Bataille féroce BC école gratuite 作:川上低春
勉強不足?何故Ⅳ号は10,5 cm KwK 42 L/28なるものを搭載できるのだろうか・・・・
5.「練習試合です」
大洗戦車道倉庫
部活前、部員一同はカメさんチームの乗るヘッツァーの前に集まっていた。理由は直前に生徒会長角谷杏から集合するように言ってきからだ。
突然ことにみほを含め全員が期待と不安の声が聞こえている。
そのみほの下に沙織がやってきた。
「何があるのかな。ミポリン聞いてる?」
「ううん何も」
隊長であるみほなら何か知っていると聞いてみたが、何も知らないとのことなので沙織はうーんと頭をかしげながら想像していた。
「新しい新入部員でも来るのかな、それとも新しい戦車が見つかったとか?」
戦車という言葉に反応して優花里が飛び込んできた。
「おおではカヴェナンターですかヤークトパンターですか!」
「何ヤクパンだと!」
砲塔の無い戦車が来るとの噂が聞こえカバチームのカエサル、エルヴィン、左衛門佐、おりょう一斉に優里花へと振り向いた。
「いやいやまだ決まってないってば」
手を振りながら「ないない」と先走った妄想をする優花里に沙織がツッコミを入れる。
「来ましたわよ」
華の言葉にヘッツァーへ顔を向けると、杏を先頭に柚子、桃の生徒会が立っていた。
「ほら麻子起きて生徒会長たち来たから」
「起きてるぞー」
沙織が麻子を揺さぶるが、ほとんど目をつぶり体をふらふらさせながら返事をしているのでまったく説得力はなかった。
「皆の者鎮まれ!」
桃の声に辺りが静寂を包み、倉庫から入ってくる風の音が聞こえてきた。
「会長どうぞ」
「うん」
杏が一歩前に進む。あんこう、うさぎ、かも、カバ、レオポン、アヒル、アリクイ全チームが杏の声を待ち固唾を飲んでいた。それから深呼吸のように思いっきり息を吸った。
「練習試合するから」
ドッとざわめき立つ部員に杏は何も言わず、続けて柚子が話し始めた。
「夏休みに入って間もないんだけど、今週の金曜日岡山で練習試合行うことになりました。詳細は部活後各隊長に伝えますので、生徒会室に集合してください」
「じゃー練習はじめるよー」
「各車準備をしてグラウンドに集合!」
3人はすぐにヘッツァーに乗り始め、周りの質疑には一切答えず、皆が動き出したのはヘッツァーのエンジン音がかかった時だった。
あんこうチームもⅣ号の元に歩いている。
「今会長なんて言ったの」
「練習試合らしいですね。岡山県といったら最近話題のBC自由学園ですよ」
「でも今週だなんて随分急ですね」
「なにかあるんじゃないか・・・」
「ほら皆出発しましょう」
「はい」
「了解であります」
「って麻子そんなところで寝ないの!」
沙織が気づくと麻子はⅣ号の車体正面にもたれかかり寝ようとしていた
「眠いー」
「こらー!」
◇
部活後各車長が生徒会室ソファーに座り、練習試合の詳細が記されている資料に目を通している。記載内容は当日の日程と試合会場の地形データ、全国大会出場時よBC自由学園の車両のデータが記載されている。
「移動はバスなんですか」
みほが小さい声でつぶやいた。
「そうだ木曜夜出発後、金曜日午前中試合会場の下見、午後から試合とする。本来戦車道規則上72時間前の会場に入ることは禁止とされているが、急な試合のため特別措置として許可していただいている。なので会場の下見は効率的に行うように」
「しかしなんで今週なんです?急すぎますよ」
レオポンチーム車長のナカジマが挙手し会長に質問した。
「普通なら断る予定だったんだけどね・・・」
「ダージリンさんからの要望でもあったの」
干し芋をひらひらさせている杏の説明の代わりに柚子が補足する。
「ダージリンさんって聖グロリアーナ女学院の方ですか」
「うん。せっかく他の学園とつながる機会だし、断る理由は無かったので試合を受けることにしたの。まぁ・・・再来週にここでエキシビジョンマッチが」
「ということで全員明後日までに遠征準備とBC自由学園について調べてくるように」
柚子の言葉をさえぎるように杏が話を締めくくった。その先が気になったが杏の不敵な笑みがまともな答えが帰ってこな誘うな気がしたので、試合の詳細を少し聞いた後車長は全員生徒会室を出て行った。
残った3人特に柚子が不安そうな顔をしながら杏に訪ねた。
「言わなくてよかったんですか?」
「ふふふだって今言っても面白くなさそうでしょ」
「はは・・・そんな理由だったんですか」
苦笑いをしている柚子の横に杏は干し芋を豪快に食べていた。
◇
「以上が今週の日程だ質問のあるものは?」
同日BC自由学園でも練習試合についてアデルから説明をしている。
全員が真剣に聞いている中、一通りの説明を終えた後、質疑応答に対して1年生が女子生徒が挙手して質問した。
「あの金曜、土曜は学園祭なんですが」
「ああ土曜日は問題ないが、金曜当日の催し物の担当は後退してもらえ、学校からの許可はとってある」
わざわざ休日ではなく、平日金曜日。しかもBC自由学園はその日が最後の授業日で土曜日の学園祭最終日を最後に夏休みに入るにも関わらず、今週急いで練習試合をすることに動揺と文句の声がちらほら聞こえてきていた。
「静かに」
シャールの静かで透き通る声によってすぐに声は聞こえなくなった。
「じゃ次に大洗高校の車両とスペックと地形について説明するわ。いいわねアデル」
アデルが静かに頷くと場所をシャールに譲り壁際にもたれかかった。
シャールが映し出したスクリーンには画面半分には航空写真で真上から見た地形画像。もう半分には大洗の各チームの戦車が表示されている。
「今回は廃工場のピンゼン地帯を中心とした試合会場担っている。ルールは殲滅戦で大洗女子学園は8両なのでこちらも8両で行きます」
「ま、いつも通りね」
口を挟んだテトの言葉にシャールも「そのとおり」と頷きながら進める。
「そゆこと続いて作戦ですが、って言っても今回も通常通り基本はELCが偵察、Fochは待ち伏せ、CDCとAMX40は誘導兼挟撃の形になるわ・・・・でいいわねシャール」
「ああ」
「はい以上。じゃ最後質問ある人」
シャールが全員に確認を取ると
「はいはい。隊長のクラスは催し物って何?」
「ん?猫耳喫茶だ」
自分に対する質問だったことと戦車道とは関係の無い質問だったことから一瞬考え込むがすぐに答えた。
その答えに周囲からオーと歓声が聞こえ注目が一気にアデルへと向かった。なぜアデルは自分のクラスの催し物について答えただけで何故ここまで視線を集めているかわからなかったが、テトを含め全部員がアデルの猫耳姿を想像して興味津々だった。
「え、隊長は担当何時なんでか」
「もちろんウェイトレスですよね」
もはや収集が付かないくらいあちこちからしつもんが飛んできていた。しかし
「私は出ない」
一斉に沈黙が室内を包んだ。これまたアデルには疑問で一言目には歓声や騒ぎが起こり、二言目に皆黙ってしまった。単純に説明している分、彼女の心境が理解できていなかった。
「金曜は練習試合があるからな、中途半端に参加するのも失礼だから出ないことにした」
説明を終えた頃にはみな口を尖らせぶーぶー入っている気がした。
余談だがアデルのクラスも男子達はアデルにウェイトレスをしてもらうことをひそかに期待していたが、突然の不参加に、言い渡された当日の男子達は謎の虚無感に襲われていた
「ふふふ他に質問が無いようならミーティングは終了ね」