漏れていることに加え、あまり聞かれたくない内情報まで知っているダージリンに驚くも、やましいことは何一つしていないので平常心で答えた。
「まぁいろいろと・・・」
アデルはそれ以上は語らずダージリンもそれ以上は聞かなかったが、ダージリンの目の前にいるアデルのまっすぐな瞳が自分にやましさの欠片も無いことを物語っていた。
「そう。ではそろそろ本題に入りましょうか」
「用件は先日書面で送ったとおりです。私たちと練習試合を行ってはもらえないでしょうか?」
ダージリンはさらに紅茶をゆっくり堪能するように飲む。
「私たちはかまいません。ですが何故私たちなのです?」
「全国大会BC自由学園が初戦で敗北した聖グロリアーナ女学院。あなたたちと戦い以前の私たちの違いを計ってほしいのです」
「BC自由学園の新旧戦車道。それならあなたが隊長になっていることが証明ではなくて?」
「あれに負けるのであればBC自由学園の戦車道は廃部になるべきです」
「勝って当然ですか・・・・・ひとつ昔話をしてあげますわ」
「?」
突然ダージリンの意味不明な言葉にアデルは疑問を持つがダージリンは構わず続ける。
「昔ある漁師はシュールストレミングが大好物だったそうよ。ある日友人が「何故そんなものを食べるのか」と聞くと、彼は「味やにおいがすべてじゃない中身が大事なんだ」と言ったそうよ」
「・・・・・・」
目を閉じ考え、アデルはもう一杯紅茶を飲み考える。
「別に試合は私たちでも構いませんが、もっと相応しい相手がいますわ」
「?」
「大洗女子学園なんてどうかしら」
「あの全国優勝した?」
「ええ廃部していた戦車道を復活させ、ついこの間優勝して見せた学園です。どう相手にとって不測は無いんじゃないんかしら?」
ダージリンの思わぬ提案にアデルは思わず眉を顰めてしまった。
「ええまぁ・・・・しかし何故?」
「あの学校も戦車道をを復活させて間もない学校なの、あなたと条件が同じだと思ったまでですわ」
「・・・ですが大洗女子学園には西住流の娘がいると認識しています。彼女がいてこその優勝だと思います」
「それは否定できませんが、あなたの家系も立派なものではありませんかフェルディナン=フォッシュさん」
「・・・・・」
「大洗の方には私から連絡しておきます。その後の詳細な連絡はそちらで」
ダージリンがやや強引に話を進めたが、アデルは素直に礼を良い立ち上がり深々と礼をした。
「ええわかりました。ありがとうございます。では失礼します」
「ふふ健闘を祈りますわ」
◇
アデルが聖グロリアーナ女学院に練習試合を申し込みに言っている最中のBC自由学園艦霧里野一建築工房学科戦車道部室内。12畳程度の部室に練習を終えたシャールとテトの2人がいた。 シャールは壁際で電話に出ており、テトはソファーに横になりながらで漫画を読んでいた。
「ええはい・・・・・はい、はい・・・・・わかりました。失礼します」
「隊長から~~~?なんだって?」
漫画をテーブルに投げ、小さな身長で大きく伸びをしたテトがシャールに聞いた。
「夜には帰ってくるって」
「ふーんそう。で試合のほうは?」
「それがどういう訳か大洗女子学園と対戦することになったらしいわ」
今まで興味の無かったテトが急にシャールのほうを見る
「は?なんでグロリアーナ行って大洗と試合するのよ」
「さぁ?アデルもよくわかってないみたい」
「なんじゃそりゃ意味がわからん」
「そうね。まあアデルが判断したんだから大丈夫でしょ」
なんも根拠はないがシャールは先輩という枠を超えてアデルを信頼しており、テトもまたアデルの予想外の行動に対して同様はせずいつも通りであった。テトの場合は練習試合事態に興味が無いのも理由のひとつであった。
しかしテトも含め個の強い人間が集める霧里野一建築工房学科戦車道を1つに纏め上げたのがアデルであり、生意気な態度をとるテトでさえも彼女を信頼していた。
「まあ良いや今日はもうミーティングないだろうし帰るわ」
「そうネ。私ももうそろそろ帰ろうと思っていたの、久しぶりに一緒に帰りましょ」
「パス私お腹すいたもん」
「なら最近できた喫茶店にいきましょう」
「えー」
「結構人気らしいわよ。お菓子とか特に洋菓子がおいしくて」
その言葉にテトの目の色が変わった。
「!?ならいくっわよ。ほらぐずぐずしない」
大の甘い物好きのテトは自分の荷物を10秒で鞄に詰め込むと、呆然としてるシャールをせかした。
「はいはい」
予想以上の反応に驚いたシャールは普段見せないテトの態度がとても面白く、出発を急かすテトに反してテトの態度を楽しむようにゆっくりと帰る準備をした。
◇
BC自由学園の商店街通り、そこはフランスを模した建物でレンガ調の道路と建物が立ち並び、歩道にはパラソルつきのテーブルとと椅子がいくつも備わり、天気が良い今日なんかは外で食べると気持ちがよさそうである。
そんな中をテトとシャールは周りの店を見ながら静かに歩いていた。
ここBC自由学園も学園の運営方針が変わる前まではBC高校派と自由フランス学園派で領地のような物が暗黙の了解で決まっていた。今二人が歩いているここも元はBC高校の領地であったが以前に比べ、運営方針の転換後は人通りも多く活気付いていた。
「しかしここら辺も随分雰囲気変わってるわね。前より賑やかだわ」
「そう?私は毎日ここ通ってるから気づかなかったわ」
「最後に来たのなんて・・・・あ、思い出したあんたの道案内した時だ」
当時のことを思い出したのかテトが眉間を押さえる。
「そう。テトがここをつれてきたおかげで今も私がここを歩けてるのよ」
テトにやさしい笑顔で向くシャールに恥ずかしくなったテトが思わずそっぽ向いてしまった。その姿にシャールもクスッとした。
「だいたいあん時だって霧里野一建築工房学科の戦車道中騒然としたんだから、おかげでこっちは言われないのない恨みを自由フランス側から買われるし、あんただって向こうから何かされたんでしょ」
「ん~~あったかなー覚えてないわ」
「こっちわはっきり覚えてるわよ。あんたの所行に翻弄されっぱなしよ!」
テトが言っているのはテト、シャールが1年生時、普通では考えられない行動、つまり元自由フランスの生徒がBC高校派の学科「霧里野一建築工房学科」の戦車道部に入部したことだ。
当時はシャールのことをBC高校派はスパイや蔑称で「フロッギー」逆に自由フランス派からは裏切り者「クラウト」などと蔑まされていた。
入学後もシャールは学園に通い続けたため、やがてその奇行は部内に留まらず学園全体にまで広がり騒然とする事件があった。
「ふふでもあの時テトが真っ先に話しかけてくれて私は嬉しかったよ」
「こっちわ溜まったもんじゃなかったのよ!!だいたいなんであんたはこっちの戦車道に入部したのよ」
「・・・私、人が決めた道をただ歩くの好きじゃないの」
「はぁ!?」
「それに私の目に狂いは無かったと思ってるわ。こうしてあなたと出会えてこうして楽しく話し合えてるんだし」
シュールのまっすぐな瞳と揺ぎ無い言葉に思わず視線を外してしまった。しかし感謝されたテトも嫌いではなかった。
「・・・・ほら!その有名な喫茶店ってどこよ」
「もうちょっとさきよ」
嬉し恥ずかしそうな表情をしながら前を見るテトと楽しそうにその表情を眺めるシュール。2人もうはしばらくレンガの石畳を一緒に歩いていった。
◇
カタカタカタ
ポチポチ
テトとシュールが帰宅中、同時刻BC学園学園寮の自室にいる鐘は体育座りとも、しゃがむともつかない座り方でヘッドホンをしながらパソコンを凝視していた。画面には戦車の3Dゲームが映し出されており、鐘が扱っている戦車は斜面から顔を出し敵の砲弾を弾いていた。
「・・・・・」
カチッと左クリックで敵の車両を破壊。最後の車両を破壊した鐘はリザルト画面を確認した。
「やっと終わったわね!」
鐘のヘッドホンが急にはずされ環境音とルームメイトの声が鐘の耳に入ってきた。
「何するのさー私の有意義な時間をーー」
ヘッドホンをとられたことに腹を立てながら手を伸ばし取り返そうとするが、立とうとはせず椅子に座っている鐘では友人の立って手を上げている高さまでは手は届かない。
「あんた人に3時に声かけろって言ったでしょーが。わざわざゲーム終わるまで待ってやったのに」
「ん?もうそんな時間でしたか」
くるっと椅子を回転させ机に置いてある携帯を手に取りメールを確認する。
「今日はもうありませんか」
シャールから連絡が無いことを確認し元の位置に携帯を置くと、油断していた友人からすばやくヘッドポンを取り上げ再び定位置についた。
「はー」とルームメイトがため息を漏らしながら自分の別ベットに戻り、置いてあった週刊誌を手に取った。
これが鐘の休日。
戦車道時はしっかりとした物腰であるがひとたび戦車道を離れればその面影はなく、ひたすら部屋に篭りゲーム三昧である。最初は戸惑ったルームメイトも今では鐘の行動に馴れていた。特段騒がしいとかではないのだが、夜中までゲームを続けるの勘弁してほしかった。
「あ、それと夕食外に食べに行こうと思うけどどう?」
鐘からの返事は無くキーボードとマウスのの僅かな音だけが返ってきた。まこれもいつものことと思い週刊誌を読む。
「では18時ごろに声をかけてください」
返事はその一言だけだけだったが、これもいつものこと「了解」と一言返し週刊誌を読み始めた。
◇
午後10時過ぎ、BC自由学園に1機のフランス輸送機「ポテ65」が着陸しアデルが降りてきた。彼女はそのまま休むことなく戦車道顧問の元へ足を運んだ。
◇
「報告は以上です。詳しい日程については後日、大洗女子学園と調整したいと思いますがよろしいですか?」
「ええ構わないわ。あなたには何かと苦労させるわね」
「いえ問題ありません。では明日も練習があるので失礼します」
端的に報告を終えたアデルは部屋を出た瞬間フーと短く息を吐き、今日の一通りの仕事を終わらせた体で帰路に着く。部屋に着くと着替えずにまっすぐベットに向かいベットそのまま倒れこんだ。
5分ほど目を閉じていると何かベットに乗っかる音がして、アデルの頬に湿った感覚伝い忘れていた存在を思い出す。
「ただいま」
目の前には1匹の猫がアデルの目の前に座っていた。静かにそう言いアデルに顎を撫でられ気持ちよく鳴く猫の名前はミヤ。
しばらく撫でた後アデルはキッチンからキャットフードと牛乳を取り出し、ミヤとかわいい手書きで書かれている容器にそれぞれ入れた。ミヤも腹が減っていたのかすぐアデルのところに来て無我夢中に餌を頬張ってる。
「餌少なかったね。ごめんねこんなに遅くなるとは思わなかったから」
夢中になって反応の無いミヤをを撫でながら、静かにその様子を眺める。ボーっと眺めているとついつい戦車道のことを考えてしまう、今が山場なのは皆もわかっているであろう、いまだにBC学園派は、あの試合に対して意義を唱えているし嫌がらせの噂も入ってきている。
皆相応の覚悟で今を望み、そして手に入れた。今回の大洗女子学園との試合も勝利すれば幾分認め手くれるだろう。
なんとかここは乗り切ろう。
戦車道のことを考えすぎてしまい、目の前にミヤがおらず自分の手が何も無い空を撫でていることに気づいた。見渡すとミヤは棚からはみ出ているねこじゃらしを猫パンチをしてじゃれていた。
バッシ!
留めの一撃といわんばかりのパンチで猫じゃ裸子をぶつとあまりの衝撃にねこじゃらしは棚から飛び出しアデルの元へ飛んできた。思わずそれを拾うとミヤがまたパンチを繰り広げ始めた。
ミヤも相当ストレスが溜まっていたのだろう。ミヤの行動に思わず顔がほころんでしまった。猫じゃじゃらし上下にするとミヤもジャンプしそれに合わせる。それが思わず楽しくなってしまい時間感覚を忘れてしまった。
アデルが眠りにつくのは外が明けてきた午前4時くらいであった。
またもや頬に感覚が伝う。
「・・・・・・」
「ニャー」
ペロっとカーペットで制服のままで寝ていたアデルをミヤが起こす。時計を確認すると丁度いつも自分が学園に向かう時間であることに気づいた。しかし自分の身なりが服も洗って無ければ、ご飯もシャワーも済ませてないことに気づく。
ポクポクポクチーン
考え抜いたすえアデルは力尽きもう一眠りしてから考えようということにした。
◇
BC自由学園戦車道グラウンド
アデルが2度寝し始めてから2時間。
いい天気の朝で戦車道にもってこいの天気日和で休日の今日は朝から練習があり、グランドにはすでにFochやAMX40を含む15両が並んでいる。その中のELCの上で横になっていたテトが隣のAMX CDCの中にいるであろうシャールに大声で叫ぶ。
AMX CDCとはフランス中戦車で強力なエンジンと軽量な車体のおかげで非常に高い機動力を持ち、また90mm砲は高い発射レートのための砲弾装填装置を搭載している。しかし軽戦車並みの速度を持つ分、装甲も並みの中戦車より薄いのが弱点である。
「ねーシャール!マーシャルいつくんのさー!!」
その声に天板のハッチが開きシャールが出てくる。
「まぁいつもの寝坊でしょう」
「まったくあの隊長どこかネジ緩いわよね」
「あなたにとってはネジがしっかり締まってるより良いでしょ」
「まあね」
暇を持て余したテトがELCの堅い装甲の上でゴロゴロしている。シャールは少し考えた後、テトに提案を持ち出した。
「なら鬼ごっこなんてどう?」
「えー」
「テトはアデルが来るまで逃げ切れれば勝ち。逆に行動不能になったら私たちの勝ち」
「あんたが鬼で私が逃げなのはわかったけど私たちだけでやるの?」
「いいえ逃げはあなただけ鬼はあなた以外全部。あなたは発砲禁止逃げるだけ。まっ無理ならやめて良いわ」
「勝ったら賞金はあるんでしょうね」
さも当然のようにテトがシャールに問う。
「部員一人につき食券10枚貰える。あなたが負ければテトは1週間部活終了後必ず全車両の整備点検するってのはどう」
「ふふふそれってスタートした直後にアデルが来ても私の勝ちってことよね?」
「ええそうよ」
「はははははこの勝負私たちの勝ちね!!行くわよリア!」
「イテ!はハイ!」
ELCは全速前進で発進。訳もわからない生徒を他所にELCはさらに煙幕を巻きながらグランドを抜け雑木林に走り去っていった。
「皆今日の練習は偵察機狩りよ。狩ったらテト達が私たちの車両を毎日点検してくれるわ、さらに私から行動不能にした生徒には食券1ヶ月分あげるわ」
「「「「「!!?」」」」」
テトならともかく滅多に冗談を言わないシャールが言った言葉に部員全員数秒の思考後一斉にエンジンを駆け順次出発し始めた。
シャールもCDCの内部に入ろうとしたところで右後ろから鐘の乗るAMX40が前進してきて、後部ハッチから鐘が出てきた。
「なんでまた余計なことをしてるんですか」
「たまにはね?」
「そうですか」
「それにあなたもテトを倒せるチャンスよ」
「それは若干楽しそうです」
「ふふふ行ってらっしゃい」
「1つ質問ですが隊長は何時頃来ると見込んでますか?」
「15時から16時ぐらいかしら」
「外したことは?」
「ないわ」
「了解」
そう言い鐘は戦車に入りハッチを閉める。 なんだかんだ言って鐘もこういうことは嫌いではなく、逃げた方向と先の地形からテトがどう動くか予想しAMX40を発進させた。
シャールも戦車内に入る。
「そうそう。もちろん私たちが倒したら皆に10枚ずつ食券プレゼントするからね」
「了解」の掛け声とともに無線手、装填手、砲手、操縦手はびしっと敬礼。目の色を変えた彼女たちはすぐ各種準備を終える。
練習試合などになるとどうしても学園を背負うこと、自分の役割を完全に全うすることなどしがらみは多い。今のBC自由学園の現状これからもっと苦しいことは起こるに違いない、こういう時間のある間に羽目をしてもラオ戦車道を楽しんでリラックスしてもらいたいとシャールは思っていた。
しかし本音はテトを利用して馬鹿騒ぎがしたかったのだ。
ことが上手く運びすぎたシュールの顔は意地悪な笑みが漏れ、発進命令もやや声のトーンが高かった。
結局アデルが起きたのは午後13時。それからシャワーを浴び着替え、朝食を済ませたのが14時。家を出て学園に着き、倉庫に部員がいることを確認したのが15時30分のことであった。
鬼ごっこが始まったのが10時からからなので、アデルが来るまで5時間以上当然燃料が持つわけも無く、交代で燃料砲弾補給していた鬼に13時頃に捕まっていた。今はテトに整備させる割り振りを考えていた。
「あ、マーシャル遅い!!」
「あらアデルおはよう」
「ああおはよう。すまないだいぶ遅くなってしまった」
「全然むしろありがとうよ」
テトとシャールのあまりにも違うテンションにアデルは首を傾げてしまった。その行動にシャールが「気にしない気にしない」と手を振っている。
その横でテトが唸りながら床を転げまわっていた。